三枚研究所

3枚だからこそ深い。少ないルールで長く遊べるアブストラクトゲームを研究・制作しています。

中央を取るだけじゃない。相手にEを手放させる「鶴亀返し」の攻防
2026/9/28 19:44
ブログ

『鶴亀返し』の盤には、A〜Mの13個の交点があります。

その中でも、特に目につくのが盤の中央にある E です。

では、なぜEが重要なのでしょうか。

盤面を数字で見ると、その理由の一つが分かります。

16本の勝ちラインのうち、8本がEを通る

『鶴亀返し』には、3枚を一直線に並べられる勝ちラインが全部で16本あります。

そのうち、Eを通るものは次の8本です。

  • A-E-J
  • B-E-H
  • C-E-K
  • D-E-F
  • E-G-L
  • E-I-M
  • E-J-M
  • E-K-L

つまり、

16本中8本。ちょうど半分の勝ちラインが中央Eを通ります。

Eに自分の駒があるだけで勝てるわけではありません。
『鶴亀返し』では、3枚を一直線にするだけでなく、3枚すべてを同じ面にそろえる必要があります。

しかも、駒は動かすたびに必ず裏返ります。

そのため中央Eは、単純に「取れば強い場所」というより、

多くの勝ち筋に関わる一方、表裏・移動方向・周囲の駒の可動性まで考える必要がある場所

になっています。


中央をめぐる勝負は、「Eの取り合い」だけではない

中央Eが重要だと分かると、

「では、先にEを取ればいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、実際の対局ではそれほど単純ではありません。

今回Xに掲載した一局では、相手に中央Eを取られたあと、鶴側はEそのものを直接追いかけません。

狙ったのは、その周囲にいる相手の駒の動きでした。

外側の駒を順番に動けなくしていくことで、最終的には、

相手が中央Eの駒を動かさなければならない局面

を作ります。

つまり、

中央を奪うのではなく、相手に中央を手放させる。

今回の一局では、そこから空いたEを利用して、そのまま勝利につながりました。


「占有」だけでなく「可動性」が重要

この局面は、『鶴亀返し』の特徴をよく表しています。

盤上の重要な場所を押さえることはもちろん大切です。

一方で、

  • その駒は次にどこへ動けるのか
  • 相手の別の駒には逃げ道があるのか
  • 動けば表裏はどう変わるのか
  • その一手によって、どの勝ちラインが生まれるのか

といった要素も同時に関わります。

中央Eも、

「そこにいること」だけではなく、そこから動けるか、あるいは動かされるか

まで含めて考える必要があります。

ルールはシンプルですが、中央をめぐる攻防にはこうした駆け引きがあります。


実際の盤面推移はX動画で

今回紹介した一局は、約1分の動画にまとめました。

文章では分かりにくい、

「外側の駒を封じる → Eの駒しか動けなくなる → 中央を手放す → 勝利につながる」

という流れを、実際の盤面で確認できます。

▶ SANMAI LAB公式X

「中央Eをめぐる攻防」動画

https://x.com/sanmai_lab/status/2104509212126842930


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