ちょんまげ工務店コンバディダス

ボードゲーム大好き。ゲームマーケット2023春(5/13(土))に、「ちょんまげ工務店」と「コンバディダス」の合同ブースとして出展します!
ちょんまげ工務店は「ゴープラム 踊る彫刻」、コンバディダスは「もやっと海図」をメインで出展します。
よろしくお願いいたします。

「どぼん水族館」ができるまで
2023/11/26 21:51
ブログ

ちょんまげ工務店の塩猿です。今回は、ゲームマーケット2023秋にて出展する「どぼん水族館(試作版)」がどのようにして作られたのかを紹介します。

きっかけは私の高校時代(ウン十年前)までさかのぼります。私が所属していた水泳部では2種類のトランプゲームが流行ってました。「ナポレオン」と「ドボン」です。

「ナポレオン」は現在の個人制作ボドゲの代表的なジャンルである「トリックテイキング(トリテ)」と「正体隠匿」を組み合わせた内容でした。私のベストオブトリテはいまだに「ナポレオン」です。何ならトランプゲームの中で一番好きかもしれません。

「ドボン」はウノによく似たルールですが、カードの数字の合計数で上がれるドボン上がりが特徴で、スピーディーな展開でアドレナリンが出まくるため、当時は猿のように繰り返してました。

じっくり考えて遊びたい時は「ナポレオン」、サクッと気持ちよく遊びたい時は「ドボン」でした。

そして現在の私は考えました。「ナポレオンを含むトリテは色々なバリエーションがあって今も遊べるけど、ドボンは遊ぶ機会がない。今遊んでもきっと楽しいはず!」

そこでボードゲーム会にトランプを持ち込んで実際に「ドボン」を遊んでみました。まぁまぁ楽しめたのですが、以下の問題点が判明しました。

・「ドボン」は意外と知っている人が少なく、さらにローカルルールが多く、公式ルールがどれなのか分からない(検索で見つけたルールは、私が遊んでいたのとは違った)。

・1ゲームはサクッと終わるが、点数計算して紙にメモするのが面倒。(高校時代は点数計算せず、ただただ1ゲーム毎の勝ち負けを楽しんでいた)。

これを踏まえて私は決めました。

「ドボンを今風にアレンジした新作ゲームを作ろう。そうすれば今の私にも『ドボン』がまた遊べる」

そんな感じでこのゲームの制作は始まりました。
私はルールよりも先にテーマを決めるタイプなので、今回のようにルールから固めたケースは珍しいです。実際、初期のテストプレイはトランプで行ってました。

出来上がった「どぼん水族館」のポイントをまとめると、以下の通りです。

■みんなが知っている「ウノ」をベースとしながら、「ドボン」で一発で上がれる気持ちよさを味わえる
ドボンでの一発上がりについて、私が高校時代にやっていたのは合計数でのみ上がれるルールだったのですが、調べた所、加減乗除の全てで上がれるルールもあり、そちらの方が今回の内容にマッチしたので、取り入れました。

■「ソロ」の割り込みルールの導入で、程よい緊張感、スピード感を味わえる
最近の話ですが、コロナ渦で集まれない時期にボードゲームアリーナでよく遊んでいたゲームが「ソロ」です。「ウノ」に似た内容ながら、割り込みルールによって常に他の人の捨て札をチェックする必要があり、おかげで手番以外でも程よい緊張感がありました。今回それも取り入れました。

■スピーディなゲームにふさわしいスピーディな得点計算
元々の「ドボン」では、上がった人以外がカードの点数を計算して失点になるというルールでしたが、ゲーム自体がスピーディなのに、得点計算がスピーディじゃないのが嫌でした。実際、高校時代の私たちは得点計算(というより、メモを取る事)が面倒で、得点計算せずに遊んでました。
得点計算はゲームに組み込みたい。でもメモは取らせたくない。とはいえ諸般の事情でコンポーネントはカードのみにしたい(チップ等は入れない)。
そこで思いついたのが、「ドボンした時の札がそのまま得点になるルール」「一度獲得した数字の札はもう獲得できないルール」です。
これによって「できるだけ大きい数字のカードで上がりたい、でも小さい数字を残した方がまとめてドボンしやすい」「一度上がった人は上がりにくくなり、逆転が生じやすい」といった新しいゲーム性を実現できたと思います。

長くなってしまったので、この辺にしておきます。「どぼん水族館(試作版)」、よろしくお願いいたします。