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シロップゲームズ

ブログ2019年05月19日(日) 23:22

デザイナーズノート Pompiers! (ポンプ消防隊)

「そんなことよりトリテ作ってください」と長谷川登鯉さんが言うではないですか、
ならば良き絵を描いてくれるだろう、てな感じで始まりました。

システム的な話
私が最初に買ったトリテはなんとヴァス・シュティッヒ!なぜならとあるブログに「これ買っとけば他のトリテ要らない」と書かれていたからです。トリテのトの字も知らない状態でのヴァス・シュティッヒはまさに地獄でした。が、それはまた別のお話。このゲームは推理の前半と、トリテの後半に分かれており、このトリテの部分だけを抽出して遊びたいと常々思っていたわけです、でもまったく同じでは芸がないので(1)プレイヤー共通の課題にする(2)ヴァスシュティッヒには無い課題を入れる。を考えていったわけです。

当初はラウンド毎に数枚の課題が全て入れ替えていたのですが、良い組み合わせと、そうもでもない組み合わせの波がありすぎでした。そこでゲームに安定をもたらすべく長期的な目標(基本課題)を作ったのです。これはこのゲームの核と言えるでしょう。この核をどうするか、「最後のトリックを取る」と「一度もトリックを取らない(ミゼール)」は必須でした。次にあるべきは「連続でトリックを取る」です。そしてこれに相反するアイデアが「上下のトリックを取る」でした。これはヴァス・シュティッヒには無い課題で、Pompiers! 特有と言えます。

この「上下のトリック」および「〇トリック目を取る」を明確にする為に、獲得トリックを並べる必要があったのです。これはプレイヤーごとに並べていますが、テーブルの中央に共通の場としてプレイヤーカラーのカードやマーカーを使って表現してもよかったかもしれません。これはプレイアビリティ向上の改良余地ありです。

「手札の配り運」はカードゲームの命題です。このゲームでは課題の得点バランスで配り運の軽減を計りました。「沢山トリックを取ることより、少なくトリックを取ることの方が得点が高い」ようにしたのです。ミゼールには意味があります。ゲーム中一度でもミゼールすれば5点、と高い点です。これは6~8点でもよかったかもしれません。ですが、その代わりに「単独でミゼールをすると次のラウンドの切り札を選べる」という特権を付けました。この方がワクワクするんです。プレイヤーに「ミゼールをしなければならない」ではなく「うまいタイミングでミゼールしてやるぞ」と思わせたかったのです。

ラウンド毎の短期目標である「緊急課題」はゲームの準備で1枚を「基本課題」とします、ラウンドが進むごとに1枚、2枚…と使用するので本来16枚ないしそれ以上あるべきです(14枚しかない)。これは余分な課題を入れたくなかった 為です。「〇色を最も多く取る」と「〇色を取らずに1トリック以上」の課題は3色分しかありません。また同じタイルは複数枚ありません、これは同種の課題だけになるのを避けた為です。基本課題とのシナジーが強いものだけ採用した少数精鋭なのです。…とは言ったものやはり16枚以上あった方がよかったかもしれません、今はラウンドが進むごとに1枚、2枚…ですが、「毎ラウンド3枚使用する」とういうバリアントルールを採用できるからです。そしてシステムとしても綺麗だ!最終ラウンドにそれまでのラウンドで誰にも獲得されなかった課題が再び使用される、というのは怪我の功名というべきアイデアです、逆転の可能性が増すのでプレイヤーにワクワクさせることができます。※1枚も繰り越しが無かったらごめんな!テストではおおよそ1~2枚が最終ラウンドに持ち越されてたんだ!

課題達成条件が同点だった場合の処理も、かなり苦労しました。システムの話をしてると改善点が浮き彫りになってしまう…心が耐えられない、もうこのくらいにしよう

コンセプト的な話
課題クリアのトリテ、消防士、外国語版に日本語ルールを貼る、これらずっと温めてたアイデアを全部足すことにしました。特に「日本語ルールを後から貼る」はこれまで実現不可能と思っていたのですが、登鯉さんに話すとそりゃあもうノリノリなわけですよ、ですが私はルールライティングが病的に下手、絶対条件である「メビウスさんっぽい日本語ルール」は夢のまた夢だったのです。

矢沢健太郎氏に白羽の矢が立ちました、老師敬服のあの人です。マジか。メビウスっぽい日本語ルールに準拠してライティングしてくれるのです。つまりこれが着地点、日本人ユーザーはこれを読んでゲームを理解するのです。しかし箱に入れる英語ルールも作らないといけません。ユーザーが日本語ルールを読んでもよく分からない部分があった時、英文ルールを読んで「ああなるほどな」と理解させたいわけですよ。よってカッチリした内容の書かれた英文ルールと、読みやすい文体のメビ準日本語ルールを用意する必要があったのです。

ゲーム作りで面白いのは、ルールを分かりやすくするためにシステムを削る ことがある。ということです。システムに論理的な正解があったとしても、遊びやすさを重視した方がいいことがあります。本来目的達成が同点の場合の処理は大変面倒なものでしたが、矢沢君から、文章が長くなりすぎる。とご指摘がありました、プレイしてても同点の場合は何だっけ?と余計なことに気が向いてしまいます。これは思い切ってバッサリ切りました。
それでも改良の余地がありそうではあります…

英訳はcoZy さんにお願いしました、英タイトルの Pompiers! も同氏の案です。日本語タイトルの ポンプ消防隊 が先に決まってました、私は FIRE FIGHTERS とかそんなんでいっかな?と思っていたんですが良い音の言葉を見つけてくださいました。元々フランス語みたいです、英語ではポンピエと発音するようです。

さあもう後には引けません。登鯉さんに頼んだことは、昔のカードゲーム調、手書き感を出す、躍動線(動きを表す線)入れて、関節は無くして、そしてイメージに近い画像を送りました。サークルロゴは「昔はこんなロゴでした風」、よくわからん会社のロゴ、箱裏はビックリマンシールの裏みたいな感じ。で、これですよ、最高か。

メビ準ルールは矢沢さん主体です、日本語タイトルのポップ体とグラデーション、数字だけ半角、見出しの網掛け、用例の外人名、印刷ズレ、A4コピー用紙、巻末のロゴ、破けやすい袋(これは再現できてない…)

タイルに貼る日本語シールも重要です。これはみんな反対しました「無くても分かる」と。私もそう思います、このくらいの英語ならまぁ分かるし、分かりやすいイラストもあるからです。
だが断る。必要です。「これは貼る必要ないんじゃないか」と思わせる為に必要なんです。
反対に、絶対にやっちゃマズいな、と思ったのはメビウスさんの「日本語解説書付き」シールです。このシールにメビウスさんの魂みたいなものを感じていたので。海外のゲームを輸入して、日本語に翻訳して、これは確かなものだという「証」だと感じたからです。

こうして英語タイトル、箱も英語、中に英語ルールしてシュリンク、その後で日本語ルールと和訳シールを袋に入れて、箱裏に貼りつける、というスーパー面倒くさい製法になってしまいました。はたしてこれは意味があるのでしょうか?あるみたいです。多くの人が「良いね」と言ってくれました。効率的でない、一見無駄に見えることに人は感動を感じるんだなぁ、としみじみ感じました。これはメビウスが長きに渡ってボードゲーム界をけん引してきた歴史と、それに育てられた多くのボードゲーマーの愛である、と思います。

ブース名

シロップゲームズ

シロップゲームズ

ブース番号

2019春 土-M49-50 体験卓あり

ブース詳細

しろうさんのプロデュースするゲーム

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