大塚健吾

『サラウアバク』 『シノミリア』 『理想の納豆』 『行けたら行くよ!』 『ギリギリカレー』 を作りました。

ボードゲーム《ブックメイカーズ》の作り方②【システム】
2018/1/9 0:00
ブログ

こんばんは。大塚健吾です。
作り方続きです。

前回のはこちらです。
http://gamemarket.jp/blog/book13/

本当は「1月2日誕生日でなんか興奮してるのでその勢いでいろいろ書いてしまおう」
という計画でしたが、その計画は頓挫です。
誕生日風邪で39度近い熱が出たりで、ひたすら寝ていました。

そんな訳で大分落ち着きました。興奮してません。
その分冷静に書けるのではないかなと思います。




前回の記事、一切読み直していませんが、
①テーマを考える
②テーマがどう面白いか考える
みたいな感じの内容だったのではないかと想像します。

20代の大塚はそんなような事を言うヤツです。
違ってたらすみません。
矛盾があったら基本30代のシブい大塚の方を信じてください。

『ブックメイカーズ』の制作期間は約1年ですが、
前述の①と②をやるのに2ヶ月くらいかかっています。
つまり、2ヶ月以上ゲーム制作と言い張ってダラダラ漫画を読んでいました。

それだけ“テーマについて掘り下げる”という作業は大事なんですよ!
という言い訳は説得力がありそうです。

で、続き。

③何をすればテーマの要素を楽しめるか考える
「ざっくりとしたシステムを考えよう!」でいいのかな。

作るゲーム(テーマ)がどう面白いのかはわかったので、
ゲームプレイ中にどんなことをしたら、ちゃんとそれを楽しむ事ができるのかを考えます。

前回と被るのかもしれませんが、
とにかく上記の2行だけを心がけて考える様にしています。

作る上で、結構うっとうしい敵がいて
ゲームは大体面白い
というのが。

システムを考えるといろんな要素を思い付いたりして、
そのどれもが結構魅力的で面白かったりするので、その結果、
「コレ元々何をしたかったんだっけ?」
ってなって、テーマを忘れたりするから厄介です。
そうなると失敗です。

いい例えかはわかんないですけど、
漫画『キングダム』とかゲーム『三國無双』が好きだとして、
【戦場を駆け回る一騎当千の主人公に感情移入できるから面白い】
というテーマにした場合、
作り始めた結果、なんやかんやで、
盤面を俯瞰で眺める『将棋』というゲームが出来上がってしまったら大失敗です。
将棋めっちゃ面白いけど。

【巧みな策を用いて全軍を指揮する軍師の疑似体験ができるから面白い】
というテーマで『将棋』が出来たら超大成功です。

で、『ブックメイカーズ』の話。

【少年漫画のトーナメント編を読んでる気持ちを感じられるから面白い】
というテーマです。

なので、とりあえず、“トーナメントがある”という部分は確定でいいでしょう。

まず、コレはないなと思ったのは




プレイヤーはトーナメントの参加者となり、優勝を目指す




というゲーム。
コレはコレで全然面白そうなんですけど、失敗になるパターンです。
“トーナメント編を読んでる気持ち”にはならないだろうなと。

②で挙げた、表現するべき少年漫画の面白さの根源に
・トーナメント編読んでてどのキャラが勝つのか優勝するのか気になる
・そもそも各試合でどっちが勝つのか気になる
というのがあり、
では、そこから素直に、それらを予想するゲームがいいだろう!と決まりました。

とはいえ、現実の少年漫画同様に、勝手に決まる結果を予想するのでは、
ゲームとして面白くないだろうと。
何かプレイヤーが勝敗の結果に介入できる要素が必要だろう!と決まりました。

ただし、全ての結果がプレイヤーの介入によって決まるのであれば、
“トーナメント編を読んでる気持ち”から離れてしまう。
なので、とはいえ全プレイヤーが介入できない部分は厳然と残そう!と決まりました。

そこからさらに、“トーナメント編を読んでる気持ち”には
・トーナメント編は主人公チームが敵同士の試合を観戦するところも面白い!
というのもありました。

「いいか?この試合に勝った方と俺達が戦うんだぞ!」
ってシーンのヤツです。

で、こんなん考えました。
主人公=勝って欲しいキャラクター
敵=それ以外のキャラクター

さらに、
敵同士の試合の重要性→主人公の対戦相手が変わるから
ならば、
対戦相手が変わる事によって試合が有利になったり不利になったり、
各キャラクターに相性をつけよう!と決まりました。

そして、
各キャラクターには相性だけでなく、
それぞれ個性をつけよう!と決まりました。

ついでにもう一個、
・トーナメント編はそもそも最初にトーナメント表が出た時点で大体展開わかる!
その理由はキャラクターの背景やストーリーのフリによるものです。

これは先に考えたキャラクターの相性により、トーナメントの展開を読むことができる。
ただし、それでは、キャラクターが記号になってしまうのではないか。
ゲームでも“キャラクターの背景やストーリーのフリ”による展開予想をしたい。
例えるなら、『喧嘩稼業』の十兵衛VS工藤を実現させたい!
各キャラクターにそうした動機を設定しよう!と決まりました。

大体そんな感じです。
一見、いろいろ考えてる様にも見えますが、
具体的には……って言うと全部ふわっとしています。

でも、このへんで、
数字やら何やらは適当に決めて、モック版を作りました。

この③は作業期間的には1週間ぐらいです。




という訳で、また長くなりましたが、今回は以上です。
いろいろ考えたのが結果的にどうなったのかはこちらご覧ください。

[nicodo display="player" width="500" height="330"]sm32407435[/nicodo]




追記 おまけ
【『キングダム』の作者原泰久さんからボドゲ制作を依頼されたらどうするか】

“戦場”を舞台にしたボードゲーム作品は総じて
“戦場の全てを俯瞰で見渡せる”
という物になっています。

や、まぁ、“ボード”ゲームである以上自然な事なんですが、
そのへんは『キングダム』の主人公の信の気持ちとは大分違います。

なので、こんな感じに
・各プレイヤーは自分のいる戦場しか見えない
 (主観視点を作る)
・各プレイヤーそれぞれのいる戦場で戦ってる

で、
・たまに聞こえるほら貝的な音を頼りにうっすら陣形作る
・微かに聞こえる「敵将討ち取ったりーー!!」の鬨で戦況うっすら把握

って感じのゲームになるんでしょう。

「大丈夫だ!きっとアイツ(他プレイヤー)は持ちこたえてくれているはず!」
「各戦場の仲間を信じて俺は対象首を取りに行く!」

とかそんな感じの会話になるゲームを作るんでしょう。

や、まぁ、依賴されてないですけど。




次回も来週火曜16日の0時に更新します。
ボードゲーム《ブックメイカーズ》の作り方③
内容は④フレーバーを考えるです。

つづきはこちら!
http://gamemarket.jp/blog/book15/