コザイク

『キャット&チョコレート』シリーズ、『シャドウレイダーズ』、『エムブリオマシン』、『ゲスクラブ』、『ぼくらなかよし』、パッケージ型マーダーミステリー『九頭竜館の殺人』、『人狼村の祝祭』、『あの夏の囚人』などを出版している株式会社コザイクです。

『名前はマダない』レビュー
2019/5/19 20:24
ブログ

 RAM CLEARさんの新作『名前はマダない』も遊ばせていただきました。

 基本的なルールは「世の中のあるあるだけど名前がついていない事象に名前をつける」というもの。いわゆる大喜利系ゲームなのですが、この作品は「ゲーム」というよりは「見て楽しむエンタメ」「ゲームという形式をまとったアート」だと感じました。

 普通、大喜利系ゲームはプレイヤーがお題に対するおもしろ回答を考えるだけですが、この作品の場合は最初から秀逸な「回答例」が各お題につき5つずつ用意されています。これらのクオリティがとにかく高い。しかも38枚のお題カードすべてに1〜4コマの、お題の「あるある」を説明するためのマンガがついています。ひとりで「回答例」と「お題マンガ」を眺めているだけでもニヤニヤできて、あっという間に時間が過ぎてしまいます。



 デザインも秀逸で、僕は、ボードゲームの優れている点のひとつとして「モノとしての質感=所有する喜びを与えてくれるところ」が挙げられると思っているのですが、『名前はマダない』は間違いなくこの要素を満たしてくれる作品です。マニュアルには「お題カードはポストカードとしても使えます。回答を書いて友だちに送りましょう」といったことも書かれていますが、そんなことをする人はいない! だれもが、これは手元にキープしておきたいと思うはず。

 さらに! マニュアルには書かれていませんが、個人的には「正式ルールとは逆の遊び方」もオススメです。やり方は単純で、用意された5つの回答例をだけを見てカード裏側の「お題」を当てるというもの。たとえば皆さん、「肉門」「現在過去未来」といった言葉を聞いて、どんな「あるあるだけど名前はマダない」事象を想像しますか??? 開封後に一度しかできない遊びですので、お題を見る前にぜひ試してください。いまはやりの(?)レガシーシステムですよこれは!

 見た目もプレイ感覚も、ヴィレッジヴァンガードや東急ハンズなどに置いてありそうな印象。いわゆる「ゲーマーではない一般人」と遊べるもの、オシャレな作品を探している方におすすめ!

※ゲムマでの販売価格は1,000円とのこと。
 気になった方はぜひ予約サイトをチェックしてみてください。