空創Lab @kumashiro501
今回は1卓販売+1卓試遊になります。 「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」を中心に展示します。 ゲームマーケット2024秋で好評を博した「魔術師の杖」の新作も多数用意します。 今回、試遊プランは初めての試みですので、気になってたゲームのお試しがしたい方は是非お立ち寄りください。
- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで③ ―天使はまだ、降りてこない―
- 2025/4/16 16:25
「これはいけるぞ。」
前回のテストプレイで手応えを感じたラボメン1号は、どこか安堵と期待を胸に、新たな制作の日々へと踏み出していった。
ベースはできた。あとはテーマを「ペンギン」に乗せて整えていけばいい――
そう思っていた。
しかし――現実は甘くなかった。
一見、ある程度“面白い”と感じたゲームだったが、時間が経つにつれて違和感が浮かび上がってくる。
「……これ、本当に“ペンギン”である必要、あるのか?」
空創Labの作品には、一つのポリシーがある。
――テーマとルールに“整合性”があること。
ただ可愛いだけの見た目でなく、その存在が、ゲームの仕組みや世界観とマッチしていることを重視している。
だからこそ、ペンギンというテーマに“ずれ”を感じてしまった。
それは、“モヤモヤ”として開発の足を引っ張りはじめる。
<ゲームシステムへの迷い>
ゲームシステムについても悩みは続いた。
協力型にするか? 対戦型にするか?
それとも、両方の要素を組み合わせた“半協力型”にするか?
いくつかの案が生まれ、実際に試すことに。
■案1:対戦型
18種類のペンギンが場に並び、プレイヤーはポーカーのように食材を集めてペンギンを獲得していく。
→ だが、運に左右されすぎて役が揃わず、テンポも悪く、想定していたプレイ感にならない。
■案2:協力型
プレイヤー全員で、ベルトコンベアに乗って次々と現れるペンギンたちに食事を与えていくスタイル。
腹を空かせた18種のペンギンたちが、列を成してやってくる――そんなイメージが脳裏に広がった。
→ こちらの方が、テーマとの相性は良さそうだった。
だが協力型には協力型で、別の難しさがあった。
・1ターンに何回プレイする?
・ペンギンは何ターンで進む?
・出現タイミングに変化をつけるには?
・怒ったらどうなる? 天敵に襲われる?
「基本は協力なんだけど、対戦要素も少し入れられないか……?」
考えれば考えるほど、頭の中は混乱していった。
<天使待ち>
「こんなときは、“天使待ち”だな。」
“天使待ち”――それは、漫画家・衛藤ヒロユキ氏が名付けた、行き詰まりの中で奇跡的なひらめきが“舞い降りてくる”瞬間をじっと待つこと。
ラボメン1号も、行き詰まったときは天使に頼るのだ。
だが、その日、その週、その月、
天使は、来なかった。
アイデアも、突破口も、訪れない。
ただ時間だけが、音もなく過ぎていく。
気づけば、カレンダーは3月の下旬を指していた。
――④へ続く。