空創Lab

今回は1卓販売+1卓試遊になります。 「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」を中心に展示します。 ゲームマーケット2024秋で好評を博した「魔術師の杖」の新作も多数用意します。 今回、試遊プランは初めての試みですので、気になってたゲームのお試しがしたい方は是非お立ち寄りください。

【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン』ができるまで⑨ ―メインビジュアル―
2025/4/23 21:07
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ルールブックが完成し、残る最後の大仕事は――
ゲームの“顔”となるパッケージイラストだ。

表紙の印象で売れ行きが大きく左右されることは、言うまでもない。
それほど重要な部分なのに、なぜ最後に回したのか?
理由は単純。パッケージは他の印刷物よりも締切が遅いため、最後まで粘ることができるからだ。

もちろん、イラストの方向性や構成案は早い段階から考えていた。
候補となった案は主に2つ。

●案1:18種類すべてのペンギンをずらりと並べる、かわいさを強調したレイアウト。

●案2:ペンギンたちが食堂の席に座り、魚を受け取る――ゲーム中の一場面を描いたシーン。

案1はペンギン好きにとってはたまらない構図なんじゃないだろうか。
一方で、ボードゲーマーから見ると、やや物足りないかもしれない。

案2はゲーム性を感じられるビジュアルになりそうだから、ボードゲーマーはこちらの方が好みかもしれない。

だが、新たに描き下ろす必要があり、スケジュール的にはかなり厳しい。

さらに、イベント事情も考慮する必要があった。

ペンギン好きが中心のペンギン大学イベントは案1がウケそうだが、ボードゲーマーが中心のゲームマーケットは案2の方がマッチしそう。

そこで、まずは案1を採用し、ペンギン大学イベントに間に合わせることに。
可能であれば、その後に案2を仕上げてゲムマに間に合わせる――という“二段構え”で進めることにした。

案1は、以前描いたイラストをベースにすることで時間短縮が可能だった。

18種類のペンギンを全部登場させる。
よく映画のポスターで見るような、登場人物がズラッと並ぶ構図。
それをペンギンたちで再現する。

とはいえ、この構図も悪くはないがやはりどこか物足りない。

「だったら、行列にしてみたらどうだろう?」

お腹を空かせたペンギンが次々と来店するのだから、それまでは行列に並んでいる。
そのシーンを描くのだ。

そういうアイデアを話したら、仕上がってきたのは全く違うものだった。

「これは……かなり良い感じなんじゃないか?」

手前味噌ながら、そう思える仕上がりになった。

同じ方向を向いて密集したペンギンたちの圧力と、かわいさの共存。

迫力やインパクトは断然こちらの方が良い。

そうして完成したメインビジュアル。

もしかしたら、案2はもう必要ないかもしれない。

――⑩へ続く。