ちょんまげ工務店コンバディダス

ボードゲーム大好き。ゲームマーケット2023春(5/13(土))に、「ちょんまげ工務店」と「コンバディダス」の合同ブースとして出展します!
ちょんまげ工務店は「ゴープラム 踊る彫刻」、コンバディダスは「もやっと海図」をメインで出展します。
よろしくお願いいたします。

「ゴープラム 踊る彫刻」のキャラクターデザインについて
2021/11/14 21:31
ブログ

インド愛なボードゲーム「ゴープラム 踊る彫刻」の魅力の一つは、rinnnaさんによる「インドらしさ」と「かわいらしさ」を併せ持つキャラクターだと思っています。今回はこれがどのような形で実現したのかをご紹介します。ボードゲームを作ろうとしている人の参考になれば幸いです。

以前のブログで書いた通り、rinnnaさんを見つけたのはツイッター検索です。まず「会った事もない相手からのボードゲームのイラスト作成という依頼を受けてもらえるか」という不安があったのですが、そこは何とかクリア。しかし「rinnnaさんの絵は趣味であってお仕事ではない」「私自身、直接の知り合い以外に絵をお願いするのは初めて」「やり取りはTwitterのDMベース」という事で、試行錯誤が続きました。

ゲームの性格上、キャラクターの色は最後まで調整する必要があるので、rinnnaさんには線画のみ描いてもらい、色は私の方でつける事にしました。

描いてもらいたい神々の特徴とサンプル画像をお渡しした翌日、まずは象頭の神様、ガネーシャの第1稿があがってきました。それがこちらです。

こ、これはスゴイ迫力!魅力的な絵です。

しかし、、、怖い!子供が見たら泣きそうです。
それと、線と陰影の多さがrinnnaさんの特徴なのですが、これだとゲームには向きません。依頼の際に詳細を詰めておかなかった私の落ち度です。

考えた末に、以下4点の修正依頼をDMで送りました。

■影の付け方
中間色で影をつけている部分ですが、これはナシにできますか? 何故なら、このあと私の方で白黒2階調化を行ったうえでペイントツールで加工していくのですが、中間色があると処理が難しくなるためです。この辺は事前にお伝えしておくべきでした。

■線の量と密度
質感を出すための細かい線について、量と密度を減らしていただけますか? これ自体はrinnnaさんの絵の持ち味なので、あった方が良いのですが、1枚のカードに2×2=4体載せるため、だいぶ小さいサイズになります。現状の線の量だと、細かい線というより、真っ黒な絵に見えてしまう危険があります。

■ガネーシャの目の表現
白目に小さな点の黒目という表現になっていますが、ちょっと悪いイメージがあります。学問の神様だったり夢をかなえる象だったりするので、もう少し優しい雰囲気にしたいです。黒目を大きくするとか?

■ガネーシャの鼻の表現
好みの問題ですが、鼻の表現が蛇腹のようになっていますが、もっとつるっとした鼻を想像していました。修正をお願いできますか?

しょっぱなから色々と修正を出してしまいましたが、最初だからこそ今後の方向性を決める上で重要だったと思っています。rinnnaさんは修正をご快諾いただき、翌日には修正案をいただけました。それがこちら。

完璧です!完璧に私の思い描いていた通りの修正案があがってきました。これでOKを出して仕上げてもらいました。

次はカーリー、「破壊と殺戮の女神」というなかなか難しいキャラです。rinnnaさんの第1稿はこちら。

おお!これはなかなかイイ。インドらしいカオス感がありつつ、表情に愛嬌もある。

しかし、ちょっとゴチャゴチャ感が強すぎて、ボディラインが分からず、女神だという事が伝わらないかも知れない。そう思ったので、以下の修正依頼を送りました。

■「腕」の腰巻きを短くする、減らす
ただでさえ腕が多いのに加えて腰巻きもあるため、腕というより毛むくじゃらの動物のようになってしまっているのが残念です。腕の腰巻きはもっと短くして手首だけにして一見普通の腰巻きに見えるくらいで良いかもしれません。

■腕の本数を減らす
腕の本数は減らしても構いません。カーリーは絵によって腕の本数が違い、4本、6本、8本、10本など、どれでも大丈夫です。 腕が減った場合、マストで持たせるアイテムは生首とその血を受ける皿、三叉戟、鎌の4つです。

以上を対応したうえで、女性らしいボディラインが出せると良いかなと思います。髑髏のネックレスのおかげで隠れてますが実は上半身はだかだったりしますので。

この修正依頼を送ったその日のうちに、修正案が送られてきました。それがこちら。

カワイイ!それでいて、しっかり破壊と殺戮の女神って感じもします。

この時点で、rinnnaさんにお願いして大正解だったと確信しました。嬉しくてこの日は一日ニコニコしていた記憶です。

この後もこんな感じのやり取りを続けていくのですが、最初の2体でだいたいの方向性が決まりました。2体ともいかにもインドな感じがしてキャッチーだし、思い入れも強いので、パッケージにも彼らを入れる事にしました。

そんなこんなで出来上がった「ゴープラム 踊る彫刻」をよろしくお願いいたします!取り置き予約も受け付け中です。