OLIN STUDIO @OlinDesigner
韓国のボードゲームメーカーOLIN Studioです。 美しくて面白いゲームを作ります。
- 【W18】「エージェントブラック」デザイナーズノート(Designer's note)
- 2026/5/12 7:14

こんにちは、OLIN Studio(オリンスタジオ)です。
今回は、 「エージェントブラック」の開発プロセスで悩んだ点についてお話ししたいと思いますので、軽い気持ちでお読みいただければ幸いです。
※ 翻訳機を使用しているため、不自然な表現があるかもしれませんが、ご容赦ください。
Part1. 推理ゲームを作ろう!
ゲームのコンセプトを最初に思い付いたのは、コロナが猛威を振るっていた約5年前のことでした。多様な推理ゲームが好きだった私は、新しい推理ゲームのアイデアを考えていました。開発の目標は、「シートが必要ない推理ゲーム」にすることでした。
推理ゲームを開発するクリエイターの視点から見ると、シートを採用することは確かに簡単な解決策の一つです。ユーザーの「記憶力」をシートに依存させる方法は、古典的なゲームから最新のゲームまで一般的に採用されています。しかし、実際にゲームをプレイするユーザーの視点では、「シートが消耗される」という感覚はあまり楽しい体験ではありません。シートの枚数が減るにつれて、コピーしたり新たにゲームを購入する必要が出てくるからです。また、必須の構成物としてペンや鉛筆を加えなければならない点もシートの欠点の一つでした。これらの点を総合的に考慮した結果、私はシートを排除した推理ゲームを開発してみたいと考えました。
その後、2つの推理ゲームを発売しました。最初に発売した推理ゲームは、<このロマンティックファンタジーは私が受け付けます (2021)>というロマンティックファンタジーをテーマにしたボードゲームで、2つ目は、<フェースクルー (2024)>という似顔絵をテーマにしたボードゲームでした。どちらのゲームも「シートを使用しないゲーム」というコンセプトを実現したものでした。

私の最初の推理ゲーム、<このロマンティックファンタジーは私が受け付けます>は、韓国のクラウドファンディングで類を見ない成功を収めた作品でした。ファンディング期間中、2313名の支援者が集まり、5400万ウォンを超える支援金を集めることができました。
このゲームのコンセプト(ロマンティックファンタジー+ボードゲーム)が当時のトレンドに合致し、アートワークも優れていたため達成できた例外的な数字だったと思いますが、それでも推理というジャンルが本当に人々に愛されていることを直接感じるきっかけになった作品でした。
2024年には新しい推理ゲームをもう一つ作成します。それが似顔絵をテーマにした推理ゲーム、<フェースクルー>です。(フェースクルーは限定版として少量制作・販売されました。)
前回作った<このロマンティックファンタジーは私が受け付けます>は、ひとつの「正解」があり、その正解を最初に当てたプレイヤーが勝利する正統派のディダクティブゲームでした。それに対し、新しく開発した<フェースクルー>は、すべてのプレイヤーが各自の正解カード(目、鼻、口)を持っているという点が、従来の推理ゲームとは少し異なります。
<フェースクルー>のゲーム内における目標は2つありました。第一の目標は自身の無罪を証明すること、そして第二の目標は真犯人を当てることです。プレイヤー全員が自分だけの似顔絵カード(目、鼻、口)を持ち、正解を当てるためにはまず自分の似顔絵をすべて集めなければならないというひねりが、他の推理ゲームとは異なる新鮮な楽しみを生む要素となっていました。(各自の正解があるというコンセプトは「エージェントブラック」にも大きな影響を与えます。)
<フェースクルー>ゲーム紹介:https://gamemarket.jp/game/185600
ただし、どちらの作品にもあった難点は、ゲーム中に覚えなければならない情報が依然として相当存在するという点でした。シートを使用しないゲームを構想しようと努力しましたが、結局その目標を100%達成することはできなかったのです。そのため、三つ目の開発した推理ゲーム、<エージェントブラック>でも、この部分を改善することが最も急務の課題となりました。
Part2. シートの共用化
推理ゲームで得られる情報は、通常、断片的です。すべての情報を知ったときに初めて正解を見つけられるジャンルだからです。情報を得ることと同じくらい重要なことは、不必要な情報を排除することです。そのため、さまざまな推理ゲームではシートに書かれている文字を消したり、OやXのマークを付けることで取得した情報の重要度を示すことが行われています。この構造は、ユーザーが覚えなければならない情報をシートにある程度依存させる方法です。脳の過負荷を防ぐために、この外注化は必須の要素です。それでは、どうすればシートなしで情報を外注化できるのでしょうか?
<エージェントブラック>では、この部分を「情報タイル」を通じて実現します。情報タイルはプレイヤーが共有して持つカードの種類と同じです。ゲームで使用されるカードが18枚(服装x6、場所x6、所持品x6)であれば、使用される情報タイルも同じく18枚が使用されます。つまり、これらのタイルはすべてが共用の巨大なシートのようなものです。したがって、すべてのプレイヤーはゲームの大部分を中央に配置された情報タイルを見ながらプレイします。この部分もゲームを設計する際に非常に重要視していた点です。すべての人がシートを見ながらプレイする推理ゲーム特有の壁ゲームのような感覚を排除したかったからです。
<エージェントブラック>では、テーブルの中央に円形に配置された情報タイルを、「聞き込みコマ」が回ることで本格的にゲームが進行します。プレイヤーは「聞き込みコマ」を希望の位置に置き、隣接する3つのタイル情報を得ることができます。これにより、ユーザーは実際にゲーム内の空間を回りながら「探索」するような感覚を味わうことができ、またこうして得られた情報は「タイルの種類」だけでなく「タイルの位置」まで記憶するのに大きな助けとなります。(例:Aプレイヤーが持っている正体カードは7時の方向にある!)
こうして得た情報を基に相手が持っているカードを正確に推測すると、そのカードをゲームから取り除くことができます。(3枚がすべて取り除かれたプレイヤーは脱落します。)こうしてカードが取り除かれると、中央に配置された情報タイルも取り除かれます。これはまさにシート上で不要な情報に線を引いて削除する効果と同じです。こうして次第に情報タイルが消えると、後半に気を配るべき情報の量も共に減っていきます。

取り除かれた情報タイルの空いたスペースは、両側のタイルを引き寄せて埋めます。こうしてタイルで作った円が次第に小さくなり、ラウンドの終わりが近づく感覚が自然に体感されることになります。結果としてこのメカニズムを導入することで「シートが必要ない推理ゲーム」を効果的に実現することができました。
Part3. テーマと没入感の研究
<エージェントブラック>のテーマは何度も変わってきました。初期にはこのゲームのテーマは「密告者たち」でした。各プレイヤーは事件の犯罪者で、自分の犯罪を隠し、他の人の犯罪をすべて暴露すれば勝利するという方式でした。しかし、特定の単一のプレイヤーではなく、すべてのプレイヤーが犯罪者という設計は、社会的通念に合わないと感じました。それでは、このゲームにはどのようなテーマを添えればプレイヤーたちが役割に没入できるのでしょうか?
多くの考慮の末、ゲームのテーマを「秘密工作員(Secret Agent)」に変更しました。各国の秘密工作員がスパイ活動を行うために身分を隠し、その身分がばれればゲームに負けるという設定がこのゲームのルールとぴったり合致していると考えたからです。秘密工作員は、敵国のスパイを排除する任務を担っていますが、これは国家のためのものであり、犯罪とは見なされません。
こうしてテーマが変わると、「職業」は隠れている「服装」に変わり、犯行の道具はスパイの身分を証明するシグネチャーの「所持品」に変更されます。自分が現在いる「場所」を含め、この3枚のカードが今回のラウンドにおいて自分が隠している「正体」となります。
秘密工作員というテーマが確定したので、ユーザーの没入感を高めるために構成物やアートワークをテーマに合わせて調整することも非常に重要です。ゲームでユーザーは、自分のターンが来ると2つの選択肢のうちどちらかを実行します。1つは前述の「聞き込み」アクション、もう1つは「狙撃」アクションです。
私は推理ゲームのハイライトは結局「正解を当てる瞬間」の体験であると考えています。ゲームを進めながら得た重要な情報を基に正解を当てる瞬間の体験を、もっと特別なものにするためのコンポーネントを構想したいと思いました。「狙撃」アクションは、たった一人のプレイヤーを指名し、1つの情報を直接問うことでその正解を当てる体験を提供する行為です。このアクションの特徴と「スパイ」というテーマに似合うコンポーネントはやはり拳銃しかないと考えました。

こうして枠を組み、さまざまな資料を調べた結果、このテーマにぴったりの拳銃モデルが目に留まりました。まさにドイツのワルサー(Walther)社から発売されたPPK自動拳銃でした。この拳銃は第二次世界大戦から各国の工作員たちが主に使用した非常に小さい小型拳銃で、特に007シリーズで主人公が使用したことで「工作員たちが使う拳銃」として名声を得ました。したがって、これらの内容を基にPPKモデルをベースにした<エージェント・ブラック>の工作員たちが使用する拳銃をデザインすることになります。
最終デザインされた<エージェントブラック>のシグネチャー拳銃コンポーネントは、実際に指を入れて手に持つことができ、ゲーム中に拳銃を手に持つという行為自体が「狙撃」をすると宣言することと同じで、非常に直感的なゲーム体験を提供しながらも、テーマの没入感を高める大きな役割を果たしました。
( コマを持つと「聞き込み」、拳銃を持つと「狙撃」 )
各アクションに適した2つのコンポーネントがゲームの中央に配置されることにより、プレイヤーは自然に自分が選べるゲームの選択肢が2つあることを直感的に認識します。コマを持つなら「聞き込み」を、拳銃を持つなら「狙撃」 をすると言うことです。次のターンのプレイヤーが拳銃で手を動かすと、皆が緊張感を持って(あるいは期待感を抱いて)そのプレイヤーの銃口だけを見つめることになります。「'その拳銃は私ではなく他の人を指さしてくれることを願います!'」
Part4. 最終テストプレイ
ボードゲームを開発する中で最も緊張する瞬間は、結局のところ実際のユーザーがプレイする姿を見ることです。実際にゲームがプレイされる様子を見ることで、予期せぬ部分が見えたり、予想とは異なる多様なユーザーに出会うことができるからです。<エージェントブラック>は2回の実際のユーザープレイテストを行うことができました。3月に開催された「ソウルボードゲームフェア(Seoul Board Game Fair)」と4月に開催された「ボードゲームフェスタ(Board Game Festa」に参加してデモを行うことができたためです。
デモの過程でユーザーの皆さんがどの部分で楽しさを感じているのか、どの部分のルールに混乱しているのかを把握することができ、これを基にルールブックの文言を少し修正したり、ファンディングページの文を考えるのに大いに役立ちました。実際のユーザーからのフィードバックや楽しんでいる表情、生の感想を聞けたのも非常に貴重な経験でした。この場を借りて、ゲームをプレイしてくださったすべての方々に感謝申し上げます。
<エージェントブラック>は、新しい形の推理ゲームを開発したいという私の悩みとその解答を反映したゲームです。この解答は、たとえ正解ではないにしても、なかなか魅力的な解釈だと考えています。これで<エージェント・ブラック>という私の解答は終わりです。多くのユーザーの手で検証されるだけのことが残っています。このゲームを気に入っていただけることを願いつつ、文章を終わります。お読みいただき、誠にありがとうございました!
韓国から直接持っていくので数量に限りがあります。(予約数が増えると早期終了)
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— OLIN Studio @ゲムマ26春 【両-W18】 (@OlinDesigner) April 18, 2026
今回は新作「#エージェントブラック」を紹介する予定です。
正体を隠しているスパイを見つけ出す推理ゲームです。
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