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- 新作「満佐須計」のゲームデザインで最も注意した「色」とは
- 2017/11/27 8:00
前回、概要を紹介しました新作カードゲーム「満佐須計」(まさすけ)ですが、平安時代の“ファッションカラーコーディネート”がテーマだけあって、ゲームデザインにおいては「色」の検討に注意を払いました。
[caption id="attachment_74355" align="aligncenter" width="300"] 今回一番お世話になったカラーチャート「和色大辞典」[/caption]
平安時代におけるカラーコーディネートの「作法」を現代に伝える文献「満佐須計装束抄」には、四季や祝いの日に合わせたカラーコーディネートの名称「襲色目」(かさねいろめ)と、それぞれの色組み合わせを記していますが、そこに書かれている「色」と現代の「色」は必ずしも一致しません。典型的なのが「青」です。目の覚めるような青空や海の色を表現する現代と違って、平安時代の青は、雨の日の苔生した石碑のような「黒く青みがかった緑」であったといいます。
満佐須計では、満佐須計装束抄に関する解説をWeb「綺陽装束研究所」で公開している八條忠基氏の考察を参照に、DICが定めているカラーカタログ「和の伝統色」から平安時代の装束に用いていた色に「印象」が近い番号を選択し、1つの色で設けている「より淡い」「淡い」「通常」「濃い」といった4段階の「濃さ」に合わせて、Webサービス「和色大辞典」で明度(主に濃い色を作る場合)または彩度(主に淡い色を作る場合)を1~2段階シフトして印刷で色を指定する「シアン」「マゼンダ」「イエロー」「ブラック」(これらをまとめて「CMYK」と呼びます)の値を決めています。
「青」についても多くの研究者の解釈に従い、DICの青ではなく、より緑に近い和色大辞典にある「淡青」をベースに明度を暗くして「青」「濃青」を設定しています。
以上のような検討を重ねて印刷で色を指定する「CMYK」を決定した「満佐須計」で、平安時代のカラーコーディネートを机上で再現し、その雅な色彩を愛でていただけたら幸いです。