按理具庵

「あんりぐあん」 と読みます。駆け出しの発明家が勢いで一人起業してしまった会社です。
陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)をトランプの再発明として創作し、Amazonやイエローサブマリン等にて販売中です。
しなり折りカード立てが第一発明品で、これを応用した紙製ミープルやチェス・将棋駒に展開中です。

FESCA(フェスカ):バトル・オブ・エレメンツ・レベル1(2人制)(略称 BOEL1)
2018/4/14 18:53
ブログ

トランプの『戦争』を基とした超簡単な2人対戦ゲームです。
引き分けはスート戦で決着させます。空無札の強弱も特徴的です。
完全な運ゲーですが、ゲーム創作の基礎になります。

ゲーム名:バトル・オブ・エレメンツ・レベル1(2人制)(略称 BOEL1)
創作レベル:★☆
ルール説明:
基本ルールはトランプの『戦争』と同じで、ランクの高い(数の大きい)方が勝ちとなります。
フェスカでは以下の点が異なります。
(1) 12は1に負けます。(トランプの『戦争』でAが2に負ける等と同じ)
(2) 空無は13として扱い最強になりますが、相手が同じスートなら負けます。
(3) 同じランクで引き分けの場合は、スート戦で勝負します。
陰陽と五行では、陰陽が勝ちです。
五行(空無も含む)どうしの場合は、相生先負、相克先勝になります。
(4) 太極は陰陽スートの空無ZAT扱いです。

解説:
先ずは名前です。
ゲームの性格から「戦争」と呼ぶような大げさなものではなく、決闘(デュエル)、合戦,闘争(バトル)ぐらいな感じなので、元素対決や元素決戦の意味合いで、名前には「バトル」の語を採用しました。
“(2人制)”とあるように、3人以上で遊ぶ『戦争』もあって、引き分け優先勝ちのルールが適用されています。フェスカのBOEL1(多人数制)でも同じくランク戦の引き分け優先勝ちですが、スート戦のルールがやや複雑で込み入ってくるため別ゲームとして扱い、紹介は後日にしたいと思います。ゲーム創作が好きな方は、ぜひ自分で考えてみてください。また、わざわざレベル1としているということは、このルールを基にしたレベル2もあるということ、完全運ゲーを戦略思考的なゲームにする独自ルールを追加しますが、これも考えてみてください。
次はランク戦です。
トランプの絵札のJ,Q,Kランクは幼児には覚えるのが難しいのですが、フェスカのカードデザインではランクは純粋にスート柄(マーク)の個数ですので、もし数字が読めなくてもマークの多い少ないで強弱を判断できます。
12が1に負けるのは、トランプの戦争でAが2に負けるのと同じで、最強札は最弱札に負けるを適用しただけです。
空無はZAT(Zero And Thirteen, 0と13)なので13として扱いますが、やはり弱点を持つ必要があり、同スートに対しては負ける(0になる)としました。
別案で12をそのままで空無を13として1に負けるというのも考えましたましたが、これは単調過ぎて面白くありません。フェスカの空無はトランプのAとジョーカーを併せ持つ性格なので、「同スートに負ける」という特殊な強弱関係にしました。
その次はスート戦です。
トランプとの比較で最も大きな違いが、ランク戦での引き分け持のスート戦です。スートの循環順序関係があるフェスカの特徴を生かした独自ルールです。
陰陽をスートワイルドと考えれば、相手に勝てるスートに化けることができるので、陰陽は最強スートとするのが妥当です。
相克の「克」には戦って勝つという意味があるので、相克の水火金木土(水)の順で、水が火に勝ち、火が金に勝ちというように順番が先のものが後のものに勝つとするのは当然です。相生に関しては、この順序と強弱の関係が相克とは逆で、相生先負とします。相生は次のものを生み出したり育てたり勢いを強めたりする順序関係であり、特に文字通り「生む」関係とすれば親と子の関係であり、親と子はどちらが強いと考えると判断に迷うことになります。この「生む」の語に捉われずに、次のものの勢いを強める関係なのだから、後の方が強いと考えるのが妥当です。すなわち「木は燃えて火を生み出す」は、「火が木を燃やし尽くす」とも言い換えられ、火の方が強いとします。同様に「土をかけて焚火は消され」、「金属の鍬(くわ)で土が掘られ」、「水は金属を錆びつかせ」、「木は水を吸い尽くす」という強引なこじ付けで強弱関係を理解してもらいます。相克先勝、相生先負はルールとします。
最後に注意点です。
陰陽札は第六の陰陽スートであって、空無札は五行のZATランクであって、太極札は陰陽スートのZATランクになります。
これらはワイルドカードとして扱わないことに注意してください。



分析:
12は1に負けるけど12と11はどちらが強いのか、空無ZATはどの程度強いのか、1と2はどちらが弱いのか、とかを考えてみます。ここでは札の強さを、その対象札で勝てる札が何枚あるか、その枚数の多さで定義することにします。
図は「~に勝つ」と「~が勝つ」で対象に勝てる札と負ける札を示しています。





枚数を数えると12は11と同じ、13(ZAT)は実は12よりも僅かに弱い、1と2も同じくらいに弱いという結果が得られます。
これをグラフにしました。



陰陽スートは五行スートに比べてスート戦で勝てる分だけ同ランクではやや強いといえます。

1と2は勝てる枚数比較では同じ弱さですが、有益性を考えた場合は1と2では12を倒す特殊能力を有する1の方がより有益と考えられます。12と13(ZAT)を比較すると強弱の逆転関係があるので、変な感じかもしれませんが、直接対決で12に勝てるという点を考えたら、これも13(ZAT)の方が有益で実質的には強いのかもしれません。余談ですが、3人以上の多人数制を考えると、場に同スートがあると0になる13(ZAT)は著しく弱くなります。でも一人二人と負け抜けするたびに強くなっていく不思議さが魅力的なカードです。

補足:
トランプの『戦争』にも引き分け時にスートで勝負を決めるローカルルール(スペード>ハート>ダイヤ>クラブの順)があることを、今回詳細なルールを調べていて初めて知りました。また私がこどもの頃に覚えたルールでは「ジョーカーが2に負け、Aは3に負ける」だったのですが、標準ルールは「ジョーカー無しで、Aは2に負ける」のようです。「ジョーカー含める場合は、Aに負ける」というルールも見つけて、新鮮な感覚を覚えました。
「Aは2に負ける」は一説には、大富豪(大貧民)の2が一番強いという変則的なランクの基になったと言われているようです。当初は2はAにだけ勝つ特殊な切り札扱いだったものが、常にAを倒すために温存され、またそのように使われて、いつしか他のランクにも勝てる最強札に変化してしまった、と私は考えます。でも「2は最弱札だけど最強札のAにだけは勝てる」ルールの方が、実は面白かったのではないでしょうか。また「8を最強札」とするルールは、別ゲーム「エイト」からの転用らしいですが、無条件で最強にしてしまうとランク強弱が変則的で複雑なゲームになるだけで、これは改悪ルールだと考えます。
ちなみにフェスカの「エスタ12R」は、大富豪(大貧民)を基にしていますが、雑多なルールを覚える必要もなく、最弱札が最強札に変化するという画期的な「1,2革命」ルールがあって、より楽しいゲームになっています。




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