サイシュピール @saispiel
合同サークルサイシュピールです。静岡を拠点とする、 スタジオくるくる(@StudioKurukuru) 輪骨舎(@lancelot_szok) Megaromatic game(@Megalomaniac_G)の3サークルで結成しています。
- ゲーム紹介『コピーキャット』
- 2023/4/11 15:53
Megalomaniac Gameはゲームマーケット2023春5月13日(土)に新作ボードゲーム『コピーキャット』を頒布します!
この記事では未だ謎に包まれたこのゲームがどんなものなのかを細かく解説!
これさえ読めばゲームのことについて大体わかる、といった内容になっています。
さあ、前置きはこのくらいにして早速紹介に移りましょう。
【概要】
『コピーキャット』は32枚のカードで構成されています。
少し変わっているのは「32枚で遊べるカードゲーム」が1つ入っているのではなく、「16枚で遊べるカードゲーム」が2つ入っている点でしょう。
つまりデジタルゲームで言う「1&2パック」のような、2つの別のゲームが一緒になって1つのパッケージに入っているのです。
これはトランプのように同じカードを使って別のルールで遊ぶといったものでもなく、本当にルールもコンポーネントもまるっきし別のゲームです。
しかし全く別物のゲームでありながら、この2つにはいくつか共通点があります。簡単にまとめると……
・2人用対戦ゲーム
・プレイ時間が15分程度
・ゲームで用いるのはカード16枚のみ
といった感じ。これらの規定はアークライトさんが主催する「ゲームマーケットチャレンジ」に沿うものでもありますね。
ではここで2つの作品がどのようなゲームか、簡単に説明したいと思います。
【猫の楽園】
『猫の楽園』は可愛い猫を集めて誰よりも素晴らしい楽園を作る対戦ゲームです。
プレイヤーはドローを繰り返して、手札の数字の合計値を既定の数字に近づけます。しかしその数字を超えてしまうとペナルティを受けてしまいます。
ゲームシステムとしては『ポーカー』のようなリスクヘッジとブラフ、『ブラックジャック』のようなバースト、『ラブレター』のような相手の手札を推測する要素が含まれます。
【猫の王国】
『猫の王国』は猫の住む2つの王国を率いて相手と戦う対戦ゲームです。
プレイヤーは家来の効果を使って、相手の王を見つけることを目指します。手に入れた情報を憶えておくのも重要になるでしょう。
ゲームシステムとしては『ラブレター』のようなカードのプレイ、『ヌメロン』のような推測、『クラッシュ・オブ・デッキ』のような手札循環、またメモリーゲームの要素が含まれます。
と、いくつか共通点がある2つのゲームですが、これらには1つ決定的な違いが存在します。
それはどちらかが人工知能チャットボット、いわゆる「AI」のアイデアをベースに作られたゲームだということです!
そしてこの2つのゲームのどちらかが「人間製」なのか、「AI製」なのかはゲーム開始時はわかりません。
プレイヤーは2つのゲームをプレイしてどちらが「AI製」なのかを予想します!
この予想こそがタイトルにある『コピーキャット』というゲームの概要です。
つまり1つのパッケージで「人間による16枚ゲーム」「AIによる16枚ゲーム」「AI製のゲームを当てるゲーム」といった3種のゲームを楽しめる商品になっているのです!
【AIが制作したゲームってどういうこと!?】
その前に「AIが制作したゲームっていどういうこと!?」とお思いの方がいるかもしれないので少し解説しましょう。
先に述べた通り「AI製」のゲームとは人工知能チャットボットが出すアイデアをベースに作られたゲームです。
具体的な製作方法は以下の様な手順です。
①条件を設定してAIにアイデアを出すように指示する。
②提示されたアイデアの中から実現不可能なものを除外and可能性のありそうなものをピックアップ。
③テストプレイなどを通して問題点を見つける
④見つかった問題点を解決するアイデアを出すようAIに指示する。
基本的にはこの①~④の繰り返しによって製作されています。
また上の説明のようにアイデアのピックアップや問題点の発見、細かい調整などは人間の手によって行われています。
そのため100%AIによるゲームではないですが、そこはご了承いただきたいです……
分かりやすく言うならアイデア出しをAIが、バランス調整を人間が行っているといった感じです。
ですが基本的にはAIが出すアイデアを尊重し、人間が手を加えすぎないように意識して制作を進めました。
【ゲームの流れ】
では次に簡単にゲームの流れを紹介しましょう。
①プロローグを読む
『コピーキャット』にはおまけ程度の短いストーリーが付いています。
文章量としては些細なものですが、ゲームを始まる前に読むことで雰囲気を盛り上げてくれるでしょう!
②2つのゲームを遊ぶ
プロローグを読み終えたら2つのゲームを遊ぶ時間です!
この時、細かい規定はありません。『猫の楽園』と『猫の王国』のどちらを先に遊んでも構いませんし、どちらかを何度遊んでも構いません。
遊びながら対戦相手と意見を交わしてみるのも良いでしょう!
また2つのゲームはどちらも2人用であるため基本的に2人プレイを想定していますが、4人集まってで交互に遊ぶという方法も賑やかで面白いかもしれません。
このようにどうやって遊ぶかはプレイヤーの自由です。説明書を読むだけして回答するというのも問題ありません!(少々もったいないですが……)
そうして全てのプレイヤーが満足したなら次のフェイズに進みます。
③質問に答える
このフェイズではプレイヤーは以下の2つの質問に答えます。
・どちらのゲームがAI製だと思ったか?
・どちらのゲームが面白いと感じたか?
この回答はプレイヤー1人ずつ行います。全員で回答を揃える必要はありません。
また少し特殊なのは「AI製はどちらか?」という質問だけでなく、「どっちの方が面白いか?」という質問もあるという点です。このためプレイヤーはAIを見抜くだけでなく、まるでコンテストの審査員のような目線でゲームに触れる必要があるでしょう!
④エンディングを読む
回答が終わったならエンディングを読んだ後、ゲームは終了です!
またエンディングはプレイヤーの回答によって分岐するので、ちょっとしたアドベンチャーゲームのような要素がありますよ。
【まだまだあるぞ!アピールポイント】
ここからは『コピーキャット』の魅力について更に深堀していきます。
本作はAI頼りの一発ネタじゃありません!それを証明するためにアピールポイントを3つに絞って紹介していきます。
「アピールポイント①:16枚ゲームに一切の手抜き無し!」
今作に含まれる『猫の楽園』と『猫の王国』という2つの16枚ゲームですが、こちらの方も手を抜いていません。決しておまけのような作品ではないのです!
僕1人で制作した16枚ゲームの方は「AI」と似せるためにちょっと手を抜く……なんてことは一切なく普通に自分が面白いと思う作品を作りました。
またAIの方も何度もテストプレイや改良を重ねた結果、僕から見てもかなり面白い作品になったと感じています。
もちろんゲーム自体が2人用、15分程度という点から好みじゃない人もいるでしょうが、単体で見てもどちらも悪くない、むしろ良い作品に仕上がっています。
なので単純に「2人で遊べる軽いゲームが欲しいんだよなぁ~」という方にもオススメです。
「アピールポイント②:色んな方法でゲームが楽しめる!」
『コピーキャット』には様々な楽しみ方が用意されています。もちろん全てを遊ぶことが強制ではありません!
例えば「小難しいこと考えずに単純にゲームで遊びたい!」なら「コピーキャット」をプレイせず2つのゲームの気に入った方を遊ぶのも良いでしょう。
「3つのゲームを遊びたいけど時間をかけるのが面倒くさい!」ならどちらがAI製か直感に従って選んでみるのも良いでしょう。
「ゲームをじっくり分析して楽しむのが好き」なら2つのゲームのシステムに深く注目してみるのも良いでしょう。
「AIについて興味がある!」ならゲームのどの部分にAIらしさを感じたのかを自分なりに考えてみるのも良いでしょう。
このようにいろんな方法でゲームを楽しめるのも今作の魅力です。
「アピールポイント③:制作記録をまとめた資料が付いてくる!」
またゲームシステムを分析するのが好きな人のためにプレイ後のおまけとして制作過程をまとめた資料、いわゆるデザイナーズノートが3つ付いてきます(urlからアクセスする形を予定しています)
これは「コピーキャット」「猫の楽園」「猫の王国」の3作品を作者自身がそれぞれ細かく解説したものになっています。
「コピーキャット」のデザイナーズノートでは作品全体の制作意図や調整過程をまとめています。
「人間製の16枚ゲーム」のデザイナーズノートではゲームシステムを1つ1つ丁寧に解説しています。
「AI製の16枚ゲーム」のデザイナーズノートでは実際にAIを使ってどのように制作を進めていったか、また具体的にゲームのどの部分がAIの手によるものなのか、人間の手によるものなのかを解説しています。
プレイ後に読んで「やっぱり俺の思ってた通りだったか」「この部分は自分の考えと違うぞ!」といった比較をして楽しむのも楽しいかもしれません。
もちろん興味が無ければ読む必要はありません!
と、このように『コピーキャット』はたった32枚のゲームでありながら、盛り盛りな内容となっております。
今作の一番の魅力はこのボリューミーさだと言えるでしょう!
(イラストも可愛い!!)
【なぜこんなゲームを製作したのか?】
最後に「流行りもので分かりやすく注目集めようとしてんじゃねえぞ!!」という方がいるかもしれないので、ここで僕が「なぜこんなゲームを製作したのか?」を少し説明させてください。今回AIというものを用いたのは多くの人に興味を持ってもらうためという魂胆があるのは否定しません。
しかしそれ以上に僕が気にしたのは「購入してくれた人をどうやって満足させるか」という点なのです。
『コピーキャット』に同梱されている2つのゲームが属する「ゲームマーケットチャレンジ」はインスト5分プレイ時間15分程度といった超軽量級ゲームというべき作品が対象になっています。この手の短時間ゲームは手軽に何度も遊べるのが良い点なのですが、逆にプレイ時間が短すぎて「何だか分からないうちに終わってしまった……」ということもよく起こります。もちろんプレイ時間が短いので何度も遊べれば良いのですが、ボードゲームは一人では遊べないという特性上、好きな時に何回も遊ぶというのは難しかったりします。
その結果「せっかくゲームを買ったけど全然遊べてないし、よく分からなかった……」となってしまう人はいるんじゃないでしょうか?(僕は結構ある)
これは買ってくれた人たちも悲しいし、ゲームを作ってる方としても悲しいです。せっかく自分達のゲームに興味を持ってくれたなら満足して貰いたい。
そこで考えたのが今回のゲームです。
通常のボードゲームでは「どのようにして相手に勝つか」「これは自分の好きなゲームか?」といったことに焦点が当たります。
しかし『コピーキャット』では「16枚ゲーム」を楽しむプレイヤーに「審査員ごっこ」といった遊びを同時に体験してもらうことで、普段注目しないところへ強制的に目を向けさせます。
例えば「どちらがAI製か?」「どちらの方が面白いか?」という問いに答えるためには、従来のように「勝つ方法」「自分の趣味に合うか」といったことだけでなく、細かなシステムやルールに目を向ける必要があります。そうすることで自然とプレイヤーはゲームをより深く見るようになり、満足度も向上するのではないか?という考えです。
これはプレイヤーにとって色んなゲームを楽しめてHAPPY!だし、作者にとっては作品のことを深く見て貰えるきっかけになるのでHAPPY!だと思うのです。
この試みが成功するかどうかはわかりません!(めちゃくちゃ炎上したらどうしようと思っている)
でも僕としては誠実に、「遊んでくれる人を満足させたい」という気持ちで作ったゲームです。
出来れば「何か変なことやってんなー」くらいの感じで見守っていただけたら嬉しいです。
【コピーキャットはこんな人にオススメ!】
・手軽にできる2人用ゲームを探している人
・色んなゲームを遊びたい人
・一風変わったゲームを探している人
・同人らしいゲームを探している人
・ゲームについて考えるのが好きな人
【まとめ】
随分長くなってしまいましたが新作『コピーキャット』のご紹介でした。
この記事を読んで興味を持ってくれた方がいたらとても嬉しいです。ぜひ当日ブースにてお会いしましょう!
『コピーキャット』は「ゲームマーケット2023春」の「土サ10ーサイシュピール」ブースにて頒布予定です。
日曜は出展しないので注意してください!価格は1500円を予定しています。
追記)取り置き予約の受付を開始しました。ご利用の方はこちらから→2023春「サイシュピール」取り置き予約フォーム
Megalomaniac Game公式ツイッター(@Megalomaniac_G)ではゲームに関する最新情報を呟いています。
予約受付開始などもこちらで告知する予定です。興味を持った方は是非フォローをよろしくお願いします!
【おまけ】
「ゲームマーケット2023春」ではMegalomaniac Gameの過去作をいくつか再販する予定です。
簡単に紹介するので是非そちらもチェックしてみてくださいね!
『再販予定①:パチスロシミュレーター』 価格2500円
『パチスロシミュレーター』は「ゲームマーケット2022秋」にて完売した2~5人で遊べるリアルタイム推理ボードゲームです。
プレイヤーは6つの山札からドローを繰り返し情報を集めて、それぞれの山札に定められた「設定」を当てることを目指します。
※「ゴールデンボックス ボードゲームアワード」の「ゲームデザイン賞」にノミネートされました!!
『再販予定②:超能力者バトルロワイヤル』 価格2000円
『超能力者バトルロワイヤル』は「ゲームマーケット2021秋」にて完売した5人用マーダーミステリーです。
超能力者となったプレイヤーはとある屋敷にて奇妙で不可思議、奇天烈な事件に巻き込まれます!
プレイ時間は180分程度。GMレスで遊べます。ある程度マダミス経験がある人向けの作品です!
再販予定は以上2作品です。
ゲムマ公式に商品ページがあるので興味を持たれた方は是非そちらもご覧ください!