楽々亭

人狼を主食とし、ボードゲームを副食として生息する、ギークの群れ。

10人程度のサークルで、全員の対面人狼のプレイ数は、のべ15000回を超える。


■製作ゲーム
【箱庭の人狼】
 人狼のトレーニングにも!
 2人からできる人狼
【月夜の人狼】
 世界最多の役職、
 世界最高の創り込みの人狼
【WAWOON】
 ゆるふわ?実は結構ガチ
 の正体隠匿ゲーム
【ワナと魔石と魔物たち】
 ワナを仕掛ける
 ワーカープレイスメント
【さいころ館の鬼ごっこ】
 洋館ミステリー風
 正体隠匿ゲーム

Ladro d´oro の紹介
2017/5/5 2:05
ブログ



楽々亭の新作その2、Ladro d´oroのご紹介。

Ladro d´oroは、「黄金の盗賊」という意味です。
日本語と同じく、「黄金をターゲットとした盗賊」というニュアンスと「最高の盗賊」みたいなニュアンスの両方で取れるのです。

実は、今回の春、新作を「おつかみさま」だけの予定でした。
が、ある日、いきなり私の頭に、このゲームが降りてきたのでした。

ゲームを作るとき、ゲーム理論のことを考えることがあります。
ジレンマをゲームに組み込めないか?とか考えるときなどです。

ジレンマというと、ゲーム理論上、一番有名なものの一つに「囚人のジレンマ」というのがあります。
「個人が最善手を打とうとすると、集団としては最善手にならない状況になる」という奴です。
具体的には、「二人とも黙秘すれば二人とも軽い罪だけど、どちらかが自白すると『自白した人は無罪、自白してない側が重い罪』になり、両方が自白すると『両方が中くらいの罪』になる」⇒結果、二人とも自白してしまって、中くらいの罪を受ける、っていう奴です。

これの集団版として、公共財共有実験とか言われるものがあります。。
「集団の各個人に1000円ずつ渡す。そのまま持って帰っても良いが、みんなで投資をしても良い。投資は全員の出資金を集めて行う。投資をすると必ずお金は2倍になって返ってくるが、帰ってきたお金は投資した金額にかかわらず、帰ってきた額を投資した全員で『均等に配分する』」という実験。
全員が全額を投資すれば、全体の利益は一番大きい。けれと、他の人が1000円全額を投資してくれるなら、自分は投資に参加するが、なるべく少ない額しか出さない方が得なのです。
前者だと、全員が1000円を持ち帰るけれど、後者だと1円しか投資しなくても、1500円が帰ってくる。投資しないので999円と合わせて2499円が持ち帰れます。


っていうジレンマをゲームに盛り込もうとしたら『自由にグループを作ってもらって、上のゲームを繰り返しやってもらおう』というゲームになりました。


といっても、やってみるとワイワイガヤガヤと、楽しいゲームになりました。
多分、いわゆるゲーマーという人たちには『考えることが多い』のがとても魅力的かと。

一杯考えた方が勝つっていう訳でもなくて、しゃべった方が勝つという訳でもない。
でも、考えることには意味があって……

非常にリプレイ性の高い、面白いゲームに仕上がりました。


何はともあれ、一回テストプレイにきてください。
ほんとにほんとに、面白いですよ!