鯖書店

サークル名「鯖書店」です。代表の一圓光太郎と申します。



2019秋は新作紙ペンゲーム『鄭和、西海岸へ行く』を頒布いたします。よろしくお願いいたします。

『鄭和、西海岸へ行く』表紙について
2019/11/9 16:32
ブログ

 今回は『鄭和、西海岸へ行く』の表紙について説明します。

 ボードゲーム愛好家の間ではよく日本語版のパッケージデザインの良し悪しが話題になりますね。最悪なのはやはり、原作海外版ではかっこいいパッケージだったのに、日本語版には「きみだけの町をつくろう!」とか「お子様の創造力をはぐくむ!」とかいう無様なキャッチコピーが箱に直接印刷されているようなケースかと思います。

 本作『鄭和、西海岸へ行く』のパッケージ(表紙)デザインを検討するにあたっては、「このゲームを遊ぶには鉛筆と六面ダイス4個(別売)が必要です」という表記を入れることが必須と考えていました。しかし、タイトル以外の文字列は入れれば入れた分だけ箱絵が醜悪になっていく、ということは愛好家の間では常識となっているわけですから、何らかの回避策を考える必要がありました。
 そこで思い出したのが本の装丁です。1980~90年代の人文科学系の本には、カバーにやたらと文章が書いてあるようなデザインのものが多く見られました。代表的なデザイナーとしては戸田ツトムが挙げられるかと思いますが、とにかくパッケージに文章がたくさん書いてある方がかっこいいという時代があったのです。こうした流行はやがて廃れましたが、その名残とも言うべきものが岩波文庫のカバーではないかと思います。他の文庫本では裏表紙(表4)にこっそり書かれているような解説やあらすじが、表の一番目立つ部分に堂々と書かれているのです。
 こうしたことを思い出した私は、岩波文庫のパロディですとの主張を前面に打ち出すことで、「パッケージに文章書いたらダサくなるに決まってんだろ。そんなの常識だろ。何年この業界やってんだ」という批判を回避できるだろうと考えたのです。ただ、実際印刷してみたところ、今回の表紙はA4で、文庫本とはサイズがかなり違うことから、パロディとしてはいまいちだったなと感じました。