空創Lab

今回は1卓販売+1卓試遊になります。 「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」を中心に展示します。 ゲームマーケット2024秋で好評を博した「魔術師の杖」の新作も多数用意します。 今回、試遊プランは初めての試みですので、気になってたゲームのお試しがしたい方は是非お立ち寄りください。

【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで② ―運命の分かれ道、そして「ペンギン」の目覚め―
2025/4/15 15:36
ブログ

2025年2月11日。ブラッシュアップ会。
その日、空創Labが持ち込んだのは、まだ“ペンギン”の影も形もない、別のゲームだった。

その名も――『刀を研ぐゲーム』。

聞いただけで分かる。地味である。否、超地味である。

だが、“ゲーム”とは、まず面白くなければ始まらない。

テーマが地味だろうと、魅力的な駆け引きがあれば、きっと人は夢中になるはず――そんな信念のもと、静かにテストが始まった。

■刀を研ぐゲーム
・研ぎ回数で切れ味が変化。研ぎすぎれば折れる。
・研ぎ回数カードを各自1枚選び、一斉に出す。出たカードの合計回数分自分の刃物カードを研ぐ。
・刃の切れ味に応じて、敵キャラや食材を切る。
・最終的に得点の多いプレイヤーが勝利。

参加者たちは、砥石に見立てたカードを握りしめ、慎重に研ぎ回数を決める。
時にバキン!と刃が折れ、時にスパッと高得点の食材を斬り裂く。

笑いも、ため息も混じりつつ――試作は進んだ。
何度も繰り返すうちに、手応えのようなものが、うっすらと浮かび上がる。

「お、悪くないかもね」
「ちょっと戦略や駆け引きも出てきた」
「でも、やっぱり……地味だよなぁ」

そう、それが問題だった。
面白さの芽は確かに感じられた。だが、それを“作品”に昇華させるためには、もう一押しが足りなかった。

そのとき――

「いっそ、ペンギンにすれば良いんじゃない?」

一瞬、時が止まったように感じた。
まるで凪いだ湖に、小さな石が投げ込まれたような感覚。

ペンギン。

かつて空創Labは、ペンギンをテーマにした2作のゲームをリリースしていた。
その可愛らしさ、どこか憎めない動き。

今もなお「空創Lab=ペンギン」の印象を持っている人は多いかもしれない。

「ペンギンに……エサを与えるゲーム……。 それ、いけるかも。」

そう口にした瞬間、気分が変わった。

“久しぶりに、ペンギンをやろう。”

そう決めた瞬間、方向性が定まったように思えた。
けれど、それは同時に――終わりなき調整と試行錯誤の日々の、始まりでもあったのだ。

――③へ続く。