アクサン・シルコンフレックス @ACCIR2019
中学時代からの幼なじみ2名でスタートした創作団体。プロジェクトごとにチームを組む形式で活動し、結成から3年のうちに制作したゲームは10作品に迫る。和をテーマにした本格派ゲーム(「詠天記」「大江戸地引網」「つらつら椿」等)からパーティ向けのバカゲー(「フサフサクセス」「オモゾンクライム」等)まで守備範囲は幅広い。 2023年春のゲムマからいわゆるマダミス、マーダーミステリーのジャンルに挑戦。
- 【詠天記 Blog No.06】手番でやること①「ベッティング(コインの賭け)」後編
- 2019/4/16 0:22
前回の記事に引き続き、手番に行う2つのアクションのうちのひとつ、「ベッティング」について解説します!
(前回記事↓)
http://gamemarket.jp/blog/eitenki-blog05/
***ベッティング(つづき)***
さて、前回記事の最後は、処理フェーズでの自分のベッティング処理(※)の説明途中でした。
(※賭けたコインに天候効果を適用し、ランクアップorランクダウンさせる処理)
[caption id="attachment_126565" align="aligncenter" width="700"] 処理フェーズの流れと内容[/caption]
賭けたコインのランクアップをするにあたって、コインのランクと勝利点について少し詳しく説明しておきます。
「詠天記」のコインは巫女が率いるクニの財宝や富、あるいは国力を表しており、上から「勝利点」、その下に「金」「銀」「銅」の3段階という、合計4つのランクがあります。
「銅」からスタートしてランクを上げていって、4段階目になると「勝利点」となり、プレイヤーボード上から解放されて自分の持ち点となります。
[caption id="attachment_126788" align="aligncenter" width="700"] 「金」「銀」「銅」コイン。 ゲーム終了後の清算では、それぞれ1枚につき3点、2点、1点の勝利点としてカウントされる。[/caption]
[caption id="attachment_126790" align="aligncenter" width="700"] 2種類の勝利点。通常、コインが勝利点までランクアップすると、コイン1枚につき「10」の勝利点1枚になる。ただし、5枚以上のコインが一度に勝利点にランクアップしたときは、5枚ごとに「30」勝利点1枚に変換することもできる。「30」勝利点は、点数変換の効率性では「10」勝利点に劣るが、別のメリットが存在する。[/caption]
ランクをアップできるのは、「晴」が出るラウンドで「生産エリア」に賭けていたコインのみです。
(厳密には、同じ天気が三連続したラウンドもランクアップできます)
「晴」の天候カードは全部で4枚しかありません。
ということは、1回のゲームにつきランクアップのチャンスは、基本的には4回だけです。
この機会をいかに逃さず、コインのランクを上げていけるか&勝利点に変えられるか。
それが勝敗の分かれ道になります。
なお、「金・銀・銅コイン」と「勝利点」は何が違うの?と思われるかもしれませんので、これらの違いについても少し説明します。
金・銀・銅のコインはゲーム中、勝利点にランクアップしてプレイヤーボード上から取り除かない限り、常に天候の影響に晒されてしまいます。
たとえば天候効果表の「雷」の行をみてみましょう。
「雷」は「生産エリア」だけでなく、賭けていないコインを置いておく「備蓄エリア」までをも影響範囲に含んだ、痛いマイナス系効果の天気です。
「雷」がでると、占術「避雷の祈り」をしていない限りは、プレイヤーボード上にある全てのコインのランクが最低の「銅」に戻されてしまいます(ただし、枚数は減りません)。
「銅」コインは、もうこれ以上ランクが下がることがないため「雷」を食らっても痛くはありませんが、「勝利点まであと少し!」な金・銀コインのランクを全てダウンさせられてしまうのは厳しいです。
また、特殊な天候効果である「同じ天気が二連続」もみてみましょう。
こちらは、ゲーム内で唯一「自分の持ちコインが消滅する」危険のあるものです。
同じ天気が2ラウンド連続で出てしまったら、賭けていたコインが全て失われてしまいます。
(こちらは「避雷の祈り」のような防御措置がないので、「賭けない」しか避ける方法はありません)
このように、常に天候のリスクと隣り合わせなのが「金」「銀」「銅」の財宝コインです。
一方、勝利点に変わるとどうなるのか?
まずひとつは、勝利点は天候の影響を一切受けません。
プレイヤーボードから解放されているので、「雨」「雷」「二連続」というマイナス系の天候効果を受けることなく、安心して保持しておくことができます。
さらに、勝利点と財宝コインの大きな違いは、勝利点は「金」「銀」「銅」コインと比べて、1枚あたりの点数が段違いに高いというところです。
「金」「銀」「銅」コインも、ゲーム終了後の精算にて勝利点として扱われるので勝敗に影響しますが、それぞれ3点、2点、1点と、ポイント的には大したことがありません。
これに対し、勝利点は1枚で10点になります。
「金」コインでは1枚3点だったのに、1ランク上げて勝利点になるだけで1枚10点の価値に変わります。
つまり、コインは可能な限りどんどん勝利点に変えていくべし!というのが、「詠天記」におけるセオリーといえます。
ただし・・・・・・
天候の効果を受けず、ポイントも高いという特徴はありますが、勝利点は勝利点でデメリットも存在します。
あえて詳しく説明しなかった「30と書かれた黒い勝利点」や占術の「戦禍の啓示」マスがそのあたりの話に絡んでくるのですが、ここでは長くなるので、回を分けて改めて説明しますね。
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さて、前提の説明が長くなってしまいました。
プレイに戻りましょう。
天候カードオープンで「晴」が出て、自分のベッティング処理を行っているところでした。
「晴」の場合、天候効果によると財宝ランクが1upなので、賭けた「銅」コイン5枚は「銀」コイン5枚となって、「備蓄エリア」に戻ってきます。
(コインを取り替えます)
ベッティング処理といっても、やることはこれだけです。
一番手である自分のベッティング処理が終わったら、次は2番手である佐藤さんのベッティング処理です。
佐藤さんは、「天候占術」では「雨」と予測していましたが、同時に「銅」コイン5枚を「生産エリア」にベッティングしていました。
この場合、佐藤さんも自分と同じく「晴」の効果が適用されて「銅」5枚が「銀」5枚に変わります。
え、予測を外したからダメなんじゃないの??と思われるかもしれませんが、これで合っています。
天候効果は、
・プレイヤーが「天候占術」でどの天気を予測したかとは全く独立に
・純粋に各プレイヤーの「生産エリア」に置かれたコインに対して
・出た天気の種類に応じた効果
が適用されます(「雷」のみ「備蓄エリア」にも影響します)。
[caption id="attachment_126797" align="alignnone" width="700"] 占術マーカー(プレイヤーボード上側)とコインのベッティング(プレイヤーボード下側)は、それぞれ独立に設定できる。
ex.)天候占術「晴」に占術マーカーを置いているが、ベッティングの方はあえて賭けない、という配置も可能[/caption]
だから「生産エリア」に「銅」5枚を賭けていた佐藤さんも、コインのランクアップ効果を受けることができます。
「占術」と「ベッティングに対する天候効果」は連動せず、独立している。
この点は、実は「詠天記」でプレイヤー間が読み合いをする上で大切な要素ですので、ぜひ知っておいていただけると嬉しいです!
さて、全プレイヤーのベッティング処理が終わりました。
こんな風に、出た天気の種類や、組み合わせによって、天候効果を適用していくのがベッティング処理でした。
次にやるのは「占術処理」です。
配分フェーズの手番で行なった「占術マーカーの配置」によって、それぞれ異なる効果が得られます。
こちらもベッティング処理同様、1番手から時計回りに処理を実行していきます。
今回、自分は「天候占術」の「晴」に占術マーカーを置いていました。
そして今回ラウンドの天気は「晴」。
見事的中できたので、「天候占術」成功の効果として「銅」3枚が「備蓄エリア」に追加されます。
やった、コインが増えましたね!
こんな風に、天候占術には「コインの枚数そのものを増やす」という効果があります。
ところで、「晴」という天気は、コインのランクをアップできる数少ないチャンスという点で非常に重要です。
が、コインの枚数自体は1枚も増えません。
なので、たとえば5枚すべてを勝利点に変え終わってしまった場合や、「同じ天気が二連続」の効果でコインを失ってしまった場合、賭けるコインがなくなり、ベッティングそのものができなくなってしまいます。
コイン枚数を増やすには、
・「天候占術」で天気を的中する
・または、少なくとも1枚コインを得たうえで、それを賭けて「曇」の天候効果を得る
必要があります。
いかに「天候占術」を当てていくか、というのも勝利につながる大事な要素ということですね。
自分の占術処理が終わったので、佐藤さんの占術処理を行います。
佐藤さんも同様に「天候占術」を行なっていましたが、「雨」予想だったため、的中ならずでした。
この場合、そのまま何も起きず占術処理は終了します。
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ということで、「配分フェーズ」「天候カードオープン」「処理フェーズ」という3ステップが全て終了したので、これにて1ラウンド目が終了です。
一番手マーカーが右隣のプレイヤーに移り、その人から2ラウンド目の配分フェーズが始まります。
長くなりましたが、これらの流れを「晴」4枚が出切るまで続けるのが「詠天記」のゲームの全体像になります。
(天候カードは全部で16枚なので、最大でも16ラウンドでゲーム終了です。4枚目の「晴」の位置によって、ゲーム終了までの時間は変動します)
次回は、今回少しご説明した「占術」を、6種類すべて解説してみたいと思います!
【詠天記ブログ】
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