ORUCAgames

初めましてこんにちは、外鴨なきくと申します。「ORUCAgames」という名前のサークルやっています。過去のゲムマやエッセンシュピールで『最強ガキ大将No.1』『教会VSルティン・ルター』『NumberplaceCity』『おててアーティスト』『ツーシーソー』『おおかみようじん』『SATORI』を出しました。新作の『まだらの水殺人事件』をゲームマーケット2024秋に持って行きます。

「Numberplace City」のデザイナーズノート
2019/11/13 23:15
ブログ

みなさんこんばんは!
ORUCAgamesの外鴨なきくです。

今日は「Numberplace City」のデザイナーズノートとやらを書いてみようと思います。
さて、そもそもデザイナーズノートってなんでしょう?
分からなかったのでググってみましたが、美容師系のHPが見つかるだけで要を得ません。
しょうがありません。
これまでボドゲ系のHPでは「どういう風にそのゲームを作っていったか」を書いていたので、そのひそみに倣います。

そもそも、ナンバープレイスをボードゲームにしようと考えたのは、数年前、久々に正月に実家に帰った時でした。
叔父も叔母も、父も母も、従弟たちも、全員がナンバープレイスにはまっていたのです。
全員本家に集まって宴会をしているのに、分厚いナンプレ問題を解きだすと全員がその本の上に頭を突きだし、解き始めるのでした。
彼らはあまりボードゲームに興味を持ってくれず、実家に置いていた私の「ブロックス」を勝手に町内フリーマーケットに出品して売り払う始末。
そんな彼らがナンバープレイスにはハマりまくっている。
その時思ったのです。
ナンバープレイスをボードゲームにすれば、彼らも遊んでくれるのではないか?

東京に戻り、ナンバープレイスをどうやってボードゲームにするのか考えました。四人でボードに順番に数字タイルを置いていく、これがゲームの基本になります。
ボード全部が配置可能だと選択肢の幅が増えすぎるのでタイルを置ける範囲を、9個中、凸型の4個に限定しました。
この状態で、初期タイルの枚数をさまざまに調整しながらテストプレイを繰り返します。
その結果わかったのは、「遊べることは遊べるが、あまり盛り上がらない」という事でした。
みんなずっと盤面と手元を見て、苦しそうな表情です。
ボードゲームですから、苦しみがあるのはいいのです。ただ、苦しさがあるならその解放があるべきです。最初から最後までずっと洗面器に顔をつけっぱなしにするゲームでは楽しめないでしょう。
結局一年近くテストプレイを繰り返し、「そこそこ遊べるレベルだが、これ以上は煮詰まらない」と判断、放置することにしました。

それから半年後、ミスボドでのゲムマ新作ゲーム試遊会場に私はいました。
そこで展開するのは華やかで素敵なイラスト、キャッチーなキャッチコピー、楽しそうに遊ぶ人たちです。
しかしそこで私はショックを受けました。
ほとんどのゲームがカードゲームだったのです。
もちろん、私が持ちこんだゲームもカードゲームでした。
たいていのサークルが軽めのカードゲームで勝負をする場合、よほど何らかの特徴がないと埋もれてしまいます。
歴史もなく1人サークルのORUCAgamesにはなかなか厳しい話です。
そこで次に出すゲームは、競争相手の少ないボードを使ったボードゲームにしようと考えたのです。
そして、エッセンシュピールに持っていくことも同時に考えました。
その場合、言語依存性はできるだけ減らしたい。なぜなら、エッセンに持っていくゲームは英語、ドイツ語、フランス語のルールブックをつけることが推奨されるからです。
カードにユニークテキストをつける場合、翻訳をどうするかが問題になります。
カードを三言語分の3種類作るか、テキスト部分のシールを3種類作る必要があります。
ただでさえお金のかかるボードを使うのですから、言語依存性を減らすことで翻訳コストを減らせます。
この時思い出したのは、ナンバープレイスをボードゲーム化したあのテストプレイでした。ボードとタイルだけを使うなら、言語依存性はかなり少ない方です。
ただ、あのままの面白さレベルでは、作品としては出せないでしょう。
しばらくいろいろぼんやり考えていました。
その時ふと思ったのです。
「ナンバープレイスのルールって、バッティング禁止のルールなんだな……」と。
立て列、横列、同じブロックに同じ数字が存在してはいけない。
これはバッティングゲームの一種ではないですか!
その時不意にひらめきました。
バッティングゲームなら、バッティングしなかった最少数か最大数を出した人にメリットがある。
このゲームにもそのメリットをつけよう! これなら苦しさからの解放が発生する!
数字は9種類あるから効果も9種類!
一番強い効果は「ゲームに勝利する」!
一気にさまざまなアイデアがあふれだし、形になりました。
あとはまたいつものようにテストプレイで試行錯誤です。
そして「Numberplace City」が出来たのでした。

今年の10月、日本語、英語、ドイツ語、フランス語の説明書をつけて、ドイツはエッセンシュピールのヤポンブランドブースで頒布しました。
そして今度はゲームマーケットの番です。
皆様に遊んでいただき、楽しんでいただければ幸いです。

取り置き予約も受け付けております。
以下のページを参照してください。
http://gamemarket.jp/blog/2019aki_04/ ‎

以上よろしくお願いします。