かめりあクィンテット

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【ゲムマ2021春】『ヴァンシーハイド』ができるまで
2021/4/5 0:03
ブログ

ヴァンシーハイドとは

正体隠匿×四目並べをテーマにした
アブストラクト風味のボードゲームです。
ゲームマーケット2021春に新作として販売予定です。

詳しくはこちら↓

https://gamemarket.jp/game/178235

 

制作きっかけ

今回のきっかけは、
「面白い四目並べっぽいものがつくりたい」でした。

というのも、クアルトというボードゲームが好きだったり、
小中学生の頃によく自由帳や黒板で重力付きの四目並べをやっていたりと、ぼんやりと勝手に馴染みのある仕組みだと思っていたからでした。
(別に強くはない)

 

制作過程

ヴァンシーハイドの原型となるルールが生まれたのは、
ゲムマ2020春ECが終わった後。2020年5月末頃でした。
世間的にも大変な時期でしたね。

いろんなゲームのルールを並行的に考えていたときに、
四目並べかつ並べる駒が個性的な能力を持っていたらどうなるか?
とふと思いました。

トレーディングカードゲームなんかは、
カードを場に出したときに効果を発動する!
といったものが多いですが、
それと似たようなことを四目並べでしたいなぁと思ったわけです。
(某トレカをやらなくなってしばらく経った頃だったので
 恋しかったのかも)

カードゲームでも遊びたいし、
アブストラクトでも遊びたいし、
というわけで最初にTabletopSimulatorで作ったモックがこちら↓

ブレイブホワイト

画像2

かわいい見た目ですね。
マー○ルチョコを彷彿とさせます。
このシンプルな見た目は私としては結構好みです。

実は黒、黄色、赤は最終的な能力とほぼ同じ方向性の効果ですね。

一人回しの結果は、一応ゲームにはなってるなと言う印象。
ただまあいい意味での引っ掛かりポイントがあまりなく、
ここから地獄の捻りフェーズに入ります。
(ルールを足したり引いたり捻り回すフェーズ)

画像3


途中コマを増やしたり模様を付けたりしています。
今は亡き水色や灰色のコマもありますね。
コマの能力に合わせてエンブレムをデザインするの楽しい。

ルールとしては、
前の人が置いたコマは次の人は置けない縛りや、
置けるコマはドラフトで決める縛り
などのルールを設けてみたりはしましたが、
結局はシンプルにコマは自由に選ぶルールになりました。

代わりに、自分の持駒を隠し持ち、それを揃えるようにする
ルールに変更しました。
それが正体隠匿要素となります。
これは、自分が何を揃えるべきかの指針を作るためでした。

ルールで縛るよりも、プレイヤーが勝つために動いた結果、
選択肢が限られてくる方が、自然な体験になりそうだったためです。

変に理由もなくひねるくらいならシンプルな方がいいです。

そしてサークル内でのテストプレイを重ね、
六角形のマスになったり、コマを牌と言うようにしたり、
なんやかんやでこうなりました↓

画像5

 

ゲームタイトルについて

最終的にはヴァンシーハイドになりました。
漢字にすると『盤支配奴』という表記になります。

中国語?四字熟語?いえ、完全な造語です。

実は制作時の仮タイトルは別のもので、
フォロークレスト、としておりました。

以下は箱の初期デザイン↓

画像5

こんな感じでスーベルダイスと並べていい感じにしたい
という思惑がひそかにありました。

四目並べの意味の4rows(4 in a row)と
家紋を意味するクレストを合わせてフォロークレスト。

なんかかっこいい字面だったので気に入っていたのですが、
ロゴ作っているときになんか違うなーとなり。
サークル内でタイトルコンペをして
結果ヴァンシーハイドとなりました。

最初は、バンシハイヤツ?笑 とか思っておましたが、
愛着って怖いですね。すっかり気に入ってしまいました。

盤面支配する奴を決めるゲームであり、
それは自らの持牌を隠して(ハイド)行われることから、
ヴァンシーハイドとしました。

バンシーでなくヴァンシーにしたのは
単にヴの字面がかっこいいからです。(右手が疼くぜ)

 

ビジュアルについて

スーベルダイスが黒系だったのて、
今回は白系にしようとは考えていました。
タイトルがヴァンシーハイドに決まってから、
漢字を使うことを前提にすると
ちょっと中国風味で、かつ戦国時代感ある雰囲気に
しようかなというのはすんなり決まりました。

ノンテーマ寄りではありますが、
そんな中国戦国要素は色んな所に散りばめています。

画像9

 

制作において意識したこと

四目並べがベースであり制作きっかけではあったので、
揃ったときの気持ちよさ嬉しさはもちろんのことながら、
このゲームならではの体験をミックスさせたい思いがありました。
(でないと、ただの四目並べでいいじゃんとなる)

私がゲームづくりにおいて意識しているものの一つに、
ゲームのリプレイ性があります。
いわゆる何度も遊びたいと思える、というものです。

これには、もう一度プレイすると異なる体験ができる、
および前のゲームの学びが実践できることが想像できることが
重要だと思います。

 

ヴァンシーハイドでは、
毎ゲーム使える牌の種類が異なることで、
盤面展開や牌の強さが異なり、新しい体験が生まれます。

また、プレイ人数や対戦相手が変わることで戦略や考えることが異なり、
これによっても新しい体験が生まれます。

しかし基本のルールや牌の効果自体は同じなため、
遊んだ経験を学びに変換して次のゲームに活かすことができます。
しかも1ゲームは10分程度で大体終わるため、
仮定と検証を繰り返しやすい。

 

最初は牌の効果を覚えるのも大変かもしれません。
(そのためサマリーの役割であるカードをつけました)

画像7

ただ、ゲームの基本ルールさえわかれば、
この牌の組み合わせで試したい、だとか
今度はこの戦略を試したい、といった発想が生まれてくると思います。

そう、お気づきかもしれませんが
このゲームはやり込みゲーなのです。

最初はおそらく自分の持牌を揃えるために
素直に持牌と同じ種類の牌を露骨に四目揃えようとします。

それがゲームに慣れてくると
自分のものではない牌で揃えようとするなど
ブラフを張るようになると思います。

このゲームはそうなってからが本番です。
ぜひそうなるまでは遊んでほしいですし、
それができる相手と対戦すると
本当に悩ましいゲームに化けます。

 

そしてそんな相手と遊ぶ用のルールとして
全ての牌を順番に使いながら5回の勝負を行うルール
(真・盤支配奴)も用意しています。

5回勝負だからこその戦略戦術もありますので、
ぜひぜひそこまで遊んでもらえると
制作者としては大変嬉しい限りです。

ちなみに私は2人での5回勝負が結構好きで、
途中勝ってるからこその思い切りのいいプレイができたり、
負けているからこそ一回勝負のときだとやらないような
相手に点を取らせないプレイができたり、
いろんなことが試せて面白いです。

麻雀みたいなものでしょうか。
途中負けても最後勝ちゃいいみたいな。

勝てば嬉しい負ければ悔しい
どちらにしてももう一回!と思えるゲームになっているはずです。

 

最後に

そんなヴァンシーハイドですが、
今度のゲームマーケット2021春にて頒布致します。
出展は4/10土曜 オ03ブースです。おっさんです。
スーベルダイスが新作のときにこのブース番号だったら
完璧だったのになあとか思っていました。

画像7

ヴァンシーハイドは通常版と特別版の2種類を用意しております。
通常版はゲームに使う牌が3mm厚のマットな厚紙チップです。
特別版はなんと牌が5mm厚の木駒になります。
ぶっちゃけどちらも捨てがたい。

画像8

木駒がもちろんおすすめですが、厚紙チップも良い仕上がりです。
(ゲームの特性上、牌を持ち上げたり移動させたりが
 多いのでチップの方もできるだけ厚めにしました)

特別版は少量しか用意していないのですが、
すでに予約の時点で特別版の方が予約が多いです。(ありがたや。)

ちなみに予約はここからできます↓
https://forms.gle/2M85mju19gbT9MtXA

また、過去作のスーベルダイスやサカナサイクルも持ち込みますので、
そちらもぜひ!

アブストラクトゲームが好きな方には
スーベルダイスおすすめです!これもやり込みゲーです。
手前味噌ながら正直めちゃめちゃ面白いゲームです。
いつか対戦会とかもやりたいなぁなんて。

サカナサイクルは制作自体は難産でしたが、いい具合にまとめられた
サクッとやれるカードゲームです。
ボドゲーマの方で公開しているソロルールもあります。

 

ゲムマ当日皆様とお会いできるのを楽しみにしています。
それではこれにて。