Play With Us Design @PWUDesign
Play With Us Design は、台湾発のボードゲームブランドです。 「一緒に遊ぶ時間を、もう一度大切にしたい」という思いから、 小さく持ち運びやすく、気軽に遊べて、何度も楽しめるゲームをつくっています。 手に取ったときの質感や、遊んだあとに残るちょっとした会話も、 ゲームの大切な一部だと考えています。 今回のゲームマーケット2026春では、 新作『リーブス』『エーブス』『ウップス!』を中心に、 いくつかの作品をお持ちします。 エリア55でお待ちしています。 気になる作品がありましたら、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
- きれいに描けば、それでいい?——『リーブス』にならなかったアート案たち
- 2026/5/8 2:39
きれいに描けば、それでいい?——
『リーブス』にならなかったアート案たち
文/Yawen Jheng
こんにちは。Play With Us Design のグラフィックデザイン、Yawen です。
『リーブス』は、最初から今のような姿だったわけではありません。
落ち葉をテーマにしたゲームになる前に、私たちはまったく異なるアートの方向性をいくつも試しました。かわいいものもありましたし、美しいものもありました。完成度が低くなかったものもあります。それでも、最終的にそれらは『リーブス』にはなりませんでした。
なぜでしょうか。
このゲームで一番難しかったのは、「絵が上手いかどうか」ではなく、そのアートが本当にこのゲームに合っているかどうかだったからです。
2022年2月の中旬から下旬にかけて、つまり一年の中でも比較的落ち着いていて、国内外の大きなボードゲームイベントもなく、少し頭を整理しやすい時期に、私たちは再びこのゲームをどう見せるべきか考え始めました。
このときの試行錯誤は、とても密度の濃いものでした。
コミカルなペンギンから海鮮ディッシュ、ギリシャ神話からエジプト神話まで、私たちは2か月の間にいくつもの方向性を試しました。細かいバージョンまで含めると、おそらく9案ほどあったと思います。
その頃、私は毎朝起きると、まず自作の試作カードを取り出して遊んでいました。1、2問ほど解きながら、ゲームの感触をもう一度確かめつつ、「このゲームはいったいどんな見た目であるべきなのか」と考える。ついでに頭のエンジンをかける。そんな感じでした。
食事中も考えていましたし、シャワーを浴びているときも考えていました。寝る前にも、やっぱり考えていました。このゲームには、どんなアートがふさわしいのだろう、と。
どのバージョンも業界関係者にテストしてもらいましたし、最後のエジプト神話版は一般のプレイヤーにも遊んでもらいました。反応は決して悪くありませんでした。それでも、私たちの中では「これしかない」と思えるところまでは届きませんでした。

コミカルなペンギン版はかわいく、親しみやすいものでした。ただ、ペンギンそのものが白黒のコントラストを強く持つため、ゲーム中に素早く情報を見分けるには少し不向きでした。

反対に、海鮮ディッシュ版はシンプルで、見やすく、判別もしやすかったのですが、記憶に残るだけの特徴が少し足りませんでした。

小声で言うと、ペンギン版は実は2案ありました。ただ、2案目は視点がちょっと……うん、これは載せづらいかも、という感じだったので、ここでは1枚だけ見て雰囲気を感じていただければと思います……。

ギリシャ神話の運命の三女神を人物として描いたバージョンは、線が柔らかくロマンチックでしたが、ゲームのコンポーネントとしては少し複雑でした。

象徴モチーフ版は外枠がシャープで、中央のモチーフも優雅にデザインされていました。ただ、全体としてはゲーム中に素早く判断するための情報というより、眺めて楽しむ、あるいはコレクションしたくなる絵に近かったのです。

霧の森版とエジプト神話版でも、似たような問題にぶつかりました。どちらにもそれぞれ魅力があり、目を引く力もたしかにありました。けれど、私たちが美しい絵でこのゲームを見せようとすればするほど、このゲームが本来プレイヤーに届けたい感覚から離れていくようにも感じました。
私たちは、アートがあまりにシンプルで「デザインされていない」ように見えることは避けたいと思っていました。けれど同時に、美しさがゲームそのものを覆い隠してしまうことも望んでいませんでした。『リーブス』の核にある体験は、シンプルさ、素直さ、素早い判別、そして一瞬の判断です。私たちにとって最も難しかったのは、美しさを持ちながらも、ゲームのテンポを邪魔しないバランスを見つけることでした。
だからこそ、それらの案は「否定された」のではありません。むしろ、ひとつひとつが、違う方向を丁寧に取り除いてくれたのだと思います。そして少しずつ、このゲームに必要なのは、より強い世界観ではなく、もっと静かで、軽やかで、本質に近いテーマなのだと分かっていきました。
2022年の後半になると、感染状況も少しずつ落ち着き、海外のボードゲームイベントも再開されていきました。私たちは、この数年で出版したゲームのプロモーションに力を入れることになります。
こうして『リーブス』のアート探しは、また一度、棚上げになりました。
