米光ゲーム @yonemitsu
「はぁって言うゲーム」「あいうえバトル」「国家予算人狼」「言いまちがい人狼」「変顔マッチ」「走れメロスたち」「はっきよいゲーム」「レディーファースト」「想像と言葉」や、「ぷよぷよ」「BAROQUE」「トレジャーハンターG」「キングオブワンズ」などをゲームデザインした米光一成と、優秀なゲームデザイナーズがお届けします。
- シド・フィールドの「映画脚本の基本構造」を学べるゲーム『ジャーナリング・オブ・ザ・デッド』
- 2024/11/5 22:26
ゾンビ世界で日記を書くゲーム!?
エモーション・ストーリーメイク・ゲーム『ジャーナリング・オブ・ザ・デッド』のゲームマーケット2024秋【両-C01】、取置予約スタートです。
『ジャーナリング・オブ・ザ・デッド』は、シド・フィールドの「映画脚本の基本構造」にのっとっています。
シド・フィールドは、ハリウッド式の脚本メソッド「三幕構成」理論を体系化した人物。脚本術の書「SCREENPLAY」は、22ヵ国語に翻訳され、全米400以上の学校でテキストとして使用されている。
映画の脚本術だが、あらゆる物語に応用可能な理論体系だ。作家の乙一もシド・フィールドの構成技法を取り入れていると語っている(『暗いところで待ち合わせ』など、見事にこの構成になっている!)。
ゲームを遊んでいるうちに物語が書けて、知らないあいだにこの「三幕構成」理論を習得できるのが『ジャーナリング・オブ・ザ・デッド』。
プレイヤーは、ゾンビが群れている世界にいる。
カードを引いて、キャラクターの関係性を決め、居る場所を決め、特殊状況を決める。最後に「執筆者」と「相棒」ふたりの名前を決める。
準備ができたら、序章がはじまる。またカードを引いて、いまどういう状況なのかという枠組みのテキストを読み、その状況にあわせて最初の日記を書く。
カードの引きによって、進む章が決まる。「絶望の章」へ進むのか。「受難の章」へ進むのか。また新しい章でカードを引いて、状況を決める。日記を書く。
この繰り返しで、「最終日の章」に到達するまでの物語を紡ぐ。
状況の変化、小道具、突発的な事件、人間関係の混乱などが引いたカードによって決められる。そのフレームで、プレイヤーは、自分たちの置かれた状況をイメージしながら、即興で物語を描くことになる。振り回されるようにして日記を書くしかないのだ。
そんなにいろんなことをランダムに決められたら、物語を書くのがむずかしくなるのでは?と思う人もいるかもしれない。
逆だ。
状況の変化は、自然に【シド・フィールドの「映画脚本の基本構造」】をなぞるようにつくられているし、小道具、突発的な事件、人間関係の混乱などが決められることで、悩み、執筆が滞るポイントが減る。
テンポよく進めれば30分で1つの物語をつくりだすことができるのだ。
つくりだした物語が「傑作」になってるかどうかは、偶然性と、プレイヤーの腕も、必要だ。
もちろん、奇跡のような偶然が起こりやすいように構成している(伏線になりやすい状況や、小道具がどんどん投入されるので、それをうまい具合に使ってくれ!)。
30分で1つの物語をつくりだす楽しみが、存分に味わえると思う。
数回プレイすることで、【シド・フィールドの「映画脚本の基本構造」】が習得できるだろう(そうなれば、完全に自分でオリジナルの物語をつくることがスムーズにできるようになっているはずだ)。
→取置予約(ゲームマーケット2024秋)