サイシュピール @saispiel
合同サークルサイシュピールです。静岡を拠点とする、 スタジオくるくる(@StudioKurukuru) 輪骨舎(@lancelot_szok) Megaromatic game(@Megalomaniac_G)の3サークルで結成しています。
- ゲーム紹介『バザールの商人たち』
- 2024/4/16 4:17
Megalomaniac Gameは2024年4月27・28日に開催される「ゲームマーケット2024春」にて新作ボードゲーム『バザールの商人たち』を販売します!
この記事では今作のルールやアピールポイントを分かりやすく解説!
これさえ読めば大体OKといった内容になっています。
【①基本情報】
ゲーム名:『バザールの商人たち』
プレイ時間:10分
プレイ人数:6~7人
価格:1500円
【②作品のテーマ】
今作の舞台は「バザール」!
バザールとは中東や中央アジアにある「市場」のことで、その語源は「物の値段の決まる場所」という言葉から来ていると言われています。
実際バザールでは物の値段が決まっていないのが普通で、買い手と売り手で価格交渉をするのが一般的です。そのためバザールでは商人たちが大きな声を出して客を引き留め、沢山の取引を行ってきました。
そしてプレイヤーもここに生きる「バザールの商人」の1人となり、この熱狂の渦に飛び込むことになるのです!
【③交渉×セットコレクション】
次に具体的なゲーム内容を紹介しましょう!
今作『バザールの商人たち』の基本的なシステムは【交渉】×【セットコレクション】です。
ゲームでは【商品カード】といったものが登場し、プレイヤーはこれを集めることになります。
商品は全部で9種類あり、それぞれ枚数や得点効率が異なるなど特徴が存在します。
そのためプレイヤーは手札を見て、「どの商品を集めるか」をよく考える必要があるでしょう。そしてカードを集めるためには他プレイヤーとの「交渉」が不可欠です!互いにいらないカードを提示して上手く商品を集めましょう!
……と、これだけだと何の変哲もない交渉ゲームのようです。実際「交渉」×「セットコレクション」という組み合わせは、『ピット』や『ボーナンザ』といった古いゲームでも良く見られる構造で、それ自体に目新しさがあるものではありません。
そこで!今作はこの古典的な交渉ゲームの構造に「役職」と「ロールプレイ」という2つの要素を取り入れることで捻りを加えています。
【④ゲームの流れ】
今作で重要なのがゲームをプレイする場所です。この「場所」という要素が今作ではとても重要です。
なぜなら今作は通常のボードゲームのように「テーブルの上でプレイする」のではなく、「実際に歩いて交渉を行う」ゲームだからです。
これは「マーダーミステリー」の調査フェイズやシド・サクソンの『ハグル』などを思い浮かべて貰うとイメージしやすいかと思います。
これらのゲームではプレイヤーは自由に歩き回りながら、情報を集めたり、交渉でカードを交換したりします。今作も同じように、ある程度の空間の中でプレイヤーは実際に歩き回り、交渉を行うことになるのです。
では実際のゲームの流れを見ていきましょう!
まず今作には「行商人」と「露天商」といった2つの役職が存在します。
プレイ人数によってどの役職が何人いるのか決められているので、それに沿ってプレイヤーはゲーム開始時にどちらの役職を担当するかを決めます。そしてプレイヤーは山札から決められた枚数のカードを引き、初期手札とします。
手札が配られたのち、「露天商」のプレイヤーは自分がどの場所でゲームをプレイするかを決めます。これは露天商が自分のお店をその場所で開くことを意味しています。
そのため「露天商」はこの時決めた場所からゲーム中一切動くことが出来ません。また各「露天商」は離れた位置にいても構いませんし(遠すぎるとプレイが困難になりますが、立った状態でプレイしても構いません。全ての「露天商」が場所を決めたらゲームが始まります。
ゲームは主に前半戦と後半戦の2ラウンドで構成されます。
ラウンド開始時にタイマーをセットし、それが鳴るまでプレイヤーは何回でもカードの交換や交渉を行うことが出来ます。
ただ前述の通り、「露天商」はゲーム中動くことが出来ません。そのため交渉を持ちかけるのはもう1つの役職、「行商人」の仕事です。「行商人」は「露天商」と異なりゲーム中自由に歩くことが出来ます。実際に「露天商」のもとへ足を運び、交渉を行いましょう。
交渉では基本的に制約は無く、両者が合意すればどのような形でもカードを交換することができます。そして取引を終えたら、行商人は露天商のもとを離れ、また別の露天商へと足を運びます。
そう、この一連の流れは現実のバザールを限りなく再現しています
プレイヤーは自分がバザールにいるかのような気分でゲームを楽しむことが出来るでしょう。
このような流れを2ラウンド行った後、自分の役職に応じた得点計算に移ります。
もしあなたが「行商人」ならば勝利点を得る方法は「セットコレクション」です。
商品カードにはそれぞれ何枚で何点になるのかが書かれているので、これに参照して勝利点を得ます。
例えば上の「⑮シルク」なら3枚で3点、5枚で5点、7枚で9点!といった感じ……
全ての商品で点数化を行い、合計点が最終的なスコアになります!
対して役職が「露天商」なら勝利点を得る方法は「マジョリティ」になります。
ゲーム終了後、各「露天商」は特定の商品カードを何枚持っているかを比べ合い、その順位によって勝利点を得ます。
例えば上の「⑪ガラス」なら最も多く集めた人は6点、2位は3点といった感じ……
そのため「露天商」は出来る限り少ない枚数で1位や2位を狙うのが非常に重要になってきます。このマジョリティ勝負を全ての商品で行い、合計点が最終的なスコアになります。
そして得点計算において重要なルールがもう1つ!
「行商人」と「露天商」の目的は「同じ役職の中で一番勝利点を得ること」なのです。
つまり「行商人」と「露天商」という役職の異なるプレイヤー同士で勝敗がつくことはありません。それぞれの役職で一番多く勝利点を得たプレイヤー2人がゲームの勝者になります!
【⑤アピールポイント:役職によって生み出されるストレスのない交渉】
今作における重要なルールは「交渉は役職の異なるプレイヤーとしか行うことができない」、「プレイヤーは自分の役職の中で1位を獲ること目指す」という二つです。二つのゲームが同時に進行するかのようなこの奇妙な構造によって、今作は従来の「交渉ゲーム」が抱える問題を解決しようとしています。
従来の「交渉を用いるゲーム」において、交渉は基本的には「WIN-WIN」のアクションであることが多いです。この「自分と相手が互いに利益を得る」というのは交渉を発生させやすくするなどの効果がありますが、同時に問題を引き起こす原因にもなっていました。
例えば自分が負けている時は逆転するのが困難だったり、不用意な交渉によって自分の利益より相手が遥かに大きな利益を得ることになったり、その結果キングメイカーが発生したり。従来の「交渉ゲーム」ではそういった部分でゲームが壊れたりストレスが発生する可能性がありました。
そしてこれらの問題は「両者が互いに利益を得る」ことが原因ではなく、「交渉相手が倒すべき敵である」という部分にあると自分は考えました。
そこで今作『バザールの商人たち』では「行商人」と「露天商」という二つのゲームに分離することで問題の解決を試みています。
今作における交渉相手は「敵」ではありません。交渉の結果、相手が大きな徳をすることになってもあなたの勝敗には関係しないのです。このため従来の交渉ゲームにありがちな「相手が得するのをどう防ぐか」を考える必要はなく、交渉の楽しい部分だけをストレスなく味わえるようになっています。
これが今作の最大のアピールポイントです。
【⑥アピールポイント:ロールプレイによって高まる面白さ】
そしてもう1つのアピールポイントは「ロールプレイ」です。
「ロールプレイ」という言葉は「想像上のある役柄を演じること」という意味で、アナログゲームではTRPGやマーダーミステリーでよく使われています。
しかしこの「何かになりきる」という遊びは、ゲームだけに留まるものではありません。日常の中でも沢山の人たちがそれを楽しんでいます。
例えばディズニーランドなどのテーマパークで世界観を再現した建造物の中に入れば、まるで自分がその世界に迷い込んだ感覚になるでしょう。映画やアニメの舞台となった場所を巡る聖地巡礼は、これもまた自分がその作品の中にいるような気分を味わえます。有名人が食べているものと同じものを食べる時は、自然とその時の情景が頭に浮かび、より満足度が上がることもあるでしょう。
こういった事象だけでなく、「何かになりきる」という遊びは日常に根付いており、意識せずとも沢山の人がそれを楽しんでいます。
つまり「ロールプレイ」は、ゲーム的な楽しさとはまた異なり、普遍的な楽しさがあるのだと僕は考えています。
そしてこの「ロールプレイ」の楽しさをゲームに落とし込もうとするなら、デジタルゲームよりアナログゲームの方が向いているでしょう。何故なら「ロールプレイ」は行われる場所がより現実に近い方がより強い体験になるからです。
勿論「デジタルゲーム」でもロールプレイの楽しさにフォーカスしたものは多くあります。
しかしデジタルゲームは全てが画面の中で完結し一人で遊べるのに対して、アナログゲームは現実の世界で行われ誰かとプレイするのが一般的です。重要なのは「他人が同じ場にいる」という点で、アナログゲームではプレイヤーは自分がどうしたいかを考えるだけではなくそれを自分の口から相手に伝えなければいけません。
こういった自分の言葉で意思を示す、リソースを得るために実際に手を伸ばすといった部分は面倒臭さもありますが、ロールプレイの楽しむ上では非常に重要でしょう。
そこで今作『バザールの商人たち』では、このロールプレイの楽しさをより追及しようと考えました。空間の中にお店を模した「露天商」がいて、「行商人」が実際に歩いてそれを回るという構図により現実のバザールを限りなく再現しようとしています。
こういった要素はゲームの戦略的面白さを高めることはないでしょう。しかしこれにより「ロールプレイ」の楽しさがより強調され、体験としては強烈で面白いものになっているはずです。
またあくまで今作は「ロールプレイ」自体を楽しむというよりは、体験を向上させるスパイスとして用いています。ですからロールプレイを強要される、無理に演技をしなくてはいけないとか、そういうことは一切ありません。ルールに則って遊ぶだけで自然と「ロールプレイ」的な楽しさを味わえるといったつくりなので、「ロールプレイ」というものに苦手意識がある方にも遊びやすい作品です。
【⑦まとめ】
以上が新作『バザールの商人たち』の紹介でした。
冒頭に述べた通り、今作は4/27-28に開催される「ゲームマーケット2024春」にて販売されます。
場所は「土L-33:サイシュピール」ブースです。販売は土曜のみなので注意してください!
価格は1500円。それなりにお求めやすい価格です。
もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は是非足を運んでみてください!よろしくお願いします!
それではここまでお読みいただきありがとうございました!