ちょんまげ工務店コンバディダス

ボードゲーム遊ぶのも作るのも大好き。ゲームマーケットでは「ちょんまげ工務店」と「コンバディダス」の合同ブースとして出展します!
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インド愛なボードゲーム「ゴープラム 踊る彫刻」ができるまで
2021/9/12 22:42
ブログ

ちょんまげ工務店の塩猿と申します。

今回は、ゲームマーケット2021秋で出展する新作「ゴープラム 踊る彫刻」について、どうして作ることになったのかをご紹介します。

■そもそものキッカケ

何といっても2017年にインド映画『バーフバリ』を見た事が全ての始まりです。インド映画という枠にはまらない超傑作でした。未見の人は(2作目の「王の凱旋」だけでも良いので)ぜひ見てください。ここから、今までほぼ興味なかったインド映画を漁る日々が始まりました。

■インドを題材にしたボードゲームは結構ある

インド映画と並行して、インドを題材にしたボードゲームを探す日々も始まりました。現時点で私が認識しているのは以下の通りです(ほかにもあったら教えて下さい)。

・ガンジスの藩王
・マハラジャ

・サフラニート
・タージマハル
・ケーララ
・アルバリ
・ホーリー

・ジャイプル

全部遊んだわけではないけど、この中では「ガンジスの藩王」がインドっぽさとゲームの面白さのバランスが良くて好きです。

今まで「重機のゲーム遊びたい、、、ないなら作る!」「GAFAのゲーム遊びたい、、、ないなら作る!」みたいな感じで作ってきたのですが、インドなボードゲームは何個か遊んでそれなりに満足したので、逆に作ろうという気持ちが固まりませんでした。

■立体曼荼羅にグッとくる

次のキッカケになったのは2019年の東京国立博物館「特別展 東寺~空海と仏像曼荼羅~」でした。これで仏像(特に密教系)のカッコよさに目覚めた私は、立体曼荼羅(仏像による曼荼羅)をゲームにしたいと思うようになりました。で、仏教を調べていて分かったのが、仏教とヒンドゥー教が密接につながっているという事。例えば仏教の梵天(ぼんてん)はヒンドゥー教のブラフマーですし、弁才天はサラスヴァティーです。この「仏教とヒンドゥー教の表裏一体な感じ」をゲームに生かせないかなと考えました。

しかし、これは身を結びませんでした。一番の理由は「とっても宗教っぽくなっちゃう事」。仏教とヒンドゥー教の2つを題材にすれば宗教ぽくなるのは当然です。私は別に宗教のゲームを作りたい訳じゃなくて、仏像カッコイイというミーハーな所が原点なので、この路線はいったん見合わせる事にしました。

■一周まわってインドのゲームになる

上記とは別に曼荼羅をゲームにしたいという気持ちは残っていて、試行錯誤は続けていました。そのものズバリ「曼荼羅」というボードゲームを知ったときには少し凹みましたがw

そんな中で、3×3のマスに神様を配置するパズルゲームをひらめきました。4種類の仏像をここに入れるのですが、問題が発生します。パズルゲームである以上、視認性の高さが求められるため、仏像ごとに明確な特徴が欲しいし、色も変えたいのですが、仏像はだいたい同じような形と色なのです。

と、そこで頭をよぎったのが、「インドの神様ってカラフルだよね!」という事。ヒンドゥー教の神々なら赤・青・黄みたいな原色にできるし、どうやら神ごとに色についての厳密な指定もなさそうなので、ゲーム側の都合で色を決められそうです。さらに、もともと3×3で考えていたマスを2-3-4というように変則的な配置にすることで、ヒンドゥー寺院の塔門(ゴープラム)っぽい見た目になるし、パズルとしての独自性も出せるのではないか、と思いつきました。

「3×3の曼荼羅」から「2-3-4のゴープラム」に。これでパズル部分の骨子が決まるとともに、改めてインドをテーマにする事になりました。

■マンカラをエンジンにする

パズルの外側のゲーム性については、どこかで使いたいと思っていたマンカラがぴったりハマりました。「くだものあつめ」というゲームが好きだったので、最初は各プレイヤーが独自のマンカラをプレイする形でテストプレイしてもらいました。結果、悪くはないけど、ソロプレイ感が強く、今一つ盛り上がりに欠ける・・・。テストプレイしていただいた皆さんから、「マンカラは全員分をくっつけて一つにした方が良いんじゃないか」というアイデアが出て、試してみた所、確かにこちらの方が想定外のドラマが生まれて盛り上がります。

この時点で「マンカラ部分ではプレイヤー間のインタラクションを楽しむ」「パズル部分では他のプレイヤーに邪魔されずに自分だけの配置を楽しむ」というゲームの方向性も固まりました。

・・・長くなりましたのでこの辺にしておきます。次回はゲームのルールを公開したいと思います。