シノミリアプロジェクト

『理想の納豆』 『行けたら行くよ!』 『ギリギリカレー』『ブックメイカーズ』 を作りました。
最新作は『シノミリア』
ootuka.kengo@gmail.com

みかんからシノミリアまで
2019/5/10 21:16
ブログ

『シノミリア』-ギャンブル漫画の主人公のようなボードゲーム体験!!-
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今回の内容は以下の2つ
①「シノミリア」アイデア根幹について
②プロモーションについて(一部)


①「シノミリア」アイデア根幹について
いきなり余談ですが、ちょっと憧れがあります。
こう、女子オシャレフレンチ的な店に行ってワインが出てきたときに
「このワインはね、ある労働者たちが貧困の中‥‥」
みたいにうんちくを語るヤツ。

何の話かと言いますと、『シノミリア』をご購入いただいた方に
そういううんちくを語ってもらえたらうれ.しいなということで、
『シノミリア』がどう生まれたのかを少し書いておこうと思います。

まず、きっかけは10年前にアルバイトしていたときですね。
4人で働いてて、仕事を終えてみんなで事務所にあがったとき。
差し入れとして、20個のみかんが届いていました。

で、バイトリーダーの大塚はある提案を思いつきでなんとなくしました。

「20個のみかんが1時間後に何個残ってるか予想して紙に書いとこう。一番近い人が勝ちね」

このゲームは次のように展開しました。
・大塚ハンデを提案「僕は1個もみかんを食べない」
・全員残り個数を予想
・大塚と友人「俺らの予想個数は多い。だから全員みかんを食べるな」
・男子高校生と女子大生同時にみかんを食べ出す
・残り13個あたりで女子大生食べるのをやめる
・残り8個あたり男子高校生苦しみ出す
・残り6個、友人「お前だけに苦しい思いをさせないぜ!」とみかんを食べ出す
・残り5個、男子高校生みかんを食べるのをやめる
・友人みかんを食べきり残り0.ゲーム終了
・それぞれの予想公開。結果。友人0 男子高校生5 女子大生10 大塚0 勝者2人
・男子高校生、次の日お腹をこわす

そんな感じになりました。
はい。上記のルールを聞いただけで察した方もいらっしゃるでしょうが、
このゲームは“残り0個と書いてみかんを全て食べてしまえば必勝”です。

このゲームであったことをまとめると
1.残りの数予想を大きく書いた女子大生はこのゲームにおいて損な選択をしている
2.残りの数予想を小さく書いて一生懸命食べた男子高校生は可愛いし、お腹いたくなっている
3.残りの数予想を0にして、前半は後輩に食べさせて楽をした友人はカッコイイ
4.それすら読んで、0にして、1個も食べなかった僕はさらにめっちゃカッコイイ
そんな感じです。

この思い出を正しくゲーム化するにあたって、
良い部分を明確に表現、悪い部分は修正するという必要がありました。

具体的には、
1.大きい数字を書くという選択肢に意味を持たせること
2.みかんを食べるという行動にお腹をこわす様なリスクを負わせること
3.残り0と書いても自分はなかなか食べないという行動を評価すること
4.盤面を一切操作せず勝った自分にさらに明確なリスクを負わせること

そして何より、
“残り0個と書いてみかんを全て食べてしまえば必勝”ではなくすること

ただ、最後の一番重要な部分の変更がとても難しく、
この部分は上記のゲームの駆け引きのキモであり、
その穴を埋めるのはゲームの面白さの大部分を損なうことになります。

そこで、求められるのは抽象的な表現をすると、
“ふわっと蓋をしてあげる”必要がありました。

結果、どのように蓋をしたのかはこちらの竜也さんを観ていただければ伝わると思います。

[embed]https://www.youtube.com/watch?time_continue=483&v=ugx6sesnqrQ[/embed]

その他、それぞれのルールがどのような意図で作られているのかも語りたいですが、
そちらは攻略本の方に書きたいと思います。

②プロモーションについて(一部)
プロモーションについても文章にしてほしいとのコメントをいただきまして。

前提として、いろいろなすごい方々にご協力いただいていて、
僕が語れる部分はわずかですが、その一部を書いておこうと思います。

まず、『シノミリア』は当初非常に魅力を伝えづらい作品でした。
その理由はメカニクスの独自性で。

人に何かを伝えるときに最もわかりやすいのは
相手が知っている何かに例えて話す、ことだと思います。
例えば、「このゲームは正体隠匿系です」とか「トリックテイキング」の様にジャンルで説明できると、それを知っている相手にはどうようなゲームなのか伝わるし、そのジャンルのファンの方に購入してもらえるかもしれません。

が、『シノミリア』は上記の流れから制作してゲームであり、そうした伝え方ができません。

そこで、自分がプレイヤーにどんな風に楽しんでもらいたいのか、から改めて整理し、
定義したものがあります。

それが自分にとってのボードゲームの原体験である
“ギャンブル漫画の主人公のようなボードゲーム体験”
というワードです。

そんな風に例えられないゲームを例えてみました。

『シノミリア』プロモーションのあれこれは全てこの定義の元、作られています。

なので、プロモーションで唯一僕が仕事したことがあるとするならば、この定義付けをしたことです。

‥‥や、さすがに唯一ってことはないですね。
その他はシノミリア攻略本に書いてあります。

そんなシノミリア攻略本ゲムマでもわずかですが販売します。
よろしくお願い致します!

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