株式会社ウサギ

おもちゃクリエーター高橋晋平の会社です。アナログゲームの代表作は「民芸スタジアム」「アンガーマネジメントゲーム」「THE仮想通貨」です。

「グーチョキパーダラピン」は、1手目にどの手を出したら有利なのか考察してみた
2018/5/2 15:23
ブログ



グーチョキパーダラピン。

グーチョキパーに「ダラ」「ピン」を加えた5種類の手でたたかう超心理戦ジャンケンとして、構想3年を経て今回具現化したものです。



ゲームマーケット2018春(5/5土)で発売するこのゲームについて、ここまで散々遊んできた中で考えた、このゲームの考察を書かせて頂きます。よろしければお付き合いください。

話の前提として、僕は駆け引きなどの類は非常に苦手な人間です。自分で言うのも難ですが、ウソもつけないし、めっちゃ気が弱いです。そんな奴が、どうプレイしたらいいのか、という話になるかもしれません。

このゲームの基本ルールは、以下の図のように、おなじみグーチョキパーに「ダラ」「ピン」を加えた5すくみのジャンケンです。





で、簡単に言うと5ポイントずつ持っているライフを、

1ポイント減らす:グー

2ポイント減らす:チョキ(相手の手札減らし能力あり)

3ポイント減らす:ピン

4ポイント減らす:パー

5ポイント減らす:ダラ

のどれかで攻撃していき、ライフがなくなったら負け、ということになります。

※詳しいルールは右のリンクを参照してください→  https://ameblo.jp/simpeiidea/entry-12358524752.html

 

このゲームは非常に性格が出るゲームです。そして、気持ちで負けている上に小賢しいことを考えがちな僕の様な人間は、どんどんポイントが小さいカードを出す方向に追い込まれていくことになります。だから僕は、1ポイントの「グー」を出しがちになっちゃう、という話です。

 

まず、ゲームが始まると、おそらく多くの人が最初に頭にチラつくのが、「ダラ」で勝てば一発勝利であること。しかも、ダラは負けても一発敗北にはならないので、最初でも出しやすいわけです。

反対に、ピンを一手目に出すのは勇気がいります。人間、たったの一回でゲームオーバーになってしまうことには恐怖感があるからです。恥ずかしいし。してやられた感がたっぷりだし。



だから、まず相手はピンは出してこなくて、ダラで来る可能性は高いんじゃないかなと思う。

そうなると、グーチョキパーのどれかを出すことを考えるわけですが、ここで僕の性格だと、「グー」が出しやすいと思ってしまうわけです。グーはたった1ポイントしか相手にダメージを与えられないので意味は薄そうですが、なぜグーなのか。理由は、相手がダラじゃなかった場合、次に可能性があるのは「チョキ」だと考えるからです。

仮に自分がパーを出して、チョキで負けると、パーともう一枚(グーかチョキ)を捨てなければならず、一気に不利な状況になります。グーチョキパーの中で最も確率が低いのはグー。だから、チョキが一番出しやすい。で、こっちもチョキを出したいんだけど、仮に負けてチョキを失うとまた追い込まれるので出しづらく、結局、相手のチョキに対抗するグーを出したくなってしまうわけです。仮に負けても、失ってまだ挽回できるのは、攻撃力が弱いグーだとも言えますし。3人以上プレイだと、一旦ポイントは少なくてもいいから勝っておいて、指名権を相手に移してしまえるというメリットもありますし。

ということでグーを一手目に出したくなる心情があるのですが、これって、ある意味最も気弱な一手なんですよね。だから、慣れたメンバーとこのゲームをやると、グーで行ったときに「なんでグー?」「ひよってるわー…(失笑)」みたいになるわけです。

で、

これを、逆に考えると、次の段階で人の頭によぎる(少なくとも僕の頭にはよぎる)のは、「ピン」を出し続けて勝つのが一番カッコイイ、ということ。だって、ダラはやっぱり守りに入ってる一手だから。ごちゃごちゃ考えている奴に対して、少なくとも一手目はピンで勝ち、相手のカードを一枚減らして、ライフも減らしたうえで、次にいろいろな駆け引きができるようになる状況にするのが一番まっすぐでカッコイイ。



一発で負けるリスクを恐れずにピンで攻めるのが、僕のようなチキン野郎として生きてきた人間のゲーム上だけでの、せめてものカッコイイ疑似体験。ピンでガンガン攻めることに憧れてしまうのです。ダラで勝つより、ピンで勝った方が、モテるような気がするんです。自分が変われるような気がするんです。

・・・というような、本当に無意味なことを延々と妄想して、みんなでダラダラ話し合うムダ時間が醍醐味のゲームです。このゲームが強い人は、人の心をつかむ能力が高いということなのかな、と思います。また、二人の心がシンクロしてくると、ずっと同じ手を出し続けたり、同じ相手に対して完全に流れに飲み込まれて何回やっても勝てなくなったりすることが起きる、とても不思議でハマると何度もやりたくなるゲームです。

最近面白かったアレンジした遊び方は、1チームがペアになって、2人で出す手を相談して相手と戦う遊び方。これがめちゃくちゃ揉めるわけです。正解のない相手の手の予想を他人と話し合うことほど混乱することはありません。このゲームは、ビジネス現場のコミュニケーションの縮図に見えます。正解も方向性も分からないことを必死で話し合うことの、ちょっと笑える感。さらにいうと、人生の縮図とも言えるのではないか。「グーチョキパーダラピン」の5種類の手は、五種五様の性格の違う人間なんじゃないか、と思ってくるのです。私はこの「手」のファン、みたいなことまで語り合えてきます。本当にナンセンスなのに奥深い良作を作れたなと思って満足しています。

お互いの性格を知り合って、いじり合うためのアイスブレイクにも、どうぞ。

グーチョキパーダラピンはゲームマーケット会場限定価格、5/5(土)1日のみ1,500円(税込)で販売いたします。

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