符亀

ゲームマーケット2017秋より参加させていただいております、符亀と申します。
拙作「マジカルカナグル」「愛羅武粋逸」「ロングロングマホウ」「超超長城」「ツミカブリ」「リーサルチェックメイト」「インヴァージョン」「アマロン」「バックハンダー」「皇継の書状」「サイクリアン」「シリアリアン」については、ゲーム一覧ページをご覧ください。

「アマロン」のコマのつくりかた
2021/4/7 23:15
ブログ

皆様こんにちは、符亀です。

ゲムマもいよいよ今週末ということで、本日は我々の新作「アマロン」のある意味最大の特徴である、手作りゴマたちの作り方について広報いたします。パァン 広報が遅い

 

「アマロン」には円盤状の木ゴマが計18枚入っているのですが、その制作工程を大別すると、「模様入れ」「塗り」の2つに分けられます

その他「やすりがけ」や「不良品の廃棄」といったものもありますが、基本的には模様入れて塗ってを繰り返していく感じです。

 

まずは、コマの種類ごとに対応した模様を入れる、「模様入れ」です。

「アマロン」のコマは、エジプト神話を元にした全5種類から成ります。

それらの模様を入れる際に使うのが、こちらの焼印です

設定上手作り感が欲しかったので、レーザープリンターや印刷所さんのお力は借りず、一つ一つ丁寧に焼き入れていく形をとりましたぶっちゃけ超しんどかったのでやめとけばよかった。

この焼印ですが、
・焼き入れるためには約300℃まで加熱しないといけない
・作業が終わったら冷まさないと火事になるが、その間置いておける場所がない
・途中で休憩する場合は、その間加熱しながら持ち続けるか、再加熱しないといけない
・別の模様に変える場合は、完全に冷やしてから取り換えて再度加熱しないといけない
というまあまあ苦行な仕様がありまして、結果
10分焼印を持ちながら加熱
→十分温まったかを端材に押してチェック
→温まっていたら、(極力)トイレ休憩も無しでひたすら1種類のコマを作る
→終わったら、20分持ったまま冷めるのを待つ
→就寝
というプロトコルで作業をしております。おかげで全種類そろうまでが長く、間に合うか微妙だったスケジュールとの合併症により、製作者の心に無視できないダメージを与えてくれました。

 

焼印を入れる際は、すべり止めシート(1000円)とブックスタンド(百均)を組み合わせたお手製の什器を使っていました。

シートとブックスタンドの変色が、その作業回数を物語っていますね。

 

焼き入れが終わると、こんな感じに綺麗な模様ができます。

が、コマの元となるディスクの表面がまっすぐでないせいで、結構な数の不良品も出ています。両面に模様があるコマの裏側でミスると、2回分の作業が無駄になるので辛い。

 

画像は、不良品の一部です。左上から、ひび割れ、ブレ(押している途中でずれるとこうなります)、焼きすぎ、位置ズレ、一部消滅により、廃棄処分となりました。
こういうボツコマが、計3桁枚あります。商品にはできませんがもったいないのも事実ですので、当日無料で配布します。適当な段ボールに入れて置いとくので、掴み取ってください。


模様が入れられたら、次は「塗り」の工程になります。最初はペンキの入った桶にコマをぶち込んで塗るつもりでしたが、店員さんに「木なので浮きますね」と言われて断念しました。

 

なのでこのように巨大な段ボールにコマ360枚を貼り付け、1枚1枚筆で塗るようにしました。その後この方法では側面がうまく塗れないとわかったので、最終的に
まず手で持って片面と側面を塗る
→段ボールに貼って乾かす
→もう片方を塗る
→乾かす
→回収or塗り残しを潰す
という形になりました。なお最初に塗った360枚は塗りなおしました。
側面が毛羽立っているものは塗る前にやすりがけしていたのですが、それでも塗る際に筆によって再度毛羽立つことが判明したため、塗りの後にやすりがけするようになりました。

 

と、手作り感を追求した結果わりと地獄な感じになってしまいましたが、こうして皆様の元へ旅立つ「アマロン」が作られています。
もうお分かりかと思いますが、大量生産は無理だったので当日持ち込める数に制限があります。ご興味がございましたら、ご予約いただけると幸いです。まとめて予約でお得になる、セット割引もございますので。

 

それでは、また焼き入れ作業に戻りますので、この辺りで失礼いたします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。