番次郎書店 @hyacper
ボードゲームとクイズで生きている人。たまに現れて騒いで去っていく。コーヒーと本が好き。目下の悩みは、クイズの本を作ったはいいけれど、テストプレイを行う友人も場所もいないこと。
- 簡単な「ボドゲクイズ」制作中(ちょっとネガティブ)
- 2024/8/1 17:22
皆さま、盛夏の折、いかがお過ごしでしょうか。
番次郎書店、店主、バンちゃんと申します。
番次郎書店では、トータル13冊目になります秋新刊ボードゲームクイズの本の編集作業を、この夏もイベント出展返上で頑張っております。
今回、最も大胆な試みとしまして、「簡単なクイズ」が、さらに簡単になったことです。
これまでのクイズ本も、「簡単なレベル」のクイズを収録したつもりでしたが、毎度「難しい!」の声を聞き、しゅんとなりながら、簡単なクイズとは何か、的な哲学に陥りながら、自分なりの試行錯誤を続けてきました。
解きやすく、面白いクイズ、それはたくさんのボードゲームに触れ、たくさんのクイズを学ぶほど「作りづらくなります」
今日はそんな苦労話を少し話そうと思います。
クイズ制作のかたわら、他のボードゲームカフェ、ボードゲームYouTubeチャンネルの「ボードゲームクイズ企画」も、ほぼすべて網羅しました。(したつもりです)
モザイクなど加工されたパッケージから推測するクイズ、タイトル中国語読みクイズ、紹介文からゲーム名を推測するクイズ、等々。
既存の「クイズがテーマのボードゲーム」を使った動画なら、まだまだあるかもしれません。
その視聴する中で、気になった言葉が
「こんな(簡単な)問題もわからないの?」
「え、カタンもわからないっすか?」
などの、出題者、解答者側(正解した側)が「煽るような発言」です。
煽ることを企図した発言ではないはず、考えすぎだ、と自分を戒めつつ、我が身を振り返って考えました。
ボードゲームのクイズを企画すると、どうしても「見せたい絵面」が「解答者の悩む表情」「難しい問題に苦悶する様子」「ひっかけ問題に引っかかった時の「やっちまった!」的なリアクションを、どうしても求めたくなるのかもしれません。
(同じセリフを、学習塾の講師が口にしたならば、即刻クビになるかもしれませんが。)
私も解答側より出題側に回ることが多いので、作ったクイズを「難しくしたくなる気持ち」も理解できるのです。
ボードゲームに限らず、ひとつのジャンルに特化した形のクイズは、作成の過程でどうしても「難しくしたい」と考えてしまいます。
それは例えば、「単純に答えを問う形式より、パズル的な、問題文のどこかにヒントが紛れ込んでいた」のようなギミックを交えてしまいたくなる気持ち。
「あまりに簡単だと、解答側から「簡単すぎる!!!」と馬鹿にされるのではないか」といった、心理的な不安。
また「簡単にしたつもりだったけれど、力を調整する度合いがわからず、知らず知らず問題が難しくなった」(※これは自分の得意な(好きな)分野のクイズにありがちです)
などなど。
問題を作るのが思ったより大変だったので、AIイラストに読み込ませたクイズ、パッケージ写真を加工したクイズ、など、効率化を図ったクイズもあるかもしれません。早ければ1分弱で1問できるペースは、AIを使わず自力で作成する自分にとって羨ましくもある話です。
話は逸れますが、2年前の拙著「ボードゲームクイズ プロミネンス」でも、この「簡単なクイズ」に関し企画したことがありました。
しかしながら、制作の難しさに反し、答える側が「全問楽勝!」と思われてしまうと、購入の気持ちも削がれるのではないか、と不安になり、収録数を半分以下に下げた経験があります。
本題ですが、今回「ボードゲームクイズ タイタン(仮称)」は、520問収録の問題の難易度をぐぐぐーっと下げました。
最初の20問は特に「お笑いのようなクイズ」を。そこから100問~200問は、「クイズ王の解くようなクイズではないけれど、わかると楽しい、面白い!」といったクイズを多数収録したつもりです。
そして、これまで中堅レベルの難易度だった300問ほどのクイズをぐぐぐぐぐぐーーーっと圧縮し、約半分の120問に厳選しました。
「難しい問題にチャレンジしたい!」の声にも応えたい、と考えております。
クイズですのでね、試験問題集ではないのでね、
「この本を覚えないとボードゲーマー失格!」的な本にはしたくなかった、その一方で、「クイズは苦手だけれど、問題を解いて正解するのは楽しい!」の気持ちを汲み取りたい、その両天秤に悩まされながら、簡単な問題も難しい問題も、徹底して作り込んでおります。
「簡単です!」を看板に掲げたクイズ本が、果たして売れるのだろうか、(少なくとも各種メーカーや熟練ボードゲーム愛好者からは見向きすらされないはず)その不安は尽きません。
けれど、所詮は一介の売れない個人サークル、「商業的には失敗かもしれない、けれど、誰もまだ手を出していない領域ならば、自分が挑戦したい、作って売りに出して、机上の空論か否か、体感で学びたい」
ですので、今回のクイズ本は、そういった意味で「かなり実験的、チャレンジャブルなクイズ本」となっております。
デザインも誰にも頼らず、独学ではありますが、すべての面で決して妥協せず、周りのボードゲーム関連イベントをすべて返上し、頑張ろうと思っています。
(研究中のため「カンタンってどれくらいなんだ!当然俺にも解けるレベルなんだろうな!オラオラ!」の声に答えられず、具体的な問題が示せずにすみません!)
番次郎書店は、11月17日、2日目日曜のみの出展ですが、周りの美麗なボードゲームサークルに負けないよう頑張ります。
店主敬白