ヒカリマル製作所 @hikarimaru5884
「小さく、美しいゲームを。」
両日H068で出展します。
今回の新作は、式神エンジンビルド×陰陽師能力バトル「ハクスラ陰陽師」!!
倒した妖を裏返して、自分の行動を強化する装備にするか、強力な効果を使える式神にするか。4人の陰陽師と18体の妖で、1億通り以上のビルドが楽しめます!
1〜2人・10〜20分・カード32枚、価格は1,500円です。2人なら共闘から決闘へ、1人でも強大なボスとのバトルが遊べます。
過去作の「アートコレクター-ブラフ&オークション-」「クロスギャラリー-バッティング&オークション-」、謎解きゲームの「ミステリーアートミュージアム」は、予約限定+若干数のみの持ち込みです。
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- 「ボドゲスタイル別式神診断」を公開しました
- ハクスラ陰陽師の特設サイトで、「ボドゲスタイル別式神診断」を公開しました。9つの質問に答えると、あなたのボドゲスタイルと、相棒になる式神が18体の中からわかります。所要時間は約2分です。診断はこちらhttps://hakusura-onmyoji.pages.dev/shindan/診断結果シェア特典ゲムマ当日、診断結果をXに投稿して、そのポスト画面をブースH068で見せてください。キャラとボスの制限なしで遊べる特別Web試遊のリンクをプレゼントします。※音が出ます。ホラー演出がありますが、ジャンプスケアはありません。※この診断はフィクションです。ハクスラ陰陽師 ブースH068(10月17日土・18日日)
- 2026/10/16 19:58
- ヒカリマル製作所
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- 【プレイ動画】『ハクスラ陰陽師』2人用「決闘」1ゲームの流れ
- ヒカリマル製作所です。ゲームマーケット2026秋は、両日ブースH068に出展します。昨日はルールブックを全ページ公開しました。ルールを読むだけでなく、実際に遊ぶイメージも持てた方がわかりやすいと思い、今日は2人用モード「決闘」の1プレイ全体を、ブラウザの試遊版で録画しました。この記事では、動画に沿ってゲームの流れを説明します。遊んでいるのは、試遊版で選べる「強」のAIどうしです。画面の下が晴明、上が道満です。ゲーム全体の流れ決闘では、2人で一の晩・二の晩・三の晩の3回、いっしょに妖と戦います。1つの晩に戦闘は2回あり、晩が進むほど強い妖が出てきます。倒した妖は2人で1体ずつ分けて、自分の陰陽師を強くしていきます。三の晩が終わったら、最後は2人で1対1の最終戦です。0:03 一の晩 1戦目戦闘が始まると、妖が2体出てきます。2人の手札は、攻撃・防御・術の3枚です。画面では「攻」「守」「術」と書いてあります。毎ターン、2人とも手札から1枚を伏せて出し、同時に開きます。攻撃のダメージは、妖の防の数だけ減ります。術のダメージは防で減らないのが攻撃との違いです。防御を出したターンは、ダメージを受けません。2人が動いたあと、妖がカードに書いてある行動をして、陰陽師にダメージを与えます。この画像の場面では、晴明が防御を出しています。狐火の行動で2ダメージを受けるはずでしたが、防御で0になりました。出したカードは、3枚とも使い切るまで手札に戻りません。毎ターン、残りの手札のどれを出すかを考えます。0:33ごろ 倒した妖を分ける妖を2体とも倒すと戦闘は終わりです。最後の妖にとどめを刺した人が、先に1体を選びます。残った1体は、もう1人が取ります。取った妖は「式神」か「装備」のどちらかにして使います。式神にした妖は、カードの真ん中に書いてある能力が使えるようになります。装備にした妖は、陰陽師の攻・防・術を上げます。一の晩の1戦目は晴明が先に選び、狐火を装備にしました。この装備のおかげで、晴明は術を出したターンに道満より先に動けます。道満は河童を式神にしました。次の戦闘の画面では、道満の横に河童の式神が置いてあります。0:53 二の晩二の晩からは、一段強い妖が出てきます。1:47からの2戦目では、ろくろ首と唐傘が出てきました。倒したあとは道満が先に選んで、唐傘を取りました。残ったろくろ首は晴明が式神にしました。ろくろ首には「攻撃と防御が使用済みなら、このターン術+4」と書いてあります。この1枚が、最終戦で勝負を決めます。2:36 三の晩と進化三の晩は、いちばん強い妖が出てくる晩です。晴明は1戦目のあと、天狗を式神にしました。3:22からの2戦目で、晴明は天狗を捨てて「進化」しました。進化すると、陰陽師のカードを裏返します。HPが回復し、能力は裏の面のものに変わります。進化した晴明は、残っている式神から1体を「相棒」に選べます。相棒は、攻・防・術の3つ全部に装備したものとして使えます。晴明はろくろ首を相棒にしました。3:56 最終戦最終戦では妖は出てきません。晴明と道満が、攻撃・防御・術の3枚で1対1の勝負をします。相手が使ったカードは表向きに置かれるので、相手が次に何を出せるかがわかります。晴明の横にある「相棒」の札が、ろくろ首です。最終戦の1ターン目に、道満も進化しました。進化した道満は、防御を出したターンに受けるはずだったダメージを、相手に返します。晴明は道満の手札に防御が残っている間、大きな術を出しにくくなりました。7ターン目、道満の手札には防御がありません。晴明は術を出しました。晴明は防御を前のターンに使い、攻撃をこのターンに捨てていました。ろくろ首の「攻撃と防御が使用済みなら術+4」が使えて、晴明の術は13です。道満のHPは7だったので、ここで晴明が勝ちました。最終戦のHPの動きはこうなっています。ブラウザ版の試遊では、動画と同じAIと決闘ができます。https://hakusura-onmyoji.pages.dev/play/ゲムマ2026秋 ブースH068『ハクスラ陰陽師』は、倒した妖を式神や装備にして陰陽師を育てていく、1〜2人用のカードゲームです。1〜2人/10〜20分/1,500円(ゲムマ特別価格)10/17(土)・18(日)、幕張メッセのブースH068でお待ちしています。取り置き予約の受付は、今晩(10/16)中までです。こちらのフォームから申し込めます。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe2CXl5HvMq94Kusms5GQjJ1PBE43FMad1PovcnGfESnYYuIg/viewform
- 2026/10/16 10:29
- ヒカリマル製作所
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- 【ルールブック全ページ公開】『ハクスラ陰陽師』の遊び方 ―三晩いっしょに戦った相方と、最後に戦う
- ヒカリマル製作所です。ゲームマーケット2026秋(10/17・18 幕張メッセ)、ブースH068で新作『ハクスラ陰陽師』を頒布します。今日はルールブックを全ページ公開します。まずは印刷版そのままの、表と裏です。 ……と、いきなり2面ぶん見せられても、読む気になりませんよね。なので、ここからは1回遊ぶ流れに沿って、ざっくりお話しします。夜道に、妖が出るあなたは陰陽師です。晴明、道満、梨花、葛葉の4人から1人を選びます。夜になると、道に妖が出ます。ひと晩に2回、それを三晩。一の晩に出てくるのは提灯お化けや狐火くらいですが、三の晩には雪女や鬼、がしゃどくろが待っています。手札は3枚しかない陰陽師の手札は、攻撃・防御・術の3枚だけ。毎ターン1枚を伏せて出し、2人同時に開きます。困るのは、一度使ったカードが3枚とも使い切るまで戻ってこないことです。さっき防御を使ったばかりなのに、次のターン、提灯お化けが2人まとめて殴ってくる。妖が次に何をしてくるかはカードに書いてあるので、来ると分かっているのに防げない、ということが普通に起きます。協力なら、どのカードを出すか2人で相談できます。「次は私が防御するから、そっちは殴って」。この相談がいちばん楽しいところかもしれません。倒した妖は、仲間か武器になる倒した妖のカードは、裏返すと式神の面になります。ここからがハクスラです。式神として横に置けば、その妖の能力が使えます。猫又なら、一度だけHP3で生き返れます。キャラクターの後ろに差せば、装備になります。左に差せば攻撃、右なら防御、下なら術が強くなります。同じ猫又でも、どの向きに差すかで別の装備になります。式神がそろってきたら、捨てて進化することもできます。キャラクターを裏返すと、見た目も能力も変わります。拾ったもので、自分だけの陰陽師を組み上げていく。三晩目に入るころには、同じキャラクターを選んでいても、人によってまったく別の戦い方になっています。2人で遊ぶと、最後に2人で遊ぶ時は、三晩のあいだ、2人並んで同じ妖と戦います。倒した妖は2人で分けます。最後にとどめを刺した人が先に選べます。そして三晩が明けたら、遊び方によって行き先が変わります。協力なら、2人でボスに挑みます。相手は酒呑童子か橋姫です。決闘なら、三晩いっしょに戦ってきた相方と、1対1で戦います。決闘を選ぶと、三晩の過ごし方が少し変わります。今まさに一緒に土蜘蛛を倒している相方は、最終戦の相手です。この妖を相手に渡して大丈夫か。とどめを刺して先に選ぶべきか。仲良く戦いながら、ずっとそれを考えることになります。1人でも遊べるソロでは、余ったもう1人分の手札3枚を、伏せて混ぜておきます。これが妖の気まぐれになります。妖が1体の時は、自分のカードを決めたあとに1枚めくります。防御が出たら、妖はそのターン守りに入って、ダメージも通らず、行動もしません。めくったカードは山に戻さないので、覚えておけば次の妖の動きがある程度読めます。協力もソロも、難しさをLv1〜10から選べます。最初はLv1でどうぞ。ルールブック全16ページここからは、ルールブックを1ページずつ載せています。スマホで読む時はこちらが読みやすいと思います。 遊んでみたい方へ同じルールはWebでも読めます。https://hakusura-onmyoji.pages.dev/rules/ブラウザで遊べる試遊版もあります。ルールを読むより、1回遊んでみる方が早いかもしれません。https://hakusura-onmyoji.pages.dev/play/1〜2人/10〜20分/1,500円(ゲムマ特別価格)10/17(土)・18(日)、ブースH068でお待ちしています。取り置き予約は、こちらのフォームで受け付けています。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe2CXl5HvMq94Kusms5GQjJ1PBE43FMad1PovcnGfESnYYuIg/viewform
- 2026/10/15 20:42
- ヒカリマル製作所
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- 非対称ゲームのバランスを機械学習で調整した話 ― 『ハクスラ陰陽師』の4人の陰陽師
- ヒカリマル製作所です。ゲームマーケット2026秋は、両日H068に出展します。ゲムマまであと3日なので、今日から当日まで毎日ブログを書いていきます。1本目は、新作『ハクスラ陰陽師』のバランス調整の話です。『ハクスラ陰陽師』では、プレイヤーが4人の陰陽師から1人を選びます。4人は能力が違う、いわゆる非対称のゲームです。今回は、能力の違う4人をどうやって釣り合わせたか、そのために機械学習をどう使ったかを書きます。9月23日のブログ「手のひらサイズで『ちゃんとしたエンジンビルド』を作る」の最後で予告していた話を、今の版で測り直した数字と一緒に書きます。調整のために、AIを4種類作りました。いちばん強いAIは、1手ごとに候補を16回ずつ遊んでみる探索のAIと、手元のMacBook Proで約140時間学習させ続けた言語モデルを組み合わせたものです。後半では、その仕組みも少し専門的に書きます。4人の陰陽師は、勝ち方が違う晴明: 手札を使い切るたびに、式神の数だけ妖全部にダメージ。式神を並べるほど強くなる道満: 防御を出した時に反撃する。読み合いに強い梨花: 攻撃が妖の防で減らない。火力が高い葛葉: 術を出したターンに、使ったカードを手札に戻せる。術のコンボが強い4人とも、同じ18体の妖を倒して、式神や装備にしていきます。同じ妖でも、晴明なら式神として並べたいし、梨花なら攻撃の装備に差したい。キャラクターによって、欲しい妖も使い道も変わります。そのぶん、組み合わせは膨大です。キャラクター4人、妖18体、使い道4通りで、組めるビルドは1億通りを超えます。遊び方も決闘・協力・1人用の3つがあり、協力と1人用にはLv1〜10の難しさがあります。決闘のキャラクターの組み合わせは6組あり、それぞれ先手と後手を入れ替えて確かめなければなりません。全部を人の手で遊んで確かめるのは無理だったので、テストプレイの多くでAIを使いました。ルールとカードの数字は、AIが遊んだ結果を見ながら自分で決めています。目指したバランス調整の目標は、次の3つです。勝ち方はキャラクターごとに違うのに、どのキャラクターを選んでも同じくらい勝てる決闘では、相手の手を読んだ方が勝ちやすい適当に打っても勝てないが、考えて打てば勝てる調整の流れブラウザ版を作る: 紙のカードで確かめようとすると、数字を1つ変えるたびにカードを作り直すことになります。そこで最初に、ブラウザで遊べる版を作りました。数字を変えたらすぐ次の局を始められて、どの場面でどのカードを出したかが全部記録に残ります人の手で大量に遊ぶ: 初めのうちは、自分でブラウザ版をたくさん遊び、遊びながら細かく数字を直しました。遊んだ記録は全部残しています記録からAIを作る: 残した記録を見ながら、人間の打ち方をまねるAIを作りました。そのAIをもとにして、先まで読んで手を選ぶAIを作っています人がAIと対戦する: AIの手が人から見て変でないかは、自分でAIと対戦して確かめました。人なら打たない手を打っていないか、明らかな勝ち筋を見逃していないかを、実際の局で見ていますAIどうしで何千局も遊ぶ: AIが信用できるようになってからは、AIどうしで何千局も遊ばせて、キャラクター・Lv・モードごとの勝率を見ながら数字を詰めました4種類のAIAIは4種類を用意しました。でたらめAI: 選べる手の中から、毎回くじ引きで1つ選びます素直なAI: 「倒せる妖から攻撃する」「大きいダメージが来るターンは防御する」のような決まった考え方で打ちます。人間が遊んだ記録を見ながら、考え方を足していきました先読みAI: 候補の手それぞれについて、その手を打ったあとの続きを何回も遊んでみて、平均でいちばん良い結果になった手を選びます判定AI: 局面を文章にして読み込み、選べる手それぞれの良さを一度に答えるAIです。先読みAIの打ち方を学習させましたでたらめAIと素直なAIは、ゲームの難しさを測るための物差しです。適当に打つ人や素直に打つ人がどれくらい勝てるかを、この2つで見ています。強いAIは、キャラクター同士の釣り合いを測るために作りました。AIが下手だと、測った勝率の差はAIの使いこなし方の差になり、キャラクターの強さを比べられません。先読みAIの仕組み先読みAIは、モンテカルロ探索と呼ばれる方法で手を選びます。手を1つ選ぶたびに、候補の手それぞれについて「その手を打ち、そのあとは素直なAIどうしで続きを遊ぶ」を16回くり返します。最後の決闘では32回です。くり返した結果を平均して、いちばん勝ちやすかった手を打ちます。ただ、毎回ゲームの最後まで遊ぶと時間がかかります。そこで、続きを遊ぶのは次の戦闘の始まりまでにして、そこから先の勝ちやすさは別のモデルで見積もりました。このモデルは、AIどうしの対局の途中の局面と、その局が最後に勝ったかどうかを組にして学習させた、勾配ブースティング木の回帰モデルです。HPや式神の数、進化できるかどうかなどを入力にして、その局面から勝てる見込みを返します。学習したモデルは小さなファイルに書き出せるので、ブラウザ版の「強いAI」にもそのまま入れています。先読みAIの強さは、続きを遊ぶ素直なAIの打ち方で大きく変わります。素直なAIがあるキャラクターの得意な打ち方を知らないと、続きを何回遊んでもそのキャラクターで勝つ局が出てきません。その場合、先読みAIもその打ち方を選べません。1人用のLv6では、素直なAIの打ち方の型を1つ替えただけで、先読みAIのクリア率が29%から79%に上がりました。ローカルのJev型AIを、140時間学習させ続けた判定AIは、JevというAIと同じ型のAIを手元で作ったものです。Jevは、文章と選択肢を渡すと、文章を書かずに選択肢ごとの確率だけを返すAIです。ゲームの1手を選ぶ用途に向いているので、同じ型のAIを手元のMacBook Proで動かしました。中身は、mmBERTという3億2千万パラメータの言語モデルに、選択肢を判定する層を付けたモデルです。局面は、HP、手札、式神、妖の次の行動、このターンに受けそうなダメージなどを約260語の文章に書いて渡します。選べる手も文章の中に並べておき、モデルはそれぞれの手の良さを一度に返します。教材には、先読みAIの評価を使いました。先読みAIに局を遊ばせ、途中の場面ごとに候補の手を1つずつ打ってみて、その続きを最後まで16回ずつ遊ばせます。どの手がどれだけ勝ちにつながったかを記録したものが、判定AIの教材です。最初の版は失敗でした。判定AIを素直なAIと対戦させると、勝率は22.5%で、素直なAIに負け越しました。このゲーム向けに学習していないJevにも、同じ局面を読ませてみました。先読みで手の良し悪しがはっきり分かれた場面で、先読みがいちばん良いとした手をJevが選んだ割合は47%でした。素直なAIの46%とほとんど変わりません。局面の文章を読めるだけでは、このゲームの手は選べないということです。そこで、学習を止めずに回し続ける仕組みを作りました。1周の中身は次の4段です。先読みAIに新しい局を遊ばせ、場面ごとに候補の手を採点して教材に足す足した教材で、判定AIの学習を続ける新しい判定AIを素直なAIと480局対戦させるそれまででいちばん強い判定AIより勝率が高ければ、新しい判定AIに入れ替えるこの仕組みを9月22日から28日まで、約140時間止めずに回しました。教材にした場面は約20万、採点のために続きを最後まで遊んだ回数は延べ770万回を超えます。判定AIは69回学習し直し、そのうち14回、前の版より強くなって入れ替わりました。素直なAIとの勝率は、最初の版が22.5%、最後の版が61.6%です。人間の打ち筋を20倍の重みで混ぜる学習の途中から、自分でブラウザ版を遊んだ記録も教材に混ぜました。24局ぶん、1,914手です。先読みAIの手よりも人間の手を20倍重く数えて学習させています。同じ教材と同じ局で、人間の手を混ぜた版と混ぜない版を比べました。1人用で梨花を使った時のクリア率は、40局中22局(55%)から30局(75%)に上がっています。自分の記録には、序盤は式神を並べて守り、後半に攻撃の装備をそろえてから進化する、という梨花の勝ち筋が入っていました。梨花の勝ち方はこれ1つではありません。先読みAIが自分では見つけにくい筋を、人間の記録から覚えたのだと思います。判定AIと先読みAIを混ぜると、いちばん強くなった最後に、判定AIと先読みAIを組み合わせました。先読みAIが候補の手を16回ずつ遊んで出した平均に、判定AIの見立ても足して、手を選びます。比べる相手は、ブラウザ版の強いAIと同じ先読みAIです。6組の決闘で、同じ配りの局を席を入れ替えて2回ずつ遊ばせ、480局で勝率を測りました。判定AIだけで打つ: 31.5%先読みの回数を16回から32回に倍にする: 49.6%先読み16回に判定AIの見立てを混ぜる: 61.2%先読みの回数を倍にしても、勝率は五分のままでした。判定AIを混ぜた方は、別の配りの480局で測り直しても56.7%で、2回とも相手に勝ち越しています。判定AIだけでは弱く、先読みの回数を増やしても強くなりませんでした。それでも、2つを混ぜると強くなりました。判定AIは、先読みの回数を増やすだけでは手に入らない情報を持っています。それが何なのかは、まだ確かめ切れていません。キャラクター同士の釣り合いを測る決闘は、育てた陰陽師どうしの1対1の勝負です。4人から2人を選ぶ組み合わせは6組あります。どの組でも勝率が五分に近くなっているかを、AIどうしを戦わせて確かめました。測る時に気をつけたことは2つです。1つ目は、両方の席に同じ強さの先読みAIを座らせることです。AIの強さに差があると、強いAIを持った側が勝つだけで、キャラクターの強さを比べられません。2つ目は、同じカードの配りで席を入れ替えて、もう1局遊ばせることです。こうすると、先手と後手のどちらが得か、配りが良かったか悪かったかで、勝率がずれません。ただ、AIどうしの勝率をそのまま信じると、間違えることがあります。9月の調整中、AIどうしの対局では、1人だけ勝率がはっきり低いキャラクターがいました。数字だけ見れば、そのキャラクターのカードを強くするところです。でも、自分でそのキャラクターを使ってAIと戦うと、4戦4勝でした。対局の記録を見比べると、AIがそのキャラクターの読み合いを使いこなせていなかったことが分かりました。カードを直す必要はなかったので、数字はそのままにしています。それからは、AIどうしで勝率に偏りが出たら、まず自分で遊んで確かめています。AIの数字は、人間が遊んで確かめる場所を決めるための材料です。読み勝った側が、ちゃんと勝ちやすいか決闘の基本は、2人が同時にカードを1枚伏せて出すことです。相手の1枚を読めた方が有利になってほしいので、ここは特に気をつけて調整しました。これを測るために、片方のAIにだけ相手が伏せたカードを見せて戦わせました。見た側が「読みが当たった状態」、見られた側が「読みが外れた状態」です。目安は「読みが外れたら3割、普通なら五分、読みが当たったら7割」としました。調整の途中(9月下旬の版)に測った時は、読み負け37%・普通48%・読み勝ち59%と、目安より幅が狭く出ました。数字を変えても幅はほとんど動きませんでした。原因は、決闘の前の6回の戦闘にありました。AIどうしの対局では、3局に1局が、決闘の前に片方が妖に倒されて決着しています。そこでは読み合いが起きないので、全体の数字が薄まっていました。決闘まで進んだ局だけで数えると、読み負け38%・普通54%・読み勝ち72%で、ほぼ目安どおりでした。全体の数字だけを見ていたら、カードを必要以上に直してしまうところでした。1人用と協力の10段階1人用と協力では、Lv1〜10の難しさを、3種類のAIに遊ばせて並べました。1人用で、でたらめAIのクリア率はLv1でも18%、Lv5から上はほぼ0%です。適当に打っても勝てません。素直なAIはLv1で95%、Lv4で81%と、考えて打てば易しいLvはクリアできます。先読みAIはLv1〜Lv4でほぼ100%、Lv7で43%、Lv10で7%でした。上のLvは、強いAIでもなかなか勝てません。協力も同じ形で、先読みAIのクリア率はLv1の97%から、Lv10の15%まで下がっていきます。易しいLvは先読みAIだとどれも100%近くになり、差が見えません。そこで、素直なAIのクリア率も合わせて見て、Lvの順番と間隔を決めました。最後は人間が決める数字だけでは決められないこともあります。調整の途中で、あるキャラクターの進化後の能力を「使ったカードを全部手札に戻せる」に変える案を試しました。AIどうしで遊ばせると、そのキャラクターの決闘の勝率は34%から55%に上がりました。数字だけ見れば良い案です。でも、この案はすぐにやめました。防御のカードまで毎ターン手札に戻せると、毎ターン防御を出し続けられて、決闘が終わらなくなるからです。AIどうしの対局では、AIが毎ターン防御を出す打ち方をしなかったので、この問題が勝率に出てきませんでした。人間が遊べば、すぐに試したくなる打ち方です。今は、ルールを変える前に「この変更でいちばんずるい打ち方を毎ターン続けたら何が起きるか」を先に考えています。AIのおかげで、人の手では遊びきれない数の局を確かめられました。それでも、遊んで面白いかどうかを最後に決めるのは人間です。ゲムマ2026秋で頒布します紙のカードで遊ぶ時、読み合いの相手は目の前の人です。AIが覚えられない相手の癖も、人どうしなら読みの材料になります。ぜひ4人の陰陽師を使い比べてみてください。ブラウザ版の試遊では、晴明と道満の2人を使えます。強いAIと戦うこともできます。https://hakusura-onmyoji.pages.dev/play/倒した妖を式神や装備にして、キャラクターを育てていく1〜2人用のカードゲームです。1〜2人/10〜20分/8歳〜/1,500円(ゲムマ特別価格)10/17(土)・18(日)、ブースH068でお待ちしています!取り置き予約はこちらのフォームから!https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe2CXl5HvMq94Kusms5GQjJ1PBE43FMad1PovcnGfESnYYuIg/viewform
- 2026/10/13 13:45
- ヒカリマル製作所
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- 制約があると、ゲームは作りやすい。32枚でビルド系ゲームの敷居を下げる
- ヒカリマル製作所です。ゲームマーケット2026秋は、両日H068に出展します。前回のブログ「手のひらサイズで『ちゃんとしたエンジンビルド』を作る」では、新作『ハクスラ陰陽師』の32枚に何を入れたかを書きました。今回はその手前の話です。なぜ先に枚数を決めたのか、ビルド系のゲームを小さくする時にどこで悩んだのか。作りながら考えていたことを書いていきます。制約があった方が、ゲームは作りやすい私は、制約があった方がゲームを作りやすいと感じています。たとえば、ゲームマーケットの「ゲムチャレ」。2026年のお題は「紙の立体ゴマ4体、円形チップ4枚、カード18枚だけで作るゲーム」でした。今回はさすがに厳しすぎる気もしましたが。印刷所が用意しているボードゲーム用のパックも、カードの枚数や箱の大きさが決まっていて、作る側としてはとてもありがたいです。使える部品が決まっていれば、考える範囲を絞れます。新しいアイデアを思いついた時も、それに何枚使うか、代わりにどのカードを削るかを比べて決められます。ヒカリマル製作所は「小さく、美しいゲームを。」を掲げているので、要素はなるべく省きたいと考えています。そこで『ハクスラ陰陽師』では、中身を考える前に、カードの枚数とメカニクスを決めました。カードは32枚、メカニクスはエンジンビルドです。ビルド系のゲームは、カードをたくさん使うエンジンビルドやデッキビルドのようなビルド系のゲームでは、カードの枚数がとても多くなりがちです。『ウイングスパン』には鳥カードが170枚、ボーナスカードが26枚入っています。エンジンを組む部品にあたる鳥カードだけで170枚です。『Slay the Spire: The Board Game』のカードは650枚以上あり、プレイヤーがデッキに入れるカードだけでも381枚あります。『ハクスラ陰陽師』はカードが全部で32枚で、エンジンの部品になる妖のカードは18枚です。『ハクスラ陰陽師』のカードを、種類ごとに並べました。上の段がキャラクター4人とボス2体、まんなかの2段が妖18体、下の段が手札とHPのカードです。カードを32枚に収めたので、価格は1,500円にできました。ビルド系のゲームを、1,500円で遊べます。32枚では、エンジンの部品だけに枚数を使えません。キャラクター、手札、HPを数えるカードも、同じ32枚の中に入れる必要があります。エンジンビルドには、資材を集めて別のものに変えるタイプのゲームが多くあります。でも32枚では、資材のカードにも枚数を割けませんでした。資材を集めるかわりに、敵を倒すそこで『ハクスラ陰陽師』は、資材を集めるかわりに、敵を倒して強くなるゲームにしました。敵とエンジンの部品は、同じカードで表しています。倒した妖を裏返すと、そのまま式神や装備として使えます。資材のカードやトークンは入れず、倒した妖そのものを手に入るものにしました。部品のカードには、使い方を何通りも持たせました。式神として横に置くか、装備としてキャラクターカードの左・右・下のどこかに差すかで、同じカードが別の部品として働きます。くわしい仕組みは前回のブログに書いています。写真は遊んでいる途中の卓です。キャラクターカードの上にHPのカード、左・右・下に装備にした妖を差して使います。ビルド系のゲームの、2つの敷居ビルド系のゲームは、重いゲームや高価なゲームのジャンルに入ることが多いです。私は、その理由が2つあると考えています。面白くなるまでに時間がかかるビルド系のゲームは、エンジンができてからが面白いゲームです。部品がそろうと、手番ごとに効果が連鎖するようになります。遊ぶ人がそこまでたどり着くには、どうしても時間がかかります。『ハクスラ陰陽師』は10〜20分で遊ぶゲームなので、その時間の中でエンジンの面白さを味わえるようにしたいと考えました。そのために、カードの効果はかなり強めに設定しています。戦闘は全部で7回あり、効果が強いので途中からシナジーを感じられます。部品が1枚もない1戦目と比べると、最終戦のキャラクターの能力は圧倒的に高いです。遊んでいる人が、自分のキャラクターが強くなったことをはっきり感じられるはずです。一度に考えることが多いエンジンビルドでは、手番のたびに比べるものがたくさんあります。たとえば『ウイングスパン』の手番は、4つのアクションから1つを選ぶ形です。鳥カードを出すなら、手札のどの鳥をどの生息地に置くか、餌と卵が足りるかを合わせて考えます。すでに並んでいる鳥の能力とどうつながるかも、見落とせない点です。デッキ構築のゲームでは、プレイヤーがゼロからデッキを考えるので、考え始めるまでの敷居が高くなります。ドラフトは良いシステムですが、たくさんのカードから選ぶ点で、こちらもやはりハードルが残ります。『ハクスラ陰陽師』を2人で遊ぶ時、戦闘のあとに選ぶのは、倒した妖2体のうち1体ずつです。選んだ妖は、式神にするか、装備として左・右・下のどこに差すかの4通りから使い方を決めます。一度に考えるのは、2体のどちらを取るかと、4通りのどれにするかの2つです。戦闘中の手番では、攻撃・防御・術の手札3枚から1枚を出すだけで、エンジンを組む判断は戦闘のあとにまとめて行います。考える量が少ないので、ビルド系のゲームに慣れていない人でも楽しめると考えています。おわりに32枚という制約があったので、何を入れないかを先に決められました。資材は入れない。敵と部品を同じカードにする。一度に選ぶものを少なくする。こうして削った結果、10〜20分、1,500円で、カードの効果が連鎖してキャラクターが強くなる気持ちよさを味わえるゲームになったと思っています。『ハクスラ陰陽師』は、ブラウザで遊べるWeb版の試遊を公開しています。Web版の試遊: https://hakusura-onmyoji.pages.dev/play/特設ページ: https://hakusura-onmyoji.pages.dev/1〜2人/10〜20分/8歳〜/1,500円(ゲムマ特別価格)ゲームマーケット2026秋、10/17(土)・18(日)の両日、ブースH068でお待ちしています。取り置き予約はこちらのフォームから: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe2CXl5HvMq94Kusms5GQjJ1PBE43FMad1PovcnGfESnYYuIg/viewform
- 2026/10/10 12:51
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- 新作Web試遊公開!『ハクスラ陰陽師』特設ページもオープンしました
- ヒカリマル製作所の新作『ハクスラ陰陽師』の特設ページを公開しました!あわせて、スマホやパソコンのブラウザで遊べるWeb版の試遊もオープンです!特設ページhttps://hakusura-onmyoji.pages.dev/遊び方、4人の陰陽師、18体の妖、最終戦のボスを1ページにまとめました。遊び方は約3分の動画でも見られます。陰陽師のカードをタップすると進化後の姿に、妖のカードをタップすると裏の式神の面に切り替わります。Web版の試遊https://hakusura-onmyoji.pages.dev/play/アプリを入れなくても、ブラウザでそのまま遊べます。モードは2つです。一人用は、妖と6回戦ったあと、ボスの酒呑童子に挑みます。対戦は、NPCと組んで妖と6回戦い、最後にそのNPCと決闘します。試遊で使える陰陽師は、晴明と道満の2人です。梨花と葛葉、ボスの橋姫、2人で協力するボス戦は製品版で遊べます。はじめての方は、画面上の「チュートリアル」を押してください。一人用と対戦のどちらかを選んで、1戦ぶん練習できます。倒した妖を式神や装備にして、キャラクターを育てていく1〜2人用のカードゲームです。1〜2人/10〜20分/8歳〜/1,500円(ゲムマ特別価格)10/17(土)・18(日)、ブースH068でお待ちしています!取り置き予約はこちらのフォームから!https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe2CXl5HvMq94Kusms5GQjJ1PBE43FMad1PovcnGfESnYYuIg/viewform
- 2026/10/3 13:44
- ヒカリマル製作所
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- 『ハクスラ陰陽師』全キャラクター&PV公開しました!
- ヒカリマル製作所の新作『ハクスラ陰陽師』、全キャラクターとPVを公開しました!4人の陰陽師と18体の妖、それに2体のボス。全員そろってのお披露目は今回がはじめてです!PVは下のXの投稿から、ぜひ音ありで見てください!倒した妖を式神や装備にして、キャラクターを育てていく1〜2人用のカードゲームです。1〜2人/10〜20分/1,500円(ゲムマ特別価格)10/17(土)・18(日)、ブース H068 でお待ちしています!取り置き予約はこちらのフォームから!https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe2CXl5HvMq94Kusms5GQjJ1PBE43FMad1PovcnGfESnYYuIg/viewform
- 2026/9/28 20:38
- ヒカリマル製作所
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- 手のひらサイズで「ちゃんとしたエンジンビルド」を作る ―『ハクスラ陰陽師』ゲーム紹介とデザイナーズノート
- ゲームマーケット2026秋、両日 H068 で出展するヒカリマル製作所です。私たちは「小さく、美しいゲームを。」を掲げて制作しています。以前のブログ「ボードゲームの『小ささ』について」では、箱の大きさとルールのコンパクトさについて書きました。今回の新作『ハクスラ陰陽師』は、その考え方のまま、ハクスラとエンジンビルドに挑んだ一作です。箱は手のひらサイズ、カードは32枚だけ。その中に、敵を倒して強くなっていくハクスラの気持ちよさと、自分だけの型を組むエンジンビルドを入れました。この記事では、前半でゲームの概要を、後半で今回の試行錯誤や工夫を紹介します。『ハクスラ陰陽師』はどんなゲーム?夜ごと、辻に妖(あやかし)が出る。あなたは陰陽師です。倒した妖を式神として従え、装備として身につけ、自分だけの型を組んで夜を越えていきます。プレイ人数: 1〜2人プレイ時間: 10〜20分対象年齢: 8歳〜内容物: カード32枚(63×88mm)価格: 1,500円2人で遊ぶ時は、6回の戦闘を協力して戦い、最後は育てたキャラクター同士で1対1の決闘をします(半協力)。決闘のかわりに、2人で強大なボス(酒呑童子・橋姫)に挑む完全協力モードもあります。1人用ルールでは、育てたキャラクターでボスに挑みます。陰陽師は4人。式神の扱いに長けた晴明、攻守に優れ読み合いで強い道満、火力が高い梨花、術のコンボが強力な葛葉、それぞれ能力が違います。1プレイの流れキャラクターを1枚選び、「攻撃」「防御」「術」の手札3枚を持ちます。妖は Lv1・Lv2・Lv3 の山に分かれていて、戦闘ごとにランダムに選んだ2体の妖と戦います。毎ターン、2人とも手札から1枚を裏向きに出して、同時に開きます。攻撃: 妖1体に、攻の数字ぶんのダメージ防御: このターン、ダメージを一切受けない術: 妖1体に、術の数字ぶんのダメージそれぞれのカードを出した時には、そのカードに対応する辺(攻撃は左、防御は右、術は下)にセットした装備の効果も使えます。出したカードは使用済みになり、3枚を使い切ると全部手元に戻ります。2人の処理が終わると、妖が攻撃してきます。妖のカードには手(攻撃の内容)が①②③と書いてあり、1ターン目は①、2ターン目は②、3ターン目は③、4ターン目はまた①と、1ターンに1つずつ打ってきます。妖を2体とも倒したら1体ずつ分け合い、裏返して「装備」か「式神」にします。これを Lv1・Lv2・Lv3 で2戦ずつ、計6回戦ったら最終戦です。32枚で「ちゃんとしたエンジンビルド」にするためにこのゲームは「エンジンビルド×ハクスラを最小構成でシンプルに美しく作りたい」というところから始まりました。カードは32枚にしました。32枚はボードゲームでよく使われる枚数で、持ち運びのサイズを最小化する際の有力な選択肢です。ハクスラの快感は、強くなった実感です。敵を倒すと装備が手に入り、その装備で次の敵を倒して、また強くなる。これを味わうには、手に入るものの種類が多く、組み合わせで毎回ちがう型ができる必要があります。エンジンビルドも同じ形をしています。手に入れたものが次の行動を強くし、強くなった行動でさらに次のものを手に入れる。この循環(エンジン)を自分の手で組んでいくのが面白さの中心です。ただ、エンジンビルドの多くは、そのためにたくさんのカードやボード、トークンを使います。32枚でその多様性とリプレイ性を出せるかは、正直かなり難しいところでした。そこでやった工夫を5つ紹介します。工夫① 1枚の妖カードが3つの役割を持つ妖カード18枚は両面です。表は敵として出てくる「妖の面」、裏は倒したあとに使う「式神の面」。倒した妖は、裏返すだけで戦利品になります。ドロップ用の別のデッキもトークンも要りません。さらに、式神の面には使い道が4つあります。横に置いて「式神」にする → 真ん中に書いてある技が使えるキャラクターカードの左に差す → 左の辺(攻の辺)が効く右に差す → 右の辺(防の辺)が効く下に差す → 下の辺(術の辺)が効くたとえば鎌鼬は、式神にすれば「もう1枚出せる」技、左に差せば攻撃の強化、右なら防御の強化、下なら術の強化になります。同じ1枚でも、どこに置くかでまったく別の部品になります。装備に3辺すべてを使ったのは、そのほうが選択肢が大きく増えて、ハクスラらしい悩ましさにつながるからです。18枚×4通りで、使い道は72通り。辺は全部で54か所あり、そのうち34か所は単純な数字ではなく、対応する手札を出したターンに起きる効果にしています。工夫② シンプルにキャラクターのステータスを表現装備する時は、式神の面を上にしてキャラクターカードの後ろに差し込み、対応する辺をはみ出させます。見えている辺だけが効き、何枚でも重ねられます。キャラクターカード1枚が、そのまま装備スロット付きのプレイヤーボードになるわけです。HPも同じ仕組みです。HPカードをキャラクターカードの後ろに差し込み、キャラクターカードの上から見えている数字のうち、一番下が今のHP。HPが減ったら、HPカードを下へずらして見える数字を減らします。妖のHPも同じようにカードで数えるので、ダイスもトークンも入っていません。工夫③ アクションが強化されるエンジンビルドエンジンビルドは、強くなるほど手番でやることが増えがちです。でもヒカリマル製作所は「手番中のアクションはシンプルなほど良い」と考えています。そこで、手札は最初から最後まで「攻撃」「防御」「術」の3枚のままにしました。辺の数字(攻+1 など)はずっと効き、辺に書かれた効果は、その辺のカードを出したターンに起きます。左の辺は攻撃を出したターン、右の辺は防御を出したターン、下の辺は術を出したターンです。毎ターンの選択肢は3枚から1枚のまま。強くなるのは、それぞれのカードを出した時の効果です。攻撃を積んだ型、防御を出すたびに回復する型、術で押し切る型と、同じ3枚でも、型によって効果がまったく変わります。2人は同時に伏せて出すので、協力戦ではもう1人の1枚を読んで自分の1枚を選び、決闘では相手の1枚を読み合います。妖の手は①②③の順番がカードに書いてあるので、大きい手が来るターンに防御を合わせる、といった計画も立てられます。深みはシステムの複雑さではなく、この読み合いで作りたいと考えました。工夫④ リプレイ性を高めるシステム妖18枚は Lv1・Lv2・Lv3 の6枚ずつ。各Lvで戦うのは2戦×2体の4体なので、毎回2体ずつ出会わない妖が残ります。どの4体と出会うかだけで、1つのLvにつき15通り、3つのLvで3,375通り。取れる式神が毎回変わるので、同じキャラクターでも前回と同じ型にはなりません。残った妖も無駄にはしません。ボス戦では、Lv3の山に残った妖から1体がボスの取り巻きとして出てきます。倒した2体を分ける順番にも意味を持たせました。あとに倒れた妖にとどめを刺した人が先に1体選び、次の戦闘はもう1人が先手になります。先手は先に動けますが、妖の「先手に◯ダメージ」の的にもなります。協力しながらも「その式神、欲しい」という駆け引きが生まれます。工夫⑤ 決闘・協力・ソロの3モード遊び方を増やしても、カードの枚数は増やしていません。2人・決闘(半協力): 6戦を協力して、最後は1対12人・ボス戦(完全協力): 6戦のあと、2人でボスに挑む。ボスは妖用HPカードの裏面1人用: 育てたキャラクターでボスに挑む1人用では、使わないもう1人分の手札3枚を、裏向きにして横に置きます。妖が残り1体になると、この3枚から毎ターン1枚をめくり、防御ならその妖はそのターンダメージを受けず手も打たない、攻撃なら、そのターンの妖の攻撃は、あなたの防御の数字で軽減できません。2人用の手札をそのまま妖の動きを変えるのに使うことで、1人用のためのカードを1枚も足さずに済みました。難しさは10段階から選べます。小ささと美しさを両立させるために、削ったもの・あとから足したものヒカリマル製作所では、「小さい」を、物理的にサイズが小さいこと、内容に無駄がないこと、ルールがコンパクトで分かりやすいこと、と定義しています。「美しい」は、見た目が整っていること、ルールとコンセプトが矛盾なく響き合うこと、思考が勝利へ論理的に接続すること。『ハクスラ陰陽師』では、ハクスラの気持ちよさに直接つながらないものを削りました。一方で、なくても遊べるけれど、32枚の構成の中に収められるものは、あとから足しています。削ったもの属性。相性の計算はルールを複雑にしすぎるので入れていませんデッキビルド要素。最初は考えていましたが、重ゲーになるのと、TCG寄りの方向に進んでしまうので、思い切って削りました妖の札の裏面の統一。妖はランダムに登場するので裏面は揃えたかったのですが、式神と装備を1枚で表現するために諦めました(机の下でランダムに選ぶか、お手持ちのダイスなどで決めてください)当初は予定していなかったけれど、あとから足したものボスキャラ。最初は1対1だけのつもりで作り始めましたが、ソロプレイと完全協力も遊べるようにしたくて、唯一使っていなかった妖用HPカードの裏面に入れました。結果として、ゲームの幅が大きく広がりました進化という山場。式神をコストにしてキャラクターカードを裏返すと、HPが回復して能力が変わります。当初はキャラクターカードの表と裏に1人ずつ、2枚で4人の予定でした。ほかの部分を圧縮してキャラクターカードに4枚使えるようになり、同じカードの表と裏の2人は一緒に選べないので、組み合わせを増やすために1人1枚にしました。そこで空いた裏面に、進化を入れていますソロプレイのレベル設定。気軽に遊べる低難易度から超高難易度まで、10段階あります(これのせいでバランス調整に多大な時間をかけることに…別のブログで機会があれば紹介します)ストーリーモード(追加予定)。ソロプレイと協力版の延長として、キャラクターや妖の関係性も活かして遊べるモードを用意する予定です。説明書のQRから遊べるようにします。頑張ります…!32枚の内訳は、妖18枚・キャラクター4枚・手札6枚・HPカード4枚。表と裏をあわせた64面に、役目のない面は1つもありません。そしてビルドの幅です。キャラクター: 4人 × 進化の前と後 = 8通り1つのLvで: 6体からどの2体を取るか 15通り × それぞれを式神・左・右・下のどれにするか 16通り = 240通りこれが Lv1〜3 の3回ぶんで 240³8 × 240³ = 110,592,000。32枚で、1億通り以上のビルドが組めます。バランス調整は、ブラウザ版とAIで32枚でも、組み合わせは人の手で遊びきれる数ではありません。そこで今回は、まずブラウザ版を実装しました。初期は人の手で大量にテストプレイしながら細かく調整し、そのログを全部残してAIに学習させ、後半はAIで膨大な量のテストをして細かい調整をしています。AIの確からしさは、実際にAIと対戦するなどして人間が確かめました。この話は、次のブログで詳しく書く予定です。おわりに「この枚数でこんなに面白いんだ」と思ってもらえたら、とても嬉しいです。ゲームマーケット2026秋、10/17(土)・18(日)の両日、ブース H068 でお待ちしています。取り置き予約と、10/4(日)までの予約者向けの抽選プレゼントは、ゲームページから。『ハクスラ陰陽師』ゲームページ: https://gamemarket.jp/game/189267
- 2026/9/23 16:16
- ヒカリマル製作所
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- 予約〆切告知と新作コンポーネントご紹介!
- ヒカリマル製作所(S10)の予約締切は前日20時ごろに打ち切ります!お悩みの方はお早めにご予約ください!https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSciSoRV0vzAi-TCZ0NiGk3dxefQSllrzpOwK91iv_2_MQAqQQ/viewformまた、新作クロスギャラリーのコンポーネントを公開します!ゲーム等の詳細はゲームのページやXをご確認ください!この量が入って2000円、小箱!かなりお得な内容になっています!今回は前回即完売のアートコレクター、クロスギャラリーに加えて本格的な展示のようなガチのパンフレット、ポストカード、チケットが入った謎解きも出します!ぜひ当日足を運んでいただけると嬉しいです!
- 2025/11/21 1:16
- ヒカリマル製作所
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- ボードゲームの「小ささ」について
- 2025年春に初出展し、今回は2回目の出展となるヒカリマル製作所です。私たちは「小さく、美しいゲームを。」を掲げて制作しています。小さいとは——物理的にサイズが小さいこと、内容に無駄がないこと、ルールがコンパクトで分かりやすいこと。美しいとは——箱やコンポーネントの見た目が整っていること、ルールとコンセプトが矛盾なく響き合うこと、思考が勝利へ論理的に接続すること。ヒカリマル製作所では、そう定義しています。この考え方は、尊敬するゲーム作家・スパ帝国さん(『ナショナルエコノミー』の西村裕さん)の「小さく完璧なゲーム」という理念から大きな影響を受けました。実作としての2タイトル——『アートコレクター』と『クロスギャラリー』——はいずれもこのコンセプトに沿って設計されています。どちらもポーカーサイズの小箱で、ポケットに収まり、箱内に無駄な空間はありません。ビジュアルはパブリックドメインの絵画を主役に据え、作品の美をできる限り損なわないよう、余計な装飾やノイズを排したデザインにしています。箱の大きさは販売価格に強く影響すると言われます。私自身もユーザーとしてボードゲームを購入する時には無意識に「このサイズ感では安いな」、「トランプ箱2000円は高いな」など箱で価格感を考えることは確かにあります。制作者コミュニティでも「単価を上げるために箱を一段、二段と大きくする」という話はよく耳にしますし、店舗販売などの際にも目立つという点で大箱が有利に働く局面もあるでしょう。ただ、冷静に考えると箱がデカいことのメリットは、ユーザーにほとんどありません。多くのゲームを所有するコアゲーマーほど収納に悩み、持ち運びにも制約が生まれ、ゲームマーケットからの持ち帰りですら負担になります。ゲムマでデカくて頑丈で安いトートバックを売ってくれるイエサブさんは神です。毎回お世話になっています。今回の新作、『クロスギャラリー』はコンポーネントが豪華なため「カードをフルサイズにして箱を二段階大きくすれば3,000円でもいける」といった助言を複数いただきました。確かに原価率的にも結構厳しいところはあり、箱のサイズを上げるだけ(原価への影響は少ない)で売値を1000円上げられれば大分助かるのですが、このゲームは気軽に遊んで欲しいゲームです。小さくて小箱で、パーティ系ではなく思考力が試されるリプレイ性が高い軽量級ゲームという今回の2作品に共通する世界観の実現のためにも2000円の小箱で収めました。ボドゲ会に行くとき、遊ぶかは未定でも「とりあえず持って行ける」サイズ感でパーティ系ではないゲームは私が1ユーザーとしても強く求めている属性です。※画像は試遊会でのモックにつき製品版とは細部が異なりますが、ハーフサイズカード36枚、ひまわりトークン28個、ついたて4個(+トークン配置カード)、スタピマーカー+イーゼル1セットです。※製品版ではカードが全てエンボス仕様になり、エンボス仕様の箱も付きます。実体としての大きさだけではなく、ルールやプレイ時間としてのコンパクトさも重視しています。20分程度の軽量級ゲームにおいて、トリテやゴーアウトが主流となっているのは根本として手番で行うことが「手札内のカードを選択して場に出すこと」というシングルアクションで完結していることと勝利条件が短時間向きであることが大きいと考えています。オークションゲームも本質的には「入札をするだけ」というシングルアクションに近いように一見見えますが、セットコレクションの方向に寄るにしても経済構築の方向に寄るにしてもプレイ時間が長期化しがちです。『アートコレクター』は、絵画を多く集めるか、お金を多く集めるかを競うブラフ・オークションですが、勝利条件はどちらかというとブラフゲームに寄せて、メカニクスにオークション要素を取り入れることでコンパクトにまとめました。セットコレクション要素も入れたかったのですが、得点という形でいれると煩雑化するため「特定の組み合わせで集めればラウンドではなくゲーム全体に勝利する」という要素で緊張感とシンプルさの両立をしています。また、手番内の選択もシンプルです。出品側は「どの手札を出品するか」と「3種類の画家のどれを宣言するか(本ゲームでは全て裏向きで出品し、出品時にどの作家の絵か宣言する)」を決めるだけ。落札側は「パスするか」「いくらで入札するか」を決めるだけ。要点を短く把握でき、初回から全体像が掴めます。『クロスギャラリー』は、より多くの絵画を集めるゲーム。絵画を多く並べたい、保有したい、テーマに調和する可愛いトークンを使いたいというどちらかというとゲーム中の「絵」が先行し、後から肉付けを行いました。絵画を多く獲得しようと思うと、単純に絵画獲得の機会を増やすか、1獲得機会あたりの獲得枚数を増やすかになりますが、「小さく、美しいゲームを。」というコンセプトに従うと絵画獲得機会の増加はゲーム時間の増加に繋がるため、1獲得機会あたりの獲得枚数を増やすという方向で現在の9枚の絵画を同時にオークションにかける形式になりました。そして、9枚の絵画全てに対して入札を行うよりも、それらを3×3マスに並べて行と列(6択)に対して選択を行う方がよりコンパクトかつバッティングの面白さを生むことが出来ます。そういう流れでマスではなく、ラインに対する入札を行うルールになりました。また、トークンの配置は一部は公開して情報を見せるが、メインは非公開で一斉に行うことによりアブストのような計算力ではなく、思惑を読むという体験に寄せることを実現しました。結果として、手番でやることは公開と非公開の2回に分けて、自分のトークン7個をタテ・ヨコ3列ずつ=計6択のどこに置くかというシンプルなルールになりました。ヒカリマル製作所は「手番中のアクションはシンプルなほど良い」と考えています。深みは、システムの複雑化ではなくプレイヤー間のインタラクションで生む。これによりルールを膨らませなくても体験のパターンは増え、最も面白い変数である「人」をゲーム内の変数として機能させることができます。システムに対する選択のみが変数の場合にはシステムに対する熟練により熟練者と初心者との格差を広げがちですが、人の読み合いが軸であれば、初心者でもゲームシステムではなく相手の思考を読むことができれば逆転が起きやすくなります。長くなりましたが、以上のような考えで作ったのが『アートコレクター』と『クロスギャラリー』です。どちらも、「小さく、美しいゲームを。」という思想をそのまま形にした一箱です。手に取っていただければ嬉しいです。
- 2025/10/29 17:11
- ヒカリマル製作所
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