按理具庵

「あんりぐあん」 と読みます。駆け出しの発明家が勢いで一人起業してしまった会社です。

陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)をトランプの再発明として創作しました。

しなり折りカード立てが第一発明品で、これを応用した紙製ミープルやチェス・将棋駒に展開中です。

FESCAポーカー(改訂版)
2026/7/29 11:57
ブログ

FESCAポーカーの改良


◆動機

陰陽五行札FESCA(フェスカ)用のポーカーは別名ミクセルポーカーとして定義していました。ここで生まれたミクセル(MW)役やハーフフラッシュ(HF)役をタロット構成に適用してタロットポーカーができました。そしてタロットポーカーを標準トランプで遊ぶために考えたコートポーカー3種において、「弱役を増やす」目的からカラーフラッシュ(CF)役が新たに生まれました。今度はこのCF役をFESCAポーカーに逆輸入することを考えたとき、FESCAポーカーの役をもっと分かり易く、役バランスを良好に改良できると思い至りました。


◆P1分割

トランプは赤と黒に2色分けスートがありますが、FESCAは基本元素の5色と陰陽が白黒の2色の構造で単純にCF役を適用できるわけではありません。でもワンペア役を色の組み合わせで分割すると云うアイデアは、弱役を増やして役バランス調整するには最適な考え方です。(5+1)スートなので五元素の中から2枚を選ぶワンペアと片方に陰陽を含むワンペアの2つに分割できて、それぞれの組み合わせの数は前者が5C2=10と後者が5C1・1C1=5で2:1になって倍半分の差ができて上手く役分割ができます。
 

◆MW分割

MW役は陰陽を除く五元素集めの役でしたが、弱役を増やす目的からは6スートから5つ集める単純なMW役の方が発生確率が大きい弱い役になるため採用としました。すなわち生成条件が「きつい」ミクセル役から「ゆるい」ミクセル役への改変となります。ただし弱役の数を増やすことも改善になるので、五元素ミクセルと単なる5スート集めのゆるいミクセル(陰陽を含む)に分割して両方を採用することにしました。
 

◆複合役の削除

弱役を増やすと役の数ばかり増えて複雑化するので役の数を減らすことも考えます。
先ずMW役の条件変更に伴い、MWとST,FHの完全複合役であるストレートミクセル(STMW)とフルハウスミクセル(FHMW)を廃止としました。すなわちSTMWは単なるST役にFHMWはFH役に吸収されます。ただし複合役の補役とてのMW役は有効なので、同じST役どうしであれば補役のMWがある方がより強いと判定します。元々STMWとFHMWは発生確率が小さい強い役なので、同時発生の頻度は極めて少なく、より低位の役に含めても実用上は問題ないし、役を増やして複雑化するより単純な分かり易さを優先するという判断に拠ります。
もうひとつの完全複合役であるストレートハーフフラッシュ(STHF)役も簡略化のため同様にST役に含むことにしました。


◆HF分割

ハーフフラッシュ(HF)役は陰陽の枚数と五元素の枚数の違いで発生確率が異なり、同じHF役なのに陰陽スートの枚数で強さが異なるという複雑さがありました。タロットポーカーでは追加札の枚数が1,2,3,4枚の4通りで、どれが一番強いのか直感的に判断ができず、役表の補足を見なければ強弱の判断できないのが問題でした。
幸いFESCAではタロットポーカーの追加札に相当する陰陽札の枚数が基本スートのランク数と等しいため4通りの組み合わせではなく2通りで済みます。すなわち5枚の内の五行札と陰陽札の枚数が(3,2)と(4,1)です。組み合わせ計算では偏りの大きい(4,1)の方がよりでき難くて強い役になります。よってHF役はHF32とHF41役に明確に分割することにしました。


◆ST条件の変更

「場合の数」を計算すると弱い方からMWe,HF32, ST, HF41の順になります。2つのHF役に挟まれるST役が気になります。そこでストレート(ST)役に関しても見直しを行い、より単純で分かり易くするための改良を施します。従来のSTは空無札をZAT(Zero And Thirteen)扱いで「0でもあり13でもある」としていました。
これによりZATを含むすストレートは(Z,1,2,3,4),(12,Z,1,2,3),(11,12,Z,1,2),(10,11,12,Z,1),(9,10,11,12,Z)の5通りあり、12と0を繋ぐリング構造で13通りのストレートパターンが在りました。このZATをトランプのA(エース)と同様の両端のどちらか片方に繋がるZOT(Zero Or Thirteen)「0か13のどちらか」扱いに変更します。
これでZOT空無札を含むパターンは(Z,1,2,3,4),(9,10,11,12,Z)の2通りで、全体では13通りから10通りとなり、この定義によれば組み合わせパターンの減少に伴い生成確率が下がり役順はMWe,HF32,HF41,STと変化します。またHF=HF32+HF41で計算してもMWe>HFのため役順はMWe,HF,STのままになります。単純化と分かり易さを目的とした場合、ST役の定義は「空無はZOT扱い」が良さそうです。空無札はトランプのAと同じで両端に繋がると覚えれば馴染み深くいてよいでしょう。
このST役の条件変更により役順が単純化されHF32とHF41が隣接して、まとめてHF役として扱うこともできます。同じHF役どうしでHF32とHF41は補役とみなしてHF41の方が強いとしてもよいことになります。

◆グラフで比較

従来のFESCA78ミクセルポーカーと改訂版のFESCA78ポーカー役を稀度でグラフ化て比較します。また「ゆるい」MW役への変更とSTFH,STMW,FHMWの削除のみ対応した中間形態をF78lsとして示します。改訂版はF78eyとして、この中間形態からP1分割(P1e,P1y)とMW分割(ゆるいMW,きついMW)を施したものになります。
きついMWは従来のミクセルで5元素(elements)のみでMWeと表記して区別します。


◆K5の統合

このグラフ作成中にゲムマ2026春版から一部修正した方がよいことに気づきました。
ZATリングストレートからZOT両端ストレートへの変更を決めかねていて、K5とK5eの役分割が元のミクセルポーカーから残ったままでした。完全複合役3つを削除したついでに単純にK5のみとした方が分かり易かったのですが、ZATリングではストレートフラッシュ(SF)役と全く同じく「場合の数」が78になってしまい、役順を明確にするためK5,K5MW⇒K5,K5eと名前だけ変えて残してしまったのです。
ZOT両端に変更するとSFは60に減少するためK5分割も合わせてなくすべきでした。


◆役名の変更

これをRev.1.20として修正します。またMWも分割が分かるように略名をMWy,MWeに修正しました。yが付いている方が陰陽(Yin/Yoh)スートを含むMW役です。
FESCA72の役表に関しても合わせてK5分割をなくしました。FESCA65とFESCA60に関しても役表を作成しましたが、この2構成は陰陽札を含まないためP1分割とMW分割がありません。よって従来のミクセルポーカーとの違いはSTMW,FHMWの完全複合役の削除のみとなっています。標準トランプのポーカーと比較してもMW役とK5役の2つが増えただけなので、単純に5スートのトランプのポーカーと云えます。

 

TESCA(テスカ)ポーカー役


◆弱役の新設

FESCAのサブセットデッキの(3+1)スートのTESCA52ポーカーに関しても弱役を増やす改良を試みます。


P1分割に関しては、残念なことに陰陽を含む・含まないペアで分割しようにも両者の発生確率が同じとなってしまい強弱が付けられません。またミクセル役に関してもTESCAでは三元素(緑・赤・青)と陰と陽(黒・白)の5色集めと特殊な形を採用しているため弱役化の方法がありません。
そこで弱役を増やす方法としてコートエクストラポーカーで生み出した追加札の3,4枚役を採用としました。陰陽3枚(YY3)役と4枚(YY4)役ですが、実質的に弱役を増やす目的に寄与しているのはYY3役の方でP1とP2の中間に位置しています。一方のYY4役は従来のセミフラッシュ(SeF)役と極めて近接してしまいます。そこで不本意ながらSeF役を不採用として対策としました。


◆構成の変化

ここまでがデムマ2026春のRev1.00のお話で、月日が経つとそれなりに改善案が生まれます。P1分割を諦めセミフラッシュ役を削除した妥協の産物のTESCA52でしたが、FESCA構成の七変化を思い出して他の構成も試してみようと思い付きました。
TESCA52から太極札(空無のZAT)を削除するTESCA51、空無札4枚を削除するS(3+1)R12構成のTESCA48、さらにTESCA48に太極札を加えたTESCA49があります。
陰陽札全てを削除するS3R(12+1)構成のTESCA39やS3R12構成のTESCA36も考えられますがFESCA,TESCAポーカーの特徴であるミクセル役が無くなってしまうので、これらは対象外とします。よってTESCA51,48,49の3種を試してみることにします。

TESCA52の問題は三元素のランク数(Re)と陰陽のランク数(Ry)が同じであるため、P1eとP1yのスート組み合わせ数が3:3と一致して役の強弱がつけられないことでした。
ランク数の対称性を崩しRe=13,Ry=12とするTESCA51では陰陽を含むワンペア(P1y)の組み合わせがランク一つ分だけ少ないので組み合わせ総数でも差が出てきます。
またTESCA52のセミフラッシュ(SeF)役と陰陽4枚(YY4)役は「場合の数」の計算値が一致する原因もRe=Ryにあります。SeF役は5枚中の4枚が同じスートで他の1枚が陰陽スートである役です。一方でYY4役は4枚が陰陽スートで他1枚は三元札と、役名は異なっていても構造的には全く同じ、すなわち4枚同じスートで1枚が異なるスートと云う組み合わせですから必然的に計算値が同じになるのです。Re≠Ryとランク数を変えて対称構造を崩すことで、計算値に差ができて強弱の区別ができるようになります。

TESCA48ではRe=Ry=12と対称構造でTESCA52と同じ問題が出て不適な構成になります。TESCA49はRe≠Ryで非対称で良さげですが、太極札1枚ではZのワンペア組み合わせができないため、P1eとP1yの組み合わせ総数が同じになります。SeFとYY4の方は差ができて大丈夫なのですがP1分割が不適となります。
TESCA51以外の3構成は不適なのですが、一応それぞれの役表を示しておきます。
P1eとP1yが異なる値になっており使えそうにも見えますが、これはP1より上位のスート系役の影響によるものです。例えばP1とMXの複合役では5枚で5色別々でミクセル(TESCAではスートでなく色で判定:区別のためMWでなくMXと表記)役を形成していて、そのうちの2枚のランク一致がのP1となっており、より高位の強い役がMXで主役となり複合する補役がP1となります。役の「場合の数」は当然ながら高位のMXにカウントされます。スート役は陰陽札を含む役が多いため必然的にP1yの方がP1eより少ない数になります。原理的にワンペアの数で比較するとP1eとP1yは同じで強弱を決められないので役分割はすべきではないです。
TESCA48はTESCA52と同様にP1分割なしでSeF役不採用なら使えますが、やはりTESCAポーカー役として推奨できるのはTESCA51構成のみとなります。

HexaS(ヘキサス)ポーカー役

FESCAは(5+1)スートを特徴としたデッキですが、陰陽を他の五元スートと対等な扱いとする6スート構成の汎用デッキとみなすこともできます。6つのスートの正則デッキは6の接頭子のHexa(ヘキサ)とSuit(スート)の頭文字のSと組み合わせHexaS(ヘキサス)と称しています。このHexaS78構成のポーカー役も考えてみました。
ワンペアは完全に対称な扱いで6スートから2スートを選ぶ組み合わせのランク一致で計算します。MWも6スートから5スートを選ぶ組み合わせで計算されます。このままでは標準ポーカー役にMW役が追加されただけで面白くありません。
ハーフフラッシュ(HF)役に相当するスート系役を考えたとき、半染めの代わりで二色染めがあります。HFも同じ二色染めではありますが片方の色が陰陽に限定されているところが違います。ヘキサスでは6スート中から2色を選べるので組み合わせ数はFESCAのHFより多くなり、弱いスート系役となります。役の名前は2の接頭子のBi-(バイ)と色のColor(カラー)を合成してバイカラー(BC)と決めました。HFと同様に(3,2)と(4,1)の枚数で分割してBC32,BC41としています。
 


PDF

https://img.gamemarket.jp/20260729_122557_FESCA_PokerHands_v140.pdf FESCAポーカー役Rev1.40


関連

https://gamemarket.jp/blog/149204 ミクセルポーカーF78とF60の比較
https://gamemarket.jp/blog/142097 FESCA78ミクセルポーカー役の確率計算
https://gamemarket.jp/blog/139138 FESCAでもっともっとミクセルポーカー
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https://gamemarket.jp/blog/97981 FESCA60ポーカーを考える

https://gamemarket.jp/game/188708 レッサータロットでポーカー


変更来歴

2026.07.29 公開直後に編集間違いに気付き修正しました。「◆MW分割」の部分 Heading2→Heading3

2026.07.29 以下を修正。
誤)完全合成役3つを削除したついでに単純にK5のみとした方が分かり易かったのですが、
正)完全複合役3つを削除したついでに単純にK5のみとした方が分かり易かったのですが、