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【かつて皇女を戴冠させし者へ】「魔族の盟約」デザイナーズノート
2026/10/14 19:55
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皆様こんばんは。
「魔族の盟約」でゲームシステムを担当いたしました、符亀と申します。
今回Polygonotesさんと合作いたしました「魔族の盟約」について、ルール担当の目線から特徴をまとめた、いわゆるデザイナーズノートを書かせていただこうと思います。

前回はリメイク前の「皇継の書状」を知らない人向けにゲームの概要をまとめた記事でしたが、今回はリメイク元からどこが変わったのかを書いたものとなっています。
「皇継の書状」を遊んでいない方は、某騒動のせいで画像が消えていますがそのゲームページをご覧いただくか、前回の記事を読んでから、お読みいただければと思います。
あと、正直今回の方が読み応えがあると思います。なんせ、今回の内容の方がシステムの深いところをご紹介した記事なので。あと試行錯誤で苦労した記憶が鮮明なので。

 

・テーマが魔物に!
まず、分かりやすいので、私の担当部分ではないですがテーマについて書きたいと思います。
「皇継の書状」時代は皇女を戴冠させようというストーリーだったのですが、今作「魔族の盟約」では、魔王軍の復興へとテーマが変更されました。
これにより、全カードが新規キャラクターデザインで描き下ろされています。豪華すぎる。

この変更により、本作のメインギミックの1つである「カードをひっくり返すことによる強化」が、より魅力的になりました。
人間では無理だったド派手な変化ができるようになり、ビジュアル面でもひっくり返す楽しさが強化されたためです。

前作の皇女も、今作では竜に変身しました。そういう同人誌?

 

なお、本作を魔物テーマにしようと提案されたのはPolygonotesさん側です。流石のセンス。そのせいで全イラスト描き直しになるというのに。

 

・書状や使者がコマに!
「皇継の書状」は、場に並んだカードに「名手への書状」や「使者」というカードを置き、その効果を使うシステムとなっていました。
本作でもそのシステムは変わりませんが、置くものが「召喚石」や「魔冠」というコマに変わりました。
また、コマは「宝物庫」というプレイヤーそれぞれの置き場に置かれ、デッキを引き切った時のボーナスとしてコマを取れるようになりました。

ゲームの準備のイメージ (説明書より) コマがいっぱい!

 

置くもののコマ化により、プレイ感がリッチになりました。ですがそれ以上に、システム担当としては「置くものがデッキに入れられなくなった」のが大きすぎる変化でして。

まず、これまで「獲得して捨て札に → シャッフルされてデッキに → ドローできたら使用」というデッキ構築におけるカードのライフサイクルは守っていたのが、置くものがコマになると、コマを山札に混ぜ込めません。
つまり、カードとコマが混ざらず、コマをいつ使えるのかが丸見えです。
「皇継の書状」における「名手への書状」や「使者」の最大の弱点は「皇女」や「道化師」と重ね引きした時に弱いことだったのですが、今作ではいつ引くのかが分かっているので、その事故を防止できます。
よって、コマの強さがさらに上がります。

また、デッキとコマとが別管理になるので、事実上2つの薄いデッキを回すような感覚になり、カードもコマも回転率が上がります。
特に、本作は初期デッキが5枚かつ手札が3枚なので、初手で召喚石を取ると次ターンに確実に召喚石を手札に引けます。
なので、序盤から召喚石を使いやすく、序盤の資金力がインフレしやすいです。

これらの変化の中でも直感的な操作やバランスを保つべく、かなり苦労しました。
本作のテストプレイの序盤は、ほぼコマの扱いの検討に費やされたといっても過言ではないです。なんなら、終盤はコマが「置かれる」カードの方を調整していたので、ずっとそこに悩まされていたとも言えます。
ですが、おかげで「コマを使うワカプレ風デッキ構築」としての独特なプレイ感が「皇継の書状」時代より強化され、独自の面白さを味わいやすくなったと思います。

置くものをコマにしようと提案したのもPolygonotesさん。両方苦しんだからオアイコ、ってコト!? 

 

・精鋭のバランス調整
「皇継の書状」では「名手」、本作「魔族の盟約」では「精鋭」と呼ばれる「コマを置かれるカード」に、大幅な調整を加えました。
その調整は、「既存効果のナーフ」と「新規効果の追加」の2つに大別できます。

まず、上述の通り召喚石や魔冠の回転率が良くなり、またそれらをまとめて引きやすくなったため、既存の効果では強すぎるパターンが多く見られました。
極端な例だと、本作最強のカードである「不死鳥」 (「皇継の書状」における「賢者」) を入手するための8金は、3金を出す「宝石商人」2枚と「看板娘」など名手だけで生めてしまいます。これ自体は前作でもできた動きですが、コマをまとめて引きやすくなったせいで、その再現性がゲームを壊すレベルになっていました。
これでは、資金力の高い場のときにコマを集めた奴が勝つゲームになりかねません。

なので、本作では「宝石商人 (3金)」も「武器商人 (4金)」も「行商人 (2金1ドロー)」もクビになりました。テーマ的に別のキャラに置き換わったとかではなく、効果自体が消滅しています。てか行商人なんかリメイク前でも許されない寄りだろ。

生き残った奴らも、効果はナーフされているものがほとんどです。
例えば、「2金を生み、山札から2枚めくって金貨を生むカードなら手札に加える」効果だった「酒屋」は、「1金を生み1枚めくる」効果の「ゴブリンキング」に生まれ変わりました。
これは、コマがデッキから消えたことで当たり率が上昇したという酒屋独自の事情もありますが、全体的なデフレに応じての変更でもあります。

本作デフレの象徴

 

では本作における精鋭は弱くなったのか。
はい、もちろんそんなことはございません。
そのままの効果で生き残っているやつもいますし、ナーフされた奴らもぶっ壊れから強カードになったぐらいで、コマの回転率を考えれば逆に強化されたカードもあるでしょう。
強いて言えばゲームスピードが上がったぶん魔冠 (旧作の使者) を使える回数が減って得点を稼ぎにくくなりましたが、消えない召喚石というだけでまだ強いと思います。弱かったらバランス調整をミスった符亀に石を投げよう!

 

・新たな精鋭の登場
既存の精鋭たちも一部が弱体化されたりされなかったりしつつ続投していますが、完全新規の精鋭も追加しています。
この追加した精鋭は、「新たなデザイン領域への拡張」と「コンボ性の強化」を目的にデザインしました。

まず「新たなデザイン領域への拡張」ですが、これまで「酒屋」(ゴブリンキング) と強化対象の制限にしか使えていなかった「効果アイコン」を参照するカードを一気に増やしました。
これにより、「〇〇系のカードを集めたデッキを作るべきか」「バランスよく集めるべきか」「グッドスタッフなデッキにするか」というデッキ構築の方針が、より悩ましく、しかし分かりやすいゲームになったと思います。

次に「コンボ性の強化」ですが、特定のカードを集めたデッキの時に輝くカードや、特定のカードを一気に集めやすいカードなどを追加しました。
これにより、「結局は金貨を集めて殴るのが強い」というデッキ構築の弱点を弱め、デッキの強さや得点の伸び方に幅が出ることで、誰が勝っているのかも分かりにくいゲームになるかと思います。
何より、「いま使いたいがすぐ使える」というこのゲームの特長を、さらに活かせる調整ができました。

これらのカードは初回推奨ではない方、裏面に集めましたので、ぜひオモテとウラとを組み合わせながら何回も遊んでみてください。
 

・頒布情報
「魔族の盟約」は、ゲームマーケット2026秋の1日目 (土曜日) に、H089のPolygonotesさんのブースで頒布予定です。
私のブース (土-M074) に来ても買えません。来ないで!!
私の新作「ケツァリアン」も一緒に手に入れてくれる方は、ぜひM074までお越しください。セット割もプロモカードもないですが、私が喜びます。

符亀デザインのゲームの頒布マップ スタンプラリーも何もないけど全部回ろう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。