siroup games siroup_games
しろうさんのプロデュースする(sirou produce)ゲームだから、sirou”p” games ですね。
Siroup games, since it is a game produced by sirou
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- デザイナーズノート ギルデッド フィスト
- 脳汁ブシャーボードゲームは面白い。面白いとは、何?それはドーパミン。メタ的だし、答えになってないけど、一つの答え。実際にはドーパミンは何かがうまくいったとか、ゲームに勝ったときではなく、何か報酬を得るための待ち時間に多く出るらしい。よく言われるのがパチスロなどのリーチ演出。あまり言われないけど、競りの最中にだって脳汁出てると思うんですよね。 日本語ルールEnglish ruleゲムマ2026秋予約きっかけはセカンドプライスオークション現実世界のオークションに、セカンドプライス オークションってのがあって、秘密裡に金額を提示して一斉に公開する。もちろん一番高い金額を提示した人が落札できるんだけど、支払う金額は2位の人の提示額でいいよ、ってやつ。 これって自分の予算額より安くなる可能性があるから、買い手としては思い切って入札できるし売り手としては値が上がりやすいので嬉しい(実際はあまりかわらないらしい)これって面白い心理だな、ゲームにできないかな、と思ったのが始まり。でもこれって1つの商品に対してだけど、いっぺんにできないかな、全員分を一度に・・・。A君が15金、B君が13金、C君が8金、D君が2金、秘密にビッドする。1位のA君が2位の金額13金を支払い、2位のB君が3位の金額8金を、3位が・・・あらら変な感じになっちゃうな、1位のA君より2位のB君の方が多く払ってるや(この時点でセカンドプライスオークションは1商品に対する競りに向いてると気づく)ではこれではどうか。前の競りの提示金が場に置かれている、人数分、金額の多い順に、今回の競りで提示金を公開し、順番が決まる、場に置かれている同じ順番の金を受け取り、今回の金額を置く、これを繰り返す。(ゲーム開始時にはいくらか置かれているものとする)これもダメ。相場が分かりやすすぎてしまう、それに前のラウンドよりも少ない金額だった場合、所持金が増えてしまう。・・・増える?増えていいのか?増えるのはいい、価値が高いものには高額で、価値が低ければ少額になる、さらに価値が低ければ0を下回ってもいいはずだ。A君が15金、B君が13金、C君が8金、D君が2金、秘密にビッドする。1位のA君から順に価値の高い商品を得ることにする、4位のD君は最も価値の低い商品となる。その後でA君の15金と、D君の2金を交換する。B君はC君と交換する。するとこうなる1位のA君は13金減って、最も良い商品を得る2位のB君は5金減って、次に良い商品を得る3位のC君は5金増えて、その次に良い商品を得る4位のD君は13金増えて、良くない商品を得るいいね、これならゲームになる。セットコレクションするプレイヤーが競り値を決めるには指針が必要である。それは価値がほどよく計算できて、ほどよく計算できない、かつ魅力的である必要がある。大前提として競り値を考える段階で「見えている」必要がある。セットコレクションの定番、ABCを3種類集めると何点、というのは今回は不採用。なぜならば、今回の競りは、最も多く握ったプレイヤーが最も良い商品(後に財宝カード)を得るべきだから。セットコレクションを完成させるために、あえて2番目や3番目に価値のあるものを取る、というのは避けなければならない。ライナー・クニツィア作のRa(ラー)に、「ナイル川」と「氾濫」というものがあります。ナイル川タイルは何枚持っていてもそれだけでは点にならず、氾濫タイルを獲得して初めて得点になります。氾濫タイルは清算後捨てられますが、ナイル川タイルはそのまま残ります。これを、「宝箱」と「魔法の鍵」に置き換えました、魔法の鍵は全ての宝箱を開くということにしたわけです。長中期的な展開になり、ほどよく計算できて / ほどよく計算できない、わけです。これに対するセッコレが必要で、短期的な爆発力があるもの。1個だと価値が薄いが、多く集めると価値が飛躍的にあがる計算式。二乗にしました1個は1金、2個は4金、3個は9金・・・のアレです。その代わり清算を済ませたら無くなります。これは「宝石」にしました。次に長期的な持続力があるものとして、他のプレイヤーとのマジョリティ争いを入れました。これは清算が済んでも残るようにします。一度マジョリティ争いに勝てばゲーム中何度も恩恵をうけやすくしました。その代わり価値は低め。これは「王冠」にしました。貴族の影響力みたいなイメージ。調整用のセッコレ。1枚のカードに複数のアイコンを描き、それを人数分場に並べる、めっちゃ良いヤツ、めっちゃ良くないヤツ、その間のフツーのヤツ、これらが必要なので、カードの裏面を区別してレベリングしてあげる必要がある。めっちゃ良いヤツの中で描かれるアイコンは様々あれど、同レベルのカードで価値が差がありすぎるのはよくない。その調整用として「コイン」、即金でもらえる。序盤は有効だけど、終盤になると価値が下がる(他のアイコンの方が価値が高くなっていくから)こんな感じでセットコレクションを採用。最も重要なのは数字えー昔からぁ、テストプレイは大事、調整は大事、と申しますが、具体的に何をしますかと言いますと、数字計算なのでございます。これが甘いと「アイデアは面白いのになんかそこまで面白くないゲーム」って感想になります。上記セットコレクションではひとまず、コインの価値を5金にしました、価値5のコインをヒョイっと取ればいいからです。これを基準にしたらどのアイコンもインフレしてしまい、生産時にとんでもないコインを得るようになってしまいました。またアイコンの含有量も重要です、どのくらいの頻度で出現するか、というものです。そもそもゲームの流れを、競りを3回行って清算処理、清算を3回行ってゲーム終了にする。3回ってのはニンテンドー3の法則。テンポ重視。宝石は沢山出てよい、ただし多すぎてはいけない、全カード45枚中アイコンを45個、それを偏らせる。しかもどんなに多くても一人が獲得できる最大は7個にしたい。宝箱は宝石よりは少ないが、まあまあ登場させてよい。その代わり魔法の鍵は少なめにする(まったく出てこないだとダメ)初回所持金も大事、始めのうちは10前後にしてたんですが、タイブレークが頻発してしまう。セットコレクションの価値、アイコンの出現率、所持金、これらを計算してテストして、なんやかんやします。システムとプロダクトとルールとかシステムができたら、それをコンポーネントに落とし込まないといけない。しかも販売するわけだし、赤字にはできない(持続できなくなるから)当初は、獲得したものをトークンやチップにしようと考えていたが、箱が大きくなる上に売価が上がる・・・当初は、専用コインを入れようとしたが、コインを握る関係で厚紙では向いてない、木製かメタル製になる、重い、箱がでかくなる、売価が上がる・・・30~40分のゲームで売価4~5,000円は無くは無い、が昨今のゲムマではリスキー。どこかのパブリッシャーに拾われればなぁアートとタイトルアートはご縁があって根津工房のNezuYumiさんにお願いすることができました。アートを頼むということは、タイトル、テーマ、各名称、背景などを決めなければならない。NezuYumiさんと言えば幻獣。幻獣やドラゴン描いてもらいたいから、それに合わせる!ファンタジー 一択。タイトルはけっこう迷って迷って、英語ニュアンスでも握り競りやブラフ感が伝わるようにしました。Gilded ギルデッドは金メッキ、金箔の~という意味ですが、うわべだけの美しさ、見せかけの豊かさ、というニュアンスも含んでいる。かつアートの持つ彩色写本の金装飾っぽさも表せたらな、とも考えて。Fist フィストは拳、握った手の中、を表していて、まんま握り競りを表せていると思う。タイトルやテーマが決まれば次は背景、これをよりNezu寄りにしてゆく。財宝を守るドラゴンを箱絵に持っていきたい。もともとテスト段階では、ファンタジー勇者一行が魔王を倒したのち 帰還中に財宝を分ける、という背景でした。これを魔王→ドラゴンに置き換えて、ドラゴンの財宝をかっぱらったプレイヤーがドラゴンの呪いを分散させる、という泥臭い背景に変更。呪いのドラゴン!ドン!やばい!かっけえぇ、役得すぎる!ついたて は色んな幻獣、紫がお気に入り。たまらん。自分のゲームが最高のアートと融合すんの脳汁出る。自分がボードゲームを好きな理由の一つに海外のアートがあって、手描き感だったり、発想だったりが好きだったから。Nezuさんのそれはまさにど真ん中、唯一無二だし、他の追随を許さない。だって 呪いのドラゴンが箱絵のボードゲームは、恐らく今後国内では出ないだろう、かっこよすぎだろ。そのくらい良いものを描いてもらえました。まとめ握りコイン循環システムは実は前にも使ってて「ジュエリーアントワープ」ってゲームにも採用してる。そちらはビッドできる価格がカードに描かれていて両替できないようになっている。Raに近い。今作ギルデッドフィストは根幹部分を抽出して、手順を減らして「いくら握るか」にフォーカスしたものになっている。両方遊んでくれた人からは、同じシステムだが全然違ってるし面白い と評価いただけました。テンポよし、相場の裏切りあり、セットコレクションによるドラマティックな演出あり、ただコイン同梱しないのだけはマジでごめんね、でも、かなりの自信作。是非遊んでみてくださいね。sirou
- 2026/10/5 11:48
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- デザイナーズノート 魔龍、屠るべし・序
- 今回はディベロップ中心の話 結局トリテになった。 ポンプ消防隊(以下ポンプ)の次に出すゲームはトリックテイキングゲーム(以下トリテ)を避けたかった、比べられちゃうからね。コロナ禍で中量級以上のゲームのテストが難しく、簡単なカードゲームやトリテをオンラインでテストすることしかできなくなってしまったという理由もありました。手札を分けるアイデアはシュティッヒルンが発端で、どうしても大きなマイナスを受ける時「このカードを手札から無くせたらいいのに」と思ったのです。 トリテの利点 トリテはある程度の面白さが担保されています。ただのマストフォローなら正統派とかオーソドックス・古い、という表現がされて、マストフォロー部分を変化させると斬新な、新しい、変態トリテなどの表現をされます。フォロー以外の部分に変化を加えることも可能で、得点計算やトリックの勝者の処理、プレイされたカードの処理、ビットなど多岐にわたります。特に大きな利点は、多くのプレイヤーに共通認識がある点でした。手札を分けることと、マストフォローのトリテにはシナジーがあるのです。 手札別けでできること 配られた手札を前後半に分ける。後半の手札は伏せて置き、マストフォローにひっかからない。前半の手札を全てプレイしたら伏せてあったカードを手札にする。このギミックでプレイヤーができること。 ・意図的なボイドでトリックに負けやすくする ・前半を切り札のみにして序盤のトリックに勝つ ・後半に切り札を入れて後半手札になったタイミングでトリックに勝つ ・最後のトリックに勝つ などが挙げられます。これにマッチするのはポンプのようなミッション(課題)達成系ではないだろうか ・最初に3トリックとる ・ちょうど2トリックとる ・最後のトリックをとる この3つを軸にして他の課題に特定の色を沢山とる、少なくとる、全色とる、誰にもフォローされない、等色々できそうだ。 テーマは魔法学校だった 手札を分けるアイデアには欠点がありました、全員が手札を分けると意味がないのです。効果が薄まる、と言った方がいいかもしれません。そしてカオスでした。一人だけ(多くて2人)程度が手札分けをするのが最も効果が見込めました。では他のプレイヤーはどうするのかを考え、他のプレイヤーにも能力を持たせたのです。手札別け、ウィドー(配られていないカードとカード交換する)、両隣と1枚ずつ交換する、手札が2枚多い、などです。 ①カードが配られ ②特殊能力を決める ③課題を達成しリソースを獲得 ④リソースのセットコレクション という構造です。③④はポンプとの差を作る為の処置ですね。ポンプは大目標と小目標に課題のタイミングを分ける演出でしたが、今回は2種類の課題のうちどちらかを達成すれは1種類のリソースを生むようにして、課題を6ジャンル×2種→リソース3種にして、なくべくリソースをバラバラに集めることを目的になるようにしました。 テーマは魔法学校、プレイヤーは生徒となり魔法使いの先生から魔法の助力を得て、課題をこなす。得られるリソースは宝石や水晶玉や杖、という よくあるテーマですがシステムとはマッチした内容になりました。タイトルは「魔法使いの弟子」とか「魔法学校の生徒」でしょうか。 ゲームとしては完成 特殊能力あり+課題達成というトリテ経験者に向けた調整で、なかなか骨太なゲームができました、テストしてくれた人の評価は、おおむね良。でしたが難しい、重い、長いという意見も多かったのです。このように面白いけど遊びにくいというゲームは、ゲーム(システム)は完成しているが商品としては未完成と言えます。これはテスト環境でのあるあるで、デザイナーもテスターも当然ゲームを面白くすることを目指します。しかし「遊ばれやすさ」はあまり指摘をうけないのです。 ここまでのシステム構築は、アイデアの掛け算や要素の足し算ですが、遊ばれやすさ(商品化)への調整は引き算です。 ゲームを売る為に ちょっと脱線します。私のゲーム制作は「商品」か「作品」か?→言い換えると「仕事」か「趣味」という話ですが、自分のは趣味に当たります、これで生活できるわけじゃないですからね。しかし「赤字にしない・なるべくなら売れた方が嬉しい」という意志も内包した趣味ということです。以下、完全に持論です。 ①ゲームを知ってもらう 宣伝、箱絵、プレイ風景、特徴的なコンポーネント ②ゲームを買ってもらう(一次消費) 金額、所有欲、話題性 ③ゲームを遊んでもらう 面白さ、ルールの説明しやすさ、リプレイ性 ④ゲームを拡散してもらう 同卓プレイヤーへの認知、SNSへの拡散、クチコミ、レビュー ⑤ゲームを買ってもらう(二次消費) ⑥ゲームを遊んでもらう ・・・ というサイクルができると、そのゲームは売れている。と言えると思います。①や②は当然意識すると思います。③もそりゃそうだろと思うでしょうが、「くりかえし」遊んでもらうことが肝心です。これはその場で連続で遊んでもらう という意味ではなく、ゲームの所有者が繰り返し遊びの場に登場させてくれるか?ということです。私にとっての成功とは、数年後…十数年後でもたまにSNSなどで遊ばれた記事(話題)が出てくることです、こうなったら勝ちだと思ってます。 あなたは持っているゲームを誰かと遊ぶとき、どうやってゲームを選択しますか? 1つの方法として、一緒に遊ぶ人に応じてゲームを選ぶのではないでしょうか。このゲームを遊ばせたい、このゲームならインストが楽、このゲームなら楽しんでもらえそう、こういった思考ではないでしょうか。この方法の時どんなゲームでも選べる人は恵まれた環境と言えます。 つまり、ルールが複雑でインストが困難 だとか、初心者には難しすぎる だとか、時間が長くて逆転の要素が少ない、といったゲーマーズゲームは選ばれにくい傾向にある、と思います。(ゲーマーズゲームが売れないということでは無い) ゲームの説明が楽、は所持ゲームを選ぶ時にとっても重要な要素だ、ということです。 巻き戻せるのは本人だけ ボードゲームを作った人なら分かると思います。ゲームを作る時、様々な検証を試します。Aパターン、Bパターン、Cパターン、C-1、C-2、C-3…と、どんどん枝別けしてテストを繰り返し、システムを面白くしていくのですが、ダメだったらどうするか?一般的にはDパターンの枝別けをはじめるわけですが、AかBまで戻る方法もあります。そしてこの巻き戻りを提案してくるテスターはまず居ません。これまでの経過を知っているならなおさらでしょう。元の方が良くない?って言いにくいですよね。 今回のゲームに当てはめると、Dパターンまで作ってみたが、これはこれで一旦脇に置いておいてAパターンに巻き戻した、ということです。これは勇気のいることのように思われるかもしれませんが、このゲームが無くなるわけではありません、塩漬けしてもいいですし、他のゲームのアイデアにしてしまうこともできます。 このゲームは上記①②まではいくが、トリテにしては説明が大変(特殊能力と課題の説明が必要)で毎ラウンドの前置きが長い(特殊能力の選択と処理)ので③のハードルが高いのです。ディベロップ方法としては、トリテと思わせない(ブライアンボルのような)演出にしたり、特殊能力について能力の簡略化と選択処理の自動化で要素を削っていく方法があります。 見せたいものだけにする 今回の主題は「手札分け」でした。これを注目させるにはもはや全員に特殊能力~とか様々な課題~などと言ってられません。手札分けの発想が生まれた当初、かたっぱしに色んなトリテに手札分けを入れて試していてそれが機能していることはわかっていました。取りたくない(ハーツ)系のトリテにすることで、手札分けによるカードを隠す要素が活きるし、トリックを取るとわずかにプラス点があることも意図的なボイド要素を活かせます。課題達成のように手札分けを惜しみも無く活かせるわけではありませんが、特徴的な部分を強調することができました。 テストプレイ会の時、Dパターン(魔法使いの課題達成トリテ)をテストしてもらった後「実はちょっとオマケみたいなゲームがあるんですがやってもらっていいですか?」といってAパターン2種をテストしてもらい好評を得て採用となったのです。 足し・引き ・Dパターンの名残りで、ウィドー(配られてないカードと手札を2枚交換する)能力を足してます。 ・手札を配った後で、切り札の最高ランク所持者が手札を分けるのですが、この条件はプレイヤーの納得感・分かりやすさ・説明しやすさを重視した結果です。 訳あってベータ版(序)になったしまいましたが、製品版(多分 破)ではもしかすると上記は変更されるかもしれません。手札分けをプレイヤーにやらせたいのに、持ち回りでは無く条件にしています、これは4、5人戦でプレイ人数と同じ回数のラウンドでゲーム終了では”長い”と判断したからなのです。 ●切り札の最高ランク → 一番強いカードだから手札分けできる ●前回ラウンドの最後のトリックを取った → マイナスを多く被っているからウィドーできる プレイヤーが納得できるように上記の理由にしているが、2種の能力をぐるりと持ち回りにすれば、4人プレイで2ラウンド行えば少なくてもどちらかの能力は使えるので、こういう方法で不満を解消する方がいいのかもしれない。
- 2024/4/18 0:42
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- デザイナーズノート Pompiers! (ポンプ消防隊)
- 「そんなことよりトリテ作ってください」と長谷川登鯉さんが言うではないですか、 ならば良き絵を描いてくれるだろう、てな感じで始まりました。 システム的な話 私が最初に買ったトリテはなんとヴァス・シュティッヒ!なぜならとあるブログに「これ買っとけば他のトリテ要らない」と書かれていたからです。トリテのトの字も知らない状態でのヴァス・シュティッヒはまさに地獄でした。が、それはまた別のお話。このゲームは推理の前半と、トリテの後半に分かれており、このトリテの部分だけを抽出して遊びたいと常々思っていたわけです、でもまったく同じでは芸がないので(1)プレイヤー共通の課題にする(2)ヴァスシュティッヒには無い課題を入れる。を考えていったわけです。 当初はラウンド毎に数枚の課題が全て入れ替えていたのですが、良い組み合わせと、そうもでもない組み合わせの波がありすぎでした。そこでゲームに安定をもたらすべく長期的な目標(基本課題)を作ったのです。これはこのゲームの核と言えるでしょう。この核をどうするか、「最後のトリックを取る」と「一度もトリックを取らない(ミゼール)」は必須でした。次にあるべきは「連続でトリックを取る」です。そしてこれに相反するアイデアが「上下のトリックを取る」でした。これはヴァス・シュティッヒには無い課題で、Pompiers! 特有と言えます。 この「上下のトリック」および「〇トリック目を取る」を明確にする為に、獲得トリックを並べる必要があったのです。これはプレイヤーごとに並べていますが、テーブルの中央に共通の場としてプレイヤーカラーのカードやマーカーを使って表現してもよかったかもしれません。これはプレイアビリティ向上の改良余地ありです。 「手札の配り運」はカードゲームの命題です。このゲームでは課題の得点バランスで配り運の軽減を計りました。「沢山トリックを取ることより、少なくトリックを取ることの方が得点が高い」ようにしたのです。ミゼールには意味があります。ゲーム中一度でもミゼールすれば5点、と高い点です。これは6~8点でもよかったかもしれません。ですが、その代わりに「単独でミゼールをすると次のラウンドの切り札を選べる」という特権を付けました。この方がワクワクするんです。プレイヤーに「ミゼールをしなければならない」ではなく「うまいタイミングでミゼールしてやるぞ」と思わせたかったのです。 ラウンド毎の短期目標である「緊急課題」はゲームの準備で1枚を「基本課題」とします、ラウンドが進むごとに1枚、2枚…と使用するので本来16枚ないしそれ以上あるべきです(14枚しかない)。これは余分な課題を入れたくなかった 為です。「〇色を最も多く取る」と「〇色を取らずに1トリック以上」の課題は3色分しかありません。また同じタイルは複数枚ありません、これは同種の課題だけになるのを避けた為です。基本課題とのシナジーが強いものだけ採用した少数精鋭なのです。…とは言ったものやはり16枚以上あった方がよかったかもしれません、今はラウンドが進むごとに1枚、2枚…ですが、「毎ラウンド3枚使用する」とういうバリアントルールを採用できるからです。そしてシステムとしても綺麗だ!最終ラウンドにそれまでのラウンドで誰にも獲得されなかった課題が再び使用される、というのは怪我の功名というべきアイデアです、逆転の可能性が増すのでプレイヤーにワクワクさせることができます。※1枚も繰り越しが無かったらごめんな!テストではおおよそ1~2枚が最終ラウンドに持ち越されてたんだ! 課題達成条件が同点だった場合の処理も、かなり苦労しました。システムの話をしてると改善点が浮き彫りになってしまう…心が耐えられない、もうこのくらいにしよう コンセプト的な話 課題クリアのトリテ、消防士、外国語版に日本語ルールを貼る、これらずっと温めてたアイデアを全部足すことにしました。特に「日本語ルールを後から貼る」はこれまで実現不可能と思っていたのですが、登鯉さんに話すとそりゃあもうノリノリなわけですよ、ですが私はルールライティングが病的に下手、絶対条件である「メビウスさんっぽい日本語ルール」は夢のまた夢だったのです。 矢沢健太郎氏に白羽の矢が立ちました、老師敬服のあの人です。マジか。メビウスっぽい日本語ルールに準拠してライティングしてくれるのです。つまりこれが着地点、日本人ユーザーはこれを読んでゲームを理解するのです。しかし箱に入れる英語ルールも作らないといけません。ユーザーが日本語ルールを読んでもよく分からない部分があった時、英文ルールを読んで「ああなるほどな」と理解させたいわけですよ。よってカッチリした内容の書かれた英文ルールと、読みやすい文体のメビ準日本語ルールを用意する必要があったのです。 ゲーム作りで面白いのは、ルールを分かりやすくするためにシステムを削る ことがある。ということです。システムに論理的な正解があったとしても、遊びやすさを重視した方がいいことがあります。本来目的達成が同点の場合の処理は大変面倒なものでしたが、矢沢君から、文章が長くなりすぎる。とご指摘がありました、プレイしてても同点の場合は何だっけ?と余計なことに気が向いてしまいます。これは思い切ってバッサリ切りました。 それでも改良の余地がありそうではあります… 英訳はcoZy さんにお願いしました、英タイトルの Pompiers! も同氏の案です。日本語タイトルの ポンプ消防隊 が先に決まってました、私は FIRE FIGHTERS とかそんなんでいっかな?と思っていたんですが良い音の言葉を見つけてくださいました。元々フランス語みたいです、英語ではポンピエと発音するようです。 さあもう後には引けません。登鯉さんに頼んだことは、昔のカードゲーム調、手書き感を出す、躍動線(動きを表す線)入れて、関節は無くして、そしてイメージに近い画像を送りました。サークルロゴは「昔はこんなロゴでした風」、よくわからん会社のロゴ、箱裏はビックリマンシールの裏みたいな感じ。で、これですよ、最高か。 メビ準ルールは矢沢さん主体です、日本語タイトルのポップ体とグラデーション、数字だけ半角、見出しの網掛け、用例の外人名、印刷ズレ、A4コピー用紙、巻末のロゴ、破けやすい袋(これは再現できてない…) タイルに貼る日本語シールも重要です。これはみんな反対しました「無くても分かる」と。私もそう思います、このくらいの英語ならまぁ分かるし、分かりやすいイラストもあるからです。 だが断る。必要です。「これは貼る必要ないんじゃないか」と思わせる為に必要なんです。 反対に、絶対にやっちゃマズいな、と思ったのはメビウスさんの「日本語解説書付き」シールです。このシールにメビウスさんの魂みたいなものを感じていたので。海外のゲームを輸入して、日本語に翻訳して、これは確かなものだという「証」だと感じたからです。 こうして英語タイトル、箱も英語、中に英語ルールしてシュリンク、その後で日本語ルールと和訳シールを袋に入れて、箱裏に貼りつける、というスーパー面倒くさい製法になってしまいました。はたしてこれは意味があるのでしょうか?あるみたいです。多くの人が「良いね」と言ってくれました。効率的でない、一見無駄に見えることに人は感動を感じるんだなぁ、としみじみ感じました。これはメビウスが長きに渡ってボードゲーム界をけん引してきた歴史と、それに育てられた多くのボードゲーマーの愛である、と思います。
- 2019/5/19 23:22
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