江神探偵事務所

マーダーミステリーを軸に、一風変わった推理ゲームをお送りする「江神探偵事務所」です。 (「ハコオンナ」のEJIN研究所の別名義です。)

LARPや即興劇としてのMAD&DEAD
2019/6/5 18:09
ブログ

LARPや即興劇として遊べるように作った『MAD&DEAD』、具体的にどういうビジョンを見ていたのかを明示しておこうと思います。……まあ、叶えばいいな、というねw。

舞台とLARP、この2つには個人的な見解として「内で構築する」「外に発信する」の比率がずいぶん違うので、そのへんでちょっと変えなければならない感じですが、基本的には同じような形になると見ました。LARPのほうが、必要なものも少なく、よりシンプルにできますから、LARPのほうから。




<LARPでMAD&DEAD>

LARPは「自分たちがその世界の住人になりきって遊ぶ」ところが重要な部分と思っています。故に、自分たちがその空間をショッピングモールと認識できる最低限のセットさえあればLARPMADは成立するかと。
以下が、そのイメージです。



場所:公民館等

・ツイタテ等で部屋を分け、大部屋と小部屋を作る。大部屋は「バックヤード」、小部屋は「探索先」。
・ツイタテには隙間を作り、これを「通気口」とする。
・小部屋にテーブル設置。その上に「1F」「2F」「3F」「DEAD」の各デッキを配置。
・大部屋にプレイヤー全員待機。武器等をテーブルに雑然と配置。
・小部屋にダイソーとかで売ってる火薬拳銃があるととても楽しい。
・ゾンビの被り物を用意してもいい(しなくてもいい)。
・空薬莢はペンダントトップにするとサマになる。
・動きやすい服装。あたかも休日にモールに来ているかのような服装を推奨。胸ポケットのある服や、カードホルダー等があるとアクションが取りやすい。

プレイング:
・「次は私が行くよ」とか言いながら手番プレイヤーは空薬莢を受け取る。
・アイテム使用の際は、大部屋中央のアイテムをカードと交換し、手に取ってロールプレイする。状況によって、カードに戻す。
・何階の探索を行うか宣言後、通気口を通って小部屋に移動。
・宣言通りの階の探索を行い、ゲームルールに従って処理する。
・この際、戦闘があったら「出やがったな!」「ぐああああ!」とか言ってみたり、銃弾を使用したら火薬拳銃を鳴らしたりしてもよい。たまにしなくてもよい(ブラフ)。
・手番外のプレイヤーは手番プレイヤーが立てる物音を聞いたり、心配するロールプレイを行う。
・「引き返す」場合、通気口を通って戻る。
・手番プレイヤーが戻ってきたら、みんなで「大丈夫!?」「怪我はないか!?」「どうだった!?」
等質問攻めにして、手番プレイヤーのリアクションを楽しむ。
・手番終了時に、使用したアイテムを中央に戻し、カードを手札に戻す。

セールスポイント:
・現代モノLARPである:恐怖を軸にしない特異なホラーであるゾンビものは、陰鬱にならず、銃が撃て、ドラマチック。なおかつゾンビは誰でも共通認識が持てる魅力的なテーマである。
・手番がある:他のゲームと違い各人に手番がある。これにより「見せ場がまったくない」を避けられる。
・何度でもやれる:ある程度のストーリーラインはありながら、シナリオがない=何度でも遊べる。
・自キャラ設定が楽しい:ゲームに寄って付与される「素性」と、自分で考えてきたキャラ設定を現地で組み合わせて理由付けする独自の楽しみがある
・ゾンビのロールプレイができる:これは重要ポイントだ!

ウィークポイント:
・5分で終わることがある:振り幅がひどいので、開始5分でゲームが終わる事がある。その場合はもう一度やればいい話ではあるが。
・チャンバラは出来ない:ゲームルールで勝敗が確定するので、柔らか武器の出番がない非接触型。ちぇー。
・ゾンビのロールプレイは長くやるとしんどい:これはたいへんな欠点だ!!

……という感じです。手番制のLARPってあんまりないと思うので、そこがどう受け取られるか、ってのが一つの論点かなあと思います。が、この「手番」こそ僕的にはとても重要に思っていて、TRPGだと「シーンプレイヤー」って近年のゲームではとても重要な要素なので、LARPでもあってもいいんじゃないかなあと思う次第で。




<即興劇でMAD&DEAD>

即興劇でやる場合も、LARPと基本設計は同じ。これに、観劇側を意識した仕組みを加えます。、これだけセットを整えられたらきっと楽しいだろうなあ(遠い目)。



場所:小劇場等

・大道具の壁で舞台を二分し、大部屋と小部屋を作る。大部屋は「バックヤード」、小部屋は「探索先」。
・大道具には通気口を模したトンネルを作る。
・小部屋にテーブル設置。その上に「1F」「2F」「3F」「DEAD」の各デッキを配置。
・大部屋にプレイヤー全員待機。武器等を大部屋中央に雑然と配置。
・小部屋にも「探索中に使用可能」なアイテムは一通り用意。
・「安全区画襲撃」「BITE遭遇」時に登場するゾンビ役のキャストがいると理想。ルーラーを兼ねる。
・パンフレットに「素性」と、簡単なルールの説明。

配役:
キャストは表向きの設定として「素性」とは別に、以下のような設定を持つ。
・「主人公」頭がいい大学生。自分の思考を常に口にしルールのフォローを続ける観客視点のプレイヤー。
・「ヒロイン」友達とモールに来ていた女子高生。
・「元刑事」警察にいたが、故あって退職した。
・「父親or母親」子を見失った親。
・「キャリアウーマンorサラリーマン」仕事の外回りをしていた。
・「ピエロ」広場でショーをやっていた。
・「ユーチューバー」この惨事を自撮りしている。

プレイング:LARPに準じる。以下、相違点のみ記載。
・バックヤードに逃げ込む冒頭部分を15分程度の寸劇。
・ゲーム中、主人公の独白を頻繁に挟み、ゲームシステムの説明を行う。
・他プレイヤーも、素性が「シロ」の前提で思考を極力口にしつつ手番を行う。
・自手番には設定を活かした即興劇を行ってから行動に入る。
・エンド後に、各キャストのロールを、死者、生存者、勝利者、の順で入れる。

セールスポイント:
・人狼劇ではどうしても発言力の弱いプレイヤーは出番なく終わってしまうが、手番制を活かし見せ場を各役者に持たせられる。
・同じく手番により、今誰の見せ場かが明確化し、セリフや演技の被り等も避けられる。
・ランダム性が高いMADは、毎回大きく異なる展開を提供できる。
・MADは様々な策を仕込めるゲーム故にプレイヤーの手腕次第で「プレイングに唸らされる」プレイが可能。
・主人公プレイヤーの重要な決断を、客席に投票で問うような形もアリかもしれない。
・使う場所によっては舞台終了後にキャストが客席に散って同ゲームを行うようなイベントも可能(絶対楽しい)。
・プレイ後の感想戦もできるタイプのゲームなので、壇上でトークショー形式の感想戦まで行うのも面白いかも。

ウィークポイント:
・振り幅が広すぎて時間の制御が効かない。山札の順番を調整する等、多少のコントロールは必要かもしれない。
・集客問題。独自性が強すぎるため、苦戦は必至と思われる。クラウドのような形式が望ましいか。




……というところで。こういうものにできるように設計したゲームなので、ひとつ、僕が見た形の提示はしておこうと。舞台もLARPも、足を運んでみていろいろ刺激をもらったので、僕なりの新しい楽しみ方を提示したかったという、一つの脳内断捨離だったりします。ただまあ、僕は舞台もLARPも経験値不足。設計通り動く保証はありませんwww それでも楽しそうだなーと思ったら、声かけてやってくださいな(゚∀゚)。一緒に実際に動くように調整して遊びましょう。僕は変わったことがやりたいのです。




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