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映画というテーマができるまで (Cinema Trick 制作記2)
2026/9/25 9:32
ブログ

 

映画というテーマができるまで

今回は、「シネマトリック」のテーマとイラストがどのように生まれたのかについてお話ししたいと思います。

シネマトリックは、メカニズムがほぼ完成した段階でテーマを決めたゲームです。

ゲームを作っているうちに、「今のメカニズムと映画というテーマは相性が良さそうだな」と思うようになり、そこから映画をテーマにして、全体のデザインを進めていきました。

ところが、いざ映画をテーマにすると、新しい悩みが出てきました。

「映画をどうやってゲームに取り入れるか?」

そして、それ以上に難しい問題がありました。

「どんな映画をテーマにするのか?」


映画をどうやってゲームに取り入れる?

最初はいろいろな方法を考えました。

例えば、『フィルムを巻いて』のように、複数の映画を1つのゲームの中に分けて入れる方法もあります。

逆に、1本の映画全体をゲームにして、最初から最後まで1つの物語が続いていく形にすることもできます。

ほかにも考えました。

48枚のカードを素早くめくることで、アニメーションのように見せる方法です。

ただ、シネマトリックは、スートがなく、数字だけが連続していくカードゲームです。

そのため、いくつもの物語を分けて入れるよりも、1つの物語が最初から最後まで続いていく形のほうが、このゲームには合っていると思いました。

そうなると、次に考えるべきなのは、「どんな物語にするか」です。

 


では、どんな物語にする?

私が作りたかったのは、単純に有名な映画をゲームにすることではありませんでした。

今回はもう少し広い意味で、「人生」という物語をゲームにしてみたいと思いました。

シネマトリックのカードに書かれた数字が、なんとなく人の年齢のように見えたからです。

もちろん、カードが48枚あるからといって、48歳で人生が終わるわけではありません。

でも、カードの数字を年齢だと思って1枚ずつ見ていると、自然と、

「1人の人生をカードの中に描いてみたらどうだろう?」

という考えが浮かびました。

そこで思い浮かんだ映画が、『トゥルーマン・ショー』と『ライフ・イズ・ビューティフル』でした。

트루먼 쇼 - 나무위키 인생은 아름다워 - 나무위키

この2つの映画のように、楽しく見られるけれど、その中に静かな感動もあるような物語を作りたいと思いました。

そこでカードの場面を、何も知らなかった子どもの頃から、学校生活、社会人生活、中年期を経て、少しずついろいろなものを手放していく老年期まで、1人の人生のようにつながっていく形で構成しました。

ゲームをしながら、ただルールや数字を見るだけではなく、カードを1枚1枚眺めながら、1人の人生を一緒に歩いているような感覚を感じてもらえたらいいなと思いました。


ところで……主人公は誰にする?

テーマを決める中で、特に長く悩んだのがキャラクターでした。

実は、最初に考えていたのはハトでした。

以前、Xでも「ハトをテーマにしたトリックテイキングゲームを作る」と話したことがあります。

ハトを選んだ理由は、とてもシンプルでした。

ハトは、特に探さなくても私たちの身近なところで見ることができる動物だからです。

公園や道、建物の周りを歩いていると、自然と目に入ってきます。

だから、かなり親しみやすい動物だと思っていました。

それに、動物をキャラクターにしたボードゲームはたくさんありますが、ハトが主人公のゲームはあまり見たことがありませんでした。

そこで、

「身近で親しみやすいのに、ボードゲームではあまり使われていないハトを主人公にしたら、目を引くんじゃないか?」

と思ったわけです。

ところが、実際に作業を始めてみると……

どうもしっくりこない。

たぶん、ハトがキャラクターとしてあまり使われていないのには、理由があったんだと思います。😂

 

結局、ハトは候補から外して、猫にするか、犬にするか、ニワトリにするか……と、いろいろな候補を考えました。

そして最後まで残ったのが、ドラゴンとアヒルでした。

私たちのチームはゲームを作るとき、かなり慎重に決めるほうなので、すぐには決めませんでした。

実際のゲームに使えそうないくつかの場面をサンプルとして描いてみて、それぞれを比べてみました。

そして、いろいろな場面を見比べた結果、

最終的な主人公はアヒルに決まりました。

 


48枚の人生を描く

ゲーム全体のコンセプトとキャラクターが決まり、

「これで、いよいよゲームを作れるぞ」

と思いました。

ところが、実際にイラスト制作を始めてみると……

本当に大変でした。

なぜなら、なんと48枚もの絵を描かなければならなかったからです。

シネマトリックのイラストは、単純に何枚かのカードに絵を入れる作業ではありませんでした。

48枚のカードが、それぞれ1つの場面になっているので、人生全体の流れが自然につながっていなければなりません。

子どもから青年へ。

青年から社会人へ。

そして中年、老年へ。

そうした変化が、カードを1枚ずつ見ても少しずつ感じられるようにする必要がありました。

そのため、今回のゲームはこれまで私たちが作ってきたゲームと比べて、イラストのスタイルもかなり変わりました。

これまでのゲームは、水彩絵の具を使った手描きのイラストが中心でした。

一方、シネマトリックは、最初から最後までパソコンでイラストを制作しました。

もちろん、ゲーム自体がよりカジュアルなゲームだったことも理由の1つです。

カードゲームなので、数字やゲームの情報がしっかり見えることも大切でした。

そのため、見やすさを確保することも重要でした。

でも、一番大きな理由はやっぱりこれです。

絵が多すぎる。

48枚すべてを手作業で細かく描いていたら、制作にはかなりの時間がかかってしまいます。

そこで今回は、制作時間を短くするために、パソコンでの制作を選びました。

もし今までのように、絵の具で1枚1枚描いていたら……

今でもまだアートワークをしていたかもしれません。

 


そして、時間がどんどん足りなくなっていく……

こうして作られたシネマトリックは、韓国で開催される2026 BEACONで最初にお披露目する予定でした。

ところが、制作スケジュールが本当にギリギリでした。

イベントが近づくにつれて、やらなければならないことはどんどん増えていき、結局、イベント直前まで作業を続けることになりました。

そして、本当にギリギリのところで、イベント当日の早朝まで作業を続け、ようやく完成しました。

今振り返ってみても、本当に危ないスケジュールでした。

それでも、完成した実物を初めて見たときは、かなりうれしかったです。

1つのメカニズムから始まったゲームが、テーマと出会い、キャラクターが生まれ、そして最後には、48の場面を通して1つの物語になったからです。

 


私が初めて自由に作ったゲーム

個人的に、シネマトリックは外部からの制約を受けず、自分の好きなようにプロデュースした初めてのゲームです。

だから、私にとっては少し特別なゲームでもあります。

もちろん、ゲームそのもののメカニズムも楽しんでもらえたらうれしいです。

でも今回は、それだけではなく、カードのイラストも1枚ずつゆっくり見てみてほしいと思っています。

48枚のカードには、それぞれ1つの場面が描かれています。

子どもの頃から学校生活、社会人生活、恋愛や家族、そして年齢を重ねていく姿まで。

ゲームをしながらカードを1枚ずつ見ていると、

「ああ、この頃はこんな時期なんだな」

と、自分の人生と重ねて見ることができる場面もあるかもしれません。

皆さんもシネマトリックをプレイしながら、アヒルの人生を1本の映画のように楽しんでもらえたらうれしいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 


そして最後に、1つクイズ!

シネマトリックのパッケージは、ある有名な映画のポスターからインスピレーションを受けてデザインしました。

どの映画か、分かりますか?

ヒントは……

「主人公が1人だけ残されています。」 🦆

さて、どの映画のポスターを参考にしたのでしょうか?

 

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