RAMBLE ODD POTATO

子供心を忘れない大人たちへ

どこか不思議な世界を描く盤上遊戯を作るために集まった人たち



最新作は不思議なストリートアーティストの世界「BRICOLAGE HEADS」を発売予定。
プレイ人数:2人 プレイ時間:60分~ 推奨年齢:12歳以上

「跡目の盃」はこんなゲームです。
2017/5/3 16:31
ブログ

 



<ゲームは遊びではなく、勝負です>



 



こんにちは。ヤマズゲームスのイラスト担当、蛙です。



 



僕はLIAR GAME(ライアーゲーム)が大好きです。カイジも好きだし、デスノートも好き。原作の漫画も良いですが、実写のドラマや映画も相当ハマりました。



これらの登場人物は、勝つことに必死です。命をかけてます。こういうバッチバチの勝負は見ているこっちも相当熱くなる。スポーツ観戦にも近いものを感じています。



 



で、ふと思うわけです。見ているだけで、こんなに熱狂するなら、自分がやる側に回ったらどうなるのか。



 



経験がないわけではありません。少年野球時代の「広範囲隠れ鬼ごっこ」。さらには、近所の住宅地で行った「Tシャツ短パンでのサバイバルゲーム」。中学時代の部活もそうでした。年齢による効果も大きかったですが、この時の没入感は、なんと言いますか、頭から突っ込んで足首くらいまでその世界観に埋もれていました。



鬼から逃げる小5の僕にとって、追いかけてくる者の表情は「青鬼」そのものでした。また、サバゲーでは、メタルギアソリッドのスネークよろしく、背後から近づき、背中に2,000円ほどのエアガンを突きつけこう言うのです。



カチャッ、「・・・動くな。」



あの瞬間、僕は本物の「上下関係」を学んだ気がします。



 



これほどまでに没入感を感じられたのは、子供だったからでしょうか。子供は何一つリスクがなくとも、いざ勝負の世界に入れば皆が「多重債務者」のメンタルで対戦相手と向き合います。



必死。



彼らを形容する言葉はこの二文字以外に見当たりません。



そうなんです。必死なんです。では僕は?大人は?28歳になった僕は必死だろうか?毎日のルーティーンを腑抜けたツラでこなすだけの日々!週末には友人と気の抜けた声でロンやポンやチーを叫び合う始末!!役牌のみでたった1000点にしかならないツモに一喜一憂するのではなく、人生を好転させるためのチャンスを引き当ててこんかい!!!



 



そう、必死。



 



・・・まあ、何が言いたいかといいますと、僕はゲームで熱狂したいのです。ゲームをするからには熱くなりたい。



だからそんなゲームを作ってくれと、僕は兄貴(システム担当)にお願いしました。



 



<権力社会が生み出した大いなる弊害>



 



兄貴は無言で机に肘をつき、交差させた手の上に顎を乗せ目を瞑りました。僕はこれでもかというくらい深い溝が出来上がった兄の眉間を睨みつけながら、返事を待ちました。数秒の間を作って兄はパッと目を見開いて、静かに答えました。



 



「・・・わかったぁ。」



 



一瞬、兄が「室井さん」に見えました。いや、碇ゲンドウ。交差する二人の幻影。僕はその場を無言で立ち去りました。



それから約三ヶ月後。2017年3月2日。跡目の盃の元となるルールが発表されました。そしてその直後、兄はまたしても渋い声でこう付け加えたのです。



 



「・・・ゲムマ春は、これを出す。」



 



一瞬目が点になりました。なんせ、ゲームマーケット2017春は5月14日です。



この男は渋い顔で何を言っているのだ。今から数週間で、仕事の合間を縫ってチップや箱絵その他諸々を完成させろと?怒りよりもまず、瞬時にその結末を予想しました。



 



答えが出るまでの時間、コンマ2秒。



「いや、無理。」



兄がコンマ5秒で返事を返す。



「いや、それが無理。」



そこから約20秒は、30歳を手前にした年子の兄弟の「無理無理問答」が勃発。結局、弟であるという権力社会が生み出した大いなる弊害に押しつぶされる形で、戦いに終止符が打たれました。



追い討ちをかけるように兄が付け加えます。



 



「ちなみに、カタログ入稿は4日後な。」



 



<怒り心頭。試遊の後のさらなる焦燥>



 



僕は唯一残された兄への攻撃のために心を静め準備しました。そう、目の前に提示されたシステムをけちょんけちょんに、ぐうの音も出ないほどに、三点倒立で謝罪せざるを得ないほどに、「けなす」ことです。



 



「・・・話は、試遊してからじゃい。」



 



振り絞った声は心なしか震えていました。そして試遊が始まりました。インストをする兄の表情は自信に満ち溢れていました。僕は「邪眼の力をなめるなよ」と心の中で叫びながら第三の目が開かんばかりの眼光で、目の前のゲームの「穴」を探し回りました。



 



試遊時間、30分。



 



 



僕はけちょんけちょんに、ぐうの音も出ないほどに、三点倒立で謝罪せざるを得ないほどに、「認めて」いました。



 



「・・・ぐぅ」



 



これは面白い。僕のツボに刺さりまくっていました。近所の鍼灸院もビックリの針の量です。



 



「遊びではなく、勝負」



 



そう思わせるほどに、終始焦りや葛藤、喜び(ニヤつき)が訪れるのです。思い出しました。小・中学生の頃の没入感を。相手を騙し、背後から銃を突きつけるあの快感を。



 



「ちょっと待て!」。心の中で僕の理性が叫びました。まだ一度試しただけだ。たまたま、今回がベストバウトだっただけかもしれない。



冷静にゲームシステムそのものを見ていたか?最後の一手で相手を下し、狂喜乱舞していただけではないのか?



僕は血走った目に「サンテFXネオ 12mL」を注入し、一旦小休止しました。そしてその後、何度も試遊を重ねたのです。



 



その結果、なんと・・・



 



僕の第三の目は、驚くほどに節穴でした。なんならそんな都合のいい目は存在さえしていなかったのかも。僕は鏡を見て落胆していました。



すると兄が怪訝そうな表情で盤上を眺めて言いました。



 



「・・・待て、これ穴あるわ。もっかい練る。」



 



そう言って自室に帰って行きました。



僕は再び「待ち」の状態になりました。待機児童問だぃ・・・なんでもありません。



 



<ギリギリの戦い、そしてまとめ>



 



結局、それから2日後。カタログ入稿2日前に完成しました。テーマが決まったのもその時。もちろん、絵はありません。急いでヤクザを描かなければならない状況に陥りました。



この時、僕はもう完全に兄の手のひらの上で首輪をつけて服従させられている哀れなホモ・サピエンスと化していました。



 



ヤクザは一日にしてならず。わかっていながら、僕はたった一日、いや、4時間でこの絵を仕上げ提出しました。



 







 



 



満場一致でカタログには絵を載せない方向で決定しました。万策尽きた。そう思っていた矢先、書家・晴水(セイスイ)氏が文字を完成させてくれました。こうして、なんとか他サークルに劣らずカッコいいカタログが無事入稿できたのです。



 



その後の僕の苦労は火を見るより明らかです。その辺に関して言及しだすと、底なしの下スクロールが読者の方々を襲うことになるので、控えます。



 



いずれにせよ、「ヤマズゲームスの絵を担当している」蛙がお伝えしたかったのは、跡目の盃の体感と僕たちの趣味です。(あと、弟としての苦労も・・・)



  • 5ターンの内に繰り広げられる、気の抜けない心理戦の攻防。


  • お互いのターンでお互いにしなければならないことがあるので、ずっと集中し続けなければならない感覚。


  • 対戦後の疲労感。


  • 最後の最後まで勝敗がわからない戦況。




正体隠匿系の楽しみ、と一言で言ってしまうのは簡単ですが、一番近くで何度もプレイしている者としては、いろんな言葉で詳細を伝えたいのです。



 



それに、あまりにも宣伝してなさすぎて、今更焦っているのです。もう名前だけでも覚えて帰ってもらいたいのです。ヤマズゲームスちゃんと活動してますよ〜。



 



あ、最後に。



以前、僕たちのツイッターで「ごきぶりポーカーは運か否か?」というアンケートを取りました。その結果で、「運」とお答えになった方々には恐らく、刺さらないかと思われます。



とはいえ、やってみないことにはわかりません。



当日、「D 08」のブースで一緒に跡目の盃をやりましょう!



待ってます。



 



「跡目の盃」のルールはこちら(pdf)