uoon @uoon_jp
お初にお目にかかります。uoon(うおおん)と申します。 ルールが分かりやすく、ボドゲに触れたことがない人もある人も変わらず楽しいものを作っています。 是非Twitterなどチェックいただけますと幸いです。
- 「お金の話になると人はちょっと辛くなる。」@ゲムマ初出展体験記
- 2023/4/8 17:22
<昨日までのあらすじ>
ボドゲをつくる者、紙とペンは常に持っていなければならない。
ゲームマーケットまでおよそ一ヶ月。初出展、初制作のボードゲームは完成するのか。
それなりに進んできて不安は薄れてきたところ。
もっとも危ない、油断の時期。
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大阪という小旅行を楽しんでいる今、実際に手を動かすことは難しい。
こういう時こそ現状を整理する時間だと思い、改めてボドゲを制作するコストについて考えてみた。
全く何も知らない当初は、綺麗な箱、ちゃんとしたカードを印刷して、1000円〜2000円くらいで売れたらいいな。そんなことを思っていた。とはいえ、費用のことを考えずにゲームを作っていたこともあり実際に試算してみると、4000円で売っても元が取れないことが分かった。
赤字でも良いじゃないかと考えていたが、4000円で元が取れないものを2000円で売るのはお財布へのダメージが甚大であり、かつ売れたとしても数個が良いところだと思うと在庫を抱える勇気がなかった。
そんな中で、品質を落としつつ、誰もが手に取りやすい価格で販売する案が出た。具体的にいえばしっかりしたカード印刷ではなくラクスルなど大手の印刷会社がやってくれる名刺印刷を利用しようというもの。
100枚の名刺を500円で刷ることができる。(しかも3日後くらいには届く)
当初の計算では、諸々合わせて原価500円で提供ができそうだ。とシミュレーションをしていた。学生時代の自分としてもこの価格で販売されていたらありがたいと思うだろう。
さて、それから時は流れた。現在かかっている費用をご覧いただく。
項目 |
費用(だいたい) |
ゲムマ出展料(一般試遊なし、入場証1枚追加) |
13000円 |
カード印刷費(100枚×60種+説明書)×2ゲーム分 |
64000円 |
スリーブ |
20000円 |
パッケージ(100個×2ゲーム分) |
80000円 |
諸経費 |
10000円 |
人件費 |
0円 |
計、187000円(1個当たり原価:935円)
・・・ふーん・・・。
どうしてこうなったのか、経緯を振り返ってみる。
正直なところ、カード代まではよかった。
まずスリーブである。
普通の名刺だとどうにもプレイがしづらいし、多分繰り返し遊ぶことができない。
そのため必須だと判断した。大変だったのは、名刺サイズのスリーブがあまりないということ。
柔らかい安いものと、少し硬めのお高いやつで比較をしたが、柔らかいものでは快適なプレイに耐えなかった。
さらには、安定供給されていないこともネックである。
Amazonで10000枚分をまとめて購入したのだが、それでまとめて購入できるものは売り切れてしまい、途端にバラ売りのスリーブの値段が高騰したのだ。そういう何かシステムなのか…?
そんなこんなで品質と流通量に悩まされるのが一点。
そして、パッケージだ。一度制作したことがある人であれば、もっと安くできるだろ。単価400円は高くないか。と思うのだと思う。スリーブの話でも言えるのだが、ここもこだわってしまった。
500円だとしてもある程度の金額で売るのであれば満足感のある仕上げにしたい。(別に利益を取りたいわけでもないし)また、当初キャラメル箱と呼ばれるモノで想定していたのだがいかんせんカードの枚数が多く、取り出す時のストレスが尋常じゃなく感じられた。
これではゲームが嫌いになってしまう。
ちなみに、そもそも100個×2ゲームも作る必要があるのか、という意見に対してだがまず、ラクスルの名刺印刷が100枚単位であることが1つ。そしてパッケージについて50個と100個で見積もりを取ったのだが100個の方が単価が安いため結局のところ総費用があまり変わらなかった。だからこそ、無駄をなくすという観点でも100セットゲームを作る方針は変わらない。
納期も近い、とにかく完成させねばと思った時、予算について注意をしてくれる人、もしくは注意をする気持ちを持たないとこういうことになってしまう。特に会社員の方は思い当たる節がないだろうか。プロジェクトが進むにつれ実現することを重視するあまり、当初の予算とはかけ離れた金額になっているようなことが。
何をやってんだ?と会社に対して呆れていたことと全く同じことをしてしまった。
これを書いている今、単価の高さに驚いている最中である。
今更単価を下げる努力もできない。
色々考えることはある。人に届けるためにまず、どんなゲームが作れるのか下調べしないといけなかったのではないか。赤字のものを売り続けたら継続した創作活動ができないのではないか。など。
全てその通りではあるが、一方でそんなことを気にしていたらゲームを創ることすらできなかっただろうな。というのが個人的な感想である。
実現性は、働いてお金を稼ぐことで担保するしかない。
働きたくないと嘆きながら、趣味のために働く。今日もわいはuoonと叫ぶ。
続く。