つみきや @tsumikiyajp
ブース概要
ゲームマーケット2020大阪に初出展する、福岡市の輸入玩具店「つみきや」です。今回は協力型ゲーム「さくらの大冒険」(税込¥3,960)を出展します。会場購入者限定特典として、つみきやのYouTubeチャンネル登録+SNSで感想or遊び方を発信していただける方には半額(¥1,980)で提供!その他、オリジナルゲーム 「さくらのきのぼり」「ドーミー」も販売。ぜひ「ヌ13」のブースへお立ち寄りください。
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- 「さくらの大冒険」開発ストーリー vol.4【ゲムマ2020大阪/ブース番号ヌ13】
- こんにちは。「ゲームマーケット 2020 大阪」初出展のつみきやです。 1993年創業、主にヨーロッパの木のおもちゃ・ボードゲーム等を扱う福岡の輸入玩具店です。 今回出展するオリジナル新作ゲーム「さくらの大冒険」の開発のきっかけや完成に至るまでの過程、こだわりや想いなどを、当店スタッフであり、ゲームデザインを担当しました津村修二から《さくらの大冒険 開発ストーリー》と題し、連載形式でこちらのブログで4回にわたって紹介していきます。 最終章となるvol.4では漫画説明書と箱について書きます。 【漫画説明書】 2018年5月。百道小留守家庭へ「さくらの大冒険」のテストプレイに行った帰りの車の中で、どんな説明書にしようかとスタッフの原田圭悟と話をしていた時、原田から「説明書を全部漫画にしたらどうか」というアイデアが出ました。「ゲームの説明書を読むのは電化製品の説明書を読むのと同じくらい難解と感じる人が多い。それなら漫画で説明書を作ったら楽しく読んでもらえるのではないか」と。私はそれを聞いて「なんて画期的なアイデアなんだろう!」と共感。それが今回漫画で説明書を作ることになったきっかけです。 しかし、数あるボードゲームの中で、説明書の全てを漫画にしたもの(ストーリーの導入部だけ漫画というのはありましたが)は前例がなく、どのように作っていったらいいか、全くの手探り状態でした。 最初に考えたのは、ボードゲーム好きの男の子がクラスの友達を家に呼んできて、「さくらの大冒険」をプレイしながら、ルール説明をする形式。主人公の男の子が友達からの質問に答えながら、ルールを説明していきます。以下のラフ案は私が書いたものです。 ただ、このやり方だと会話の数が多くなり、ページ数が膨大になることに途中で気づきました。説明書は見開き8ページ(A5サイズ)で収めたかったので、これは難しいなぁと。 それに、漫画の主人公も、ボードゲーム好きの男の子ではなく、さくらにした方がストーリーと直結する分、読み手も臨場感があって楽しいだろうと考えました。例えるなら、遊園地のアトラクションが始まる前に、ガイドスタッフがお客様を巻き込んでいくような、あの感覚です。アトラクションの登場人物になりきったガイドスタッフがその物語のストーリーテラーとなり、実際のアトラクションの説明や注意事項を含め、お客様を導いていく方式は、読み手を物語の傍観者ではなく、登場人物にできる最適な方法ではないかと。 じゃあ、さくらを主人公にして、どんな形で漫画を展開すれば読み手を夢中にさせられるのか。 そこで私は、もともと考案していたゲームの物語をそのまま漫画に取り入れることにしました。さくらが図書館で古い書物を読んでいた時、偶然にも黄金バナナの伝説について書かれた本と出会い、さくらは持ち前の好奇心からそれを手に入れるべく冒険の旅へ繰り出すという物語です。 漫画についてもイラストレーターの大野さんに依頼したのですが、この物語案から、こんなラフスケッチを描いてくれました。私の中の想像の世界が一気に広がった瞬間でした! それから少し経った時、さくらが自分でルール説明をするより誰か別の人物が旅の案内人となって、さくらに旅のいろはを教える方が良いと感じました。前述したアトラクションの例で言うところのガイドスタッフ役の誰かを別に立てて、読み手はさくらに自己投影してもらおうと考えました。 誰が適任かを考えた時に、村の長老という設定が浮かびました。さくらは図書館で本を見つけて伝説を知ったのではなく、長老の家に行った時に長老が読んでいた本から伝説を知ったという設定に変更。長老は若かりし頃に黄金バナナを探す冒険の旅に出ていて、自らの体験を元にさくらに旅のいろはを語る。この設定で漫画を進めると伝えると、すぐに大野さんがイメージイラストを描いてくれました。 台割りや絵コンテも私が担当しましたが、見開き8ページをどのような構成にしていくかは随分頭を悩ませました。 結果、漫画なので右綴じにして、1ページ目はさくらが長老の家で黄金バナナの伝説を聞く物語の序章と位置付け、2ページ目からは見開きで、右側にストーリーがあり、左側にそのストーリーに沿ったルール説明があるという構成でいくことにしました。つまり、ストーリーとルール説明を完全に分けるのではなく、リンクさせながら同時に行っていく方式です。 説明しなければいけないルールに対して、どのようなストーリーで展開していくかを考えるのですが、説明の順序とストーリーの流れを踏まえないといけないので、その構成を考えるのに一番苦労しました。 あとは、6才の子どもが読んでわかるような易しい文章にしたり、わかりやすい図解を入れるといったことに力を注ぎました。 こうして漫画説明書は大野さんと何度も何度もやりとりをしながら完成に至りました。 絵コンテ 1P 色塗り前 1P 2P〜3P 4P〜5P 6P〜7P 8P 【箱】 箱の表紙絵は「さくらの大冒険」の世界観が伝わる、ワクワク感が出るようなイラストを大野さんに依頼しました。 最初のイラスト こちらに金の装飾フレームを追加して、伝説の物語っぽくしています。ちなみにこの装飾の柄はバナナになっています。よく見てみてください。 箱を実際に作ってみて、イメージを確認しながら3案から選びました。写真一番上を採用。 完成した箱の表紙絵 箱の身の側面も遊び心を大切に。ちらっと見えて可愛い、さくらたちのイラストを入れています。 箱の裏を見ただけでゲームの大まかな概要がわかるよう工夫しました。箱のサイズは縦26cm×横18.5cm×高さ5cm。 2019年3月。印刷所から箱の完成品が届いた時はすごく嬉しかったです。一年をかけて取り組んできた「さくらの大冒険」をいよいよ発売するんだという実感が湧きました。私にとっては子どもみたいなもので、やっと生まれるんだという感動がありました。 以上、《さくらの大冒険 開発ストーリー》でした。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 【最後に】 開発ストーリーを書くことで、私自身改めて「さくらの大冒険」のプロジェクトを振り返る、たいへん良い機会になりました。そこには色々な試行錯誤がありました。今回、このような形で舞台裏の物語を綴ったのは、そんな試行錯誤を見てもらうことで、今作や私たちのことをより身近に感じていただけたらという思いがあったからです。 「さくらの大冒険」は”自分が考えたゲームだから”とか”つみきやのゲームだから”とかいうわけでなく、純粋に良いゲームです。一人でも多くの方にこの魅力や楽しさが届けられたら幸いです。 これからも「さくらの大冒険」という船がよい航海を続けられるよう力を尽くしていきたいです。 そして、灯台となるような、この航海を応援してくれる方との出会いを心から願っています。 前章までの《さくらの大冒険 開発ストーリー》 vol.1 開発のきっかけ vol.2 ルール作りの過程 vol.3 各パーツのこだわり 〜親子で遊べる!宝石集めの協力ゲーム「さくらの大冒険」〜 家族団らん、もっと楽しい時間に!! 「さくらの大冒険」は、参加者同士で競うのではなく、全員の勝利を目指す協力型のゲームです。 普段はケンカしてしまう兄弟も頼れる仲間となり、前向きな会話が自然と生まれます。 協調性を育む本作は、コミュニケーションが苦手なお子さんにもオススメです。 さくらの大冒険(税込¥3,960) 2019年4月1日発売 対象年齢:6才以上 プレイ時間:10分 プレイ人数:2〜6人 ゲームデザイン:津村修二 イラスト&漫画:大野智湖 ゲーム内容: 長老の家で黄金バナナの伝説を知ったおさるのさくら。世界に散らばる七つの宝石を集めると空から降ってくるという黄金バナナを求め、さくらは仲間と冒険の旅へ船出します。しかし、恐ろしい海賊モンキーXも黄金バナナを狙っています。黄金バナナを手に入れるのはさくらかモンキーXか!? 全員で知恵を出し合いながら進める協力ゲームです。 遊び方: ・ゲームを始める前にさくら号のコマを日本のマス(3-3)に、モンキーXの海賊船のコマをモンキーXの絵の上に置きます。 ・次に七つの宝をダブルサイコロを振って出た目の場所に置きます。七つの宝を置き終わったらゲームスタートです。 ・最初のプレイヤーから順にアクションカードを引きます。引いたカードに描かれた数の分だけさくら号を進めます。 さくら号は縦横に真っ直ぐしか進めませんが、地図の端まで来たら、(地球は丸いので)反対側にワープできます。 ・どこへ進むかは全員で話し合って決めます。 ・宝石のあるマスにちょうどで止まったら、宝石を取ることができます。 ・宝石はボード上部のさくらの船のマスに乗せていき、七つ集まったら全員の勝ちです。 ・アクションカードの中には海賊船が描かれてあるものがあり、これを引くとモンキーXの海賊船が進みます。 ・海賊船が5マス進むと全員の負けです。 ・アクションカードの中にはさくら号を進ませるカード以外に、「方位磁針(1枚めくってカードを確認できる)」、 「望遠鏡(3枚めくってカードを確認できる)」、「舵(好きなところへ飛べる)」といった便利な道具カードがあります。 内容物: ・ゲームボード1枚 ・アクションカード28枚 ・コマ(さくら・モンキーX)各1個 ・宝石7個 ・ダブルサイコロ1個 ・漫画説明書1部 サイズ: ・箱 縦26cm×横18.5cm×高さ5cm ・ボード 縦25cm×横35cm(折りたたみ式) 商品ページ: https://tsumikiya.jp/products/detail.php?product_id=1170 ☆☆会場購入者限定特典☆☆ つみきや YouTube チャンネル登録(要画面提示) +SNSで遊んだ感想 or 遊び方を発信をしていただける方は 「さくらの大冒険」(税込¥3,960)を半額(税込¥1,980)で提供します。 ☆☆動画☆☆ プレイ動画 https://youtu.be/ookWtOJkZaY 詳しいルール説明動画 https://youtu.be/13h4Ix2H3FY ☆☆お問い合わせ先☆☆ つみきや 〒810-0001福岡市中央区天神1-7-11イムズ6F tel: 092-737-0611 https://tsumikiya.jp info@tsumikiya.jp
- 2020/2/20 14:25
- つみきや
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- 「さくらの大冒険」の盛り上がりポイント【ゲムマ2020大阪/ブース番号ヌ13】
- こんにちは。「ゲームマーケット 2020 大阪」初出展のつみきやです。 1993年創業、主にヨーロッパの木のおもちゃ・ボードゲーム等を扱う福岡の輸入玩具店です。 今回出展する「さくらの大冒険」の盛り上がりポイントを紹介します。 ゲーム中、子どもたちが一番声を上げる瞬間。それは「海賊船カード」が出た時です。 このカードを引いてしまうと、ライバルの海賊モンキーXが「黄金バナナ」に近づいてきます! 1隻が描かれたカード(上の写真左)は1マス、2隻が描かれたカード(上の写真右)はなんと2マス、モンキーXが黄金バナナへ続くコースを進みます。5マス進むと、モンキーXの勝利でゲームオーバーになってしまうため、海賊船カードは出て欲しくないカードなのですが、その分、出てしまった時は「うわっ!」と大きな歓声が上がります! 「海賊船カード」はあえて多めに入れています。それは「くやしい!次こそは!」ともう一度遊びたくなるように考えてのこと。 悪役であるモンキーXですが、子どもたちからの人気はとても高いです。遊びを盛り上げるにはやっぱりこんなライバルの存在が必要不可欠なんですね! 〜親子で遊べる!宝石集めの協力ゲーム「さくらの大冒険」〜 家族団らん、もっと楽しい時間に!! 「さくらの大冒険」は、参加者同士で競うのではなく、全員の勝利を目指す協力型のゲームです。 普段はケンカしてしまう兄弟も頼れる仲間となり、前向きな会話が自然と生まれます。 協調性を育む本作は、コミュニケーションが苦手なお子さんにもオススメです。 さくらの大冒険(税込¥3,960) 2019年4月1日発売 対象年齢:6才以上 プレイ時間:10分 プレイ人数:2〜6人 ゲームデザイン:津村修二 イラスト&漫画:大野智湖 ゲーム内容: 長老の家で黄金バナナの伝説を知ったおさるのさくら。世界に散らばる七つの宝石を集めると空から降ってくるという黄金バナナを求め、さくらは仲間と冒険の旅へ船出します。しかし、恐ろしい海賊モンキーXも黄金バナナを狙っています。黄金バナナを手に入れるのはさくらかモンキーXか!? 全員で知恵を出し合いながら進める協力ゲームです。 遊び方: ・ゲームを始める前にさくら号のコマを日本のマス(3-3)に、モンキーXの海賊船のコマをモンキーXの絵の上に置きます。 ・次に七つの宝をダブルサイコロを振って出た目の場所に置きます。七つの宝を置き終わったらゲームスタートです。 ・最初のプレイヤーから順にアクションカードを引きます。引いたカードに描かれた数の分だけさくら号を進めます。 さくら号は縦横に真っ直ぐしか進めませんが、地図の端まで来たら、(地球は丸いので)反対側にワープできます。 ・どこへ進むかは全員で話し合って決めます。 ・宝石のあるマスにちょうどで止まったら、宝石を取ることができます。 ・宝石はボード上部のさくらの船のマスに乗せていき、七つ集まったら全員の勝ちです。 ・アクションカードの中には海賊船が描かれてあるものがあり、これを引くとモンキーXの海賊船が進みます。 ・海賊船が5マス進むと全員の負けです。 ・アクションカードの中にはさくら号を進ませるカード以外に、「方位磁針(1枚めくってカードを確認できる)」、 「望遠鏡(3枚めくってカードを確認できる)」、「舵(好きなところへ飛べる)」といった便利な道具カードがあります。 内容物: ・ゲームボード1枚 ・アクションカード28枚 ・コマ(さくら・モンキーX)各1個 ・宝石7個 ・ダブルサイコロ1個 ・漫画説明書1部 サイズ: ・箱 縦26cm×横18.5cm×高さ5cm ・ボード 縦25cm×横35cm(折りたたみ式) 商品ページ: https://tsumikiya.jp/products/detail.php?product_id=1170 ☆☆会場購入者限定特典☆☆ つみきや YouTube チャンネル登録(要画面提示) +SNSで遊んだ感想 or 遊び方を発信をしていただける方は 「さくらの大冒険」(税込¥3,960)を半額(税込¥1,980)で提供します。 ☆☆動画☆☆ プレイ動画 https://youtu.be/ookWtOJkZaY 詳しいルール説明動画 https://youtu.be/13h4Ix2H3FY ☆☆お問い合わせ先☆☆ つみきや 〒810-0001福岡市中央区天神1-7-11イムズ6F tel: 092-737-0611 https://tsumikiya.jp info@tsumikiya.jp
- 2020/2/17 19:59
- つみきや
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- 「さくらの大冒険」開発ストーリー vol.3【ゲムマ2020大阪/ブース番号ヌ13】
- こんにちは。「ゲームマーケット 2020 大阪」初出展のつみきやです。 1993年創業、主にヨーロッパの木のおもちゃ・ボードゲーム等を扱う福岡の輸入玩具店です。 今回出展するオリジナル新作ゲーム「さくらの大冒険」の開発のきっかけや完成に至るまでの過程、こだわりや想いなどを、当店スタッフであり、ゲームデザインを担当しました津村修二から《さくらの大冒険 開発ストーリー》と題し、連載形式でこちらのブログで4回にわたって紹介していきます。 vol.3では各パーツのこだわりについて書きます。製品化に向け、どのように各パーツを選んでいったかというお話です。 【ダブルサイコロ】 宝石の位置を決めるのに使っているダブルサイコロ。サイコロの中に小さなサイコロが入っている珍しいサイコロです。 原案の時点で宝石の位置を毎回ランダムに決める(新鮮に楽しんでもらうため)というのはすでに考えていて、その時からダブルサイコロは使用していました。 このダブルサイコロは当店でも取り扱っている商品なのですが、いつかゲームのパーツに使えたら面白いだろうなと思っていて、ちょうど今回のゲームにマッチしたので使うことにしました。 見た目にユニークで楽しいサイコロですが、ゲームを効率良く進めるのにもたいへん活躍します。宝石1個の位置を決めるのに、普通のサイコロだと縦の目と横の目と2回振らないといけないですが、これだと1回で済みます。宝石7個分と考えると、7回もサイコロを振る行為を省略できます。 宝石の位置を決めるのはゲームの準備段階ですから、なるべく早く済むに越したことはありません。 子どもを惹きつける”モノ”としてのキャッチーさとゲーム進行の効率化が採用した大きな理由です。 【宝石】 「さくらの大冒険」の肝となるパーツが宝石です。 宝石を求めて旅に出掛けるのですから、「欲しい!」「集めたい!」と思えるような魅力があることが宝石の必須条件でした。きらきらと輝く美しいガラス製の玉を宝石に採用したのはそんな理由からです。 とは言え、コストの問題もありましたが、私はどうしてもそこを譲れませんでした。他のコストを削ったとしても、宝石の質だけは守りたい。宝石がゲームに及ぼす影響はそれほど大きなものであると考えました。 色にもこだわり、宝石は7個全て違う色にしました。7色だとカラフルで華やか、宝らしいという点に加え、7色あれば「赤を目指そう」「いや、緑が先だよ」と色によって話し合いもできると考えました。 7個にした理由は、7という数に今作との親和性を感じたからです。例えば、世界を表す言葉に”七つの海”という表現があります。また、”世界七大陸””世界七不思議”と何かと7は冒険物と相性の良い数で、これはぜひ取り入れたいと思いました。 さらに7はゲーム上でも集める数として多過ぎず、少な過ぎず、妥当な数でした。 【カード】 サイズは手に取りやすい4.5cm×4.5cm。子どもの手に丁度良い大きさにしています。 厚みは繰り返し遊びに耐えうる1.5mm厚。小学校の留守家庭で遊ばれることを想定し、少し乱暴に扱っても大丈夫なよう厚さを考えました。それでもコスト面を考慮し、必要最低限の厚みにしています。 イラストはイラストレーターの大野智湖さんに依頼。「数字カード」は宝探しの冒険に似合うような字体で手描きのデザインを採用。「方位磁針」「望遠鏡」「舵」はどんなことができるカードかをわかりやすく、「海賊船」は出た瞬間に「うわっ!」と思ってもらえるような恐ろしさを表現してもらいました。 絵はそれを見たときに起こる感情に大きな差が出てくるため、ゲームを作る上でとても大事な要素なのですが、今回は大野さんに依頼して良かったです。 また、裏面の柄については細心の注意を払いました。どうやっても見分けることができない柄を作る必要があったからです。特に子どもはどんな小さな傷や汚れでも見つけてしまいますから、カード一枚一枚に違いが出ないように均一に作らないといけません。 当初、波など海をイメージした柄も考えましたが、最終的には走るさくらが細かくデザインされた”隠れさくら”柄を採用しました。ゲーム中は、カードの表面より裏面を見ている時間の方が長いので、裏面は遊び心のある楽しい柄にしたいという思いがありました。 さくらの横顔を並べたデザイン案も。 どれくらいの柄の細かさが適切か、3パターンで比較。写真一番上の最も細かい柄を採用。 【ボード】 サイズは4〜6人で遊ぶのにも適した縦25cm×横35cm。A4より一回り大きいサイズです。持ち運んだり、収納しやすいよう折り畳み式にしています。 ボードは見ただけでゲームの目的がすぐにわかるデザインを心掛けました。ボード上部にはさくらが集めた宝を置けるマスを作り、その先に黄金バナナのマスを配置することで、目指すゴールをわかりやすくしています。また、右側には同じくモンキーXが進むマスを作り、ゴールを同じ黄金バナナのマスにすることで「どっちが先に黄金バナナを獲得するか?」というゲーム性をわかりやすくデザインしています。 マップに「東西南北」の表記を入れたのもこだわりのポイントです。みんなでどこへ進むか話し合う時、「上」や「右」と言うより、「北」や「東」と方角で呼んだ方が冒険感が強いからです。加えて、ボードを囲んでプレイする場合、「上」と言われても、反対側に座っている人から見たら「下」だったりするので、共通認識が得られやすいという意味でも「東西南北」を入れたいと思いました。 それから、ダブルサイコロの色に合わせ、マップ上の縦の目を赤、横の目を白にしています。色を見て、縦と横のどっちの目のことを表しているのかわかるようにしています。 イラストは冒険ファンタジーの世界観に合わせ、西洋の古地図風にしています。 制作初期のボードのイラスト。さくらとモンキーXの大きさのバランスやボードの色合いなどを調整し、現在のデザインに至ります。 ボード裏面はさくらとモンキーXが地球の端と端で追いかけっこをしています。着物の裏地みたいに、見えないところ、気付かれにくいところにこそ遊びを入れようと考えました。 【コマ】 さくらとモンキーXのコマ。高さはさくらが4cm、モンキーXが4.5cm。持ちやすさを考えて、平面でなく、立体で作りました。土台と本体のパーツが抜けてしまうことが課題でしたが、何度か試作を繰り返し、抜けにくい今の形に落ち着きました。絶対に抜けない品質にまでは到達しませんでしたが、これが現状のベストだという判断で採用しています。 以上、各パーツのこだわりについてのお話でした。 (vol.4へ続く) 前章までの《さくらの大冒険 開発ストーリー》 vol.1 開発のきっかけ vol.2 ルール作りの過程 〜親子で遊べる!宝石集めの協力ゲーム「さくらの大冒険」〜 家族団らん、もっと楽しい時間に!! 「さくらの大冒険」は、参加者同士で競うのではなく、全員の勝利を目指す協力型のゲームです。 普段はケンカしてしまう兄弟も頼れる仲間となり、前向きな会話が自然と生まれます。 協調性を育む本作は、コミュニケーションが苦手なお子さんにもオススメです。 さくらの大冒険(税込¥3,960) 2019年4月1日発売 対象年齢:6才以上 プレイ時間:10分 プレイ人数:2〜6人 ゲームデザイン:津村修二 イラスト&漫画:大野智湖 ゲーム内容: 長老の家で黄金バナナの伝説を知ったおさるのさくら。世界に散らばる七つの宝石を集めると空から降ってくるという黄金バナナを求め、さくらは仲間と冒険の旅へ船出します。しかし、恐ろしい海賊モンキーXも黄金バナナを狙っています。黄金バナナを手に入れるのはさくらかモンキーXか!? 全員で知恵を出し合いながら進める協力ゲームです。 遊び方: ・ゲームを始める前にさくら号のコマを日本のマス(3-3)に、モンキーXの海賊船のコマをモンキーXの絵の上に置きます。 ・次に七つの宝をダブルサイコロを振って出た目の場所に置きます。七つの宝を置き終わったらゲームスタートです。 ・最初のプレイヤーから順にアクションカードを引きます。引いたカードに描かれた数の分だけさくら号を進めます。 さくら号は縦横に真っ直ぐしか進めませんが、地図の端まで来たら、(地球は丸いので)反対側にワープできます。 ・どこへ進むかは全員で話し合って決めます。 ・宝石のあるマスにちょうどで止まったら、宝石を取ることができます。 ・宝石はボード上部のさくらの船のマスに乗せていき、七つ集まったら全員の勝ちです。 ・アクションカードの中には海賊船が描かれてあるものがあり、これを引くとモンキーXの海賊船が進みます。 ・海賊船が5マス進むと全員の負けです。 ・アクションカードの中にはさくら号を進ませるカード以外に、「方位磁針(1枚めくってカードを確認できる)」、 「望遠鏡(3枚めくってカードを確認できる)」、「舵(好きなところへ飛べる)」といった便利な道具カードがあります。 内容物: ・ゲームボード1枚 ・アクションカード28枚 ・コマ(さくら・モンキーX)各1個 ・宝石7個 ・ダブルサイコロ1個 ・漫画説明書1部 サイズ: ・箱 縦26cm×横18.5cm×高さ5cm ・ボード 縦25cm×横35cm(折りたたみ式) 商品ページ: https://tsumikiya.jp/products/detail.php?product_id=1170 ☆☆会場購入者限定特典☆☆ つみきや YouTube チャンネル登録(要画面提示) +SNSで遊んだ感想 or 遊び方を発信をしていただける方は 「さくらの大冒険」(税込¥3,960)を半額(税込¥1,980)で提供します。 ☆☆動画☆☆ プレイ動画 https://youtu.be/ookWtOJkZaY 詳しいルール説明動画 https://youtu.be/13h4Ix2H3FY ☆☆お問い合わせ先☆☆ つみきや 〒810-0001福岡市中央区天神1-7-11イムズ6F tel: 092-737-0611 https://tsumikiya.jp info@tsumikiya.jp
- 2020/2/13 18:46
- つみきや
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- 「さくらの大冒険」オススメしたい3つのポイント【ゲムマ2020大阪/ブース番号ヌ13】
- こんにちは。「ゲームマーケット 2020 大阪」初出展のつみきやです。 1993年創業、主にヨーロッパの木のおもちゃ・ボードゲーム等を扱う福岡の輸入玩具店です。 今回出展する「さくらの大冒険」についてオススメしたいポイントを3つ紹介します。 ⑴みんなが仲間の協力型ゲーム ゲームはプレイヤー同士の対戦型が一般的ですが、「さくらの大冒険」では仮想の敵である海賊(モンキーX)対プレイヤー全員という設定なので、参加者同士が自然と力を合わせて遊べるようになっています。7つの宝石をどの順番で取っていくか、どう進んだ方がいいか、何を引くか、そこに「仲間」としての前向きな会話が生まれます。 ⑵誰でもすぐに遊べるシンプルなルール 宝石を7つ集めたら勝ち、海賊がその前に宝石にたどり着いたら負け。自分の番になったら、カードをめくり、出た数の分、コマをまっすぐ進める。基本ルールはたったこれだけ。この簡潔さの中にスリルと興奮、記憶、論理的思考の要素がぎゅっと含まれています。 ⑶ロマン溢れる物語 今作は好奇心旺盛なお猿のさくらが長老の家で黄金バナナの伝説を知り、自らその黄金バナナを探すべく仲間と共に世界へ冒険の旅に出掛ける、海洋冒険物語。海賊、宝石、世界地図などが登場するロマン溢れる物語は、プレイヤーが自己投影してゲームに夢中になれるように丁寧に作っています。説明書は漫画仕様で、ストーリーと合わせてゲームを楽しんでもらえる工夫をしています。 〜親子で遊べる!宝石集めの協力ゲーム「さくらの大冒険」〜 家族団らん、もっと楽しい時間に!! 「さくらの大冒険」は、参加者同士で競うのではなく、全員の勝利を目指す協力型のゲームです。 普段はケンカしてしまう兄弟も頼れる仲間となり、前向きな会話が自然と生まれます。 協調性を育む本作は、コミュニケーションが苦手なお子さんにもオススメです。 さくらの大冒険(税込¥3,960) 2019年4月1日発売 対象年齢:6才以上 プレイ時間:10分 プレイ人数:2〜6人 ゲームデザイン:津村修二 イラスト&漫画:大野智湖 ゲーム内容: 長老の家で黄金バナナの伝説を知ったおさるのさくら。世界に散らばる七つの宝石を集めると空から降ってくるという黄金バナナを求め、さくらは仲間と冒険の旅へ船出します。しかし、恐ろしい海賊モンキーXも黄金バナナを狙っています。黄金バナナを手に入れるのはさくらかモンキーXか!? 全員で知恵を出し合いながら進める協力ゲームです。 遊び方: ・ゲームを始める前にさくら号のコマを日本のマス(3-3)に、モンキーXの海賊船のコマをモンキーXの絵の上に置きます。 ・次に七つの宝をダブルサイコロを振って出た目の場所に置きます。七つの宝を置き終わったらゲームスタートです。 ・最初のプレイヤーから順にアクションカードを引きます。引いたカードに描かれた数の分だけさくら号を進めます。 さくら号は縦横に真っ直ぐしか進めませんが、地図の端まで来たら、(地球は丸いので)反対側にワープできます。 ・どこへ進むかは全員で話し合って決めます。 ・宝石のあるマスにちょうどで止まったら、宝石を取ることができます。 ・宝石はボード上部のさくらの船のマスに乗せていき、七つ集まったら全員の勝ちです。 ・アクションカードの中には海賊船が描かれてあるものがあり、これを引くとモンキーXの海賊船が進みます。 ・海賊船が5マス進むと全員の負けです。 ・アクションカードの中にはさくら号を進ませるカード以外に、「方位磁針(1枚めくってカードを確認できる)」、 「望遠鏡(3枚めくってカードを確認できる)」、「舵(好きなところへ飛べる)」といった便利な道具カードがあります。 内容物: ・ゲームボード1枚 ・アクションカード28枚 ・コマ(さくら・モンキーX)各1個 ・宝石7個 ・ダブルサイコロ1個 ・漫画説明書1部 サイズ: ・箱 縦26cm×横18.5cm×高さ5cm ・ボード 縦25cm×横35cm(折りたたみ式) 商品ページ: https://tsumikiya.jp/products/detail.php?product_id=1170 ☆☆会場購入者限定特典☆☆ つみきや YouTube チャンネル登録(要画面提示) +SNSで遊んだ感想 or 遊び方を発信をしていただける方は 「さくらの大冒険」(税込¥3,960)を半額(税込¥1,980)で提供します。 ☆☆動画☆☆ プレイ動画 https://youtu.be/ookWtOJkZaY 詳しいルール説明動画 https://youtu.be/13h4Ix2H3FY ☆☆お問い合わせ先☆☆ つみきや 〒810-0001福岡市中央区天神1-7-11イムズ6F tel: 092-737-0611 https://tsumikiya.jp info@tsumikiya.jp
- 2020/2/10 19:16
- つみきや
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- 「さくらの大冒険」開発ストーリー vol.2【ゲムマ2020大阪/ブース番号ヌ13】
- こんにちは。「ゲームマーケット 2020 大阪」初出展のつみきやです。 1993年創業、主にヨーロッパの木のおもちゃ・ボードゲーム等を扱う福岡の輸入玩具店です。 今回出展するオリジナル新作ゲーム「さくらの大冒険」の開発のきっかけや完成に至るまでの過程、こだわりや想いなどを、当店スタッフであり、ゲームデザインを担当しました津村修二から《さくらの大冒険 開発ストーリー》と題し、連載形式でこちらのブログで4回にわたって紹介していきます。 vol.2では構想からルールが完成するまでの過程を書きます。ゲームの核となる部分の話です。 【最初の構想は”さくらのマイホーム”】 前章の経緯から「さくらの続編、協力ゲーム」という大まかな方向性が決まりました。その後、私は既存の協力ゲームを遊びながら、その傾向と面白さのポイントを探っていきました。 年が明けた、2018年1月。さまざまな協力ゲームの研究を重ねる中、どうにも煮詰まってしまった私は気分転換に近くの銭湯へ行きました。と言うのも、頭の中が飽和状態になったら、一旦そのことについて考えないようにし、心身ともにリラックス状態にさせるとアイデアは不意に降りてくる、ということが多々あるからです。その実、散歩中に思いつく人も少なくないようです。私は経験上、銭湯でひらめくことが多かったので行きました。 その作戦は大当たり。お湯に浸かりながら、ぼーっと浴槽の格子状になった床と排水口を眺めていて、「あ!」とアイデアが思い付きました。その時、思い付いたのは盤面上にある一つのコマを全員でカードか何かでマスに沿って進めながら、どうすればゴールに辿り着けるかを目指すパズル的な協力ゲームでした。興奮状態で自宅へ戻り、忘れないようにラフスケッチをしました。 それで出来上がった最初の構想が「さくらのマイホーム」。森の中で迷ってしまったさくらを日が暮れてしまう前に全員で協力してお家に帰すゲームです。 「さくらのマイホーム」ラフスケッチ 【ロマン溢れる海洋冒険物がテーマに】 構想を練っていく段階で、好奇心旺盛なさくらのキャラクターがより活きる設定にしたい、子どもがワクワクするようなストーリーにしたい、複数のゴールをチェックポイントのように回っていくシステムにしたいという欲が出てきました。そこで、さくらが世界に散らばる宝を求め旅をする海洋冒険物にテーマ変更。船や金貨、宝箱、海賊、無人島、古地図などが登場する海洋冒険作品は、洋の東西を問わず、これまで数多の物語が紡がれていますが、それだけこの題材に人間の想像やロマンを掻き立てる普遍性があるのではないかと考えました。海洋冒険物にテーマ変更した大きな理由はそこにあります。 仮タイトルで「さくらの宝探し」と名付けた原案ルールを下記に紹介します。 【”さくらの宝探し”ルール紹介】 ・クリア条件は規定ターン内に世界に散らばった7つの宝を協力して手に入れること。 ・盤面は世界地図。縦6列×横6列。(全36マス) ・さくらのコマは日本(縦3列目-横3列目の場所)に置く。 ・7つの宝の場所はダブルサイコロを振って出た目によって決める。宝は最初に6つの場所を決め、最後の1つは6つを集めた後、決める。(最後に出現するイメージ) ・数字カード「1」「2」「3」が各4枚あり、シャッフルしてプレイヤーに均等に配る。 ・キャラクターカードが6枚あり、シャッフルして1枚ずつ配る。(何枚か余る) ・適当な方法で最初のプレイヤーを決めたら時計周りに手番を進める。 ・手持ちカードはすべて表向きにして、全員の数字が見えた状態で始める。 ・手番になったら、手持ちカードから1枚を裏返してその数だけさくらを進ませるか、さくらの向きを変えるか、裏返した1枚を表にするか、キャラクターカードを使う(1度だけ使用可)か、選択する。この時、何を選択するかは全員で相談ができる。 ・さくらは前(さくらが向いている方)へ直進しかできない。マップを超えてしまう場合は動かせない。 ・宝はちょうどで止まった時にもらえる。取った宝は取った人の手元に置く。 ・宝は各プレイヤーが最低一つは取っていないとクリアにはならない。 ・ターン(一巡を1ターンとする)制で、2人だったら12ターン、3人だったら8ターン、4人だったら6ターン以内にクリアしないと、ゲームオーバーとなる。 ここでこだわりを持って作ったルールがキャラクターカードです。それぞれの個性を認め合い、長所を生かせるようなものを作れたらと考え、横歩きができるカニ、一直線になら何マスでも進めるダチョウなど一人一枚キャラクターカードを配って、ゲーム中一度だけその特殊能力を使える(さくらを応援できる)というルールを入れました。 【ルール上の課題に試行錯誤の日々】 このルールで何度かスタッフと遊んだのですが、運の要素が少ないため、盛り上がりがなく淡々と進行する問題が起きました。論理的にパズルを解いていくみたいでハラハラドキドキ感がないのです。 あと、どういうアクションを取るかの話し合いはあっても、頭の回転が早い人がどうしてもリーダーシップを取って指示を出してしまいがちに。例えば「私が3マス進むから、Aさんはさくらの向きを変えて、Bさんは1マス進んで」など。指示された人はそれをこなすだけという場面が頻繁に見られました。それは果たして”協力し合っている”と言えるのか?協力ゲームとしての壁にぶち当たりました。 同時期、友人の家でもテストプレイをさせてもらいましたが、その時、現状のルールが難しすぎて、なかなか宝を集められないという事態が起きました。友人が「地球は丸いということで、南から下に移動したら北に、東から右に移動したら西にワープできるっていうルールはどうですか?」と提案をしてくれました。即採用することにしました。これによって難易度は大きく下がり、加えて、ダイナミックなコマの動きが出て、ゲームがぐっと洗練されました。 地球は丸いからワープできる さらに「宝を手に入れた後、日本に帰ってくるルールにしては?」という提案もありました。「移動の難易度が下がった分、クリアまでの難易度を上げてはどうか?」とのこと。このアイデアにも納得がいったので採用することに。 ただ、やはりパズル的要素が強く、偶然性が少ないというのは解決すべき課題だと感じました。 まず私はゲームとしての歓喜を作ろうと、カードを論理的に計算して使っていくのではなく、全てを神経衰弱のように裏向きにして、引いた数でどう進んでいくかを考えるルールに変更しました。これはかなり大きなルール改革でした。偶然性が高まったことによって、盛り上がりが増し、先が読みづらくなったことによって、誰かが主導権を握って指示を出すことが難しくなり、協力ゲームとしてのバランスが良くなりました。 また、数字カードが1・2・3しかないのは難しすぎるという理由から、1から3まで好きな数だけ進める「フリー」のカードを入れました。さらに歓喜を作るという意味で、記憶の要素も入れることにしました。メモリーゲームは昔から変わらぬ楽しさがあり、人が楽しいと思う要素として根強いものがあります。それが現行のルールでも採用している「方位磁針」(1枚めくれる)と「望遠鏡」(3枚めくれる)のカードです。カードを全員で記憶しておいて、ここぞという時に使えます。そして、好きなマスへ飛べるラッキーカードとして「舵」のカードも入れました。これら新たに作ったカードの枚数配分は、難しすぎず、簡単すぎないよう細心の注意を払いました。 フリー(1〜3)、方位磁針、望遠鏡、舵のカード その後、スタッフ会議の中でターン制は誰かがカウントするのがわずらわしいという意見が出ました。確かに1ターンごとにマーカーを動かして、ターンを管理するのは一手間です。ゲームに夢中になってカウントし忘れることもあるでしょう。しかし、場のカードが無くなって終了とするルールだと、カードを全部使うことが前提になるので、緊張感が無くなり、ハラハラドキドキ感がありません。そこで、カードを引く過程でゲームが終わる方法はないかと考えた結果、カードの中に「終了」に近づくカードを入れることにしました。つまり、このカードが◯枚出たらゲームオーバーというもの。このメカニクスは協力ゲームに多く採用されている王道的な手法であり、私もこれに習い、出て欲しくないこのカードを敵役として設定。そこで生まれたのがさくらのライバルとなる海賊モンキーXでした。モンキーXはボードの中に組み込むことにし、モンキーXの船が5マス進む(5枚引く)とゲーム終了としました。 海賊モンキーXはボード右手のコースを上へと進んでいく ストーリーを詰めていく中で、さくらとモンキーXが何か共通するものを取り合っているという図式が望ましく感じ、その中で”黄金バナナ”が生まれました。光り輝く何とも珍しい伝説の黄金バナナを、さくらは持ち前の好奇心から、モンキーXは一攫千金を目的に獲得を目指すというストーリーに変更し、物語の整合性を付けました。これは大事なことで、そこに整合性がないとプレイヤーは腑に落ちず、ゲームに没入することが難しくなります。 光り輝く黄金バナナ このストーリー詰めの段階で、宝石ではなく、6つの石板B・A・N・A・N・Aが揃ったら黄金バナナが出現するルールに変更。6つ獲得したら現れる7つ目の宝石にあたるものを黄金バナナにしました。それから、プレイヤー各自が最低一つは獲得していないといけないというルールも難易度を考慮し、無しにしました。同時に、取った宝はこれまで各自が手元に持っていましたが、ボード上部へ並べて置いていく設計にしました。こうすることで集まっていく過程が視覚的にわかりやすくなり、集める楽しさが増しました。 【留守家庭でのテストプレイを経て、完成へ】 4月中旬、子どもたちの反応を知るべく、スタッフの原田とともに赤坂小留守家庭に伺いました。そこで3つの改善すべき点に気付きました。 まず1つ目は小学校低学年では「自分がチームのために尽くす」気持ちを持つのがまだ難しいということでした。自分の番が回ってきて、さくらの向きを変えるだけ、というのに満足できなくて、やっぱりみんなカードを引きたいし、進みたいんだ、ということが分かりました。野球に例えるなら、打席が回ってきたら送りバントではなく、毎回バットを振りたいんだと。 2つ目はキャラクターカード。それぞれにキャラクターカードがあって、一度だけその特殊能力を使えるというルールがややこしく、いつ使っていいかわからずにゲームが終わっていました。それぞれの個性を生かし合うことを願って、キャラクターカードにこだわってきましたが、当の子どもたちがそのルールを理解し楽しめなければ、それはただの押し付けになってしまいます。 3つ目はゲーム目的の複雑さ。石板を6つ集めたら、黄金バナナが手に入り、それを日本に持ち帰ってクリア、という段階のある構造が難しく、石板を6つ集めた時点や黄金バナナを手にした時点でクリアだと勘違いし、大喜びをしていました。そんな子に「いや、黄金バナナを日本に持って帰ってくるまでだよ」と説明するのは野暮だと感じました。ゲーム中で歓喜するピークの瞬間をクリアとするルールに変更しようと思いました。 さくらの向きを無くす(どの方向にも移動できる)、キャクターカードを無くす、石板を無くし、7つの宝石を集めたら、その時点で黄金バナナが手に入り、クリアとする。そのように改善しました。 その後、8歳のお子さんがいる知人宅へテストプレイに伺いました。改善ルールで遊んだのですが、とても楽しそうに遊んでくれてほっとしました。知人から「海賊カードの中に、2隻描かれてあるのがあったら面白いのでは?」というアイデアをもらいました。これまで海賊カードは1隻しか描かれておらず、1マスしかモンキーXは進まないルールでしたが、この2隻カードを引けば一気に2マス進みます。これは確かにハラハラドキドキ感が増すと考え、採用することにしました。 2隻描かれた海賊船カードはモンキーXが2マス進む 5月下旬、改善したルールを試すため、今度は百道小留守家庭に伺いました。改善点が生かされ、大いに盛り上がりました。弾けるような子どもたちの笑顔と歓声。小学1年生の子もちゃんと理解できており、わかりやすくして正解だったと思いました。5ヶ月に及んだこれまでの試行錯誤が全て報われたようで最高にうれしかったです。帰りの車中、原田と一緒に「やった!」と喜び合いました。 こうしてルールはようやく完成に至りました。次章はゲーム内容物の製作の話です。 (vol.3 へ続く) 〜親子で遊べる!宝石集めの協力ゲーム「さくらの大冒険」〜 家族団らん、もっと楽しい時間に!! 「さくらの大冒険」は、参加者同士で競うのではなく、全員の勝利を目指す協力型のゲームです。 普段はケンカしてしまう兄弟も頼れる仲間となり、前向きな会話が自然と生まれます。 協調性を育む本作は、コミュニケーションが苦手なお子さんにもオススメです。 さくらの大冒険(税込¥3,960) 2019年4月1日発売 対象年齢:6才以上 プレイ時間:10分 プレイ人数:2〜6人 ゲームデザイン:津村修二 イラスト&漫画:大野智湖 ゲーム内容: 長老の家で黄金バナナの伝説を知ったおさるのさくら。世界に散らばる七つの宝石を集めると空から降ってくるという黄金バナナを求め、さくらは仲間と冒険の旅へ船出します。しかし、恐ろしい海賊モンキーXも黄金バナナを狙っています。黄金バナナを手に入れるのはさくらかモンキーXか!? 全員で知恵を出し合いながら進める協力ゲームです。 遊び方: ・ゲームを始める前にさくら号のコマを日本のマス(3-3)に、モンキーXの海賊船のコマをモンキーXの絵の上に置きます。 ・次に七つの宝をダブルサイコロを振って出た目の場所に置きます。七つの宝を置き終わったらゲームスタートです。 ・最初のプレイヤーから順にアクションカードを引きます。引いたカードに描かれた数の分だけさくら号を進めます。 さくら号は縦横に真っ直ぐしか進めませんが、地図の端まで来たら、(地球は丸いので)反対側にワープできます。 ・どこへ進むかは全員で話し合って決めます。 ・宝石のあるマスにちょうどで止まったら、宝石を取ることができます。 ・宝石はボード上部のさくらの船のマスに乗せていき、七つ集まったら全員の勝ちです。 ・アクションカードの中には海賊船が描かれてあるものがあり、これを引くとモンキーXの海賊船が進みます。 ・海賊船が5マス進むと全員の負けです。 ・アクションカードの中にはさくら号を進ませるカード以外に、「方位磁針(1枚めくってカードを確認できる)」、 「望遠鏡(3枚めくってカードを確認できる)」、「舵(好きなところへ飛べる)」といった便利な道具カードがあります。 内容物: ・ゲームボード1枚 ・アクションカード28枚 ・コマ(さくら・モンキーX)各1個 ・宝石7個 ・ダブルサイコロ1個 ・漫画説明書1部 サイズ: ・箱 縦26cm×横18.5cm×高さ5cm ・ボード 縦25cm×横35cm(折りたたみ式) 商品ページ: https://tsumikiya.jp/products/detail.php?product_id=1170 ☆☆会場購入者限定特典☆☆ つみきや YouTube チャンネル登録(要画面提示) +SNSで遊んだ感想 or 遊び方を発信をしていただける方は 「さくらの大冒険」(税込¥3,960)を半額(税込¥1,980)で提供します。 ☆☆動画☆☆ プレイ動画 https://youtu.be/ookWtOJkZaY 詳しいルール説明動画 https://youtu.be/13h4Ix2H3FY ☆☆お問い合わせ先☆☆ つみきや 〒810-0001福岡市中央区天神1-7-11イムズ6F tel: 092-737-0611 https://tsumikiya.jp info@tsumikiya.jp
- 2020/2/7 10:00
- つみきや
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