按理具庵

「あんりぐあん」 と読みます。駆け出しの発明家が勢いで一人起業してしまった会社です。
陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)をトランプの再発明として創作しました。
しなり折りカード立てが第一発明品で、これを応用した紙製ミープルやチェス・将棋駒に展開中です。

FESCAでもっともっとミクセルポーカー
2019/8/6 16:14
ブログ

PCシミュレーションという魔法の杖を手にすることで難解な確率計算から解放され、割と簡単にポーカー役の確率が求められるようになりました。

詳しい経緯はこちらから ⇒ ミクセル・ポーカー/FESCA60ポーカーをもっと真剣に考えた

FESCAの特徴の一つにカード構成の自由度が高いことが挙げられます。
これも詳細はこちらから ⇒ FESCA(フェスカ)七変化

ミクセルポーカーもカード構成を変化することで様々なバリエーション展開ができます。
今回は基本の数種に関して役の確率を求めてみましたので、それらを紹介します。

先ずは比較元となるFESCA60です。
表において役は強い順(確率の小さい順)に並べています。また表の下にはカード構成を示しています。

次にFESCA65です。五行札のみのFESCA60に空無札の5枚が加わります。
ミクセルポーカーでは空無札はZAT(Zero And Thirteen:0と13)機能のみとしています。(ワイルドポーカーではランクワイルドの機能も兼用しています)
ZATを追加したことで、ストレートの組み合わせが増えます。1と12がZATを介して繋がるためランクの循環構造ができ、以下の5つをストレートとみなします。
(ZAT,1,2,3,4), (12,ZAT,1,2,3), (11,12,ZAT,1,2), (10,11,12,ZAT,1), (9,10,11,12,ZAT)

FESCA60と比べてみると、ストレートとフラッシュの確率が高まり、ランク揃え系の役は相対的に確率が低くなっていることが判ります。ストレートの組み合わせが多くなって、ランク方向に1枚分広げて同じスート枚数が増えたので、これは当然の帰結ではあります。
その結果としてミクセルとツーペアの確率が近づいてしまいました。
たった5枚の追加ですがFESCA65はFESCA60よりミクセルポーカーには適してないようです。

ランク方向に伸ばしたのが良くないとしたら、スート方向に伸ばしたらどうでしょう。
陰陽スート12枚を追加したFESCA72です。
6スートになるとファイブカード役にミクセル複合役を追加しなければなりません。五行だけで揃える同位5枚組をファイブカード・ミクセル役と定義して、陰陽を含む同位5枚組を通常のファイブカードとします。
さらに新たに2つの役を追加してみます。ハーフフラッシュとストレート・ハーフフラッシュです。

マージャンの清一色(チンイツ)は英語ではフラッシュと呼び、混一色(ホンイツ)はハーフフラッシュと呼ぶそうです。FESCAの陰陽をマージャンの字牌に例えるなら混一色に相当するポーカー役が有ってもよいではないかと考えました。フラッシュは完全に同じスートで5枚揃える役ですが、ハーフフラッシュは陰陽が1~4枚混じってもよい不完全なフラッシュ役と云うことです。以前はセミ・フラッシュという1枚だけ陰陽が混じる役も検討していましたが、確率的によりできやすいハーフフラッシュの方を採用することにしました。

追加した役と共にいくつかの役の順序が入れ替わっていますが、確率の差がはっきりと表れていて、ミクセル役がスリーカードより強くなる点など、よりミクセル役が強調されていてFESCA60より好ましいかもしれません。ただし役の数が多くなり過ぎるて覚えられないという難点があります。

FESCA78の本来のフルセットのカード構成はどうでしょう。FESCA65とFESCA72の中間ぐらいで、そこそこ良さげな結果を期待します。

FESCA72に近いのですが、ZATが加わりストレート系の組み合わせが増えることで、ストレート系の確率が相対的に大きくなりいくつかの役順の変動がみられます。
ストレート・ミクセル役とフルハウス・ミクセル役の確率が計算上でも完全に一致しています。これは役順を決めるには大問題なのですが、発生確率が極めて低い上位役であり競合することはほぼ無く、同じ役順と定義しても構わないと思います。むしろ同じとする方が覚えやすいかもしれません。
これも役の種類が多すぎるという難しさはありますが、標準カード構成のミクセルポーカーとして、これを本流(正統)とすべきかもしれません。

結論としては、FESCAのカード構成の自由度を生かして様々なバリエーションのミクセルポーカーが考えられて、どれでもそれなりに楽しめそうということです。
ただし役を覚えきれないので役順表は欠かせないようです。中途半端な構成のFESCA65,FESCA72は捨て去るべきかもしれません。

最後にオマケです。
FESCAから"土”,"金"を抜いた陰陽と三行の特殊なサブセット構成を考えます。これはThree ElementS playing CArd ですからFESCAではなくTESCA(テスカ)と呼ぶことにします。TESCA52はトランプと同じく4スート13ランクの構成ですが、厳密には(3+1)スート(12+1)ランク構成となっています。

ミクセル役は、陰(黒),陽(白)の2色と、木(緑),火(赤),水(青)の3色を合わせた5色を各1枚ずつ揃える役とします。
フラッシュ役の5枚中の1枚が陰陽に置き換えられた不完全なフラッシュをセミフラッシュと定義します。FESCA72,FESCA78で追加したハーフフラッシュ役はTESCA52では計算するとツーペアより弱い役になってしまうため、1枚だけ置き換えたセミフラッシュ役の方を採用することにしました。
同じ52枚構成のトランプと比較すると、同ランク揃え系の役の確率は同じになりそうですが、ミクセル複合役の影響で少し異なっています。またストレート系の役もZATの影響でパターン数が増えているため確率が少し大きくなっています。
頻繁に発生する低位の役に、ミクセルとセミフラッシュが追加され、ポーカー役の選択の幅が広がる分だけきっと楽しくなると思います。

TESCA52確率計算 (TESCA52_MixwellPokerExcel.pdf)

 


変更来歴:
2019.8.10 「最後に~」から始まるTESCA52に関する段落を追記しました。
2019.8.31 FESCA72,FESCA78のsemi-Flush の確率が間違っていました。セミファイブカード役を追加し全面的に修正しました。
2019.9.4 FESCA72,FESCA78のsemi-Flush役を廃して、替わりにHalf Flush役を追加しました。記述内容も合わせて変更しました。
2019.9.5 TESCA52はsemi-flushをそのまま採用とし、関連する記述内容を変更しました。
2019.9.6 誤変換文字を修正「通所の」→「通常のファイブカード」
2020.10.11 TESCA52の確率計算の間違いを修正しました。
2020.10.16 TESCAの説明に重大なスペル間違い(タイポ)があるのに気づいてしまった。こっそりと直したいけど戒めのため晒す。Tree → Three
2020.10.20 TESCA52の確率計算表を追加しました。

2024.06.19 画像ファイルとPDFファイルの再アップロードで復旧させました。