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『斎藤vs中村』制作秘話 その④
2023/5/4 7:04
ブログ

こんにちは!

ボードゲームサークル AlbatrossBoard です。

 

今回も『斎藤vs中村』制作のバックグラウンドを語っていこうと思います。

前回に引き続き、第四回目も特殊カードについて話していきます。

よろしければ最後までお付き合いください!

 

▼『斎藤vs中村』の概要について知りたい方はこちらをチェック!

▼はじめから読みたい方(第一回目)はこちらから!


 

最弱から汎用へ――!「情報収集」の軌跡

さて、ようやく「情報収集」という特殊カードについて語ることができます。

このカードは、おそらく『斎藤vs中村』というゲームの中で最も制作過程にドラマ性のあるカードです。

 

実際にカードを作ってみようという話になったとき、はじめて私が作ったカードがこの「情報収集」でした。

実は当時と比べるといろいろと改修されているのですが、大体のデザインはそのまま受け継いでいます。

色が何種類か使われていたり、構図が違っていたりと、ほかのカードとは若干違うデザインになっているのがわかりますね。

 

気になる効果についてですが、カードの名前は同じものの効果は今よりもはるかに弱いものでした。

たしか「自分以外のプレイヤー1人のカードをランダムに1枚見て、山札の上からも1枚見る」みたいな効果だったような?

加えて当時は特殊カードを引いたターンは特殊カードを使用できないルールだったのもあり、テストプレイ中誰もこのカードを使用しないという事態に・・・。

正直、満場一致の最弱カードでした。

そこから長い時間を経て「全員のカードを2枚見る」や、「山札から2枚まで見る」など様々な案が出され、ようやく今の形に落ち着いたのです。

半年・・・は言い過ぎかもしれませんが、とにかく非常に長い期間と数えきれないほどの微調整&テストプレイの末にたどり着いたのが今の効果でした。

さらに特殊カードを引いたターンにすぐ特殊カードを使用できるルールになったことも相まって、今ではほかのカードよりも汎用性が高い特殊カードという立ち位置に返り咲きました。

こちらの動きを読まれることなく、ノーリスクで全プレイヤーの手札と山札からカードを見ることができる。

もちろんすごく強いカードというわけではありません。

しかし、このカードを使用して得た情報は必ずほかのプレイヤーの戦略や自分の立ち回りについて考えるきっかけになるでしょう。

次のアクションにつなげるための起点、それがこの特殊カード。

現在のこのカードの汎用性こそ、『斎藤vs中村』というゲームをはじめて考えたあの日に私が思い描いた「情報収集」の姿なのです!


 

捨てろ!拾え!「廃品回収」・「ドロップアウト」

前回ご紹介したボツ案の中にあった「シュレッダー」の効果を部分的に採用したのが「廃品回収」と「ドロップアウト」。

「廃品回収」は捨て札を何らかの方法で再利用できないかという考えから生まれたカードです。

「ドロップアウト」は「情報収集」と組み合わせることで真価を発揮するカードとしてデザインしました。

 

どちらにも共通して言えることですが、カードを捨てるというアクションは他のプレイヤーに情報を与えてしまう行為であるため、扱いには注意が必要です。

しかし、それは裏を返せば相手を惑わすことも可能ということ。

うまくこれらのカードを駆使して勝利を手繰り寄せましょう!

 

ちなみにテストプレイ中は「廃品回収」が証拠隠滅への最後のピースを呼び寄せるためによく使用されていた印象があります。


 

相手の戦略を崩す「商談成立」!

現在の「商談成立」はボツ案にあった「強奪(商談成立)」と「高速自己紹介」に着想を得たカードです。

「告発」・「裏告発」以外でほかのプレイヤーに直接干渉できる手段を用意したかったんですよね・・・。

その効果はただカードを奪うのではなく、強制的にカードを交換させるという厄介な代物。

相手の戦略を崩しつつ、不要なカードを処理することができる攻防一体となったカードとなっています。

渡すカードによっては相手のミスリードを誘うこともできるかもしれません。

使いどころは他よりも難しいかもしれませんが、このカードを使いこなすことができれば相手を妨害しつつ勝利に近づくことができるので、積極的に使っていきましょう!




 

前回と今回、2回にわたって特殊カードのご紹介をしてきました。

いや、もう「情報収集」について語ることができたので思い残すことはありません!

「情報収集」は箱の裏面やポスターなど、様々な場所で目にする機会があるカード。

だいぶ優遇されている感がありますね?(笑)

 

このブログを読んで興味を持ってくださったそこのあなた。

ぜひ『斎藤vs中村』を実際に手に取って「情報収集」をはじめとするたくさんのカードに触れてみてください!

どれもこだわってデザインしたカードばかりです。

まあ、「新品の台紙」のようなカードもありますが!!

 

ゲムマ2023春、私たちのサークル AlbatrossBoard は土曜日1日目(5/13)のみの出展。

当日は「カ-37」でお会いできるのを楽しみにしております!