サイシュピール @saispiel
ブース概要
合同サークルサイシュピールです。静岡を拠点とする、 スタジオくるくる(@StudioKurukuru) 輪骨舎(@lancelot_szok) Megaromatic game(@Megalomaniac_G)の3サークルで結成しています。
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- ゲーム紹介『非実在少年少女』
- Megalomaniac Gameは2024年11月16・17日に開催される「ゲームマーケット2024秋」にて新作ボードゲーム『非実在少年少女』を販売します! この記事では今作のルールやアピールポイントを分かりやすく解説!これさえ読めば大体OKといった内容になっています。 【①基本情報】ゲームタイトル:『非実在少年少女』プレイ人数:2~5人プレイ時間:15分価格:2000円(記事中のコンポーネントはテストプレイ時のものであり、実際の製品とは異なる場合があります。ご了承ください) 【②概要】今作のジャンルは「協力型パーティーゲーム」!プレイヤー全員は協力してゲームクリアを目指します。 ゲームで重要になるのは「架空の友達(イマジナリーフレンド)」と呼称される1人の人物です。その名が示す通り、その人物は想像上の存在で、この世界に存在しません。ゲームではプレイヤーは協力して、この「架空の友達」をみんなで作り上げていくことになります。クリアのためにはプレイヤー全員がこの人物のことを深く理解することが重要になるでしょう。 とは言え、これだけでは何のことだか分かりませんので、実際のゲームの流れを解説していくことにします。 【③ゲームの流れ】ゲームは主にカードを用いて行います。準備の段階でこれらをシャッフルして山札を作ります。そしてゲームを始める前に、まずは「架空の友達」に名前を付けてこの世界に生み出してあげましょう!(名前も無いと不便ですからね)ただ、難しいことは何一つありません。先程作った山札からカードを2枚引き…… メインボードの空き枠に差し込むだけで……はい!「架空の友達」に「名前」と「年齢」が与えられ、新しくこの世に1人の人間が産まれました!(プレイヤーは名前を考える必要すらありません!)プレイヤー達はゲームを通して、更にこの人物のことを知っていくことになります。 では実際にゲームがどのように進行するのかを解説します。ゲームは主に「①君を知る」「②君を語る」「③君を想う」という3つのフェイズによって構成されます。順に見ていきましょう。 【1.君を知るフェイズ】このフェイズではプレイヤーは時計回りに手番を行います。重要になるのは「エピソードカード」と呼ばれるこのカード。これには1枚のカードに4つのエピソードが書かれています。プレイヤーは手札として2枚のエピソードカードを持っており、手番ではその中から1つのエピソードを選択します。そして選んだ「エピソード」が見えるようにメインボードの下に差し込みます。こうして差し込まれたエピソードは「架空の友達」のプロフィールに加えられます。これで1つ「架空の友達」のことを知ることが出来ました!その後手札が2枚になるように山札からカードを引いて、次の人の手番に移ります。 勿論始めは「架空の友達」についてわずかな情報しか知らないので、どのような人間かをイメージするのは難しいでしょう。しかしプレイヤー同士で互いにカードを出し合うことで、少しずつ「架空の友達」の人となりが見えてくるはずです! 既定の枚数のカードがメインボード上に出たなら「君を知るフェイズ」は終了し、次の「君を語るフェイズ」に移行します。 【2.君を語るフェイズ】このフェイズでは手番は無く、リアルタイムでゲームが進行します。とは言えここでやることもシンプル。用いるのは「質問カード」という名称のカード。ここには選択肢が2つある質問が書かれています。 フェイズの開始時、この質問カードを3枚公開し……プレイヤーは「2分間」、全員で「架空の友達」ならどちらの選択肢を選ぶかを自由に話し合います。ここで重要なのは自分の考えを押し通すことではなく、他人がどのようなイメージを抱いているのかを知り、それを共有することです。プレイヤー全員が「架空の友達」について共通の認識を持つことはクリアするのに不可欠です。自由に議論して、イメージを膨らましましょう。 「2分間」が経過したら、「君を語るフェイズ」は終了し、次の「君を想うフェイズ」に移行します。 【3.君を想うフェイズ】このフェイズでは、全員同時に手番を行います。 まずは「質問カード」の山札からカードを1枚捲り、公開しましょう。先程と同じように「架空の友達」ならどちらの選択を選ぶかを考えるわけですが、今回は相談してはいけません。今までのゲームを振り返り、最適だと思う選択肢を選びましょう。決まったら対応する「判定カード」を自分の前に伏せて置きます。全員がカードを伏せたら、同時に公開します。 全てのプレイヤーが同じ選択肢を選んでいれば大成功!最も望ましい結果です!しかし、異なる選択肢を選んでいるプレイヤーがいたなら……ペナルティとしてプレイヤー達は少数派の数に等しいライフを失います!!失敗するにしても出来るだけ失うライフが少なく出来ると良いでしょう。 この時プレイヤーのライフが0になったら即座にゲームオーバー!そうでなければ質問カードの山札が尽きるまで、これを繰り返します。 質問カードの山札が尽きた時、まだライフが残っていれば見事ゲームクリアです! 【④制作意図】今作は「特定の人に対して持っているイメージや固定観念」、いわば「偏見」や「各々の価値観」を題材にしたパーティーゲームです。こういったタイプのゲームは数多く存在していて、有名なものだと『アンユージュアルサスペクツ』、最近だと『偏見プロフィール』などがあります。実際今作のプレイ感や面白さの性質も、そのようなゲームと似たものであるのは間違いありません。こう聞くと「わざわざ同じタイプのゲームを買う必要はないな……」となる方もいるはずなので、ここでは今作がそういった既存の作品とどう差別化をしているかを解説していきます。 まず既存の作品の考察から述べましょう。いわゆる「価値観推測ゲーム」は以下の様な形式であることが多いです。 ①「特定のものに対するイメージを考える人(=親)」と「親がどのように考えたかを予想する人(=子)」が存在する。②親は「特定のもの」に対してのどのようなイメージを持っているかを考える。「特定のもの」は「存在しない人物の見た目(イラストや写真)」だったり「一緒に遊んでいる他プレイヤー」だったりする。③親は先ほどのイメージを発表し、子はそれをヒントにして親の考えを推測する。④親は正解を発表し、予想の成功失敗に応じて勝利点を得るなどの処理が入る。 ……ゲームの進行方法の違いなど、細かなバリエーションは大量にありますが、概ねこのような形式です。 そして僕はこういった形式が「クイズ」と似た構造にあると考えました。 実際に例を出して解説しましょう。「クイズ」では「出題者」が「回答者」にクイズという形で問題を出します。この時「出題者」が話すのは事前に決められた文章だけで、「回答者」側から質問などのアクションを取ることが出来ません。一方通行な関係と言えるでしょう。そして問題に対し「回答者」は考えるわけですが、基本的にクイズ中に調べたり新しいヒントを得ることは出来ないので、「回答者」は事前の知識を元に答えを考えることになります。最後に答えが発表されると、正解か否かという結果が示され、時には新しい知識を得るという面白さが得られます。 これを踏まえて既存の「価値観推測ゲーム」の形式を見ていきます。まず「親」は「子」に「お題から得たイメージ」を伝えます。基本的にこれは一度だけで、それ以降「親」は「子」に情報を伝えられず、「子」の方も親と交信することは出来ません。そして出題された後、大体のゲームでは「親がどのような価値観を持っているのか」を探ることは出来ません。そのため「子」は「自分が普通だと思っている価値観」や「事前に知っている親の情報」を元に推測を行います。答えが発表され、正解か不正解による感情の揺れ動き。時には価値観のズレが明らかになり、それを知る面白さを得られます。 こうして比べるだけで、「クイズ」と「価値観推測ゲーム」が非常に似た構造であることが見て取れます。そして似た構造であるがゆえに、「クイズ」で問題になりやすい点についても、同様にあると考えられます。 最も重要な部分は「ゲームの中で新しく情報を得ることが出来ない」という点です。そのため「クイズ」では事前に多くの知識を持っている人ほど有利です。また知識がある方が正解という成功体験を得やすいため、「クイズ」は知識を持つプレイヤーほど有利で楽しい遊びであると言えます。逆にその点が初心者にはハードルが高く、避けられる要因にもなります。 「価値観推測ゲーム」では「クイズ」のように専門的な知識は必要ありませんが、代わりに「親」のことをどの程度知っているかが重要になります。親しい関係にあれば、日常のシーンを思い返し、それら全てがヒントになるでしょう。逆に相手の事を知らなければ、薄い根拠に縋って推測をしなくてはなりません。よくこの手のゲームは「仲の良い人同士で遊ぶのがオススメ」という売り文句が掲げられることがありますが、これは逆に知らない人同士だと本領が発揮されないということを端的に示しています。 ただ僕はこういった点が致命的な問題であるとは思いません。実際クイズが面白い遊びであるのは疑いようが無いですし、「誰と遊んでもほどほどに楽しいゲーム」より「親しい人となら120%楽しめるゲーム」方が良いということもあるでしょう。またそういった無茶ぶりがゲーム全体に気楽さをもたらしていたり、他人の意外な一面を知るきっかけになったりしています。 しかし個人的にパーティーゲームは「状況を選ばず遊べて、誰とでもほどほど楽しい」方が好みです。ルールが簡単でプレイのハードルが低いことから色んな場所で遊べるのが魅力だと思いますし、「親しい人と遊ぶと楽しい」と言えども同じメンツで何度も遊ぶタイプのゲームではないですから。 そこで僕は「価値観推測ゲーム」の「面白さがプレイヤー同士の親密度に依存しすぎてしまう」部分を解決したいと考えました。 ではそのために今作はどのようなことを試みているのか。それを解説するためにゲーム中のプレイヤーの心理を想定してみます。①ゲーム開始時、プレイヤーはそれぞれ「架空の友達」に対してバラバラの人物像を抱いている。②プレイヤーAが自分のイメージにピッタリ合う「エピソードカード」をプレイする。③他プレイヤーはそれを見て、プレイヤーAが想定しているであろう人物像を推測する。④自分の想定している人物像とピッタリ合っているなら問題なし。もしズレていると感じるなら自分のイメージに修正を加える。⑤修正したイメージを元に次のプレイヤーはまた「エピソードカード」をプレイする。⑥この③~⑤を何度も繰り返すことで、全員で共通認識を作り上げていく。 重要なのはプレイヤーが「親」と「子」という一方通行の関係ではない点、そしてカードを用いることで互いに意思疎通が取れる点です。ゲーム中では「自分のイメージを相手に伝える機会」、「相手のイメージを推測する機会」、「自分のイメージを修正する機会」が何度も与えられます。このため互いに面識が無いもの同士でも、ゲームの中で相手がどう考えているのかを知ることが出来るし、逆に自分がどう考えているかを伝えることが出来ます。勿論親しい人同士の方が意思疎通は取りやすいでしょうが、初対面同士であっても比較的ゲームが楽しみやすいようになっているはずです。 少し長くなったので話をまとめます。前述の通り、既存の「価値観推測ゲーム」は「クイズ」と似た構造のものが多くありました。しかし今作の「カードという限られたツールを用いて互いに意思疎通を取り合い、少しずつ共通認識を作り上げていく」という遊びは、どちらかといえば「制約がある中で意思疎通を取り合う」、いわゆる「コミュニケーションゲーム」に近い構造になっています。 「価値観」や「偏見」という題材に対して、「クイズゲーム」的なアプローチを取るのか、「コミュニケーションゲーム」的なアプローチを取るのか。違いといえばそれだけのことですが、同じようでちょっと異なるプレイ感を味わえるゲームに仕上がっているはずです。 【⑤どこでも誰とでも、テンポよく遊びやすく】そして今作についてもう1つだけ言及したいこと、それは「誰とでも遊びやすいゲーム」を目指して制作したということです。互いに面識がない人同士でも遊びやすく、という点は先ほど長々述べましたが、それ以外にもボードゲームに馴れていないプレイヤーが遊びやすい作りを意識しています。 例えば「君を知るフェイズ」では手札の限られたエピソードの中から選択する事しか出来ませんし、「君を想うフェイズ」では常に2つの選択肢のどちらかを選ぶだけです。また「名前」と「年齢」といった一見みんなで話し合って決めた方が楽しそうな要素さえ、プレイヤーに選択する余地はありません。 こういった作りはゲームに慣れているプレイヤーにとっては物足りなく感じるかもしれません。この手のゲームによく見られる「自由回答」のゲームはプレイヤーに無限の選択肢を与え、またデジタルでは実装が難しいことからアナログゲーム特有の楽しさを秘めています。実際プレイヤーに要求するスキルが高いほど、それが上手く行った時の快感も増すことでしょう。しかし同時にプレイするハードルも上がってしまいます。 そういった中で僕が最も恐れたのは、慣れていないプレイヤーが膨大な選択肢に思考が停止し、ゲームが停滞してしまうことでした。ダウンタイムの問題はどんなゲームにもついて回るものですが、そもそものゲーム時間が短いパーティーゲームにおいてこれが起きてしまうのは本当に致命的で、ゲームの印象が極端に悪くなってしまいがちです。これが起きるのを防ぐために、勿論ある程度の悩ましさは保ちつつも、出来るだけ選択肢を減らすことを心がけました。そのおかげで誰と一緒でも、テンポ良くストレスなく遊べるパーティーゲームになっていると思います! 【⑥まとめ】……以上が新作『非実在少年少女』の紹介でした。今作は新規性があるゲームというよりは、しっかりとした面白さがあるパーティーゲームを目指して制作しました。そのため説明だけでは少し地味に見えるとは思いますが、誰とでも遊べる良いゲームだと思います!良ければプレイしてみてください! 冒頭に述べた通り、今作は11/16-17に開催される「ゲームマーケット2024秋」にて販売されます。場所は「土N-20:サイシュピール」ブースです。販売は土曜のみなので注意してください! もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は是非足を運んでみてください!よろしくお願いします! それではここまでお読みいただきありがとうございました!
- 2024/11/5 16:22
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- ゲーム紹介『バザールの商人たち』
- Megalomaniac Gameは2024年4月27・28日に開催される「ゲームマーケット2024春」にて新作ボードゲーム『バザールの商人たち』を販売します! この記事では今作のルールやアピールポイントを分かりやすく解説! これさえ読めば大体OKといった内容になっています。 【①基本情報】 ゲーム名:『バザールの商人たち』 プレイ時間:10分 プレイ人数:6~7人 価格:1500円 【②作品のテーマ】 今作の舞台は「バザール」! バザールとは中東や中央アジアにある「市場」のことで、その語源は「物の値段の決まる場所」という言葉から来ていると言われています。 実際バザールでは物の値段が決まっていないのが普通で、買い手と売り手で価格交渉をするのが一般的です。そのためバザールでは商人たちが大きな声を出して客を引き留め、沢山の取引を行ってきました。 そしてプレイヤーもここに生きる「バザールの商人」の1人となり、この熱狂の渦に飛び込むことになるのです! 【③交渉×セットコレクション】 次に具体的なゲーム内容を紹介しましょう! 今作『バザールの商人たち』の基本的なシステムは【交渉】×【セットコレクション】です。 ゲームでは【商品カード】といったものが登場し、プレイヤーはこれを集めることになります。 商品は全部で9種類あり、それぞれ枚数や得点効率が異なるなど特徴が存在します。 そのためプレイヤーは手札を見て、「どの商品を集めるか」をよく考える必要があるでしょう。そしてカードを集めるためには他プレイヤーとの「交渉」が不可欠です!互いにいらないカードを提示して上手く商品を集めましょう! ……と、これだけだと何の変哲もない交渉ゲームのようです。実際「交渉」×「セットコレクション」という組み合わせは、『ピット』や『ボーナンザ』といった古いゲームでも良く見られる構造で、それ自体に目新しさがあるものではありません。 そこで!今作はこの古典的な交渉ゲームの構造に「役職」と「ロールプレイ」という2つの要素を取り入れることで捻りを加えています。 【④ゲームの流れ】 今作で重要なのがゲームをプレイする場所です。この「場所」という要素が今作ではとても重要です。 なぜなら今作は通常のボードゲームのように「テーブルの上でプレイする」のではなく、「実際に歩いて交渉を行う」ゲームだからです。 これは「マーダーミステリー」の調査フェイズやシド・サクソンの『ハグル』などを思い浮かべて貰うとイメージしやすいかと思います。 これらのゲームではプレイヤーは自由に歩き回りながら、情報を集めたり、交渉でカードを交換したりします。今作も同じように、ある程度の空間の中でプレイヤーは実際に歩き回り、交渉を行うことになるのです。 では実際のゲームの流れを見ていきましょう! まず今作には「行商人」と「露天商」といった2つの役職が存在します。 プレイ人数によってどの役職が何人いるのか決められているので、それに沿ってプレイヤーはゲーム開始時にどちらの役職を担当するかを決めます。そしてプレイヤーは山札から決められた枚数のカードを引き、初期手札とします。 手札が配られたのち、「露天商」のプレイヤーは自分がどの場所でゲームをプレイするかを決めます。これは露天商が自分のお店をその場所で開くことを意味しています。 そのため「露天商」はこの時決めた場所からゲーム中一切動くことが出来ません。また各「露天商」は離れた位置にいても構いませんし(遠すぎるとプレイが困難になりますが、立った状態でプレイしても構いません。全ての「露天商」が場所を決めたらゲームが始まります。 ゲームは主に前半戦と後半戦の2ラウンドで構成されます。 ラウンド開始時にタイマーをセットし、それが鳴るまでプレイヤーは何回でもカードの交換や交渉を行うことが出来ます。 ただ前述の通り、「露天商」はゲーム中動くことが出来ません。そのため交渉を持ちかけるのはもう1つの役職、「行商人」の仕事です。「行商人」は「露天商」と異なりゲーム中自由に歩くことが出来ます。実際に「露天商」のもとへ足を運び、交渉を行いましょう。 交渉では基本的に制約は無く、両者が合意すればどのような形でもカードを交換することができます。そして取引を終えたら、行商人は露天商のもとを離れ、また別の露天商へと足を運びます。 そう、この一連の流れは現実のバザールを限りなく再現しています プレイヤーは自分がバザールにいるかのような気分でゲームを楽しむことが出来るでしょう。 このような流れを2ラウンド行った後、自分の役職に応じた得点計算に移ります。 もしあなたが「行商人」ならば勝利点を得る方法は「セットコレクション」です。 商品カードにはそれぞれ何枚で何点になるのかが書かれているので、これに参照して勝利点を得ます。 例えば上の「⑮シルク」なら3枚で3点、5枚で5点、7枚で9点!といった感じ…… 全ての商品で点数化を行い、合計点が最終的なスコアになります! 対して役職が「露天商」なら勝利点を得る方法は「マジョリティ」になります。 ゲーム終了後、各「露天商」は特定の商品カードを何枚持っているかを比べ合い、その順位によって勝利点を得ます。 例えば上の「⑪ガラス」なら最も多く集めた人は6点、2位は3点といった感じ…… そのため「露天商」は出来る限り少ない枚数で1位や2位を狙うのが非常に重要になってきます。このマジョリティ勝負を全ての商品で行い、合計点が最終的なスコアになります。 そして得点計算において重要なルールがもう1つ! 「行商人」と「露天商」の目的は「同じ役職の中で一番勝利点を得ること」なのです。 つまり「行商人」と「露天商」という役職の異なるプレイヤー同士で勝敗がつくことはありません。それぞれの役職で一番多く勝利点を得たプレイヤー2人がゲームの勝者になります! 【⑤アピールポイント:役職によって生み出されるストレスのない交渉】 今作における重要なルールは「交渉は役職の異なるプレイヤーとしか行うことができない」、「プレイヤーは自分の役職の中で1位を獲ること目指す」という二つです。二つのゲームが同時に進行するかのようなこの奇妙な構造によって、今作は従来の「交渉ゲーム」が抱える問題を解決しようとしています。 従来の「交渉を用いるゲーム」において、交渉は基本的には「WIN-WIN」のアクションであることが多いです。この「自分と相手が互いに利益を得る」というのは交渉を発生させやすくするなどの効果がありますが、同時に問題を引き起こす原因にもなっていました。 例えば自分が負けている時は逆転するのが困難だったり、不用意な交渉によって自分の利益より相手が遥かに大きな利益を得ることになったり、その結果キングメイカーが発生したり。従来の「交渉ゲーム」ではそういった部分でゲームが壊れたりストレスが発生する可能性がありました。 そしてこれらの問題は「両者が互いに利益を得る」ことが原因ではなく、「交渉相手が倒すべき敵である」という部分にあると自分は考えました。 そこで今作『バザールの商人たち』では「行商人」と「露天商」という二つのゲームに分離することで問題の解決を試みています。 今作における交渉相手は「敵」ではありません。交渉の結果、相手が大きな徳をすることになってもあなたの勝敗には関係しないのです。このため従来の交渉ゲームにありがちな「相手が得するのをどう防ぐか」を考える必要はなく、交渉の楽しい部分だけをストレスなく味わえるようになっています。 これが今作の最大のアピールポイントです。 【⑥アピールポイント:ロールプレイによって高まる面白さ】 そしてもう1つのアピールポイントは「ロールプレイ」です。 「ロールプレイ」という言葉は「想像上のある役柄を演じること」という意味で、アナログゲームではTRPGやマーダーミステリーでよく使われています。 しかしこの「何かになりきる」という遊びは、ゲームだけに留まるものではありません。日常の中でも沢山の人たちがそれを楽しんでいます。 例えばディズニーランドなどのテーマパークで世界観を再現した建造物の中に入れば、まるで自分がその世界に迷い込んだ感覚になるでしょう。映画やアニメの舞台となった場所を巡る聖地巡礼は、これもまた自分がその作品の中にいるような気分を味わえます。有名人が食べているものと同じものを食べる時は、自然とその時の情景が頭に浮かび、より満足度が上がることもあるでしょう。 こういった事象だけでなく、「何かになりきる」という遊びは日常に根付いており、意識せずとも沢山の人がそれを楽しんでいます。 つまり「ロールプレイ」は、ゲーム的な楽しさとはまた異なり、普遍的な楽しさがあるのだと僕は考えています。 そしてこの「ロールプレイ」の楽しさをゲームに落とし込もうとするなら、デジタルゲームよりアナログゲームの方が向いているでしょう。何故なら「ロールプレイ」は行われる場所がより現実に近い方がより強い体験になるからです。 勿論「デジタルゲーム」でもロールプレイの楽しさにフォーカスしたものは多くあります。 しかしデジタルゲームは全てが画面の中で完結し一人で遊べるのに対して、アナログゲームは現実の世界で行われ誰かとプレイするのが一般的です。重要なのは「他人が同じ場にいる」という点で、アナログゲームではプレイヤーは自分がどうしたいかを考えるだけではなくそれを自分の口から相手に伝えなければいけません。 こういった自分の言葉で意思を示す、リソースを得るために実際に手を伸ばすといった部分は面倒臭さもありますが、ロールプレイの楽しむ上では非常に重要でしょう。 そこで今作『バザールの商人たち』では、このロールプレイの楽しさをより追及しようと考えました。空間の中にお店を模した「露天商」がいて、「行商人」が実際に歩いてそれを回るという構図により現実のバザールを限りなく再現しようとしています。 こういった要素はゲームの戦略的面白さを高めることはないでしょう。しかしこれにより「ロールプレイ」の楽しさがより強調され、体験としては強烈で面白いものになっているはずです。 またあくまで今作は「ロールプレイ」自体を楽しむというよりは、体験を向上させるスパイスとして用いています。ですからロールプレイを強要される、無理に演技をしなくてはいけないとか、そういうことは一切ありません。ルールに則って遊ぶだけで自然と「ロールプレイ」的な楽しさを味わえるといったつくりなので、「ロールプレイ」というものに苦手意識がある方にも遊びやすい作品です。 【⑦まとめ】 以上が新作『バザールの商人たち』の紹介でした。 冒頭に述べた通り、今作は4/27-28に開催される「ゲームマーケット2024春」にて販売されます。 場所は「土L-33:サイシュピール」ブースです。販売は土曜のみなので注意してください! 価格は1500円。それなりにお求めやすい価格です。 もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は是非足を運んでみてください!よろしくお願いします! それではここまでお読みいただきありがとうございました!
- 2024/4/16 4:17
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- ゲーム紹介「ハイスコアラー1986」
- Megalomaniac Gameは2023年12月9・10日に開催されるゲームマーケット2023秋にて新作ボードゲーム『ハイスコアラー1986』を販売します! この記事ではこの新作のルールや推しポイントを分かりやすく解説! これさえ読めば大体OKといった内容になっています。 さあ、前置きはこのくらいにして詳しいゲームの解説に行きましょう! 【①基本的なスペック】 ゲーム名:『ハイスコアラー1986』 プレイ時間:15分 プレイ人数:3~99人 価格:2000円 『ハイスコアラー1986』は対戦型ボードゲームで大体1プレイ15分程度で終わる、所謂「軽ゲー」と呼ばれるタイプのゲームです。 特筆すべきはそのプレイ人数! なんと3人以上だったら何人でも同時に遊ぶことが可能です。 実際にはスペースの問題で99人で遊ぶのは厳しいでしょうが、大人数で遊ぶことが出来るというのは今作の1つ大きな推しポイントですね。 【②作品のテーマ】 今作は「1980年代のアーケードゲーム」がテーマのゲームです。 1980年代はあの有名な「ストリートファイターⅡ」もまだ無く、対戦格闘ゲームの爆発的なブームも訪れていません。どちらかといえば対戦ゲームより1人用ゲームでハイスコアを目指す「スコアアタック」のような遊び方が主流の時代でした。 そんな中自然とアーケードゲームに熱中する人々は、誰よりも高いスコアを叩き出すことを目指すようになっていきます。彼らは「ハイスコアラー」と呼ばれ、次第に1つのお店の中だけでなく、ゲーム雑誌で専用のコーナーが組まれるほどになり、ハイスコア獲得という遊びは全国に広がっていきました。 (タイトルにある「1986」という年は、あの有名な「ゲーメスト」が刊行した年です) 家でオンライン対戦が出来る今では想像しにくい遊び方ではあるかもしれませんが、不便な時代だからこそ成立する楽しさがあったのでしょう。 今作ではその時代にあった「熱」に注目し、その楽しさを再現しようとしました。 【③ゲームの特徴】 『ハイスコアラー1986』で最も特徴的な部分は「スコアラー」と「観客」という2つの立場が存在し、プレイヤーはどちらかを担当することになるところです。 「スコアラー」か「観客」、どちらを担当するかでルールや行えるアクションは異なってきます。それこそ「全く違うゲームをプレイする」と言っても過言ではありません! それを説明するために、ひとまず「スコアラー」のプレイヤーのルールについて見ていきましょう 【④スコアラーのゲーム】 プレイヤーの内、誰か1人が「スコアラー」を担当します。何人でプレイしようと(3人でも、99人でも!)、「スコアラー」になるプレイヤーは必ず1人だけです。 そして「スコアラー」になったプレイヤーは、「ダイスとカードを用いたシンプルなソロプレイ専用ゲーム」に挑戦します! 「スコアラー」のゲームで重要になるのは「プレイカード」と呼ばれるマークの描かれた全64枚のカードです。 ゲームでは8種類のマークが登場し、「スコアラー」は効率よくこれらを集めていくことで得点を獲得していくことになります。 では次に実際のゲームの流れを見ていきましょう。 「スコアラー」のゲームは「手番」が存在し、ラウンド終了条件を満たすまで何度もこれを繰り返し行っていきます。(手番といってもソロプレイ用ゲームなのでひたすら1人で繰り返すことになります) 手番開始時、「スコアラー」はラウンドの山札から3枚カードを引き、用意された「プレイヤーボード」上部に左詰めで配置していきます。 (プレイ風景のサンプル) その後、「スコアラー」は公開された3枚のカードに対して1回だけアクションを行います。「スコアラー」のアクションは3種類あり、適切なアクションを選択する必要があるでしょう! ベーシックなアクションは「価値の高いカードを取る」と「価値の低いカードを取る」の2つです。「プレイカード」にはカード下部にダイスのイラストが描かれており、これがそのカードの価値を示しています。 価値は1~4まで存在し、この値がアクションの内容に大きく関わります。 「価値の高いカードを取る」では3枚のカードの中で最も価値の高いカード1枚だけを獲得し、他を捨て札にします。逆に「価値の低いカードを取る」では3枚の中で最も価値の高いカードだけを捨て札にして、他の2枚を獲得します。 例えば上の画像では「価値の高いカードを取る」を選択したなら、中央のカード1枚だけを獲得しますし、「価値の低いカードを取る」を行えば両端の2枚が獲得できます。 しかし「公開されたカード全て欲しい!1枚も逃したくない!」という状況がいつかやってくるでしょう。そんな欲張りなプレイヤーのためにあるのが3つ目のアクション、「チャレンジ」です。 「チャレンジ」を選択したなら「スコアラー」はダイスを2つロールします。 そして2つのダイスの合計値が、今回公開された3枚のカードの価値の合計値(上記の画像だと8!)を超えていれば、見事「チャレンジ」は成功です。 「スコアラー」は3枚のカード全てを獲得することが出来ます(最高‼最高‼) 逆にもし合計値以上を出すことが出来なければ?もちろん「スコアラー」はその代償を払う必要があります。失敗した場合、「スコアラー」は3枚の中で最も価値の低いカード1枚しか獲得出来ません…… つまりチャレンジは文字通りハイリスクハイリターンのアクションなのです。 上記3つのアクションから1つを実行し、まだラウンドの山札があるならこれを繰り返します。山札が尽きたなら1ラウンド終了。次のラウンドに進みましょう。 4ラウンドが終了したなら、得点計算に移ります! 「スコアラー」が獲得したカードは上記のように並べられていくのですが、どのマークをいくつ獲得したかが非常に重要になります。基本的には同じマークを沢山集める程、得点が獲得できます。またある程度、全てのマークを一定数集めることでもボーナス点が貰えます! 特化して集めるか、満遍なく集めるか、これもまた悩ましい選択になるでしょう。 そうして算出されたものが今回の「スコアラー」のスコアになります。 ゲームが終了したなら、今回のスコアを付属の「スコアボード」に記録しましょう! 「スコアラー」はプレイした日付、名前(アルファベット3文字で‼)、今回のスコアを「スコアボード」に書き込みます。色んな人が何度もプレイする事でどんどん記録が蓄積されていくので、今回の自分のスコアが何位なのか確認して楽しむことが出来ます。 そしてもしあなたが圧倒的な「ハイスコア」を叩き出すことが出来れば、その偉業は「スコアボード」上で永遠に語り継がれることになるでしょう! 全員の記憶に残る「ハイスコア」樹立を目指してください! ……と、これがざっくりとした「スコアラー」の概要です。 ここまで読んで分かる通り、「スコアラー」のゲームはそれだけで完結しており、本当にソロプレイ専用ゲームをプレイするといった感じになっています。 しかし『ハイスコアラー1986』は3~99人までプレイできる多人数ゲームという話でした!それでは他のプレイヤーは一体何をするのでしょうか? そこで重要になるのがもう1つの立場、他全てのプレイヤーが担当する「観客」という立場なのです。 【⑤観客のゲーム】 『ハイスコアラー1986』では「スコアラー」ではない全てのプレイヤーは「観客」という立場を担当します。 「観客」たちは「スコアラー」のファンであり、自分の事を最も熱狂的で優秀なファンだと信じ切っています。そしてそれを証明するため、1つのゲームを始めました。 それは「スコアラー」の行動を予想するというゲームです。 もし「スコアラー」のことをよく理解しているなら、彼がどのようなプレイをするのかも分かるはずだ‼その論理が正しいかは疑問ですが、とにかくファンの威信をかけたゲームが始まりました! 「観客」の目標は「スコアラー」の行動を予測し、他のどの「観客」よりも高得点を獲得し、自分が最も熱狂的で優秀なファンだと証明することです。 ……というのがゲームの簡単な背景。 つまり「観客」は文字通りスコアラーのゲームを「観戦」しながら、「スコアラーがどのマークをいくつ獲得するか」を予想しなくてはなりません。 この「1人がソロゲーをプレイし、他のプレイヤー全員でそれを観戦する」という構図が、『ハイスコアラー1986』の最も特徴的な部分だと言えます! では実際にゲームの流れを解説しましょう! まず全ての観客は下記の「プレイシート」とペン1本を受け取ります。 そして「スコアラー」が席に着き、全ての「観客」が「スコアラー」の盤面を目視できる位置に着きましょう。もしテーブルに十分なスペースが無いのなら、「観客」は立ってプレイすることも可能です(それこそアーケードゲームのギャラリーのように‼) 準備が出来たら「スコアラー」がゲームを開始します。 ひとまず「観客」はその動向を注意深く見守りましょう。 しかしただ観戦するだけでなく、「観客」は適切なタイミングでアクションを行う必要があります。手番という概念が存在した「スコアラー」と違って、「観客」はラウンド中であればいつでもアクションを行うことが出来ます(つまりリアルタイム要素がある) つまり「スコアラー」がどのくらいのスピードでゲームをプレイしているか、どのくらいでラウンドが終了するかをきちんと把握するのも重要になってくるでしょう。 そして「観客」は各ラウンドで決められた回数だけ「結果の予想」というアクションを行うことが出来ます。これは最終的に「スコアラー」がどのマークをいくつ獲得するかが重要になります。 実際のアクションの流れは以下の通りです。 「プレイシート」上部にはアクションボックスと呼ばれるスペースがあり、これはそのラウンドで行えるアクション数を示しています。チェックを入れていないボックスがまだあるなら、その回数分アクションを行うことが出来ます。 ひとまず「観客」はアクションをするぞ!と決めたらアクションボックスにチェックを入れます。 その後、どのマークについて予想をするかを決めましょう。 マークは全部で8つあり、それぞれのマークについて1回だけしか予想を行うことが出来ません。「スコアラー」が獲得したカード、捨て札にしたカードを参考に予想するマークを選びましょう。 例えば今回は「ボム(Bomb)」のマークが7回出ると予想することに決め…… このようにBの欄の7のスペースに〇をつけました。 これは「Bが7つ出ると予想した」ことを示しており、「スコアラー」が最終的にBのマークを7つ獲得すれば予想は成功し、プレイヤーは勝利点を獲得することが出来ます。 基本的に「観客」が行えるアクションはこれだけです! そして「スコアラー」がゲーム終了したと同時に「観客」たちも点数計算を行います。 全ての「観客」が得点を発表しあい、最も高いスコアを獲得したプレイヤーが勝者になります。 「観客」のゲームの流れは概ねこんな感じ。 つまり「ソロゲー」を対象に「競馬」のように結果を予想するゲーム、といった感じなわけです。「観客」のやることはとてもシンプルですが、これにいくつかの制約と選択肢が加わることでゲームがより悩ましいものになっています。 例えば制約という点では、「観客」が予想するタイミングが挙げられます。 今作は結果を予想をするゲームなので、予想を行うのは情報が出揃っている方が、つまり後に行う方が的中率が高くなります。しかしアクションの回数はラウンドごとに決められており、それを持ち越すことが出来ないため、プレイヤーはある程度早いタイミングでいくつか予想を行う必要があります。 またラウンドの最後にまとめて予想を行おうと思っても、意外とあっという間にラウンドが終了してしまい、焦って考えがまとまらない!という状態も起こります。 この時間の制約がゲームをより難しく、悩ましいものにしています。 またプレイヤーの選択肢という点では予想の方法が挙げられます。 先程予想を行う際、数字の書かれたスペースに〇をつけると説明しましたが、この時連続する数字(3・4・5のような)であるなら、3つまでのスペースに〇をつけても構いません。 例えばこれはD(Diamond)の予想で「4・5・6」の3つのスペースに賭けていることを示しています。この場合、「スコアラー」がDのマークを獲得した数が4~6の範囲に収まれば見事正解となり、点数を獲得できます。 ただしこれは良いことばかりではありません。 広く予想を行った場合、獲得できる点数は少ないものになります。 そのため「観客」は広く予想を行いひとまず点数を取るか、リスクを負って狭く予想するかの選択を求められることになります。また予想が的中した数によってボーナス得点が獲得できるのも悩ましいところです。 「観客」は「スコアラー」の動向を見ながら、迅速にこの判断を行う必要があるでしょう! そして最後に1つ、『ハイスコアラー1986』の特徴的なルールとして「スコアラー、観客問わず自由に声を掛けて良い」というものがあります。 これは「スコアラー」への応援といったものだけでなく、ゲームに関するアドバイスのようなものさえ許されます‼もちろん最終的な決定権は「スコアラー」にあり、強制力を伴うものではありません。 しかし「観客」は「スコアラー」に声を掛けることで予想の的中率がほんの少し高くなるかもしれません。ゲーム中、時には応援し、時には軽く野次を飛ばしながら自分の予想が的中することを祈りましょう‼ (注:もちろん「スコアラー」の選択を責めたり、失敗を強く非難するような発言は絶対に禁止です‼) 【⑥今作のおすすめポイント】 さてゲーム自体の説明は以上です。 では次に今作の推しポイントを2つに絞ってオススメしたいと思います。 【おすすめポイント①:2つの立場が生み出す独特のゲーム体験】 今作は1人の「スコアラー」のプレイを、沢山の「観客」が見るという変わった構造のゲームです。必然的に「自分のプレイを沢山の人に見られる」「複数人が同じ空間で同じものを見る」という状況が発生し、これが他のゲームには無い体験を生み出します。 「スコアラー」の「沢山の人に見られながらゲームをする」という状況は、ソロプレイのゲームであまり味わえない緊張感を与えてくれます。また他プレイヤーの期待を背負ってゲームに挑む、自分の選択やダイスの目に「観客」が一喜一憂するというシチュエーションは貴重で、他では得難い体験と言えるでしょう。 また「観客」の「全員で1人のプレイを観戦する」という状況は、卓全体に一体感を生み出します。今作は「観客」同士が邪魔したり、影響したりという所謂インタラクションはほぼありません。しかし全員で同じものを見る、「スコアラー」の選択に目を光らせる、成功や失敗に声を漏らすといった空間を「観客」が共有することで、ソロプレイ的でないゲーム体験を全員で味わう事が出来るはずです。 この「スコアラー」と「観客」の関係が生み出す独特のゲーム体験が今作の最もオススメしたいポイントになっています! 【おすすめポイント②:プレイのしやすさ】 そしてもう1つのおすすめポイントは何と言っても「プレイのしやすさ」です。 今作は3人以上であれば何人でも遊べる上、1プレイが15分程度と非常に短いので、とてもプレイしやすいゲームになっています。 そのためオープン会などで人数があぶれて時間調整を行いたい時などのゲーム(つまりフィラー)として非常に優秀です。そういった場でゲームをする機会が多い方にとっては今作は良い選択肢になるのではないでしょうか。 もちろん人数が多くなければ楽しくないというわけではなく、最低プレイ人数の3人でもしっかり楽しめる点も推しポイントの1つです。ひとまず1つ買って遊んでみるか……と軽い気持ちで手を出しやすいゲームになっています! 【⑦まとめ】 以上が新作『ハイスコアラー1986』の紹介でした。 価格は2000円。それなりにお求めやすい価格です。 もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は是非ブースまで足を運んでみてください! それではここまでお読みいただきありがとうございました。 是非当日ブースにてお会いしましょう!
- 2023/11/26 13:37
- サイシュピール
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- ヒキダス文明誕生のヒミツ
- こんにちは。 輪骨舎のやまざきおさむです。 今回は、ゲームマーケット2023春で発売する「ヒキダス文明」がなぜ生まれたかについてご紹介します。 私は普段、ゲーム制作だけでなく、ボードゲーム会の主催者としても活動しています。 ゲーム会の主催は2016年からで、地元の静岡市でやっています。ツイッターアカウントは輪骨舎と共通です。 つい最近までは、参加者のほとんどが普段からボードゲームで遊んでいる人たちだけのゲーム会を開催していました。 皆さんでゲームを持ち寄り、各自があそびたいゲームをインストし、一日中遊ぶような会です。 そして、今年(2023年)に入って、あることがきっかけで開いたゲームかいがあります。 このゲーム会は、参加者皆さんがボードゲームなどやったことの無いような、初心者の方達です。 年齢も幅広く、時間も2時間程度と短めです。 経験者ばかりのゲーム会に慣れた私ですが、このゲーム会はそんな初心者の方達に、本格的なボードゲームを遊んでもらうきっかけになれば、と思いはじめました。 規模は最大でも12名程度ですが、主催の私以外には「誰もルールを知る人がいない」ことや、「そもそもボードゲームをやったことないから、理解しづらいことが多い」ことなど、想定を超える運営の難しさに悩まされていました。 ゲーム会の最後には、毎回簡単なアンケートを書いてもらっているのですが、そこでこんな意見をいただきました。 『自己紹介の時間が欲しい』 正直なところ、こんな簡単なことをやっていなかった自分に驚き、悔しくなりました。 普段開いているゲームは、まぁ顔見知りな方が多いのもありますが、名札を見れば名前はわかるし、それよりボードゲームを遊びたい!という気持ちが強すぎて、ろくに自己紹介などしたことなかったのです。 そんなわけで、自己紹介の時間を作ろうと思ったわけですが、ボードゲーマーの性か、ゲーム製作者の性か、「これゲームにしちゃえば良くない?」となったのです。 ゲーム内容を見て貰えばわかりますが、「ボブジテン」や「ガムトーク」などがアイデアのベースです。 「ガムトーク」のように、会話のツールとして作っても良かったのですが、せっかくなので勝敗のあるゲームにしたいと考えました。 人狼ゲームのような正体隠匿にしたり、自分だけに与えられたお題を会話の中に混ぜ込むようなものも考えましたが、ここでも浮かび上がるのは、これを遊ぶのは初心者だ、ということでした。 極力簡単な方向に、なるべくルールを無くしていった結果、今の形で落ち着きました。 ポイントとして、ゲームの大部分が遊ぶプレイヤーに任されていることです。 テストプレイ時に浮かび上がった問題点として、会話が盛り上がりすぎてプレイ時間が長くなることがありました。 もちろん初対面同士でやれば、盛り上がらないことも想定できます。 その、どちらにも対応できるようなルールを、ヴァリアントも含めて入れました。 最終的なおすすめの紹介も、今までの自己紹介に関係あってもなくても良いようにすることで、なるべく悩み込んでしまうことを減らすようにしました。 また、ポイントを宝石でやり取りすることで、わかりやすさもそうですし、「〇〇さんが良かったです」などと言いながら遊べるような、小さいコミュニケーションのきっかけを作りたいと考えました。 あわよくば、誰かと共通の話題を持つことで、その後の別のゲームの時にも会話が生まれれば…。 あわよくば、〇〇好きなら今度〇〇を食べに行きませんか?〇〇の美味しいお店知ってますよ!なんてやり取りが生まれないかな…なんて。 僕個人としては、ただただゲームがやりたいだけなんですが、意外とそうじゃない人もいるわけで。 ボードゲーム会を通して、新しいものを見つけて欲しい、そんなきっかけになって欲しいです。 ちなみに、よく行くボードゲームカフェの常連さんたちと遊んだ時も、意外な一面が見られなり、マジでおすすめなもの紹介してもらえていっぱいメモしちゃったり。ふつーに1時間以上ひたすら会話が続く場が生まれました。 いやでも自己紹介にそんなに時間かけたら、他のゲームできなくなっちゃうよ!って、変なジレンマに悩まされたりしました。
- 2023/4/24 1:31
- サイシュピール
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- 神田右京
- スタジオくるくるで活動中。 静岡県在住。 2021年 ホシノトレイン HOSHiNOTRAiN ジャンル:ファミリー向けバッティングすごろくゲーム 2020年 ゆびリンピック 子どもの本とおもちゃ 百町森から出版 2020年 ディスクッブ Diskubb ジャンル:木製おはじきアクションゲーム 2019年 くるリッチ Kururich ジャンル:記憶と探り合いのカードゲーム 2018年 FINGER OLYMPICs ゆびリンピックの海外版 Broadway Toys Limitedから出版 2017年 ゆびリンピックICE YubiLympicICE ジャンル:ジェスチャーゲーム 2017年 ゆびリンピック YubiLympic ジャンル:ジェスチャーゲーム 2016年 オクタゴン OCTAGON ジャンル:2人用ストラテジーゲーム
- 2021/11/4 22:01
- サイシュピール
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