空創Lab

今回は1卓販売+1卓試遊になります。 「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」を中心に展示します。 ゲームマーケット2024秋で好評を博した「魔術師の杖」の新作も多数用意します。 今回、試遊プランは初めての試みですので、気になってたゲームのお試しがしたい方は是非お立ち寄りください。

【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン』ができるまで⑧ ―最後の難関、ルールブックとの闘い―
2025/4/22 20:50
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ゲームが完成した――でも、それだけでは終わらない。

作品として世に出すためには、ルールブックの存在が不可欠。
そしてこれが、毎度ながら最後の難関となる。

初めて遊ぶ人にとって、ルールブック読むことは“最初の壁”だ。
ルールブックを読んだだけでルールを理解するのは案外大変だ。

ルールブックは分からない部分を全て解消してくれるものでなければいけない。

だが、制作者にとっては「分かっていること」を説明する作業でもあるため、つい説明不足や誤解を招く表現になりがち。

おそらく、ルールブックを書くのが得意な制作者は、ほとんどいないだろう。

『はらぺこペンギン』のルールは、決して複雑ではない。

ざっくりまとめると、
① ペンギンが来店する
② プレイヤーが魚カードを出す
③ 注文が揃えば満腹になって退店、揃わなければそのまま残留
④ 一定ラウンド魚が届かないと"荒ぶり"状態になり、さらに放置すると“激おこ退店”。3回でゲームオーバー
⑤ 規定ラウンド内での協力プレイで高得点を目指す

この程度の内容でも、いざ文章にまとめるとなると難しい。

まずは思いつく限りの情報を盛り込んだ“素案”を書き上げる。
その後、初見プレイヤーにルールだけを渡して遊んでもらい、「自力で遊べるかどうか」を検証する。

分かりにくい点をフィードバックしてもらい、修正。
また読んで、また修正。
その繰り返し。

今回は、校正チェックにAIも活用した。

何度も「完成した」と思っては、見直して違和感を覚える。

ようやく日本語版が完成したら、次は英語版の制作。
こちらも、伝わりやすさ・言い回し・雰囲気のニュアンス調整に苦心しながら、何度も見直す。

スケジュールはギリギリだったが、「せっかくなら海外の方にも届けたい」という思いで、どうにか間に合わせた。

気がつけば、修正データは日本語版も英語版もは10ファイルを超えていた。

こうして、日本語版・英語版ともにルールブックが完成。

ゲームは、ようやく“届けられる形”になった。

――⑨へ続く。