モグワイ

モグワイ /トマソン玩具です。
モグワイは主催の長谷川登鯉がアートや製造を担当して絶版創作ゲームのリメイクを行うサークルです。トマソン玩具はトリックテイキングゲーム専門のモグワイの別ブランドです。よろしくお願いします。

8ビットモックアップのレビュー
2017/11/21 12:14
ブログ

モグワイの長谷川登鯉です。
自分は文章も説明も苦手なので、信頼している創作仲間で、友人で、ボドゲの本場ドイツからも発売されている『ひつじとどろぼう』のPower9Gamesの坂下裕一さんにアート担当作『8ビットモックアップ』のレビューをお願いしました。

 

 

誰とでもすぐに「世界を作る神様」になれるゲーム!  文:Power9Games/坂下祐一


※はじめに※
このレビューの内容物については4人用8ビットモックアップ(初版)を元に書かれています。

◆基本ルール

【内容物】

タイル:100枚 (各プレイヤー用のタイルが25枚ずつ)
モニュメント駒:24個 (青、緑、黄が各8個)
神さまコマ:1個

※二版では遊べる人数が5人までになった為、タイル125枚、モニュメント駒30個と内容物が増えています

◆ゲームの準備

モニュメントを全員の手が届く場所に置き、各プレイヤーは自分の色のタイルを25枚受取ります。裏面に8bitMockUpと書かれたタイルだけ自分の前に置きます。

最近何かを作ったプレイヤーが「親プレイヤー」になって、神さまコマを受けとります。「親プレイヤー」はタイルからランダムに5枚、表を見ずに取り除いて箱に戻します。


◆ゲームの流れ


「親プレイヤー」は残ったタイルを裏向きにして混ぜ、ランダムに1枚取り出して、タイルの数字をみんなに教えます。各プレイヤーは自分のタイルから同じ番号のものをさがして、自分の前にあるタイルに絵がつながるように配置します。

もし数字が赤いタイルが選ばれた場合は、全員がタイルをつなげた後で神さまコマを持っている人から時計回りにモニュメントを自分が置いたタイルの上に配置します。


◆終了条件


「親プレイヤー」がすべてのタイルを表にして、みんながタイルを配置したらゲームを終了して得点計算に移ります。


◆点数獲得方法


目の前にタイルが連結した、あなただけの世界が広がっていますが、得点を計算できるのは、残念ながらモニュメントが配置されたエリアだけです。

モニュメントが配置されたエリアの周囲がすべて閉じていたら、エリア内の◎(タイル四方に書かれている半円が合体した状態)の数x2点となります。

モニュメントが配置されているが、周囲がすべて閉じていないエリアは、エリア内の◎(タイル四方に書かれている半円が合体した状態)の数x1点となります。


◆細かいルール


モニュメントを配置したら、神さまコマを左となりのプレイヤーに渡します。これによって今回最初に選んだ人が、次は最後に選ぶようになります。モニュメントの使用数はプレイ人数よって変わります。



 

【総評】

8ビットモックアップは初プレイの時からあっという間に魅了されてしまったゲームなので、今回レビューを書かせて頂けてとても嬉しいです。

ゲーム進行はとても簡単で、自分の世界に毎回タイルをつなげていくだけ。すべてのプレイヤーが同じタイルを順番に繋げているのに、不思議なことに(本当に不思議な事に)いつのまにか全員が違った世界を作りあげていきます。

タイルの配置は、あなたが配置してきたタイルと連結する必要があるので、後半になれば、
「あー。これが海じゃなくて森だったらつながるのに!」
「よっしゃ!待ち望んでたタイルが来たわ!!」
みんなが欲しいタイルにも差が出てきて、毎回のように悲鳴が上がることも。

プレイ時間も15分程度ととても短く、同じメンバーで何回も繰り返して遊ぶことも多いです。ゲームの準備も片付けも非常に簡単で、再プレイまでの待ち時間も全然ありません。

各タイルに描かれた長谷川登鯉さんのドットアートも秀逸で、砂漠に立ち並ぶピラミッドや、大きな海に透けるネッシーのような影など、ファミコンの「ゼビウス」や「チャレンジャー」を思わせる、ワクワクする雰囲気が立ち込めてきます。

「今回毒の沼地広すぎじゃない?」
「このピラミッド財宝とか隠されてそう」

難点を上げるとしたら、作り上げた世界を冒険したくなってしまう事でしょうか?w

簡単なルールで、どんな知り合いと遊ぶときにも出しやすく、短時間で盛り上がってもう一度遊びたくなってしまう、最高なライト/ファミリーゲームです。

 

いかがでしたか?

文中にもありますが、私(長谷川登鯉)がアートを担当させていただいています。
1枚のタイルをバッテンに区切っても違和感の無い絵柄は?と考えた結果、ドット絵なら違和感が無いかな?と思い、作者の佐藤敏樹に提案したところ「それは楽しそうですねw」とOKが出ました。合わせて、『冒険者が未開の地を旅して世界地図を持ち帰る』と『神さまの弟子となって新世界(仮)を創造する』の2つのフレーバーも提案したところ、後者となりました。
新世界(仮)創造という事は、砂漠にピラミッドや人面石が建造されているのはオカシイわけですが、出来上がりの楽しさを優先して描きこんでしまう事にしました。弟子に新世界創造を任せてしまうような横着な神さまですから、きっと滅んだ文明世界をパーツとして流用しているんでしょう…。


出来上がりの楽しさといえば、Power9Gamesさんの最新作『ドワーフのネックレス工房』も、ゲーム終了時にネックレスが出来上がっているという面白い作品です。
出来上がりの楽しさだけでなく、その過程では重厚な楽しさを味わえる作品ですが、そのルールは少なく、シンプルなルールで重厚なプレイ感を実現しています。アートワークに大気圏内ゲームスのツクダヒナミさんを起用しているのも面白く、独特のタッチで可愛らしいドワーフを描いています。システム面だけでなく、ゲームをしてのまとめあげ方でも過去作での経験を活かしつつ新たなチャレンジをしているのがPower9Gamesさんらしい。
定番の小箱サイズに収まっているのも嬉しい、ゲーマーさんには是非、遊んでみてほしい作品です。