按理具庵

「あんりぐあん」 と読みます。駆け出しの発明家が勢いで一人起業してしまった会社です。
陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)をトランプの再発明として創作しました。
しなり折りカード立てが第一発明品で、これを応用した紙製ミープルやチェス・将棋駒に展開中です。

FESCA(フェスカ)誕生秘話ートランプをゼロから再発明してみたら、こうなった。
2018/1/30 15:26
ブログ

いつしか、それが当たり前だとして気にならなくなってしまった子供の頃の素朴な疑問、年齢を重ね、いろいろと考えるようになって、思い出したことがきっかけです。

トランプの絵札はどうしてJ,Q,Kなの、11, 12, 13じゃダメなの?
A(エース)って何、どう見てもただの1でしょ。しかもスペードのAだけやたらとデカいし、なんで?
スート(マーク)は4種類あるのに、どうして赤黒の2色だけ?
トランプって西洋生まれなのに不吉とされる13のランク数って、どうして?

そして、やや大きくなってからも、新たな疑問が出てきました。

ほぼ上下左右に対称なスート柄の配置デザインなのに、7だけ例外なのがちょっと残念だ。
(※厳密にはスート図柄がダイヤ以外は上下対称ではないので、完全に上下対称なカードは割と少ない)
麻雀牌のように、もっと識別性のある配置と大きさにすればいいのに。

と、そして今、

もし西洋でなく東洋でトランプが生まれていたら、どうなっただろう?
東洋文化なら五行思想で木火土金水の5スートだ!

と、妄想と創作意欲が結びついて、本格的に全く新しいトランプを作ろうと考えるようになりました。
まずは5スートで12ランクの60枚構成の五行トランプという発想が出て、60は2~6までの数で割り切れるからいつも均等な枚数に配れて、これは便利と思えました。でも直ぐに5スートだとババ抜きや神経衰弱のような2枚組で合わせるゲームができないという致命的な欠陥に気付いてしまいました。
そこで諦めないのが良かったのかもしれません。

五行と云えば陰陽もある。
5スートでなく5+1=6スートで偶数にすれば、2枚組(ペア)系のゲームは可能になる。
陰陽は他の五行スートに比べて特殊だからスートワイルドカード(化け札)にしよう。

と、閃(ひらめ)いたのです。
奇数であることにより五行説の5竦(すく)み関係(相生・相克)の新規性を得て、偶数であることにより従来のトランプゲームも可能な互換性も得るという偶奇両立の5+1=6はカードゲームの歴史に刻まれる大発明かもしれないと思ったのです。そして、(5+1)×12=72枚、72も5と7を除く2から9までの数で割り切れる数だし、いい感じとなって、五行スート柄のデザインと配置に取り掛かることになりました。
でも、ここで発明家にありがちな罠に陥ってしまうことになりました。スートワイルドを含む(5+1)スートの発明と、72枚という均等配分に適した数の組み合わせの完全性に酔いしれてしまい、さらなる改良・改善を忘れてしまったのです。
そしてスート柄と配置デザインの作業に没頭するのでした。

それから数カ月後、ゲームマーケットに向けてカードの作成を依頼しようと、デザインを見直していたところ、突然のヒラメキでした。
後から振り返ってみれば、初めから思い付くことができたはずのこと、すなわち『縦があれば横もあるということ』、ランクワイルドの発明/発見です。
そして同時に『縦線と横線が交われば必ず交点ができる』こと、原点となるジョーカー的な万能ワイルドの発明/発見です。
人類の偉大なる発明でありインド数学史に輝く「ゼロの発見」を思い起こさせる興奮を味わいました。
これをヒントに、単なるランクワイルドとしてだけではなく、ゼロとの兼用という発想が得られ、さらにトランプのA(エース)との類似で、0と13の両使いZAT(Zero and Thirteen)の発想へと繋がっていきました。

結果、6枚追加して78枚となって均等配分の機能性は捨て去ることになりましたが、その代わりに縦横対称な偶奇完全性を得ることができました。
縦横ワイルドの(5+1)スート×(12+1)ランクは、百数十年前に発明されたジョーカーを基本カード構成に内包することに成功したのです。
さらに3種のワイルドカードと循環対称性を持つ五竦みのスート相関係は、新たなゲームを生み出す基盤となっているのです。
これは正にトランプの再発明と云えるのではないでしょうか。

PS:
後々になって、スートワイルドやランクワイルドが本当に発明なのか気になって、いろいろなカードゲームを調べてみると、どちらも単独ではそれらしきものは既にあるようで、新たな発明ではなさそうです。
例えば、Haggis(ハギス)のJ,Q,Kがスート無し扱いでスートワイルドとして使われますし、ラミー17の色スートの星マーク札はランクワイルドカードです。
ただし両方を組み合わせたカード構成は見つかりませんでした。
 


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変更来歴

2020.07.09 「トランプの絵札はどうしてJ,Q,Kなの、10, 11, 12じゃダメなの?」⇒「トランプの絵札はどうしてJ,Q,Kなの、11, 12, 13じゃダメなの?」
こんな単純な間違いに2年以上も気付けなかったことが恥ずかしい。久々に読み返したから気付けただけとも言える。

2020.07.10 以下の2件の間違いを修正しました。

誤)これをヒントに、単なるスートワイルドとしてだけではなく、
正)これをヒントに、単なるランクワイルドとしてだけではなく、

誤)ただし両方を組み合わせてたカード構成は見つかりませんでした。
正)ただし両方を組み合わせたカード構成は見つかりませんでした。

2024.06.21 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。サムネイル画像はファイル名が不明なため、以前と異なっているかもしれません。