一石ラボ @ein_stein_labo
細々と、一人でボードゲームを作っています。 2018大阪が初参加です。 大航海時代の提督になって、空白の地図を埋めていくゲーム、ブランクワールド~Complete the Atlas~がデビュー作です。
- デルタ鉄道ができるまで-05
- 2020/2/16 10:38
一石ラボのCRAZYRATです。
ゲームマーケット2020大阪で頒布するデルタ鉄道株式会社⊿railways inc.(デル鉄)ですが、メイキング的な内容をご紹介しながら、どんなゲームかを説明していきたいと思っています。
初めて見る方は、こちらからどうぞ。
さて、今回はこのゲームの戦略について、ご紹介します。
前回ご紹介した勝利点の獲得方法によって、様々な戦略が組めるようになってはいますが、このゲームでは、お金と勝利点のバランスを取りながら建物を建設する事が大切です。
多くのお金を得るためには、建設費に対する生産収入の多い工場や、1人働くだけで高額の生産収入が得られるショップを建設する方に目が向きがちですが、実は大切なのは列車を運行させることによる運賃収入なのです。
運行フェイズでは、列車が停車している駅や、そこに隣接するマンションにいる住民を、職場、すなわち工場・事務所・ショップに移送することで、運賃収入が得られます。
運賃収入は、運んだ距離に比例するため、なるべく遠い場所に運ぶことで、多くの収入が得られます。
また、効率よく乗客を運ぶためには、職場に住民を降ろした駅で、また乗客を乗せて、より遠くの駅に運ぶことができれば理想的です。
マンションばかりに隣接する駅や、周囲に職場ばかりの駅は、片道は良くても、往復で効率よく運賃収入を得ることができません。
効率よく、距離の長い路線で運賃収入を得ることができれば、生産収入をあまり意識することなく、高得点につながりやすい経営方針や都市計画の達成や、直接勝利点が獲得できる事務所をどんどん増築して、高層ビルにすることも可能になるでしょう。
また、緑地化を行って自分に有利な場所に公園を造成する事も出来ますし、最高層ポイントや所有数ポイントも狙いやすくなります。
また、建設フェイズと運行フェイズは、始発マーカーを持つプレイヤーから時計回りに順に手番を行い、パスをするとそのフェイズではもう手番が来ない代わり、パスボーナスがもらえます。
総ラウンド数が少ないため、ついついできる事があるうちはねばってしまいがちなのですが、敢えて早めにパスしてパスボーナスを取り、次の手番を有利に進める、という手法もあります。
特に、このゲームは始発プレイヤーが有利なため、早めのパスで、始発プレイヤーをパスボーナスによって獲得する事も、有効な戦略となる事があります。
また、建物はコマの数までしか増築できないため、特定と建物を建て続けて、コマをなくして他のプレイヤーに立てさせない、という戦略も時には有効です。
例えば、下町工場という都市計画カードがあります。
1階層のマンションと工場だけで、2×2区画以上の正方形を作る、という非常に難しい条件です。
しかも、せっかく完成した、と思っても、誰か1人でも裏切って増築してしまうと、全てが水の泡、となってしまうこともあります。
これを、マンションと工場を建て続けて、コマを枯らしてしまえば、都市計画カードの条件を満たすことが確定し、裏切られることがなくなるのです。
また、高さで競っているときにも、相手が高層化している建物のコマがなくなってしまえば、それ以上高層化する事ができなくなりますので、単独で上位に行ける可能性が増えます。
このように、単に勝利点の獲得だけでなく、色々な勝負どころを考えられるのも、このゲームの面白さだと思っています。
私は、ゲームを作るうえで、インタラクションや逆転要素、ジレンマなどをどのようにルール化するか、という事と、元となるデジタルゲームの世界観をどうやって表現するか、その両方をバランスよく取り込めないか、という事を常に念頭に置いています。
そのため、ルールが少し複雑になりがちなのですが、最後まで楽しめるゲームに仕上がったと思います。
今回は、この辺にしておきます。
次回は、コンポーネントについて、ご紹介したいと思います。
続きはこちら。
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