サイシュピール @saispiel
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- ゲーム紹介「ハイスコアラー1986」
- 2023/11/26 13:37
Megalomaniac Gameは2023年12月9・10日に開催されるゲームマーケット2023秋にて新作ボードゲーム『ハイスコアラー1986』を販売します!
この記事ではこの新作のルールや推しポイントを分かりやすく解説!
これさえ読めば大体OKといった内容になっています。
さあ、前置きはこのくらいにして詳しいゲームの解説に行きましょう!
【①基本的なスペック】
ゲーム名:『ハイスコアラー1986』
プレイ時間:15分
プレイ人数:3~99人
価格:2000円
『ハイスコアラー1986』は対戦型ボードゲームで大体1プレイ15分程度で終わる、所謂「軽ゲー」と呼ばれるタイプのゲームです。
特筆すべきはそのプレイ人数!
なんと3人以上だったら何人でも同時に遊ぶことが可能です。
実際にはスペースの問題で99人で遊ぶのは厳しいでしょうが、大人数で遊ぶことが出来るというのは今作の1つ大きな推しポイントですね。
【②作品のテーマ】
今作は「1980年代のアーケードゲーム」がテーマのゲームです。
1980年代はあの有名な「ストリートファイターⅡ」もまだ無く、対戦格闘ゲームの爆発的なブームも訪れていません。どちらかといえば対戦ゲームより1人用ゲームでハイスコアを目指す「スコアアタック」のような遊び方が主流の時代でした。
そんな中自然とアーケードゲームに熱中する人々は、誰よりも高いスコアを叩き出すことを目指すようになっていきます。彼らは「ハイスコアラー」と呼ばれ、次第に1つのお店の中だけでなく、ゲーム雑誌で専用のコーナーが組まれるほどになり、ハイスコア獲得という遊びは全国に広がっていきました。
(タイトルにある「1986」という年は、あの有名な「ゲーメスト」が刊行した年です)
家でオンライン対戦が出来る今では想像しにくい遊び方ではあるかもしれませんが、不便な時代だからこそ成立する楽しさがあったのでしょう。
今作ではその時代にあった「熱」に注目し、その楽しさを再現しようとしました。
【③ゲームの特徴】
『ハイスコアラー1986』で最も特徴的な部分は「スコアラー」と「観客」という2つの立場が存在し、プレイヤーはどちらかを担当することになるところです。
「スコアラー」か「観客」、どちらを担当するかでルールや行えるアクションは異なってきます。それこそ「全く違うゲームをプレイする」と言っても過言ではありません!
それを説明するために、ひとまず「スコアラー」のプレイヤーのルールについて見ていきましょう
【④スコアラーのゲーム】
プレイヤーの内、誰か1人が「スコアラー」を担当します。何人でプレイしようと(3人でも、99人でも!)、「スコアラー」になるプレイヤーは必ず1人だけです。
そして「スコアラー」になったプレイヤーは、「ダイスとカードを用いたシンプルなソロプレイ専用ゲーム」に挑戦します!
「スコアラー」のゲームで重要になるのは「プレイカード」と呼ばれるマークの描かれた全64枚のカードです。
ゲームでは8種類のマークが登場し、「スコアラー」は効率よくこれらを集めていくことで得点を獲得していくことになります。
では次に実際のゲームの流れを見ていきましょう。
「スコアラー」のゲームは「手番」が存在し、ラウンド終了条件を満たすまで何度もこれを繰り返し行っていきます。(手番といってもソロプレイ用ゲームなのでひたすら1人で繰り返すことになります)
手番開始時、「スコアラー」はラウンドの山札から3枚カードを引き、用意された「プレイヤーボード」上部に左詰めで配置していきます。
(プレイ風景のサンプル)
その後、「スコアラー」は公開された3枚のカードに対して1回だけアクションを行います。「スコアラー」のアクションは3種類あり、適切なアクションを選択する必要があるでしょう!
ベーシックなアクションは「価値の高いカードを取る」と「価値の低いカードを取る」の2つです。「プレイカード」にはカード下部にダイスのイラストが描かれており、これがそのカードの価値を示しています。
価値は1~4まで存在し、この値がアクションの内容に大きく関わります。
「価値の高いカードを取る」では3枚のカードの中で最も価値の高いカード1枚だけを獲得し、他を捨て札にします。逆に「価値の低いカードを取る」では3枚の中で最も価値の高いカードだけを捨て札にして、他の2枚を獲得します。
例えば上の画像では「価値の高いカードを取る」を選択したなら、中央のカード1枚だけを獲得しますし、「価値の低いカードを取る」を行えば両端の2枚が獲得できます。
しかし「公開されたカード全て欲しい!1枚も逃したくない!」という状況がいつかやってくるでしょう。そんな欲張りなプレイヤーのためにあるのが3つ目のアクション、「チャレンジ」です。
「チャレンジ」を選択したなら「スコアラー」はダイスを2つロールします。
そして2つのダイスの合計値が、今回公開された3枚のカードの価値の合計値(上記の画像だと8!)を超えていれば、見事「チャレンジ」は成功です。
「スコアラー」は3枚のカード全てを獲得することが出来ます(最高‼最高‼)
逆にもし合計値以上を出すことが出来なければ?もちろん「スコアラー」はその代償を払う必要があります。失敗した場合、「スコアラー」は3枚の中で最も価値の低いカード1枚しか獲得出来ません……
つまりチャレンジは文字通りハイリスクハイリターンのアクションなのです。
上記3つのアクションから1つを実行し、まだラウンドの山札があるならこれを繰り返します。山札が尽きたなら1ラウンド終了。次のラウンドに進みましょう。
4ラウンドが終了したなら、得点計算に移ります!
「スコアラー」が獲得したカードは上記のように並べられていくのですが、どのマークをいくつ獲得したかが非常に重要になります。基本的には同じマークを沢山集める程、得点が獲得できます。またある程度、全てのマークを一定数集めることでもボーナス点が貰えます!
特化して集めるか、満遍なく集めるか、これもまた悩ましい選択になるでしょう。
そうして算出されたものが今回の「スコアラー」のスコアになります。
ゲームが終了したなら、今回のスコアを付属の「スコアボード」に記録しましょう!
「スコアラー」はプレイした日付、名前(アルファベット3文字で‼)、今回のスコアを「スコアボード」に書き込みます。色んな人が何度もプレイする事でどんどん記録が蓄積されていくので、今回の自分のスコアが何位なのか確認して楽しむことが出来ます。
そしてもしあなたが圧倒的な「ハイスコア」を叩き出すことが出来れば、その偉業は「スコアボード」上で永遠に語り継がれることになるでしょう!
全員の記憶に残る「ハイスコア」樹立を目指してください!
……と、これがざっくりとした「スコアラー」の概要です。
ここまで読んで分かる通り、「スコアラー」のゲームはそれだけで完結しており、本当にソロプレイ専用ゲームをプレイするといった感じになっています。
しかし『ハイスコアラー1986』は3~99人までプレイできる多人数ゲームという話でした!それでは他のプレイヤーは一体何をするのでしょうか?
そこで重要になるのがもう1つの立場、他全てのプレイヤーが担当する「観客」という立場なのです。
【⑤観客のゲーム】
『ハイスコアラー1986』では「スコアラー」ではない全てのプレイヤーは「観客」という立場を担当します。
「観客」たちは「スコアラー」のファンであり、自分の事を最も熱狂的で優秀なファンだと信じ切っています。そしてそれを証明するため、1つのゲームを始めました。
それは「スコアラー」の行動を予想するというゲームです。
もし「スコアラー」のことをよく理解しているなら、彼がどのようなプレイをするのかも分かるはずだ‼その論理が正しいかは疑問ですが、とにかくファンの威信をかけたゲームが始まりました!
「観客」の目標は「スコアラー」の行動を予測し、他のどの「観客」よりも高得点を獲得し、自分が最も熱狂的で優秀なファンだと証明することです。
……というのがゲームの簡単な背景。
つまり「観客」は文字通りスコアラーのゲームを「観戦」しながら、「スコアラーがどのマークをいくつ獲得するか」を予想しなくてはなりません。
この「1人がソロゲーをプレイし、他のプレイヤー全員でそれを観戦する」という構図が、『ハイスコアラー1986』の最も特徴的な部分だと言えます!
では実際にゲームの流れを解説しましょう!
まず全ての観客は下記の「プレイシート」とペン1本を受け取ります。
そして「スコアラー」が席に着き、全ての「観客」が「スコアラー」の盤面を目視できる位置に着きましょう。もしテーブルに十分なスペースが無いのなら、「観客」は立ってプレイすることも可能です(それこそアーケードゲームのギャラリーのように‼)
準備が出来たら「スコアラー」がゲームを開始します。
ひとまず「観客」はその動向を注意深く見守りましょう。
しかしただ観戦するだけでなく、「観客」は適切なタイミングでアクションを行う必要があります。手番という概念が存在した「スコアラー」と違って、「観客」はラウンド中であればいつでもアクションを行うことが出来ます(つまりリアルタイム要素がある)
つまり「スコアラー」がどのくらいのスピードでゲームをプレイしているか、どのくらいでラウンドが終了するかをきちんと把握するのも重要になってくるでしょう。
そして「観客」は各ラウンドで決められた回数だけ「結果の予想」というアクションを行うことが出来ます。これは最終的に「スコアラー」がどのマークをいくつ獲得するかが重要になります。
実際のアクションの流れは以下の通りです。
「プレイシート」上部にはアクションボックスと呼ばれるスペースがあり、これはそのラウンドで行えるアクション数を示しています。チェックを入れていないボックスがまだあるなら、その回数分アクションを行うことが出来ます。
ひとまず「観客」はアクションをするぞ!と決めたらアクションボックスにチェックを入れます。
その後、どのマークについて予想をするかを決めましょう。
マークは全部で8つあり、それぞれのマークについて1回だけしか予想を行うことが出来ません。「スコアラー」が獲得したカード、捨て札にしたカードを参考に予想するマークを選びましょう。
例えば今回は「ボム(Bomb)」のマークが7回出ると予想することに決め……
このようにBの欄の7のスペースに〇をつけました。
これは「Bが7つ出ると予想した」ことを示しており、「スコアラー」が最終的にBのマークを7つ獲得すれば予想は成功し、プレイヤーは勝利点を獲得することが出来ます。
基本的に「観客」が行えるアクションはこれだけです!
そして「スコアラー」がゲーム終了したと同時に「観客」たちも点数計算を行います。
全ての「観客」が得点を発表しあい、最も高いスコアを獲得したプレイヤーが勝者になります。
「観客」のゲームの流れは概ねこんな感じ。
つまり「ソロゲー」を対象に「競馬」のように結果を予想するゲーム、といった感じなわけです。「観客」のやることはとてもシンプルですが、これにいくつかの制約と選択肢が加わることでゲームがより悩ましいものになっています。
例えば制約という点では、「観客」が予想するタイミングが挙げられます。
今作は結果を予想をするゲームなので、予想を行うのは情報が出揃っている方が、つまり後に行う方が的中率が高くなります。しかしアクションの回数はラウンドごとに決められており、それを持ち越すことが出来ないため、プレイヤーはある程度早いタイミングでいくつか予想を行う必要があります。
またラウンドの最後にまとめて予想を行おうと思っても、意外とあっという間にラウンドが終了してしまい、焦って考えがまとまらない!という状態も起こります。
この時間の制約がゲームをより難しく、悩ましいものにしています。
またプレイヤーの選択肢という点では予想の方法が挙げられます。
先程予想を行う際、数字の書かれたスペースに〇をつけると説明しましたが、この時連続する数字(3・4・5のような)であるなら、3つまでのスペースに〇をつけても構いません。
例えばこれはD(Diamond)の予想で「4・5・6」の3つのスペースに賭けていることを示しています。この場合、「スコアラー」がDのマークを獲得した数が4~6の範囲に収まれば見事正解となり、点数を獲得できます。
ただしこれは良いことばかりではありません。
広く予想を行った場合、獲得できる点数は少ないものになります。
そのため「観客」は広く予想を行いひとまず点数を取るか、リスクを負って狭く予想するかの選択を求められることになります。また予想が的中した数によってボーナス得点が獲得できるのも悩ましいところです。
「観客」は「スコアラー」の動向を見ながら、迅速にこの判断を行う必要があるでしょう!
そして最後に1つ、『ハイスコアラー1986』の特徴的なルールとして「スコアラー、観客問わず自由に声を掛けて良い」というものがあります。
これは「スコアラー」への応援といったものだけでなく、ゲームに関するアドバイスのようなものさえ許されます‼もちろん最終的な決定権は「スコアラー」にあり、強制力を伴うものではありません。
しかし「観客」は「スコアラー」に声を掛けることで予想の的中率がほんの少し高くなるかもしれません。ゲーム中、時には応援し、時には軽く野次を飛ばしながら自分の予想が的中することを祈りましょう‼
(注:もちろん「スコアラー」の選択を責めたり、失敗を強く非難するような発言は絶対に禁止です‼)
【⑥今作のおすすめポイント】
さてゲーム自体の説明は以上です。
では次に今作の推しポイントを2つに絞ってオススメしたいと思います。
【おすすめポイント①:2つの立場が生み出す独特のゲーム体験】
今作は1人の「スコアラー」のプレイを、沢山の「観客」が見るという変わった構造のゲームです。必然的に「自分のプレイを沢山の人に見られる」「複数人が同じ空間で同じものを見る」という状況が発生し、これが他のゲームには無い体験を生み出します。
「スコアラー」の「沢山の人に見られながらゲームをする」という状況は、ソロプレイのゲームであまり味わえない緊張感を与えてくれます。また他プレイヤーの期待を背負ってゲームに挑む、自分の選択やダイスの目に「観客」が一喜一憂するというシチュエーションは貴重で、他では得難い体験と言えるでしょう。
また「観客」の「全員で1人のプレイを観戦する」という状況は、卓全体に一体感を生み出します。今作は「観客」同士が邪魔したり、影響したりという所謂インタラクションはほぼありません。しかし全員で同じものを見る、「スコアラー」の選択に目を光らせる、成功や失敗に声を漏らすといった空間を「観客」が共有することで、ソロプレイ的でないゲーム体験を全員で味わう事が出来るはずです。
この「スコアラー」と「観客」の関係が生み出す独特のゲーム体験が今作の最もオススメしたいポイントになっています!
【おすすめポイント②:プレイのしやすさ】
そしてもう1つのおすすめポイントは何と言っても「プレイのしやすさ」です。
今作は3人以上であれば何人でも遊べる上、1プレイが15分程度と非常に短いので、とてもプレイしやすいゲームになっています。
そのためオープン会などで人数があぶれて時間調整を行いたい時などのゲーム(つまりフィラー)として非常に優秀です。そういった場でゲームをする機会が多い方にとっては今作は良い選択肢になるのではないでしょうか。
もちろん人数が多くなければ楽しくないというわけではなく、最低プレイ人数の3人でもしっかり楽しめる点も推しポイントの1つです。ひとまず1つ買って遊んでみるか……と軽い気持ちで手を出しやすいゲームになっています!
【⑦まとめ】
以上が新作『ハイスコアラー1986』の紹介でした。
価格は2000円。それなりにお求めやすい価格です。
もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は是非ブースまで足を運んでみてください!
それではここまでお読みいただきありがとうございました。
是非当日ブースにてお会いしましょう!