なおちゃん工房 @64SxV68OJS50943
オリジナルボードゲームを作成しているなおちゃん工房です。2025秋ではハート&ダガーというミニマル心理バトルゲームを頒布します!
- ハート&ダガーは何故面白いのか作った人が解説してみる
- 2025/10/20 1:28
えらいタイトルだ。
何を隠そう2025年秋のゲムマが初出展のなおちゃん工房。
ブログのタイトルくらい大きく出ないと心が折れそうなのである。
初の頒布品であるハート&ダガーの面白い点を是非とも解説させてください。
ハート&ダガーのルールは次のようなもの。
カードは短剣、盾、心臓の3種類。
短剣5枚、盾5枚、心臓5枚、計15枚の手札を2人のプレイヤーがそれぞれ持って対戦する。
お互いに好きなカードを1枚選び裏向きに場に出した後、せーのでオープンする。
カードの組み合わせでポイントが発生する。
短剣VS心臓 短剣側が1ポイント獲得
短剣VS盾 ポイントなし 短剣が無駄になってしまう
盾VS心臓 ポイントなし 心臓が無傷で捨てられる
短剣VS短剣 盾VS盾 心臓VS心臓 いずれもポイントなし
一度場に出したカードは手札には戻せない。
15枚全てのカードを出し終えた時、ポイントの多いプレイヤーが勝ち。
と、ざっくりしたルールはこのような感じ。
よく言われるのは「3すくみのじゃんけんみたいなゲームだね」「カイジの限定じゃんけんやEカードみたいな感じ?」という感想。
はい、合ってます!じゃんけん系のゲームですね。
ところが厳密に言うとじゃんけんやEカードのような3すくみにはなっていないのです。
じゃんけんは言わずもがな綺麗な3すくみですね。
どの手を出しても条件はいっしょ。
Eカードはめちゃくちゃ偏った3すくみ。
皇帝が圧倒的に強く、奴隷が圧倒的に弱いという偏りを利用した心理戦です。
圧倒的に強い皇帝ですが奴隷には倒されてしまうので3すくみは保っています。
ところがハート&ダガーはどうでしょう?
ポイントが発生する組み合わせは短剣VS心臓のみ。
つまり短剣は引き分けることはあっても負けることは絶対にないのです。
反対に心臓は引き分けることはあっても勝つことは絶対にないのです。
つまり短剣→盾→心臓という明確な強さのカーストが存在するわけです。
この「絶対に負けないカードが存在する」というゲーム、果たして成立するのでしょうか??
はたまた「絶対に勝てないカードが存在する」というゲームはどうでしょう?
ハーダガはそのどちらも含んでおりますがきちんと成立しています。
ここがこのゲームの最大の面白ポイントかと思います。
短剣はその最強さゆえ「絶対に無駄にはできない」という緊張感が生まれます。
盾でガードされてしまえば貴重な5枚の内の1枚が無駄になってしまうのです。
心臓も同じです。
その最弱さゆえ「絶対に無傷で捨てなければ」という緊張感が生まれます。
相手が盾を出した時に心臓を出せれば5枚の内の1枚を無傷で逃せるのです。
この「逃すことだけが目的のカードがある」と言う発想もこれまでのじゃんけん系ゲームにはなかった点かと思います。
絶対に負けないカードと絶対に勝てないカードの共存はゲームに破綻ではなく新たな戦略性をもたらしたわけですね。
自分の心臓はうまく逃しながら相手の短剣はガードし、チャンスが来たら相手の心臓を一突きに!
この超絶偏った不思議な3すくみで是非とも極上の心理戦に酔いしれてくださいませ。
