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Odyssey : The Prophecy. 目標をランダムに配る理由
2025/4/25 4:37
ブログ

こんにちは、Geonilです。
今回の東京ゲームマーケットでは、土曜日に『Odyssey』で出展します。
今回はあえて『Odyssey』に追加モード「The Prophecy(予言)」を加えた理由、そして目的がランダムに与えられる仕組みについて、ご説明したくブログ記事を書くことにしました。

 

私は常にトリックテイキングにおける「目的」について考えています。
トリックをバランスよく取ること、特定のパターンを揃えること、
獲得したカードの分配について悩ませること――
こうした新しい目的こそが、トリックテイキングゲームを新しくする本質だと考えています。

 

『Odyssey』は、自分の手札を出すか、それともトークンを使って中央のカードを出すかの選択が非常に重要なゲームです。
トークンを使えば、リードスートを避けやすくなりますが、同時にそのスートが新たな切り札(トランプスート)になるという能力であり、リスクでもあります。

 

そのため、トリックを「予測」することには実はあまり大きな意味がありません。
なぜなら、プレイヤーの選択によって、トークンを使ってリードすることでカードを捨てることも、逆にリードスートを回避してトリックを取ることもできるからです。
最終的には、プレイヤーのその瞬間の判断が非常に重要な意味を持つゲームだからです。

 

その代わりに、私がより重要だと考えたのは、「総トリック数が目的より多いか少ないか」という点です。

 

これはゲームの流れそのもの、つまりトリックの希少性や価値を根本から揺さぶる要素となります。
このトリックを今は避けるべきか、それとも取るべきか――そうした根本的なジレンマを生み出す構造が、まさにこの仕組みです。
そして私は、そこにほんの少し新しさを加えました。
「もし、目的が決まっているのに、お互いにその内容が分からなかったとしたら?」

 

 

この数字をすべて足すと11になります。
全9トリックで進行するゲームにおいて、目的カードは1枚余ることになります。
つまり、どのカードが抜けたかによって、プレイヤー全体の目的の合計が変化するのです。
そしてこのことが、本質的にゲーム内でのトリックの希少性を決定づける要素となります。

 

しかし、それらは秘密です。プレイヤーたちは「自分の目的」以外は知りません。
ただし、自分の目的を達成したプレイヤーは、その瞬間に目標カードを公開します。
ゲームが進行するにつれて、少しずつ明らかになっていく真実……
果たして、総トリック数は多すぎたのでしょうか?それとも足りなかったのでしょうか?あるいは、ちょうどよいバランスだったのかもしれません。

私は、この「徐々に明らかになる構造」が生み出す緊張感が、とても魅力的だと気づきました。
本来なら取れたはずのトリックを、あえて見送るプレイ――そこには、いったいどんな思惑が隠されているのでしょうか?

 

これこそが、私が『Odyssey』に「The Prophecy」を追加した理由です。
私はこのゲームに、確かな革新性が込められていると自信を持って言えます。
ぜひご注目いただければ幸いです。

 

ルールブック : https://gamemarket.jp/game/185282

予約 : https://forms.gle/fv36t71MxAN6BghSA

 

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