コムナタ712

「何度も遊べる、アツい頭脳戦ゲームを」
をコンセプトに活動しております。
制作:「トライノミコン」「HOSTILE」

シナジーは行動を縛る枷!? 赤青緑のプレッシャー「マナ」
2017/10/27 21:16
ブログ

みなさんこんにちは!
本日は新作『トライノミコン』のゲームシステムの一つ、「マナ」についてご紹介します!

マナ。様々なファンタジーで、魔法のエネルギーとして扱われるモノです。
本ゲームにおけるマナも、溜めれば溜めるほど魔法が強力になるリソースとして設定されています。
ですが、それだけでなく、マナは読み合いを引き起こす「行動宣言」の役割も持っています。



こちらが『トライノミコン』で使うマナチップです。
ご覧の通り、三色あります。そして、本作に登場する魔法にも、この三色が割り振られています。

では続いて、こちらのカードをご覧ください↓↓



先日の記事でもお話したとおり、本ゲームの赤いカードは攻撃に、青はアドバンテージ獲得に、緑はカウンターにそれぞれ長けており、対応した色のマナを貯めると、その威力がどんどん高まっていきます。
また、各カードの仕様は、

1.赤いマナは赤いカードでしか生み出せない、というように、同じ色のカードからは同じ色のマナが出てくる。

2.色付きのカードは全て、マナを生み出す効果を持っている。

3.マナが0の状態では、ダメージは1点までで、ドローは1枚まで。また、一切のカウンターは発動しない。

4.「Ⅰ」「Ⅱ」にはマナを生み出す効果が多く、「Ⅲ」にはマナを参照して発動する効果が多い

というモノになっています。
上記の『紅』『藍』『翠』もその法則に則っていますね。

以上四つの仕様から、全てのカードは同じ色のカードの効果を強化できる、つまりシナジーがある、と言うことが言えます。
なので、このゲームの基本戦略は

「手札を同じ色のカードで染めて「Ⅰ」「Ⅱ」でマナを準備してから「Ⅲ」で強力な効果を使う事」

です。
例えば、上にある『紅』を三枚集めて三連続で出したとすると、



「Ⅰ」の効果で1マナ+「Ⅱ」の効果で3マナ獲得→「Ⅲ」の効果でダメージ4+1=5点

となります。
このゲームのライフは25なので、「Ⅰ」の効果にオマケでついてくる1ダメージも合わせて、20%以上のライフを一気に削り取れるわけですね。

しかも。
本ゲームの1ターンでは、カードを3回出すことができますが、その3回の間、なんと一度溜めたマナは無くなりません
なので、例えば……



この『閃』を三連打すると……

1.「Ⅰ」の効果で2マナ獲得

2.「Ⅱ」の効果で1マナ得て、今ある3マナで3点ダメージの攻撃

3.それを保持したまま、「Ⅲ」の効果でもう一度3点ダメージの攻撃

と、『紅』三連打の場合と同じく、1ターンに6点のダメージが与えられるのです。
シナジーは一回利用しただけでは消えない。ターン中ずっと続く! という事ですね。

さて、ここまでお話すれば、勘のいい方はもうお分かりかもしれません。
出来るだけ染め手でカードを三連打したい。逆に、マナを準備しないと効果には期待できない……
と、なれば。
「Ⅰ」の効果を使うべく、ターンの最初にいっせーのでカードを見せ合ったその瞬間、このターンの相手の行動がある程度予測できるのです。

赤マナを出してくれば、強烈な攻撃が飛んでくるかもしれない。
青マナを出してくれば、ドローの可能性がある。
緑マナを出してくれば、カウンターのプレッシャーがある。

そう。逆に言えば、このゲームでは、マナを出すという行為が「この行動を取るぞ」という宣言になるのです。

そして、この行動宣言だけで一喜一憂が起こります
例えば、ターンのはじめ。「Ⅰ」の効果を使うべく、貴方が出したのがこのカード『紅』。



そして、相手が出したのが、このカード『翠』だった場合。



……赤マナで出来ることは攻撃一辺倒。一方、緑マナのある相手はそれをカウンター出来ます。しかも、緑マナでも一応攻撃が出来ます
なんという事でしょう。貴方に出来る事は以下二つのどちらかになってしまいました。

1.「Ⅱ」で赤以外のマナを出して「攻撃宣言」を撤回し、マナがあまり無い、シナジーの薄い状態で「Ⅲ」の効果を使う

2.カウンターのリスクを承知で「Ⅱ」「Ⅲ」に赤いカードを切る

ローリターンかハイリスクか……いずれかを選ばされるという事で、状況は圧倒的に不利です。
この場合、あなたの出した赤マナ=攻撃宣言が「行動を縛る枷」に、相手の緑マナ=カウンターの示唆が「二者択一を迫るプレッシャー」になってしまっているのです!

さてはて。こんな事にはなりたくありません。となれば、相手の行動を逐一予測する必要があります。
……そんなのは無理? 運ゲー? 初手じゃんけん? いやいやそんな事はありません。
なにせ、このゲームで使うカードは殆どがドラフトピック
ターン中に使った3枚のカードは、非公開で1枚ドローし、その後表向きの場札=ラインから2枚ずつ取って補充する、というシステムとなっております。
そう、相手の手札の内実を、七割近く把握できるのです
例えば前のターンのドラフトで、相手がラインからこんな2枚を取っていたら?

 

『瞬雷』&『瞬雷』。赤マナ3点に赤マナの三倍の火力が出る強力なカードです。
赤い攻撃がいつ飛んできてもおかしくないですよね。

こちらとしては、例えばこんなカードをドラフトで取って、手元に持っておきたい所です。

 

緑のマナを出せるカードを握っておき、相手にカウンターを警戒させるのです。
それでも赤マナを出して攻撃の構えを取ってくるか、それともこのターンの『瞬雷』は完全に見送って、まったく別の色のマナを出してくるのか。『藍』を初手に出せば、「Ⅱ」で『硬』を出せば『瞬雷』はカウンターできます。

……仮に、『藍』を場に伏せたとして。「Ⅰ」が首尾よく『藍』対『瞬雷』となった場合でも、読み合いは続きます。
貴方のマナは、現在青1緑1。なので、貴方の手元にこのカード『廻』がある場合……



相手がカウンター警戒でもう一枚の『瞬雷』を温存するなら、その隙をついて、『廻』の効果で1枚好きなカードを取ることができます。

しかしそれには、

「『瞬雷』温存読みドロー読み『瞬雷』」

という、裏の裏をかかれるリスクが伴うのです。

……と、マナを巡ってこれだけの心理戦が発生します。
「マナを出して行動を宣言する」、しかも「ドラフトで相手にカードがバレる」
この二つの情報公開がある上で、さあ強烈な呪文をどう通すのかと心理戦を繰り広げる面白さが、『トライノミコン』のコアなのです。

いかがでしょうか。
次回の記事は、更なる読み合いの妙を加える「マナの持ち越し」の紹介を行う予定です。

(↓マナの詰まったビンを抱っこする、カード『持越』のイラスト↓)


それでは御機嫌よう。