遊験工房

個人サークル「遊験工房」です。
アナログゲームで得られる体験が人生を豊かにしてくれる、という想いから、「遊びの体験=遊験」を創り出す場所という意味をサークル名に込めました。
2020秋両日ト17「ファフニールの呪宝」

【ファフニールの呪宝】ゲームの流れとコアデザイン
2020/11/11 2:44
ブログ

 ゲームマーケット2020秋にて遊験工房より頒布する「ファフニールの呪宝」について、ゲームの大まかな流れとその特徴となるゲームのコアデザインについてご紹介します。

「ファフニールの呪宝」ゲーム紹介ページはこちら

 

ゲームの流れと目的

 「ファフニールの呪宝」では財宝カードを獲得するためのアクションを行う「ラウンド」を繰り返してゲームが進行します。

 本ゲームでは同時アクション選択制を採用しており、各プレイヤーはラウンドの最初に「離脱」「捨てる」「すり替え」「山分け」のアクションの内からどれか一つを一斉に選択し、その後アクション別に順番に実行していきます。

 各アクションの実行後に、プレイヤーが獲得している財宝カードの呪いの合計値が更新され、呪いの合計が10を超えたプレイヤーは「悪竜化」してしまいます。また、捨て場の財宝カードが上限枚数を超えて捨て場が「悪竜化」することもあります。
 悪竜化したプレイヤー(アクションによっては悪竜化に巻き込まれたプレイヤー)は脱落となり、財宝を持ち帰ることはできません。

 全員が離脱するか、山札の財宝カードが足りなくなるか、悪竜化が発生したらゲームは終了となり、精算に移行します。
 悪竜化により脱落せず、獲得した財宝カードの価値の合計が一番大きなプレイヤーが勝利となります。

 

「ファフニールの呪宝」のコアデザイン

 「ファフニールの呪宝」は「価値」と「呪い」という2つのパラメータを持つカードを獲得していき、呪いが10を超えないように価値の最大化を目指すという、シンプルなゲームです。
 基本的には「山分け」で財宝カードを獲得しつつ、時に不利なカードを「すり替え」で他プレイヤーに押し付けたり「捨てる」で処分していく、という流れになります。

 本ゲームの最も大きな特徴は、上記のアクションを行う際に「財宝カードの内容をある程度推測できる」という点です。
 財宝カードの具体的な内容(表面の情報)は獲得したプレイヤーにしか分かりませんが、裏面から財宝の分類(王冠・装飾品・硬貨・宝箱)が見えるようになっています。
 通常財宝カードは各分類に2種類があり、種類ごとに価値は固定、呪いは0~3の値で枚数分布が決まっています。

  • 王冠は最大の価値が期待できるが呪いも大きい傾向で、価値の低い偽物も混ざる高リスク高リターン
  • 装飾品は安定した価値が期待できて呪いも広く分布する中リスク中リターン
  • 硬貨は価値が低いが呪いも小さい低リスク低リターン

という風に、分類によってリスクとリターンの傾向が決まっているので、自身の呪いの合計値によってどの財宝を獲得するかを判断することができます。

 もう一つのプレイヤーの判断に活かせる情報として、各プレイヤーが獲得した財宝カードの呪いの合計値があります。
 これは2枚のプレイヤーカード(アクション選択カードと呪い表示カード)を組み合わせて、各プレイヤーの後ろに見える竜の気配の大きさとして表されます。

 呪いの表示は各ラウンドのアクション実行後に都度更新されるので、そのアクションによって増減のあった手札の分類と呪いの変動値を見ることによって、他のプレイヤーが持つ財宝カードの内容をある程度絞り込むことができます。
 例えば「山分け」では1ラウンド2枚まで獲得できますが、もしあるプレイヤーが装飾品2枚を獲得して呪いが1しか増えなかったとしたら、呪い0・価値3の「青玉の装飾品」は確定、もう1枚は呪い1の「青玉の装飾品(価値3)」または「紅玉の装飾品(価値4)」のどちらかということになり、非常に強い手札であることが分かります。
 もし自分の手札に呪い3・価値3の「青玉の装飾品」があったら、次のラウンドで「すり替え」を狙いに行く、ということを企むこともできるでしょう。

 このように、「ファフニールの呪宝」では裏面からも分類が分かるカードデザインと手札の呪いの合計値の公開という仕組みによって「見えるようで見えない、見えないようで見える情報からリスクとリターンを天秤に掛ける」面白さを目指しています。

 なお、下記のような財宝カードの一覧が記載されたサマリーシートをプレイヤー全員が持てるよう同梱していますので、財宝カードの内訳を覚えたりする必要はありません。
 全員が同じ土俵に立った上で、前述のような楽しみ方をしていただければと思います。