RE:SKY

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カラハコノート 【第四章 シキとサイ】
2023/5/13 3:02
ブログ

 

気がついたら、日付け跨いでしまった金曜日?

 

いかがお過ごしでしょうか?

 

RE:SKYでございます。

 

明日からゲームマーケット2023春が始まりますね!

 

ウチは日曜日のみの参加なので、明日は最後の打ち合わせ等をする予定です。

 

日曜日、来場される方はどうぞよろしくお願いします。

 

それでは、最後のカラハコノートお納め下さい。

 

 

【シキとサイ】

 

キャンバス王国より北に貴族が治める街がありました。

 

シキとサイはそこで生まれ育ちました。

 

シキは街の警備隊の隊長の1人娘でおてんばじゃじゃ馬娘。

 

サイは領地を治める貴族の次男で、シキとは正反対に大人しく聡明な子供でした。

 

シキの父とサイの父がとても仲が良く、シキとサイも幼少期からよく遊んでいました。

 

そんな彼らも『カラハコ』化現象の被害に遭います。

 

シキ8歳、サイ7歳の時、シキの家の物置から『カラハコ』が出てきます。

 

シキはサイに相談しますが、まだペインターの技術が発見される前だったので当然開きません。

 

シキは2ヶ月ほどで諦めてしまいましたが、サイは空いてる時間を見つけては解呪魔法の練習をしたり、試したりしていました。

 

それから2年ほど経った時、街にフラっと魔術師を名乗る女が訪れました。

 

彼女はサイの父に挨拶したいと申し出て、さっそく会うことになりました。

 

「『カラハコ』はご存知でしょうか?この街にもありますか?」

 

彼女が言うと、サイの父は頷きました。

 

「私の…え〜…魔法?技術?で『カラハコ』を開けてみせましょう!」

 

サイの父は驚きましたが、さっそく幾つかの『カラハコ』を持ってくると一晩のうちに開いてみせました。

 

「まだあるようでしたら、持ってきてくださいな?…そのかわり宿泊費と食費の援助をしていただけると助かるのですがー…」

 

サイの父は快く了承して魔術師を街の宿泊施設に案内しました。

 

この話を聞きつけて、シキとサイは魔術師に会いに行きます。

 

「あらまぁ、可愛い子供達。どうしたのかな?」

 

サイが状況を説明すると魔術師は『カラハコ』を預かり、一晩で開いてみせました。

 

「はい、開いたよー!君のちっちゃい頃の写真かな?」

 

中から出てきたのは、シキと母親が写っている写真でした。

 

幼少期に死別した母親との最後の写真をすっかり忘れていたのです。

 

「しょうがないよー、そういうもんだからねー」

 

シキはそうとうショックを受けたようで、トボトボ帰っていきました。

 

サイが最後に聞いてみました。

 

そういうもの、というのはどういうことかと。

 

「『カラハコ』は大事な記憶を全部消してしまうんだよ。今回のケースならシキちゃんは死別した母親のこと、何か1つ忘れられちゃったんだろうねー…」

 

「人は忘れる生き物なんだよ。会えなくなった人は声から忘れられるらしいよね。そうやって何か1つが誰の記憶からも消えてしまった時に『カラハコ』になっちゃ〜…うと思うんだよねー、お姉さんは!」

 

魔術師は街の『カラハコ』全てにペイントを終わらせると、最後の挨拶にサイの父の元を訪ねました。

 

「みなさん気をつけてくださいね。『カラハコ』化現象は人がモノを忘れる度に起こりますから。それでは私は、次の街に行ってきます!」

 

魔術師は街を去るため門へ向かいましたが、門にはシキとサイが大荷物を持って座っていました。

 

 

「こんにちわー、シキちゃんとサイ君!どうしたのかなー?そんな大荷物で…」

 

2人は魔術師に弟子入りを志願しました。

 

自分達も大事な思い出を失った人の為になりたいと考えたのです。

 

既に親とも話あっており、魔術師の同行に許可が下りれば良いと言われていると伝えました。

 

「…まぁ、お世話にはなったしねー…。私が教えられるコトは教えてあげるよー!」

 

「私はクーレヨ。クーレヨ先生って呼んでね!」

 

こうして3人の旅が始まり、それから数年後…。

 

王立100周年の祝祭で発表されたペインターによる調査隊の設立に参加するよう、クーレヨから言われた2人は公認ペインター試験を受けるため王都に向かいました!

 

 

以上でございます。

 

皆さんに会えるのを楽しみにしております!

 

それでは、当日元気な姿でお会いしましょうね!

 

乱筆乱文ご容赦下さいますようお願いします。

 

それでは日曜日に!