空葉堂(KUYODO) Silentalk_Spiel
こんにちは! 空葉堂(KUYODO)と申します。
ふだんは東京都新宿区で空葉堂書店という本屋さん運営等をしております。ゲームマーケット2026春では『黙談-Silentalk-』を、販売させていただきます。協力ゲームで、コミュニケーション制限系で、150以上のパズルミッションが楽しめます。出展は5/23(土)のみ、ブース番号は【土-H15】です。皆さまとお会いできますことを楽しみにしております☺️🌸
- 設計哲学: ルール逸脱可能余白ほか
- 2026/5/20 17:53
様々なものの設計哲学を紹介し合う、とあるコミュニティで、黙談の設計哲学をご紹介しましたところ「読めてよかった!」や「絶対おもろいやつ!」とポジティブな反応をいただきました。どうもありがとうございます。
今回は、こちらゲムマブログでも、その一部をご紹介させていただこうかなと思います。

注)今回は、設計哲学のようなことを読みたい方に向けて「難しい話」を書いてみました。「『黙談』って何? どう楽しいの?を読んでもいいよ」という方は、先日のゲムマブログへここからタップして飛んでくださると幸いです☺️
🔷『黙談』の設計哲学について
1. ルール逸脱可能余白
どこまでルールの逸脱が許されたゲームか?(あるいは遊びか?)の指標を表した、私たちの造語です。
(余談ですが、先日お笑いコンビのラランドが『ザ・マインド』をYouTubeで遊んでいましたが、いい感じにこのルール逸脱可能余白を塗り替えながら楽しんでいました。)
『黙談』の場合も、この「ルール逸脱可能余白」が大きいでも小さいでもなく、そのとき遊ぶメンバーに、常に委ねられているという点が特徴的です。
これは黙談中の「爆笑」起点の1つでもあり、また、——たとえパズルの解答を1つ知っていたとしても——何度でも『黙談』は繰り返し遊ぶことができる理由でもあります。
この1つ目の設計哲学のより詳細については、こちらの黙談公式ページで記しております。
2. たまたまその時に強い人が分け与える
これはnote社CXOの深津貴之氏のポストを呼び水として言語化したものです。
協力ゲームとしての黙談において、「自分にとって不要なものを渡す」から、シームレスに「相手が欲しいであろうものを譲る/プレゼントする」へと、チームで変化する——そしてその変化をメンバー全員が目撃できる——、この体験が示唆的です。
「他プレイヤーの状況(それは〈手元のパズル完成度〉と〈思考や感情〉の両方)が、なんとなく察せられる」、これが『黙談』のその場面における「強い人」です。
この2つ目の設計哲学のより詳細については、こちらの黙談公式ページで記しております。
3. 黙談には奉行問題自体をゲームに取り入れた
奉行問題とは、1人ないしは特定のプレイヤーの仕切りで協力ゲームが楽しくなくなる問題を指します。
さまざまな回答が既存の名作から提出されていますが、『黙談』の場合、奉行行為が問題であるかないかの二項対立性を一度壊して再構築を試みました(いわゆる“脱構築”と呼ばれる思考操作です)。
これはボードゲームのプレイ中だけでなく、生活世界の奉行性そのものを「遊び」へと変奏する企てでもあります。
この3つ目の設計哲学のより詳細については、こちらの黙談公式ページで記しております。
4. 教育的側面に関して
「意欲」「主体性」「協調性」「コミュニケーション力」などといった、いわゆるハイパー・メリトクラシー(本田由紀)から距離を置くのが『黙談』です。
知識の、しかも系統的知識の「理解」によって初めて、人は社会性を獲得できる——“ヒト”から“人”になる——のであり、これを前提としない“能力”は、強盗や(特殊)詐欺でさえ称揚され得る帰結へと至ります。
ある論者は、純文学は繰り返し読むに耐える強度を持ち、一方で、ミステリー文学は——謎を一度読むだけで知ってしまえるゆえに——繰り返し読めないことを指摘していました。
消費され難いボードゲーム体験を模索しています。
関連文章:
ボードゲームの教育利用に対する、ひとまずの懸念 - ボードゲーム哲学

以上今回は、思わず作者の“熱量”を少し語ってしまいました🙇
👉 公式X: @Silentalk_Spiel
👉 『黙談』 公式Webサイト
ゲームマーケット2026春では、ブース名「空葉堂(KUYODO)」、5/23(土)のみの出展でして、ブース番号【H15】で皆さまをお待ちしております🤗
