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[ボードゲーム作るには] 2.どれぐらいのお金がかかるの?
2023/11/28 2:36
ブログ

どれぐらいのお金がかかるの?

ボードゲーム制作に興味を持っていても、お金や制作期間がどれぐらい必要なのか分からないと初めの一歩を踏み出しづらいかもしれません。今回の記事ではゲームマーケットに出展するのにどれぐらいのお金が必要なのかを解説していきます。

 

結論から言うと、最低10万円弱程度は考えた方が良い、でもコストファーストで考えるならやりようはあるよね、と言ったところになります。この記事ではどんな所でお金が必要になるのかを紹介し、次に私の事例ではどうだったか、最後にお金を極力使わずに済ませるにはどうすべきか、を解説していきます。

 

 

どんな項目にお金がかかるのか

 

まずどんな人も必要になる費用がサークル参加費です。ゲームマーケットではいくつかのプランが用意されておりどのプランで参加するかによって値段が異なります。開催年によって変わってくるかと思いますが、もっとも安いプランでは3000円程度、もっとも高いプランでは4万円程度になります。プランには1日だけ参加のプランと2日両日参加するプランがあり、両日参加のプランだとその分高くなります。

 

初めはあまり意識しないけれど意外と高くつく費用が制作ツールのサブスクリプション費用です。ボードゲームのコンポーネントのデザインを作成するのに制作ツールが必要になります。ボードゲームの委託先が受け付けるファイル形式は限られるので、制作ツールとしてはAdobe IllustratorもしくはAdobe Photoshopのどちらかがほぼ必須になります。どちらもサブスクリプション契約を行わなけばいけない形で提供されているので、月々の契約費用が必要になります。Illustratorの場合は月々3800円程度になり、この費用が制作期間中かかり続けることになります。なお、年間契約する場合や学生の場合は月々の費用を安く済ませるプランもあります。

 

 

次に人によって大きく異なる費用がコンポーネントの製造委託費です。製造するボードゲームの部数が多ければ多いほど費用がかかります。製造委託費で注意しなければならないのは必ずしも製造部数と費用が比例しない、ということです。ボードゲーム制作の場合、1個当たりの製造費用とは別に基本料金が固定でかかる製造会社が多いです。基本料金は製造部数に関わらず決まった料金が必要になります。例えば基本料金が2万円、1個当たりの製造費が500円で10セット製造する場合、かかる料金は2万円+500円×10で25000円になります。基本料金は減らないので、製造部数を減らしても基本料金分は最低限必要になります。

 

 

ゲームマーケット当日に必要な備品も購入する必要があります。会場で用意されるのは事務用の椅子と机だけなので、ボードゲームを持参するだけではブースが貧相に見えてしまいます。ブースをどれだけ装飾するかは人それぞれですが、最低限机に載せるテーブルクロスと、値段表やチラシを見せるためのPopスタンドはあった方がよいのではないかと思います。

 

 

具体的にいくらかかったのか

 

私が今回ゲームマーケットに出展するためにいくらぐらい必要になったかを紹介します。私は自作のボードゲームを販売するにあたって市販のものよりも安い値段で提供したいと考えていました。市販のゲームはある程度品質にも保証があるなか、同人のゲームを手に取ってもらうには価格面でメリットがあるべきだ、と考えたからです。なので多くの条件でよりコストが抑えられるような選択をしました。しかし、それでもトータルで10万程度かかっています。下の表がその内訳です。あまり正確な数字を紹介しても仕方がないので費用は概算になります。なお前提条件として今回私が製造したボードゲームの個数は35部になります。

 

項目 費用
サークル参加費 16500円
Illustratorサブスクリプション費 15000円程度
カード発注費 50000円程度
外箱の発注費 7000円程度
説明書+得点計算シート印刷費 8000円程度
チラシ印刷費 1500円程度
防炎テーブルクロス 5000円程度
Popスタンド 1000円程度
合計 104000円程度

 

内訳をそれぞれ説明します。サークル参加費は日曜日のみ参加・試遊ありのプランの価格になります。Illustratorは月々の契約で4か月契約した総和です。本来はデータ作成作業を短期間に済ませてコストを圧縮すべきですが、説明書やチラシなど制作に必要で、意外とゲームマーケット開催日直前までIllustratorが手放せませんでした。私は今回、カード、外箱、説明書をそれぞれ別の会社に委託したため別々に委託費がかかっています。一括で委託しなかったのは、別々に発注した方が安上がりに済むと判断したためです。ただ、今回説明書については発注が遅れてしまった影響で高めについてしまっています。チラシ・テーブルクロス・Popスタンドはイベント当日のためのものですね。今回のゲームマーケットでは防炎・防火加工のテーブルクロスのみ利用可能、という規約でしたので、少し高価なテーブルクロスを購入することになりました。

 

安く済ませるには?

 

10万円なんてとても準備できない、という方もやりようはあります。ここでは2つの方法を紹介します。1つ目の方法はゲームマーケット側が用意してくれる廉価向けボードゲームの出展プランに応募する、ということです。2023秋と2024春のゲームマーケットではチャック横丁プラン、というプランが用意されていました。このプランは外箱がなく、チャック袋や封筒に入れるような廉価なコンポーネントのゲームを出展する人のためのプランで、サークル参加費も安く設定されています。これは年々参加サークルのレベルが上がり、新規サークルが参入するハードルが高くなってきてしまったことに対処するために主催者側が用意してくれているプランです。2つ目の方法は印刷会社が提供する廉価向けプランを利用する、ということです。例えば萬印堂というボードゲームの印刷を行ってくれる会社ではベーシックプランというものが用意されています。ベーシックプランではコンポーネント数などに厳しい制約はありますがその分割安になっています。

 

同人誌に比べてボードゲームは制作するものが多い分どうしてもコストが嵩んでしまいます。しかし工夫の余地もその分ありますので、届けたい・作りたいという気持ちが強いならばぜひ諦めず色々なプランや方法を調べてみてほしいですね。